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03月01日-03号

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  1. 福山市議会 2000-03-01
    03月01日-03号


    取得元: 福山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-21
    平成12年第1回( 3月)定例会          平成12年第1回福山市議会定例会会議録(第3号)          ────────────────────────2000年(平成12年)3月1日(水) ────────────────── 議 事 日 程 (第3号)2000年(平成12年)3月1日           午前10時開議第 1        会議録署名議員の指名第 2 議第  1号 平成12年度福山市一般会計予算    議第  2号 平成12年度福山市都市開発事業特別会計予算    議第  3号 平成12年度福山市下水道事業特別会計予算    議第  4号 平成12年度福山市農業集落排水事業特別会計予算    議第  5号 平成12年度福山市競馬事業特別会計予算    議第  6号 平成12年度福山市国民健康保険特別会計予算    議第  7号 平成12年度福山市介護保険特別会計予算    議第  8号 平成12年度福山市老人保健特別会計予算    議第  9号 平成12年度福山市食肉センター特別会計予算    議第 10号 平成12年度福山市駐車場事業特別会計予算    議第 11号 平成12年度福山市母子寡婦福祉資金貸付特別会計予算    議第 12号 平成12年度福山市誠之奨学資金特別会計予算    議第 13号 平成12年度福山市財産区特別会計予算    議第 14号 平成12年度福山市病院事業会計予算    議第 15号 平成12年度福山市水道事業会計予算    議第 16号 平成12年度福山市工業用水道事業会計予算    議第 17号 福山市表彰条例の一部改正について    議第 18号 福山市農業委員会の部会の委員の定数に関する条例の一部改正について    議第 19号 福山市印鑑登録及び証明に関する条例等の一部改正について    議第 20号 福山市北部市民センター条例の一部改正について    議第 21号 福山市行政手続条例の一部改正について    議第 22号 福山市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について    議第 23号 福山市減債基金条例の一部改正について    議第 24号 福山市税条例の一部改正について    議第 25号 福山市手数料条例の全部改正について    議第 26号 福山市税外収入金の督促及び滞納処分条例及び備後圏都市計画下水道事業受益者負担に関する条例の一部改正について    議第 27号 福山市特別会計条例の一部改正について    議第 28号 福山市社会教育委員条例の一部改正について    議第 29号 福山市公民館条例の一部改正について    議第 30号 福山市図書館条例の一部改正について    議第 31号 福山市立福山城博物館条例の一部改正について    議第 32号 福山市体育館条例の一部改正について    議第 33号 福山市緑町公園屋内競技場条例の一部改正について    議第 34号 福山市中小企業振興条例の一部改正について    議第 35号 福山市漁港管理条例等の一部改正について    議第 36号 福山市社会福祉審議会条例の制定について    議第 37号 福山市母子生活支援施設条例の一部改正について    議第 38号 福山市立保育所条例の一部改正について    議第 39号 福山市老人医療費助成条例及び福山市重度心身障害者医療費助成条例の一部改正について    議第 40号 福山市老人福祉センター条例の一部改正について    議第 41号 福山市ふれあいプラザ条例の一部改正について    議第 42号 福山市国民健康保険条例の一部改正について    議第 43号 福山市介護保険条例の制定について    議第 44号 福山市介護給付費準備基金条例の制定について    議第 45号 福山市廃棄物の処理及び再生利用等に関する条例の一部改正について    議第 46号 福山市リサイクルプラザ条例の制定について    議第 47号 福山市食品衛生法に基づく営業の管理運営の基準に関する条例の制定について    議第 48号 福山市墓地、埋葬等に関する条例の制定について    議第 49号 福山市