次に、
指定管理者選定に当たる選定委員は、市の条例により、文化、スポーツ、教育、福祉事業など、どんな事業であっても、市の幹部職員と副市長の
庁内メンバーだけと聞きました。外部有識者や専門家、利用者や市民代表などが入っていないようですが、本市が
市役所内部だけで
指定管理者を選定する理由を教えてください。
次に、
情報公開制度と市民の知る権利についてお尋ねします。
本市には
ホームページもあり、
情報公開制度もありますが、もっと積極的に市のほうから情報公開をしてもらえないかと考えます。市の施策についての説明はどのような基準で行われているのでしょうか。例を挙げますと、平田台の市所有地である
春日運動広場と、西鉄が平成29年に住宅建設のため購入し、所有していた
日之出水道跡地との土地の交換について、住民への説明が遅れたことについてです。
令和元年12月議会における
一般会計補正予算では、
平田台運動公園に市民が長年の利用のため設置していた防球ネットの撤去費用など、土地の等価交換に関する条件整備のための予算が計上されていました。それによると、西野球場が既に存在している隣地に──隣ですね──後で西鉄が買い、開発した
一戸建て住宅を購入した市民から、西野球場からのボールの飛び出しや、夜間照明や騒音などクレームが予想されるのを市が懸念してというのが一つの理由でした。
2月下旬になって
平田台公民館で行われた
住民説明会に参加しましたが、長年、野球、
グラウンドゴルフ、サッカーなどスポーツや、夏祭り、運動会など、自治会行事に大事なコミュニティの場として、親しみ活用してこられた
平田台地域住民の皆さんは、西鉄との土地交換の契約を前に、初めて市から直接説明を受けている方も多く、驚き、落胆され、予定時間を大幅に過ぎても質問が終わらない状況でした。
30年ほど前に学校用地として春日市が平田台の土地を取得した際は、多くの春日市民も協力し、実現したと聞きます。結果として学校建設には至りませんでしたが、そうであるなら、西鉄との交渉後の説明ではなく、住民への説明をもっと早期にできなかったのかと思いますが、いかがでしょうか。
また、このように総合計画の中の実施計画にないようなことが補正予算などで示されることがありますが、市民生活に密接に関係することに関しては、どういう基準で行われるのでしょうか。実施計画とはどの段階なのでしょうか。その基準はありますか。
以上、市政の透明性と市民への説明責任についての1回目の質問とします。
次に、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営についてお尋ねします。
新型コロナウイルス感染症は、経済ばかりでなく、今やあらゆるところで人々の生活を一変させていますが、特に子どもたちの成長への影響には大きなものがあります。まず、本年3月初めから5月20日までの2か月半余りの突然の臨時休校がありました。それぞれの自治体が手探りで子どもたちへ対応したようですが、春日市の小中学校では、休業開始の1日の猶予、休業中の家庭訪問や電話による児童の安否確認など工夫をしながら、児童・生徒と学校とのつながりを大事にされてきたと聞きます。
まず、臨時休業中の児童・生徒の生活面、学習面など、具体的にどのような手だてを取られたのか、また、その中での成果と課題となったことについて教えてください。
次に、
臨時休業明けと
夏休み明けの児童・生徒の様子と課題について、児童・生徒の
メンタル面、体調管理、不登校問題などの対応で、気になることと工夫していることなどを教えてください。
また、学校現場での
コロナ感染防止対策、3密の回避、
熱中症対策、児童・生徒の
ロコモ対策──これは
運動機能低下への対策ですけど──について、体育の授業、水泳行事はどの程度できるのですか。
最後に、学校における
エアコン設置状況についてです。普通学級にはエアコンは設置されておりますが、体育館や
多目的ホールなど、まだ設置されていません。
新型コロナウイルス感染症対策にも、熱中症防止にも必要ではないかと思います。設置するには、予算的にはどの程度かかるのでしょうか。
以上、1回目の質問とします。
4: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。
5: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 吉居議員から、市政運営の透明性と市民への説明責任についての御質問でございます。
まず、
指定管理者の公募に応じた団体名の情報が公開できない理由についてのお尋ねにお答えいたします。
本市における情報公開につきましては、春日市
情報公開条例に基づき行っています。情報の開示請求があった場合は開示することを原則とし、例外として、八つの事項に該当する情報についてのみ不開示とすることが、この条例で定められております。
議員お尋ねの
指定管理者の公募に応じた団体のうち、選ばれた1社以外の団体名については、落選した事実が公になることにより、その団体の正当な利益を害するおそれがあるため、春日市
情報公開条例第4条第1項第2号に規定する不開示情報に当たると判断し、不開示とさせていただきました。
次に、
市役所内部だけで
指定管理者を選定する理由についてのお尋ねにお答えいたします。
本市では要綱で定めるところにより、春日市公の
施設指定管理者選考等委員会において
指定管理者の選考を行っており、議員御案内のとおり、副市長、部長級の職員及び市長が指名する職員で構成されています。
指定管理者は短くても1期3年、長ければ10年以上にわたって対象施設を管理することとなるため、その選考には重い責任を伴います。加えて総合的な判断も必要となるため、選考に携わる者は、対象施設の事業のみならず市政全般について一定の知識を有していることが望まれます。
また、選考に携わる者の選任に当たっては、公平性や中立性を確保することも必要となります。応募者との距離が近く、公平性や中立性に疑問を持たれるような者は除外しなければなりません。例えば
施設利用者などは、現在の
指定管理者とのつながりという点で配慮が必要と思われます。
指定管理者の選考はこれらの点を勘案しながら行うものであり、一概に市職員だけで選考するのは悪く、外部の者を加えることがよいと言えるものではないと認識しております。大切なことは、それぞれの自治体の事情に合った適切な選考の在り方を見定めることではないかと考えます。
以上のことを踏まえ、本市においては、部長級の職員を中心とした市職員による選考が望ましいと判断し、現行の手法により
指定管理者の選考を行っているものでございます。
次に、土地の交換について、市民への説明をもっと早期にすべきではなかったかと思うがいかがかとのお尋ねにお答えいたします。
本件につきましては、昨年12月議会において、他の議員からの一般質問で答弁いたしましたが、平成30年度に西野球場の借地解消に着手した段階で、隣接する
日之出水道跡地に
戸建て住宅開発が計画されていることを担当所管が認識したことが発端です。議員御指摘のとおり、西野球場の横に住宅が建ち並びますと、ボールの飛び出しや夜間照明、騒音など、様々な課題が発生することにより、西野球場の機能が低下することを懸念し、それでも借地解消に進んでいくことが適切かとの観点から検討を行ったものです。
同じく昨年の12月議会で、他の議員からの一般質問で答弁いたしましたが、地域の皆様に対しては、令和元年9月議会前に、各
常任委員会に対する説明と併せて、関連する平田台、春日、白水ヶ丘の各地区の自治会長に市の方針を説明し、
平田台地区においては
自治会役員会においても説明させていただきました。9月議会終了後の10月には、それぞれの地区の出前トーク「市長と語る」におきまして、
春日運動広場や西野球場の今後の方向性について説明し、意見交換を行いました。議員御案内のとおり、本年2月に改めて
平田台地区、
白水ヶ丘地区に説明会を2回ずつ行い、様々な御意見をいただいたところです。
本事業につきましては、平成30年度から
西日本鉄道株式会社との交渉を進めておりましたが、土地の交換が成立する見通しが立たない段階では、地域の皆様への説明は、相手がある以上難しいため、令和元年7月に同社の方針が決定し、見通しが立った後、速やかに市民全体の代表である市議会に説明するとともに、段階を追って地域の皆様に説明させていただいたところです。
次に、実施計画に計上されるものとそうでないものの基準はあるかとのお尋ねにお答えいたします。
議員御承知のとおり、実施計画は、次年度以降3か年の間に実施される事業を決定する計画で、当初予算編成と連動しています。実施計画に計上される事業の基準は、毎年度4月初旬に
実施計画策定方針を定め、その中で実施計画の査定を受けるべき事業として示しています。そして原則として、この基準に該当する全ての事業について、次年度当初予算の編成作業前までに査定を行っており、そのうち実施の方針決定がなされたものが実施計画に計上されています。
一方、実施計画に計上されない事業としては、実施計画の策定方針の基準に当てはまらない事業、緊急性が高く実施計画の
査定スケジュールに合わない事業、交渉事など相手がある事業で、一定の段階まで進行しないと具体化できないものなどが該当することとなります。先ほど申し上げました
西日本鉄道株式会社との土地の交換に関する事業は、まさにこれに当たります。
なお、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営についてのお尋ねにつきましては、教育長が回答いたします。
6: ◯議長(松尾徳晴君) 扇教育長。
7: ◯教育長(扇 弘行君)〔登壇〕 次に、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営についての御質問でございます。
まず、臨時休業中の児童・生徒の生活面、学習面などに対する具体的な手だて及び、その成果と課題についてのお尋ねにお答えいたします。
休業期間中に行った生活面の支援としましては、担任から児童・生徒に対して定期的に電話連絡を行いました。これは毎日の健康観察に代わるもので、このことにより、児童・生徒の健康状態や規則正しい生活を送れているかなどの確認を行うことができました。また、ほとんどの小中学校でオンラインによる朝の会を行いました。これは画面を通して児童・生徒と対面することで健康状態を確認することができ、また、担任と児童・生徒、あるいは児童・生徒同士のコミュニケーションの場となるものでありまして、安心感につながったと聞いています。
学習面の支援としましては、全小中学校で定期的に
課題プリントの配付、回収を行いました。さらに全ての中学校で、双方向のオンラインによる学習支援や、授業動画の配信による学習支援を行いました。このことにより、休業期間中も途切れることなく児童・生徒に家庭学習を促すことができたと考えています。課題としましては、今後の感染拡大に備え、オンラインや授業動画による学習支援を小学校にも広げていくことが挙げられます。
次に、
臨時休業明けと
夏休み明けの児童・生徒の様子と課題、
メンタル面、体調管理、不登校問題などの対応についてのお尋ねにお答えいたします。
臨時休業明けの児童・生徒の様子は、久しぶりに友達と過ごせる喜びに満ちたものであったと報告を受けていますが、休業期間中のストレスが大きかったものと捉えて、次のような対応を取りました。例年、
長期休業明けは児童・生徒の変調や不調が多くなるため、注意深く観察を行っています。特に本年度は、過去経験のない
新型コロナウイルス感染症の拡大と、それに伴う長期の臨時休業があり、その休業明け、また
夏休み明けには、よりきめ細やかに児童・生徒の実態把握に努めました。
具体的には、小中学校で毎年作成している生徒指導全体計画に基づき、毎月実施しています
学校生活アンケートを行った後、
教育相談週間を設定するなどして、担任が一人一人から話を聞いています。さらに、
新型コロナウイルス感染などの不安がある場合、担任や養護教諭などの教員が個別に相談を受ける体制を取っています。また、児童・生徒の体調管理の対応としましては、家庭で記入する
健康チェックカードを活用し、各学校において、朝の健康観察時などに体温や健康状態の確認をしています。なお、体調不良や
新型コロナウイルスの感染不安などにより登校できない場合は、欠席ではなく出席停止として取り扱うこととしています。
不登校については、本年度は臨時休業により、実質的な学校の始まりが約2か月遅れていること、また、体調不良や感染不安などによる出席停止があることから、現段階では詳細な状況は明らかではございません。なお、登校ができていない児童・生徒の対応については、教育相談や不
登校専任教員が、
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーと連携してきめ細やかに行っています。
次に、学校現場で
新型コロナウイルス感染防止対策、
熱中症対策などが実施されている中、児童・生徒の
ロコモ対策として、体育の授業や水泳行事はどの程度できるのかとのお尋ねにお答えいたします。
学校では、
新型コロナウイルス感染防止対策として、児童・生徒の下校後に国及び県のマニュアルに基づく消毒の徹底、また、
熱中症対策とバランスを取ったマスクの着用などに取り組んでいます。この中で、学校の臨時休業や外出の自粛などにより運動の機会が減ったことに伴う児童・生徒の身体・運動能力の低下への対応につきましては、感染リスクを低減して楽しめる、接触しない鬼ごっこなど、ルールを工夫した体育の授業の実施や、段階的な部活動の再開、こういうものを通して体力の回復及び向上を図っているところです。
本年度の水泳の授業については、
感染症拡大のリスクを払拭できないため、やむなく中止いたしました。運動会、体育会などの学校行事については、中止または規模の縮小、時間の短縮をするようにしています。
次に、体育館や
多目的ホールにエアコンを設置する必要があると思うが、設置するには予算的にはどの程度かかるのかとのお尋ねにお答えいたします。
学校に空調設備を設置する場合、設置する建物の面積や形状、構造、設備の状況により、設置費に大きな差が生じます。そのため、事前に設計業務を行い、必要となる空調機の能力、附属設備の改修の必要性などについて精査しなければ、空調設備の設置に必要な工事費を正確にお答えすることはできませんが、他の自治体の実績などを参考にしますと、設計監理費も含めた
空調設備設置工事費として、1校当たり、体育館はおおむね6,000万円程度、
多目的ホールはおおむね3,000万円程度と見込まれます。
以上でございます。
8: ◯議長(松尾徳晴君) 1番、
吉居恭子議員。
9: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、吉居恭子です。
市政運営の透明性と説明責任について、再質問を行います。
指定管理者の公募に応じた団体名の情報が公開できない理由は、落選した事実が公になることにより、その団体の正当な利益を害するおそれがあるためとのことですが、自治体によっては、団体名、それぞれの団体の総合評価点、提案価格など、選定理由が市の
ホームページ上で公開されているところもあります。点数は出さないまでも、せめて応募した団体名は公表していただきたいと思います。市長もおっしゃっておりましたとおり、自治体の特性と様々な事情に応じて、
選定委員会は最適・最善の選択をするわけで、そのことが応募団体の正当な利益を害すると案ずる必要はないと考えるからです。
次に、
市役所内部だけで
指定管理者を選定する理由についてです。もちろん要綱に定めてあることは存じております。重い責任と総合的な判断、市政全般について一定の知識を有していることも望まれ、公平性や中立性を確保することも必要。もっともだと思います。しかし、
施設利用者が現在の
指定管理者とのつながりがあるのは当然のことで、そのことを理由にせず、日々利用する市民も選定委員に加えてほしいと思います。もちろん、市の職員、外部有識者、専門家、
利用者代表、市民代表といった、それぞれ違った立場の人であったとしても、応募団体と利害関係にある場合は選定委員になれないのは当然のことです。
それでは、管理する側である
市役所内部の委員だけでは分からない、実際の利用者が希望し、重要視している利便性や条件など、
選定委員会ではどのように把握し、どのように選定に反映させておられるのでしょうか。利用者へのヒアリングなどを行っておられるのでしょうか、お尋ねします。
次に、実施計画については、緊急性が高く、実施計画の
査定スケジュールに合わない事業、交渉事など相手がある事業で一定の段階まで進行しないと具体化できないものなどが、実施計画には計上されない事業であるとのことはよく分かりました。
次に、質問通告には「
情報公開制度」と書きましたが、「情報公開」と訂正させていただきます。情報公開についてお尋ねします。春日市
公共施設等民間提案制度についてですが、本年6月3日より
ホームページ上で公募が行われていたと聞きますが、
総務文教委員会には7月22日の委員会で初めて報告があっていました。その時点で既に数件の応募があっていたそうです。こういった案件の報告の時期、または「市報かすが」などでの広報はどうなっているのでしょうか。
以上、2回目の質問とします。
10: ◯議長(松尾徳晴君)
石橋経営企画部長。
11:
◯経営企画部長(石橋 徹君)〔登壇〕 吉居議員から、市政運営の透明性と市民への説明責任についての再質問でございます。
まず、
指定管理者選考等委員会において、利用者が希望し、重要視している利便性などの条件をどのように把握し、どのように反映させているのかとのお尋ねにお答えいたします。
各施設の利用者の様々な御要望等については、それぞれの施設を所管する担当課が、日常業務を通して利用者から直接お聞きしたり、アンケートを実施したりして、的確な把握に努めております。その上で
指定管理者の選考においても、その担当課が把握した情報を春日市公の
施設指定管理者等選考委員会の中で共有し、選考に反映させております。
次に、春日市
公共施設等民間提案制度のような案件の報告の時期や市報への掲載はどうなっているのかとのお尋ねにお答えいたします。
現代の多様化する課題に対応していくためには、従来どおりのやり方では限界があります。そこで、民間の創意工夫を活用し、
市民サービスの向上と財政負担の軽減を図ることを目的に、今年度から春日市
公共施設等民間提案制度を導入いたしました。この
民間提案制度は、市民ではなく
民間事業者へ提案を呼びかけるものであることから、本年6月1日の制度導入後、直ちに「市報かすが」ではなく、市の
ウェブサイトにて周知を行ったものになります。また、公民連携で有名な日本PFI・PPP協会にも協力を依頼し、同協会の
ウェブサイトでも
民間提案制度について掲載いただき、周知を図っているところです。
以上です。
12: ◯議長(松尾徳晴君) 1番、
吉居恭子議員。
13: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、吉居恭子です。
市政運営の透明性と市民への説明責任について、再々質問を行います。
まず、
指定管理者制度の運用についてですが、利用者が希望し、重要視している利便性などの条件の反映については、担当課が日常業務を通して、利用者の声やアンケートなどで把握している情報を
選考委員会の中で共有し、選考に反映させているとの御回答でしたが、利用者の声を聞いた担当職員からの情報というと伝聞となり、利用者と市の担当職員という立場の違いでは、正確な情報は伝わりにくいのではないでしょうか。利用当事者や市民をぜひ選考委員に加えていただきますよう、御検討をお願いします。
現在の春日市の
指定管理者制度の運用の仕方では、応募者も不明、選考委員は副市長と幹部職員だけ、
選考委員会も非公開では、市民への説明責任を十分に果たしたことにならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、
指定管理者の労働問題についてです。
令和元年5月に
総務省自治行政局行政経営支援室から出ている、
指定管理者制度導入の状況に関する調査結果によると、
指定管理者制度を導入している市区町村の状況は、文教施設では導入している自治体が全体の22.1%、そのうち株式会社が
指定管理者になっているのは9.4%で、自治体全体でいうと僅か2.07%だけです。
社会福祉施設では、
指定管理者制度を導入している自治体が全体の17.5%、そのうち株式会社は6%で、株式会社が
指定管理者になっている自治体は、全体の僅か1.05%となっています。そして、そのどちらも半数以上が公共的団体や地縁による団体となっており、教育や福祉という公共福祉に関わる領域であることが理由ではないかと考えられます。
労働条件についてですが、労働法制の遵守や雇用・労働条件への配慮規定の協定等への記載状況では、市区町村では62.8%が、選定時か協定時またはどちらにも記載しているという結果でした。具体的な内容では、人員配置、勤務体制、労働時間に関すること、労働条件、労働環境などモニタリングに関すること、継続雇用に関することなどがありました。
春日市の
指定管理者制度においては
指定管理者の権限が大きく、雇用に関しては
指定管理者が決めることだからと、市としては何も言えないとの立場のようですが、全国での制度運用ではそうではないのではないでしょうか。同じ仕事なのに勤務時間が随分違う、3分の2から2分の1の年収になる人がいるなど、これまで働いていた職員が継続して働けないような労働条件では、支援の持続性が大事な福祉事業、公共事業として、適切なものだとは言えないのではないかと思います。
平成22年12月28日に総務省自治行政局長より出された通知「
指定管理者制度の運用について」にも、「
指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、
指定管理者の選定に当たっても、
指定管理者において労働法制の遵守や、雇用・労働条件の適切な配慮がなされるよう留意すること」とあることを申し添えておきます。
また、「
指定管理者制度は、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を議会の議決を経て指定するものであり、単なる価格競争による入札とは異なり、
指定管理者制度を活用した場合でも、住民の安全確保に十分に配慮するとともに、
指定管理者との協定時には、施設の種別に応じた必要な体制に関する事項、リスク分担に関する事項、損害賠償責任保険等の加入に関する事項等の具体的事項をあらかじめ盛り込むことが望ましいこと」とあります。つまり、市が公共施設に
指定管理者制度を導入したときであっても、
市民サービスの水準が保持されているかどうかを適切に点検していくことが必要だということです。よりよい制度運用のため、指定の手続に関するガイドラインの改善をお願いしたいと思います。
最後に、市民の声に耳を傾ける姿勢についてです。新型コロナの影響で本年は開催されませんが、毎年、全ての公民館において市長の出前トークが開かれていました。いろんな意見や要望が出る中で、各部長や市長が丁寧に、誠実に答えられていると感じていました。しかし、市民一人一人は様々な年齢や家庭環境にあり、出前トークで発言できる人ばかりではありません。これからはぜひ、これまで発言することのなかった子どもたちや障がい者の方々の声も身近に聞いてくださるよう、お願いいたします。
以上、市政の透明性と市民への説明責任についての質問を終わります。
14: ◯議長(松尾徳晴君)
石橋経営企画部長。
15:
◯経営企画部長(石橋 徹君)〔登壇〕 吉居議員から、市政運営の透明性と市民への説明責任についての再々質問でございます。
現在の春日市の
指定管理者制度の運用では、
指定管理者の選考において、市民への説明責任を果たすことにはならないと思うがどうかとのお尋ねにお答えいたします。
地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担っております。そして、地方公務員は全体の奉仕者として、住民から負託を受けて公務を遂行しなければなりません。このため、職員だけで処理を行っている事務は多岐にわたります。その中にあって、
指定管理者の選考に限って職員だけで処理することを問題視する、特段の理由は見当たらないものと考えます。
また、先ほど市長が答弁しましたとおり、職員だけで選考を行うこと及び応募者名を公開できないことにつきましては、いずれも正当な理由がございます。これらのことから、本市の
指定管理者制度の運用においては、市民への説明責任を果たしているものと認識しております。
なお、議員の御質問の中で、全国の事例として、教育や福祉の分野の
指定管理者に株式会社が少ないことを挙げて、株式会社が
指定管理者となることを問題視しておられるような御発言がありましたが、その分野に株式会社が少ないのは、
指定管理者制度へ移行する前からその施設を管理していた財団法人などが、公募によることなく引き続き
指定管理者となっているケースがあること、つまり競争原理が十分に働いていないことも影響があるものと推測されます。
指定管理者制度は、民間の活力を活用し、
市民サービスの向上と経費の節減等を図ることを目的としたものです。この趣旨を踏まえ、最善の事業者を選ぶために、競争環境を確保し、公平で公正な選考を行っている地方公共団体においては、株式会社が
指定管理者となることについて何ら問題はないものと考えます。
また、
指定管理者制度の指定の手続に関するガイドラインの改善を求める御発言についても、それがどの部分を指しているのか具体的には言及されておりませんでしたが、議員御案内の調査結果に基づく、雇用・労働条件への配慮規定に関する部分及び総務省通知に基づく協定等へ盛り込むべき事項に関する部分につきましては、本市においては既に募集要項または基本協定に盛り込まれており、再考するものではなく実現されていることを申し上げさせていただきます。
以上です。
16: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。
17: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 ただいま吉居議員の御質問の最後に出前トークの話がございました。今年は残念ながら、こういう状況で開催できないのは非常に残念なんですけれども、ぜひ終息の兆しが見えてきましたら、また活動を続けさせていただきたいというふうに思っております。
そこで、今最後におっしゃいました、出前トークではなかなか伝えることができない立場の方々がおられるということで、その中で障がい者の場合は、障がい者トークもやっております。そういったことはできるだけ配慮しておりますので、もし吉居議員のほうから「こういうことをやったらどうか」という御提言があれば、まあ、今日この場ではもう御発言はできないかと思いますけれども、ぜひ拝聴させていただきたいというふうに思っております。
ただ、やっぱり特定に限定されたようなこと、そういったことになりますと、なかなか私どもも答えづらいところもございますのでですね、やはり広く、やはり子どもなら子ども全般とか、障がい者全般とか、いろんな立場の方々のお話は聞かせていただきたいというふうに思っています。そのことについては、ぜひ積極的に私どもも対応して、市民の皆様方の声を拝聴させていただきたいというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
18: ◯議長(松尾徳晴君) 1番、
吉居恭子議員。
19: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、吉居恭子です。
次に、コロナ禍で児童生徒に寄り添う学校運営について再質問を行います。
これまで経験したことのない緊急事態宣言下での教育活動という大変な中で、児童・生徒一人一人の生活の様子に思いを巡らせ、心を砕かれた担任教師をはじめ、教職員の皆様に厚くお礼を申し上げます。
さて、様々な家庭環境の中で日々を過ごす児童・生徒でありますが、回答にあったオンラインによる朝の会は、小中学生全体でどれくらいの割合で参加できているのでしょうか。家庭にネット環境がなく、参加できにくい児童・生徒についての対応に工夫がありましたら教えてください。
また、中学校においてのオンラインや授業動画の配信による学習支援ですが、予測もしていなかったこの緊急時に、それぞれの学校で急遽対応されたとも聞きます。心強く思ったところです。私は正直、オンライン授業などというものを小中学校で行う必要性をさほど感じてはおらず、対面授業が小中学校教育の標準だと考えていました。対面授業や児童・生徒のグループ学習などができないことがあるとは想像もしていなかったのです。生徒やクラスメイトたちと教室というコミュニティで学び合うことは大きな意味があり、大事なことですが、それができないとき、たとえ小さな画面越しの対話だとしても、その効果は大きなものだと思いました。オンライン学習が今の時代の教育活動において当たり前のツールなのだということを、今さらながら感じた次第です。
臨時休業明けと
夏休み明けの児童・生徒の様子についてですが、今回の休みは、これまでの自由な休みと違い、自粛が強要される休みであり、児童・生徒にとっては本当につらい日々だったと思います。まだ心の傷が癒えていない子どもたちも多いでしょう。担任の先生やカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの方など、多忙な中で一人一人話を聞いてくださっているということで、本当にありがたく思います。
次に、不登校児童・生徒についてです。学校に行けない、または行っていない理由は様々あるとのことですが、
新型コロナウイルス感染症に関連するものは、この感染症の終息などによってある程度改善されるものと思います。しかし、それ以前からのもの、また、今回の感染症対策による学校休校や自粛生活に端を発して行きにくくなった児童・生徒など、そうした子どもたちの学習の機会、成長の機会を保障することは、国や自治体の責任です。不登校状態にある児童・生徒に対して、学習の機会と、担任の先生や学校とのつながりを持てるような取組を、今回の臨時休業での経験を基に、これまでの支援に加え、新たに構築できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
次に、児童・生徒の身体・運動能力低下の対応についてですが、ある報道では、学校の臨時休校や自粛生活で子どもの身体能力が低下し、転びやすい、骨折しやすいなどの問題が出ているというのです。確かに健康な人であっても、数日でも入院したら普通には歩けなくなります。まして子どもの場合は、動くのが仕事です。ちょこまか動いているのが本来の姿ですので、運動制限されるというのは本当に困ったことで、それに代わる対策が必要なことは明らかです。
体育の授業で遊びを工夫したりされているようですが、これから涼しくなると運動の機会も増えてくるでしょうから、これまで身についていた体力や身体能力を無理なく続けられるような工夫、家庭でもできる運動の紹介などをお願いしたいと思います。
体育館のエアコンについてですが、年々、夏の気温の上昇は厳しさを増し、全国では学校でも熱中症が多発しています。さらに昨今は、避難場所としての重要な役割も与えられています。本市は幸いにも大規模な災害に見舞われた経験がない自治体のようですが、このたびの台風10号では、各地区公民館やスポーツセンターなどへ、これまでにない多くの避難者がありました。「台風9号のときは怖くて眠れなかった。今度は公民館に避難したので安心して眠れてよかった」と話された高齢者の世帯の女性がおられました。学校の体育館がより大きな災害があった場合の避難場所となるのは明らかですので、そのときに十分機能が果たせるためにも、準備をしておいていただけたらと思います。国・県の補助金などを活用しながら整備していただくよう、これは市長さんによろしくお願いします。
以上、再質問といたします。市長さんのお答えは結構です。
20: ◯議長(松尾徳晴君) 神田教育部長。
21: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 吉居議員の再質問でございます。
まず、オンラインによる朝の会への参加状況及び、ネット環境がなく参加できない児童・生徒への対応の工夫についてのお尋ねにお答えいたします。
国から緊急事態宣言が発令され、臨時休校がさらに長期化することとなり、多くの学校がオンラインによる朝の会議や学習支援、また授業動画の配信などに試行錯誤しながら取り組みました。
この朝の会などへの児童・生徒の参加状況につきましては、取組の当初は、家庭にICT環境がなく参加できない児童・生徒がいました。これらの参加ができなかった児童・生徒には、教員がオンライン学習支援等を録画したDVDを届けるなどの代替策が講じられています。その後、8月上旬にはタブレット端末1,300台導入と、通信契約を付したモバイルルーター108台の配置が完了しました。このことでICT環境のない家庭への貸出し体制が整い、全ての児童・生徒が参加可能な環境となっています。中学校における夏季休業中のオンライン学習支援に際しては、これらの機器の貸出しを行っております。
次に、不登校状態にある児童・生徒に対し、今回の臨時休業中の経験を基に、学習の機会と、担任や学校とのつながりを持てるような取組を新たに構築できるのではないかとのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルスへの感染を心配し、登校を控える事例が数例ありますが、ある小学校ではその児童に対して、放課後等にオンラインによる学習支援を試行いたしました。このように、さきに述べました休業期間中のオンライン学習支援などで蓄積したノウハウを生かした、この取組が順次拡大し、つながりを持てる取組が新たに構築されていくものと考えております。
22: ◯議長(松尾徳晴君) 1番、
吉居恭子議員。
23: ◯1番(吉居恭子君)〔起立〕 1番、吉居恭子です。再々質問を行います。
学校再開後も第2波と呼ばれる感染拡大があり、様々なウイルスに関する基礎研究や臨床研究により分かったことも多々ありますが、いまだ有効で安全な治療薬やワクチンが確立されないまま現在に至っています。これから冬の季節を迎えての感染の広がりや、インフルエンザとの併発など、全く予測できない状況で、少なくともしばらくは、ともすればこの先ずっと、この感染症が広がる前の生活には戻れないのかもしれません。こうした中で、ある程度の期間を見据えての学校運営についてお尋ねします。
まず授業について、正規授業、特別授業、公開授業など。
次に、入学式、卒業式、遠足、体育会など校内行事。
次に、体育の授業、部活動、児童・生徒の体力維持と向上、メンタルケアなどについて。
次に、様々な理由で登校できない児童・生徒に対する学習支援、これは先ほどお聞きしましたのですけども、ちょっとすみません。
次に、先生の働き方改革についてお尋ねします。教育が一変してしまった今、これまで積み上げてこられた教育実践を変化せざるを得ない状況がある中で、担任教師をはじめ教職員の担う仕事は複雑化し、御苦労は大変なものと察します。イギリスでは、補助教員による授業の準備、配慮が必要な児童・生徒の対応、ICT機器の準備、児童・生徒の安全管理、保護者対応支援員、家庭・学校連絡員、理科技術者などの協力を得ているそうです。本市においても教員の働き方改革として、部活動指導員や担任サポート、スクールソーシャルワーカーの任用など行ってこられましたが、オンライン学習など必須な状況となった今、教職員の業務の多忙化をこれ以上進ませないために、何かお考えがあれば教えてください。
最後に、教育長にお尋ねします。小人数学級についてです。新型
コロナ感染防止対策上の3密回避をと言いながら、公立小中学校の普通教室の平均面積は64平方メートルであり、現在の40人学級では、感染症防止のため児童・生徒間の十分な距離を確保することが困難であることから、その対応が学校現場において大きな課題となっています。
少人数学級の効果については、これまで学力向上、授業につまずく児童・生徒の減少、発展的な学習に取り組める児童・生徒の増加、不登校やいじめなどの減少、児童・生徒の基本的な生活習慣の定着など、様々な効果があることが語られてきました。そこには、少人数学級にするとクラスに落ち着きが現れ、教師も生徒も学習に集中しやすくなるという環境改善の効果が大きかったという教師側の報告もあります。
全国知事会、市長会、全国町村会の地方3団体は、7月3日、萩生田文科相に「コロナ禍にあって少人数学級の実現を求める緊急提言」を手渡しており、未来の社会を担う役割と無限に成長する可能性を持ちながら、声を上げることができない子どもたちへ、国における政治的な配慮がより求められているところです。
もちろん春日市長さんも、全国市長会の一員として要望を出されたところでありますが、本市教育委員会においては、少人数学級に対してどのような考えを持ち、どのような対応をしていきたいとお考えなのかお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
24: ◯議長(松尾徳晴君) 神田教育部長。
25: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 吉居議員の再質問でございます。
まず、ある程度の期間を見据えての学校運営についてのお尋ねにお答えいたします。
授業につきましては、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、長期にわたる臨時休業からの学校再開後、夏季休業期間の短縮や、1こまの授業時間数の5分短縮による7時間授業の実施などの工夫により、必要な時数は確保できる見込みとなっています。しかし今後、児童・生徒や学校関係者の感染によって臨時休業を行い、それが長期に及ぶ場合が考えられます。この場合は、国が示している
新型コロナウイルス感染症対策と学びの保障を両立していく上での基本的な考え方と取組の方向性を参考としながら、柔軟に対応してまいります。
入学式、卒業式、遠足、運動会、修学旅行などの行事については、児童・生徒の発達過程上、欠かせない重要なものであります。それぞれの行事の趣旨とそのときの感染症の状況などを踏まえ、時間の短縮や内容の簡素化など工夫をしながら、でき得る限り実施をしたいと考えております。
体育の授業や部活動、児童・生徒の体力維持と向上につきましては、先ほど教育長が答弁しましたように、児童・生徒の状況と段階を踏まえた対応をしてまいります。
メンタルケアにつきましては、引き続き児童・生徒の健康観察等を注意深く行うとともに、担任や養護教諭による個別相談できめ細やかな対応をしてまいります。
様々な理由で登校できない児童・生徒に対しては、先ほど教育長が答弁しましたプリントの配付やICTを活用した学習支援など、臨時休業中や夏季休業中に各学校が蓄積してきたノウハウを生かし、全校で取り組めるよう支援してまいります。また、引き続き担任からの定期的な連絡に加え、教育相談員や不
登校専任教員が、
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等と連携した取組など、きめ細やかな対応を行ってまいります。
いずれにいたしましても、
新型コロナウイルス感染症の今後の見通しは予断を許さないため、現行の取組を継続しながら、引き続き感染状況に応じた対応を行ってまいります。
次に、教員の働き方改革として、業務の多忙化をこれ以上進ませないために、何か考えがあるかとのお尋ねにお答えいたします。
本市においては、平成19年度から、子どもとの触れ合い時間確保、指導準備・事務時間確保及び学校を離れる時間削減の3項目を達成目標として、ゆとりある学校環境づくりの総合的取組を市内全小中学校に広げていきました。これらの本市独自の先駆的取組が、今日の働き方改革につながっています。
その後、平成30年3月に、福岡県教育委員会において教職員の働き方改革取組指針が策定され、平成31年3月には、働き方改革の取組の進め方を具体的に示した「公立学校における教職員の働き方改革推進ハンドブック」が作成されました。市教育委員会では県が策定した指針を踏まえ、ハンドブックに示された具体的取組を、校長会を通じて順次取り入れているところでございます。また、平成31年3月には、春日市立小中学校働き方改革推進研究会を立ち上げ、学校現場の実態に寄り添った働き方改革の研究を進めております。今後とも教職員の働き方改革を推進してまいります。
26: ◯議長(松尾徳晴君) 扇教育長。
27: ◯教育長(扇 弘行君)〔登壇〕 少人数学級について、どのような考えを持ち、どのような対応をしていきたいと考えているのかとのお尋ねにお答えします。
議員御指摘のように、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、いわゆる3密の回避は、あらゆる場面において国内中で実践されています。そのような中にあって、児童・生徒にとっての学びの場であり生活の場である学校、とりわけ現行の普通教室において、児童・生徒の身体的な距離を保つことは、極めて大変難しい実態があると考えています。しかし今後、教室の改修等が国の大幅な補助に基づいて行われることは、全国の小中学校の校舎改築・増築等の状況を考えますと、全く見込みが立ちませんので、現行の40人学級編制の下でしっかりとした感染症予防対策を講じていかなければならないと考えています。
したがいまして、本市におきましては、文部科学省が示しております「学校における
新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~学校の新しい生活様式~」、これに基づいて、各学校において、給食時間中の対応、授業中を問わない換気の励行、マスクの着用、教室内外の消毒等に鋭意努めるよう指導しているところです。
次に、少人数学級の効果については、学力向上はもとより、学習につまずく児童・生徒の把握と指導が的確にできるとともに、児童・生徒の人間関係づくりにきめ細やかに対応できるため、不登校やいじめ等の減少にも大いに期待できるものと考えています。
本市においては、市独自の施策であります小学6年生における30人以下学級編制に伴う教員の配置を行っており、国の制度は、小学校1年生、また、福岡県の制度で小学2年生が35人以下学級編制となっていることと併せて、春日市では3学年で少人数学級編制となっています。今後、この少人数学級編制を拡大することは、学級編制や教職員の定数を定めた義務標準法である、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、この改正がなされなければ大変難しい問題であります。
なお、これまでも福岡県市町村教育委員会連絡協議会では、福岡県教育委員会に対しまして、義務標準法の改正による小学校全学年35人学級、この早期実現をはじめとした教職員定数の改善と、学級編制基準の緩和、これを国に働きかけるよう、また、県においても独自にその推進に努めるよう強く求めているところであり、今後とも引き続き強く要望してまいりたい、そのように考えております。
28: ◯議長(松尾徳晴君) 8番、迫賢二議員。
なお、迫議員は回数制で質問を行います。
29: ◯8番(迫 賢二君)〔登壇〕 8番、翔春会、迫賢二です。
ネット社会における高齢者の支援について、回数制にて質問させていただきます。
近年、ICTの急速な進化に代表される、スマートフォン、タブレット端末、ソーシャルメディア、クラウドなどの普及は、私たちのライフスタイル、ワークスタイルの幅広い場面において変化をもたらしています。そして、様々な分野におけるICTの利活用の在り方も、この間、大きく変わってきました。ICTの発展によってもたらされた現在のネット社会は、様々な交流の実現、急激な時間短縮、物理的制約がなくなるほどの多くの情報の保管など、我々に多くの恩恵を与えてくれ、今では生活に欠かせません。
昨今、教育現場では、授業の中で当たり前のようにIT技術を教わり、来年度から小中学校では児童・生徒1人1台のタブレット端末が与えられ、平常時に加え、緊急時にも対応できるようになりました。昭和の時代はアナログ時代であり、パソコンでさえもごく一部の方にしか活用されておらず、一般的に普及していませんでした。教育に至っては、義務教育では実施されず、昭和後期に電子計算機専門学校などが開校され、パソコンやワープロなどが世に出始めた時期でもありました。私自身のサラリーマン時代は、後輩に頭を下げてパソコン操作などを教わり、その後、ほとんど独学かつ我流で過ごし、今においては、新しいこと、分からないことは娘たちに聞きながら、何とか対応している世代であります。
現在、日本は高齢者人口が高まる一方で、少子化も重なり、日本の総人口は今後、減少傾向に転じます。これにより、GDPの減少により国際競争力の低下や、国内消費の減少、税収の減少、過疎の急伸、農業人口減少などの問題の発生が予測されています。少子高齢化社会において、効率性を重視したICTサービスを提供するとともに、高齢者にとっては利用重視のICTサービスが享受されるべきだと思います。
高齢者はネット社会においても、積極的な高齢者とそうではない高齢者に大きく分かれると言われます。積極的な高齢者はICTの接触機会が多く、携帯電話やパソコンが使える比率が大変高いとされています。したがって、こうした高齢者はニーズにマッチしたサービスとツールを享受することができます。特に高齢者の日常生活に身近な社会福祉サービスや、地域活動に密着した電子アプリケーションの強化によって、電子行政サービスのアクセスのしやすさが向上できると思います。
その一方、複雑な電子申請手続を面倒に思う高齢者や、ICTを使える環境に恵まれない高齢者には、いつでもどこでも簡単に利活用できるICTの在り方を再考するとともに、快適に使いこなせるユニバーサルデザインの開発や、インターネット教室をはじめとする、ICTの利便性を十分に使いこなせるようになる地域コミュニティを構築することこそが、今後の課題であると私は思います。
現在、春日市には、介護保険と高齢者サービスの内容を分かりやすく説明した「まごころ」のようなすばらしい冊子があります。また、介護予防や生活支援ガイドブックもありますし、それぞれの連絡先を1冊にまとめた「春日市べんり帳」など、たくさんの情報を分かりやすく市民に提供しています。
また、このたび8月31日より、春日市LINE公式アカウントサービスが開始となりました。情報発信、防災、通報、申請など、平時も災害時も市民と自治体のコミュニケーションをサポートする新しいツールとなり、市民の視点に立った
市民サービスが提供できるようになりました。ブランドイメージである「みんなで春をつくろう」と、市民を中心にした協働のまちづくりを推進してきた春日市にとって、力強い手段の一つになることを大きく期待したいと思います。
しかし高齢者の中には、QRコードとは、ID検索とは、アカウントとは、そもそもLINEとはと、戸惑う方も少なくありません。
また、最近ではキャッシュレス社会の課題があります。キャッシュレスは、お店の生産性向上と消費者の利便性の向上を狙いとされています。推進事業として、一定期間に限りキャッシュレス決済を行った消費者にポイントを還元するという事業が、2019年10月から数か月間ありました。高齢者は日本をつくり上げた功労者であるはずが、突如として誕生したキャッシュレス社会の前に、たちまち疎外感を味わわなければならない現状があります。
そのような高齢者の意見として、現金主義であり、ポイント還元特典に魅力を感じない、面倒くさい、決済手段が多過ぎて選べないなどがありますが、キャッシュレス化により様々な利点とともに、金融詐欺などから身を守る手段として効力を発揮することに期待したいのですが、そのような高齢者の方々に対して、残念ながら目的を果たすことができていません。また、スマートフォンよりガラケーを愛用する高齢者も多く、様々な恩恵が寄与されていない現状もあります。
世界中が、政府がキャッシュレス化、スマホ化を進めていく中で、地方自治体が高齢者たちに対してしっかり優しくサポートすることも、本気で考えなければならないときが来たのではないかと思います。パソコンやスマートフォンの難しい専門用語の説明や取扱いなどを分かりやすく説明した簡易的な冊子を作成するとか、あらゆる機会での説明会やインターネット教室の実施など、高齢者に寄り添いながら親切に説明していくような体制を整えるなど、春日市としての手厚いサポートが必要だと考えています。そこで、このような高齢者に対して現在実施していること、今後考えていることについてお聞かせください。
また、今まで述べました急速なネット社会の進展の中で、高齢者の方々に様々なサポートがなされたとしても、全ての人が自らパソコンやスマートフォンを上手に使いこなして、適切にサービスを享受できるようになるということが、現実的にあり得るのかどうか、私自身、一方でそういう思いがあります。当分の間は、ネット社会の進展によるサービスの享受が難しい高齢者の方々は少なからずおられると思いますし、行政としてそういう方々をどのように支援していくのかという視点を決して忘れてはいけないと考えております。これまで地域福祉に力を入れてきた春日市として、そのような高齢者の支援をどのように考えておられるのか、併せてお伺いいたします。
これで1回目の質問を終わります。御回答のほどよろしくお願いいたします。
30: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。
31: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 迫議員から、ネット社会における高齢者の支援についての御質問でございます。
まず、パソコン等を利用する高齢者へのサポートについて、現在実施していること、今後考えていることについてのお尋ねにお答えいたします。
ICTの進展に伴い、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの利用者は、年齢や性別を問わず増加しており、これらを利用することで得られる情報や利便性は、現代の生活に欠かせないものになっています。また、その利便性が高齢者にとってもよりよい暮らしの一助となることは、大変望ましいことだと考えています。
しかしながら、ICTにより利便性が向上する一方で、その必要性を感じていない高齢者や、利用することによる個人情報の流出や詐欺による被害を危惧するなど、様々な理由によって利用に踏み出せない方がいらっしゃることも事実です。パソコンやスマートフォンなどを利用することにより得られる利便性と、個人情報の流出や詐欺などに遭うリスクは常に隣り合わせにあります。スマートフォンなどを利用する方は、身近な家族や知り合い、また購入した店舗への相談、あるいは店舗などで開催されるスマートフォン教室への参加などにより、個々の事情に即した必要なサポートを受けているのが現状です。このような状況の中で、行政として、利用に関する直接的なサポートを行うことは難しいのではないかと考えているところです。
現在、市内においては、NPO法人ファイブネット春日が、インターネットによる生きがいづくりや仲間づくりを通じて、高齢者の健康で心豊かな生活、地域社会の活性化のために活動されています。高齢者のためのパソコンやスマートフォンなどの講座を、春日市商工会や、春日まちづくり支援センター「ぶどうの庭」、また、要望に応じて地区公民館でも開催されておりますので、このような機会を活用していただいて、パソコン、スマートフォンなどの利活用につなげていただければと考えており、市としてもその周知に努めてまいります。
次に、ネット社会の進展によるサービスの享受が難しい高齢者の支援についてのお尋ねにお答えいたします。
今日のネット社会においても、様々なサービスを受けるために必要な情報の入手方法として、市報、チラシなどの紙媒体や、人を介する支援を必要とされている人が多いことも事実であり、行政としては、これらの方々が不便を感じることがないように努めなければならないと考えています。今般の
新型コロナウイルス感染症対策として行われた、国民1人当たり10万円を支給する特別定額給付金につきましては、それぞれの自治体から各世帯に申請書類が送付されました。あわせて、テレビや新聞、市報、
ウェブサイトなどの様々な媒体を通じて広く周知されましたが、それでもなお十分に情報が行き届かない方々がおられたものと考えています。
特に、緊急事態宣言に伴う外出自粛要請などにより、人と人との接触をできるだけ減らすよう呼びかけられた中で、本市においても各自治会でのサロンやカフェの開催や、民生委員の訪問活動、地域支え合い活動、シニアクラブの定例会などの地域福祉活動がほとんどできなくなりました。そのような状況の中で地域のつながりが薄れ、通常であれば支援を必要とする独り暮らしの高齢者などに届いていたはずの情報が、届きにくくなったという事情もあったのではないかと考えたところです。
このため本市においては、行政と自治会連合会、民生委員・児童委員連合協議会、社会福祉協議会などの関係機関による地域連携会議を開催し、民生委員と市職員が一緒に独り暮らしの高齢者などを訪問して、特別定額給付金の申請勧奨を行うとともに、今後の支援につなげていく取組を行いました。
この取組は訪問した方々に大変喜んでいただき、給付金の申請につながっただけでなく、今まで地域や関係機関においても気付けなかった高齢者の実情などを把握することができたということもありました。まさにこの地域連携会議が、地域力、とりわけ地域の福祉力を再構築するきっかけとなり、改めて人と人とのつながりの必要性や重要性を感じたところであります。この人と人とのつながりや地域の福祉力の価値は、ネット社会においてもますます大切になってくるものと考えています。
本市におきましては、今後ともこのような取組に力を入れながら、パソコンやスマートフォンなどを積極的に活用される高齢者にも、そうでない高齢者にも、必要な情報やサービスが行き届き、全ての高齢者の皆様が住み慣れた地域の中で安心して暮らし続けることができるように、力を尽くしてまいりたいと考えております。
32: ◯議長(松尾徳晴君) 8番、迫賢二議員。
33: ◯8番(迫 賢二君)〔起立〕 8番、迫賢二です。再質問させていただきます。
確かにICTによる利便性の一方で、利用することによる個人情報の流出や、ネット社会にはびこる詐欺などに遭遇する可能性もあり、前に踏み出せない方も少なくないと思いますし、また、そのような中、NPO法人や自治会、そして商工会や「ぶどうの庭」など、地域の福祉の活動には頭が下がる思いです。ありがたいことです。これからも積極的な高齢者は自力で活用していくことと思いますので、春日市としても最大限にICTを利活用できるよう、後押しを続けていってほしいと思います。
また、ICTを使える環境に恵まれない高齢者の中には、今も昔もこれからもICTに興味がない高齢者と、興味があり活用したいけれど環境に恵まれず、何から始めたらよいのか分からない高齢者の二つに分かれると思います。ICTに興味がない高齢者に対しては、市長が言われるとおり、行政サービスの告知などを紙媒体で丁寧に周知していただくことを、今まで以上に徹底して実施していただくことが大事だと思いますし、期待しています。
私が今回一般質問した経緯は、世界的にも、国からも、ICT化に関する行政のサービスの提供が当たり前のように実施される中、興味があり活用したいけれど環境に恵まれず、利用の仕方や受け取り方が分からない高齢者を救済したいとの思いでした。現在、
新型コロナウイルス感染症対策の支援策としての持続化給付金の申請や、国を挙げて推奨するマイナポイントの恩恵が寄与されるマイナンバーカードの取得にしても、ICTの活用を余儀なくされるが、やり方が分からず、困惑されている高齢者も少なくないと思います。
たとえサービスが受けられなくても、プラスの恩恵が受けられないだけであり、マイナスになることではないからよいのではないかと思われがちですが、私はそうは思いません。サービスの享受だけの問題ではなく、先週の台風10号に関しても、緊急避難メールや春日市情報メールなどによる防災情報など、様々な情報をあらゆる方法で提供しているにもかかわらず、一部の高齢者には瞬時に伝わっていないこともありました。生命に関わる情報メールの共有も、最低限伝える方法も今後の課題であると思います。
長い時間を費やしたり労力を費やしてでも、希望する高齢者の方々の一人でも多くの方が、ICTの利活用について少しずつでもできるように、あらゆる機会、例えばふれあい文化センターのICT利活用の講座を開催するなど、いろいろと考えるべきだと思いますので、今後も高齢者の意向に十分配慮していただきたいと思います。
また、先ほどの質問でもお伝えしましたが、小中学校のICT化により、今まで以上にICT技術を子どもたちに教える機会が増えてきます。今でも、スマホのアプリ操作やパソコン技術にたけている子どもたちもたくさんいると思われます。今は新型コロナの影響でできませんが、終息後にコミュニティ・スクールの一環として、少しずつでも構いません、子どもたちと高齢者が共に学び、教え合う提供も考えてみてもよいと思いますが、いかがでしょうか。
34: ◯議長(松尾徳晴君) 神田教育部長。
35: ◯教育部長(神田芳樹君)〔登壇〕 迫議員からの、ネット社会における高齢者の支援についての再質問でございます。スマホやパソコンをコミュニティ・スクールの一環として、子どもたちと高齢者が共に学び、教え合う機会の提供を考えてみてはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
全校がコミュニティ・スクールである本市の小中学校では、学校運営協議会に学校・家庭・地域から委員が集い、学校運営や児童・生徒の生きる力を育む連携、協働した取組について議論がなされ、決定された方針に基づき、具体的な取組へと進んでいくことは、迫議員も御承知のことと存じます。これまでも学校運営協議会での議論を基に、各校の実情に応じた特色あるコミュニティ・スクールの取組が展開されています。
お尋ねの、スマホやパソコンを児童・生徒と高齢者が共に学び教え合う機会につきましても、学校運営協議会の中で、例えば地域の委員から地域課題として提起していただいたり、また学校側から、児童・生徒の市民性の育成に向けた交流や地域貢献の機会として、学校運営協議会の中で相談をしたりすることで、学校運営協議会の議論になるというふうに考えております。
なお、一般質問の要旨につきましては、議会後の定例校長会において、各校長と教育委員会で共有しておりますので、迫議員の今回の御提案の趣旨は、地域との連携・協働の取組の一例として校長間で共有されるものと考えております。
36: ◯議長(松尾徳晴君) 8番、迫賢二議員。
37: ◯8番(迫 賢二君)〔起立〕 8番、迫賢二です。再々質問をいたします。
今回の質問を通して、春日市としてのネット社会における高齢者に対してのサポートの実績、今後の考え方が理解できました。
私は前回の東京オリンピックの年、1964年に生まれました。今から56年前になります。その当時の日本は高度成長期の真っただ中で、東海道新幹線の開通、高速道路の拡張、GDP世界第2位など、「もはや戦後ではない」との号令とともに始まったこの好景気はオイルショックまで続いた時代でありました。現在の高齢者は、幼いときに戦後を迎え、苦しかったこと、ひもじかったことをばねにして、働き盛りのときにこの好景気を生み出し、日本を大きくして、定年退職するときにバブル好景気を迎えた世代が多いと思われます。今の日本があるのも、現在の高齢者の頑張りと根性のたまものであると言っても過言ではありません。
高齢者自身も生きてきたあかしと、そのプライドと自信は年を取っても失うことなく、このネット社会においても、それがえてして邪魔をして、ICT化やスマホ化の初期段階で素直に受け入れることができなくて、今日に至る方も多々いらっしゃると思います。私たちミドル世代でさえも、このネット社会の急発展に困惑して、ついていくことが困難な時代に、高齢者はそれ以上に、ネット社会に無意識に壁をつくっているのかもしれません。
そのような現状を踏まえ、日本をつくり上げてきた功労者である高齢の方々に対して、このネット社会においてもしっかりと寄り添いながら、行政としてさらにサポートを続けていくことが大切であると思いますが、最後に市長、どう思われますか。これで私の一般質問を終わります。
38: ◯議長(松尾徳晴君) 井上市長。
39: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 先ほどから非常に熱の籠もった御質問でございまして、まさにネット社会における高齢者支援についてというタイトルそのものが、現代社会、これからのやっぱり我が国を含めた在り方について、一つの大きな一石を投じていただいたんじゃなかろうかというふうに思っております。
先ほどから申し上げておりますように、やはり人間社会というのは、基本的には人と人との絆を大切にしていく、その延長線が地域社会であり、それが社会だというふうに私は考えております。確かにそのツールとして、このネット社会と言われるように、ICTの急速な発展によりまして非常に利便性をもたらしました。しかし、確かにモノは便利になったけども、人間生活が豊かになったのかなと。やっぱりこれに関して、グローバル化した社会と言われますけれども、このことによって貧富の格差が広がったとか、様々な課題があります。私は、全てのことに何でも言えると思うんですけども、一方でいいことがあれば、必ずそれに伴う何かデメリットというんでしょうか、そういったものも必ず起こり得るという、そこをどうやってバランスを保っていくかという、非常に重要なことだというふうに思っております。
確かに、高齢者でもネットを駆使される方もおられるでしょう。そういったいろんな利便性を日々の生活の中に生かしておられる方もあると思いますし、そうでない方もあろうと思います。関心をお持ちの方におかれましては、やはり行政としていろんな手法と情報の媒体を通して、そういった方にも「こういう教室がございますよ」ということは、これからも続けてまいりたいというふうに、お知らせをしていきたいというふうに思っておりますけれども、やはりそれだけでは全ての方を網羅することはできないというふうに思っております。どうしても従来の紙媒体というのは必要になってこようかというふうに思っておりますし、どちらがいいかというのは、その方本人の意思によって決まることでございますので、「こっちがいいよ」とか、「この生き方がいいよ」というのは、果たして簡単に言えるのかどうか。
先ほど、吉居議員から貴重な御意見がございました。学校においての教育というのは、やはりオンラインとか、ICTというのはあくまでもツールであって、本来、教育というのは人と人との関わり、人と人と接することから私は始まってくるというふうに思っております。それが基本だというふうに思っております。
それは子どもだけじゃなくして、今このコロナ禍で明らかになりました、人と人との接触がだんだんだんだん控えるようになってきて、人間社会が何となく気まずいものになってきたような、そういう感じも、これは皆さん方がお受けになったというふうに思います。やはり基本は、人と人とが自由に会話ができ、接することができて、そして社会というのは活力に富んだものになっていくんじゃなかろうかと。その一つとして、あくまでもネットというのはそのツールだというふうに思っております。ツールは手段です。
ややもすると利便性にあまりにも比重がかかり過ぎて、今の人間社会そのものが、もっと便利に、もっと便利にと。そうすると、次から次にそれに対するいろんな詐欺とか犯罪とか、だんだん巧妙になってきております。果たしてこれが本当の人間の幸せになったのかなという気もいたしております。
昨日、新聞、テレビで、今日も載っておりましたけれども、100歳以上の方が日本で8万人を超えられたという、大変喜ばしいことです。その中で、世界一長寿の田中カ子さんという方が福岡市の東区にお住まいになっておられますが、この人の記事が載っておりました。なかなか体もしっかりしてあるようですし、頭脳も明晰だというふうに思っております。お話を聞いていると、好きなオセロゲームとか、テレビでは割り算を毎日やりよるとかいう話でございました。やっぱりそういう方の姿を見ていると、本当に何か、「人間こうありたいな、こういう高齢者になりたいな」という、そういう気持ちを持たれた方が非常に多いんじゃなかろうかというふうに思うんですね。
ですから、こういう社会だからこそ、もう一遍、一人一人が、利便性だけじゃなくして、言葉を換えて言うと、不便さとか不自由さとか、そういったものも大切だということを気づく必要があるんじゃなかろうかというような気もいたしております。昔は、今、迫議員がおっしゃったように、日々の生活そのものが労働ですよ。その中から、やっぱり頑健な体やしっかりした精神力、少々のことにはくじけないという、社会保障が充実して非常にいい社会になったと思います。しかし、肝心なことが少し忘れられつつあるんじゃなかろうかというような気もいたしております。
それは今の社会現象、どこを見てもそうです。不登校とかひきこもりとか、我々の小さい頃にはあんまりそういったことは感じなかったんです。何が原因なのか分かりません。行政も専門家も、関わった人はみんな懸命に努力をして、克服するようなことをやっていただいておりますけれども、究極的にはやはり一人一人の考えも大事になってくるのかなというふうな気もいたしておりますので、これからも、こういった利便性を追求していくことも大変すばらしい、人間社会に利便性をもたらすということも大事なことだというふうに思っておりますし、また、それと一方で、本当に基本的に大事なのは人と人との関わりだということを忘れないようにしていかなきゃいかん、そこを住民の皆さん方に訴えていくのも行政の仕事かなというふうに考えております。
ぜひ、今日の迫議員の御質問をいただいて、さらに私もそういう気を強くいたしましたので、これは議員の皆さん方におかれましても、行政・議会を挙げてそういった社会をつくり上げていく。少なくとも春日市は、これまでコミュニティ・スクールを核とした協働のまちづくりというのが、全国に例のない、非常に私は誇れる地域社会を地域の方々がつくり上げていただいております。今回のコロナで、やっぱりここがちょっとずたずたに引き裂かれつつあるんじゃなかろうかという懸念もいたしておりますけれども、一方で非常に、どの自治会も皆さん方一生懸命になって、引き続きその関わりを大事にしていこうという取組をやっていただいておりますので、行政も一緒になってやっていきたいというふうに思っておりますので、ぜひ御理解をいただきまして、皆様方の御協力をいただきたいというふうに思っておりますので、非常に貴重な御意見をいただいて、心から感謝を申し上げ、お願いとお礼の御挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
本市のスポーツ施設で唯一、少年硬式野球の試合ができる西野球場は、度々、防球ネットが大きく破損するなど老朽化が進み、本格的に改修するには、1年契約となっている西野球場の借地を解消し、市が土地を取得する必要がありました。一方で、
春日運動広場は長年にわたり暫定的な利用が継続され、市が管理する施設にそぐわない状況が続いていましたが、都市計画上、第一種低層住居専用地域にあり、本格的なスポーツ施設などの整備になじまず、今後の活用の方向性を見いだすことが大きな課題となっていました。
そのような中、
西日本鉄道株式会社が、西野球場に隣接する
日之出水道跡地に宅地開発を計画していることを担当所管が認識したことが、この土地交換の発端となったものです。西野球場の横に住宅が建ち並びますと、ボールの飛び出しや夜間照明、騒音など様々な課題が発生することが想定され、このことは地元自治会でも懸念されていました。その地域に家を建てて居住することが法令上認められている場所である以上、「後から来た人は我慢してください」という立場を行政が取ることは難しいものと考えます。本市としましてはこの機会を捉え、土地の交換により事業を進めることが、長年の課題の解決と、両方の土地の有効活用につながるものと判断したところでございます。
この土地の交換に当たっては、何よりも行政として、市議会や市民の皆様に対する説明責任を果たし得る形での事業となるよう、
西日本鉄道株式会社と真摯に交渉を重ね、適切な手続を進めてきたところであります。
民間事業者による開発に関係するため、時間的な制約がある中での事案であり、また、交渉の相手もあることから実施計画への計上はいたしておりませんが、市民の代表である市議会や地域の皆様、スポーツ団体、
春日運動広場の利用団体などには、これまで段階を踏んで方向性を説明するなど、真摯に対応してきたところでございます。
本事業が達成すべき成果としましては、西野球場における野球のできる環境の保全と併せまして、
日之出水道跡地と西野球場を一体的に整備し、より多くの市民が利用できる、効果的かつ効率的なスポーツ環境の整備を進めることであります。また、
春日運動広場につきましては、土地の交換により、第一種低層住居専用地域にふさわしい良好な居住環境を形成していくことができるものと考えています。
次に、具体的な事業案と整備の方向性、事業の進捗についてのお尋ねにお答えします。
西野球場と
日之出水道跡地を一体とした施設計画の前提としましては、少年硬式野球を含めた野球の試合ができる環境を保全しつつ、野球に使用しない時間帯などには、より多目的に利用できる広場を整備することであります。また、照明や騒音など近隣住宅地への影響を考慮するとともに、地元住民の皆様にも
グラウンドゴルフなどで気軽に御利用いただける施設計画案を現在策定中でございます。
なお、計画は3案作成することにしています。一つ目は、西野球場をそのままの形で残し、
日之出水道跡地のみを多目的に利用する案、二つ目は、西野球場の外野フェンスを撤去し、西野球場と
日之出水道跡地の一体的な利用ができるようにする案、三つ目は、業務委託事業者による知見と発想を生かした提案を受けて検討する案でございます。いずれの計画案を基に整備していくかについては、関係者の皆様の御意見も踏まえながら、今後慎重に詰めていくことになりますが、将来に向けて、より多くの市民の皆様に御利用いただけるスポーツ環境を整備していく観点から、西野球場も含めた全体を一体的なスポーツ施設とする、二つ目の計画案を軸にしながら検討してまいりたいと考えております。
これまでに、地元である
白水ヶ丘地区公民館において、地域の皆様などに対する説明会を2回開催し、その後、体育協会、スポーツ少年団など、関連するスポーツ団体に計画案を説明し、意見聴取と取りまとめを行っているところです。その中で、利用する上での課題や解決策を御提案いただきながら、現在、検討と研究を進めているところでございます。
なお、コミュニティ・スクールを推進していく上でスポーツの活用をどのように捉えているのかなどのお尋ねにつきましては、教育長が回答いたします。
102: ◯議長(松尾徳晴君) 扇教育長。
103: ◯教育長(扇 弘行君)〔登壇〕 次に、コミュニティ・スクールを推進していく上でスポーツの活用をどのように捉えているのか、また具体的な取組事例についてのお尋ねにお答えいたします。
ルールに基づき勝敗や記録を競うものをスポーツと捉える考え方が一般的ですが、本市では春日市スポーツ推進基本計画においてスポーツの概念を広く捉え、競技スポーツだけではなく、ウオーキングやラジオ体操など、健康の保持増進や体力向上、介護予防のための運動を含めた身体的活動をスポーツと捉えております。
学校・家庭・地域で共に育てる「共育」を進めるコミュニティ・スクールにおいて、スポーツは児童・生徒、保護者や地域の皆様などと、より幅広い年齢層の方々との活動の中で行われています。その活動の中で、多くの児童・生徒は、励ましの言葉や、頑張っていることを認められ、称賛の声をいただくことに喜びを感じるとともに、大人も汗をかきながら努力する姿を見て感動を覚えていきます。このような過程を経ながら児童・生徒の自尊感情を高めていく、コミュニティ・スクールで取り組むスポーツは大変意義があるものと捉えています。
具体的な取組事例としましては、小学校においては、天神山小学校で毎朝児童たちが行うウオーキング、通称わんぱくウオークに保護者や地域の方が参加されています。春日東小学校のなぎなた、春日西小学校のバドミントン、日の出小学校の卓球などのクラブ活動では、地域の方に教えていただいたり、水泳の授業に市の水泳連盟などからゲストティーチャーを招いたりしています。また、毎年各学校で行っている全国体力・運動能力、運動習慣などの調査における体力測定には、市のスポーツ推進委員や地域、保護者のボランティアの皆様に協力をいただいております。
中学校では、主に総合的な学習の時間で取り組んでおります。春日南中学校のなんちゅうカレッジでは、硬式テニスは市のテニス協会から、ゴルフは地域の方から指導を受けているほか、春日中学校の春日塾での卓球、
グラウンドゴルフやフラダンス、また、春日西中学校の星雲タイムでのヨガ、縄跳びでの種目の一つであるダブルダッチ、また、春日北中学校では杖道やなぎなたなどに、多くの地域の皆様の指導をいただいております。また、春日野中学校では、保護者や地域の皆様で構成された学校支援ボランティアの「の中応援団」の企画運営による「かち歩き」が行われています。
このように、地域、保護者、市体育協会加盟のスポーツ団体など、多くの方々との連携、協働により、スポーツを通したコミュニティ・スクールの取組を展開しております。
次に、児童・生徒のスポーツの場となるスポーツ少年団等及び運動部に所属する児童・生徒の実数を教育委員会は把握しているのか、また、年度ごとの増減の傾向の分析、あわせて子どもたちのスポーツへの参加機会の選択肢を充実させるための取組の具体例について、そのお尋ねにお答えいたします。
令和元年度の実数といたしましては、スポーツ少年団など地域のスポーツ団体に所属する児童・生徒数は、小中学生合わせて2,895人、本市の中学校の運動部に所属する生徒は2,093人です。年度ごとの増減はあるものの、運動部は微減傾向にあり、スポーツ少年団などの会員数は、種目や年度によってばらつきはありますが、ここ10年ほどは同程度の人数で推移しているようです。
子どもたちのスポーツへの参加機会の選択肢を充実させるための取組の具体例としましては、小学校においてはスポーツ少年団のポスター掲示を、中学校においては、入学後、新入生を対象とした在校生が行う部活動紹介や、部活動の体験週間の設定などを行っています。また、各学校や市教育委員会による参加機会を提供する取組としては、家庭や地域でおおむね2日に1回以上のペースで積極的に体力づくりを続けた児童を表彰する小学校の運動習慣育成プロジェクトや、先ほど市長が答弁いたしました小学生長縄跳び大会などを行っています。
以上でございます。
104: ◯議長(松尾徳晴君) 3番、岩渕穣議員。
105: ◯3番(岩渕 穣君)〔起立〕 ただいまの市長の御答弁にて、春日市スポーツ推進基本計画の基本方針に基づき、子ども世代のスポーツ活動の推進が様々な具体的な取組によりなされてきたことがよく分かりました。また、教育長の御答弁においても、コミュニティ・スクールを推進していく中で、スポーツを大変意義あるものとしっかりと位置づけ、各小中学校でのすばらしい具体的な取組の事例を挙げていただきました。あわせて、スポーツに親しむ児童・生徒の実数が横ばい及び微減となっている事実も、率直に御提示いただいたところであります。
子どもたちのスポーツへの参加機会が減少傾向にある中、今回のコロナ禍により、子どもたちのスポーツ活動は追い打ちをかけるように大きな打撃を受けてしまいました。そのような厳しい環境下にあって、スポーツの持つ力を信頼し、市長が再び立ち上がる強い意思をお示しいただいたことは大変心強く、コロナ前の状態を取り戻すことにとどまらず、子どもたちのスポーツ活動の推進が新たな発展的なフェーズに入っていくことに、私は大きな期待を抱くものであります。
西野球場についてのお尋ねにおいて、土地交換に至った経緯を御説明いただきました。
民間事業者との交渉事案において、今回のように実施計画に乗せる時間的猶予がなく、千載一遇のチャンスを生かすために機動的に対応することは、私は行政の政策判断として当然のことと認識しており、市民の皆様から市長に負託された執行権の発露であると受け止め、これを強く支持いたします。
また、西野球場と
日之出水道跡地の今後の一体的な施設計画の前提として、少年硬式野球の試合ができる環境を保全し、整備するという明確な御答弁をいただき、感激いたしております。心より感謝申し上げます。これからの具体的な整備計画については、関係各位との従前からの十分な協議を今後も重ね、多くの市民の皆様から御理解をいただけるスポーツ施設整備となりますよう、強く念願いたします。
春日市はスポーツ施設の整備を段階的に進め、総合スポーツセンターを4年前に竣工させ、昨年はラグビーワールドカップの公認チームキャンプ地として、白水大池公園の多目的広場がKASUGAスクラムパークとして生まれ変わりました。子どもたちがスポーツに親しむ場が着々と整いつつあり、喜ばしい限りであります。
一方で、競技スポーツの多くは、野球やラグビーに代表されるように広いスペースを必要とするため、既存のスポーツ施設だけではニーズに対応し切れない現実があります。また、屋内でしかできない種目も多く、青少年のスポーツの機会を広げるという意味からも、子どもたちにとって最も身近な春日市内の小中学校のグラウンド及び体育館を最大限に活用することは、忘れてはならない重要な視点となります。
スポーツ基本法第3章の基本的施策において、「学校設置者は、学校教育に支障のない限り、学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するように努めなければならない」とあります。そこで1点再質問いたします。市内12小学校・6中学校の完全下校以降のグラウンド及び体育館の、各種スポーツ団体における直近の利用状況についてお聞かせください。各校別でなく、小学校全体、中学校全体のデータで結構です。あわせて、季節ごとの稼働率が比較できるデータがございましたらお示しください。
以上で私の2回目の質問を終わります。御答弁をよろしくお願いいたします。
106: ◯議長(松尾徳晴君) 金堂健康推進部長。
107: ◯健康推進部長(金堂円一郎君)〔登壇〕 市内の小中学校の完全下校以降の直近のグラウンド及び体育館の利用状況と稼働率についてのお尋ねにお答えいたします。
令和元年度の年間利用件数は、まず小学校では、グラウンド9万686件、体育館11万4,264件、次に中学校では、グラウンド5,933件、体育館2万8,777件でございます。
また稼働率を、夏季、これを6月、冬季を1月、こちらの二つの月で比較してみますと、小学校では、グラウンド、6月が約55%、1月、こちらが約33%。体育館、6月、約76%、1月、約73%。中学校では、グラウンド、6月が約30%、1月が29%。体育館は、6月が約79%、1月が85%でございます。中学校の体育館を除き、いずれも夏季、6月の稼働率と、冬季、1月を比べますと、冬季の稼働率が低くなっております。
108: ◯議長(松尾徳晴君) 3番、岩渕穣議員。
109: ◯3番(岩渕 穣君)〔起立〕 ただいまの御答弁により、小学校のグラウンドの稼働率には、夏季と冬季において約20%という大きな乖離があることが分かりました。この事実はとりもなおさず、12小学校に一部を除き照明設備がないことに起因していることが推察されます。そこで1点、最後の質問をいたします。
スポーツ基本法第13条第2項において、「学校のスポーツ施設を一般のスポーツのために供するように努めるに当たり、照明施設の設置その他必要な施策を講じるよう努めなければならない」と規定されています。冬場のスポーツ機会の活性化を目的に、全ての小学校グラウンドに照明設備を設置、整備するお考えはございますでしょうか、御見解をお伺いいたします。
本日はスポーツを通した青少年の健全育成について質問してまいりました。ここで明らかになったことは、春日市はスポーツ推進基本計画に基づき、子どもたちのスポーツ活動の推進と、スポーツができる環境整備を着実に進めている事実でありました。同時に、子どもたちの健やかな成長を願い力を尽くされている、多様で多彩な大人の方々の存在も浮き彫りになったことと思います。学校・地域・家庭で子どもたちを育む春日市のすばらしい土壌は、青少年の心身に好ましい影響を必ず与えます。
質問の結びに、子どもたちのそれぞれの将来に大輪の花が咲き、実り豊かな人生になることを心から願いながら、本日の私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。
110: ◯議長(松尾徳晴君) 金堂健康推進部長。
111: ◯健康推進部長(金堂円一郎君)〔登壇〕 スポーツを通した青少年の健全育成についての再々質問でございます。冬場のスポーツ機会の活性化を目的に、全ての小学校グラウンドに照明設備を設置、整備する考えはないかとのお尋ねにお答えいたします。
平成23年にスポーツ振興法から全面改正されましたスポーツ基本法第13条第1項では、岩渕議員御案内のとおり、「学校の教育に支障のない限り、当該学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するよう努めなければならない」と規定されております。また、この法改正におきまして、同条第2項が1歩踏み出した内容となっております。内容とすれば、前項の利用、すなわち一般のスポーツのための利用を容易にさせるため、または、その利便性の向上を図るため、当該学校のスポーツ施設の改修、照明施設の設置その他の必要な施策を講じるよう努めなければならないと、一歩踏み出した内容に、この23年の全面改正に変わっております。
本市におきましては現在、小学校グラウンドの照明設備は、春日東小学校、春日原小学校、春日西小学校、春日南小学校に設置し、また、簡易照明設備は、春日北小学校、天神山小学校に設置しております。全ての小学校に照明設備を設置する場合、設置費、維持管理費、そしてその更新の経費を含めると多額の費用が必要となることから、将来に向けた本市財政の負担になることも懸念されることから、法改正の趣旨は理解しながらも、中学校の照明設備も含めて、各中学校区に最低1校ずつ照明設備を設置するという方針で、これまで対応してきたところでございます。
一方で、体育協会及びスポーツ少年団からは、子どもたちの安全な活動の確保の観点から、照明設備の未設置校に簡易照明設備を設置してほしいとの要望が、ここ数年、継続して出されており、その趣旨は理解してきたところでございます。
このような中、昨年は、本市が3か国の公認チームキャンプ地となりましたラグビーワールドカップ2019が大成功し、来年は本市を聖火ランナーが走る東京2020オリンピック・パラリンピックが開催される予定となり、市民のスポーツに対する関心が従来以上に高まっている状況です。昨年のラグビーワールドカップの後に開催しましたスポーツフェスタの体験型教室では、ラグビーだけでなく様々なスポーツを多くの子どもたちが体験し、楽しむ姿が見られました。改めて、スポーツを見る・する・支える機会を整備していくことが、子どもたちをはじめ、市民のスポーツに対する関心を高めていくことにつながることを実感し、身近な小中学校の活用も含め、スポーツ環境の在り方について、いま一度検討してみる必要も認識したところです。
学校への照明設備の設置については、先ほど申し上げましたとおり、これまで各中学校区に最低1校ずつという整備方針に基づいて対応してきたところでありますが、現在の利用状況、子どもたちのスポーツを取り巻く環境などを見極めながら、照明の使用料金の在り方なども含めて、引き続き検討してまいりたいと考えております。
112: ◯議長(松尾徳晴君) 以上で、今期定例会における一般質問の通告議員の質問は全て終了いたしました。これをもちまして一般質問を終結いたします。
以上で本日の日程は全て終了いたしました。
次の会議は、9月24日の最終日において議案の表決となっております。
本日はこれにて散会いたします。お疲れさまでした。
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散会 午後4時05分...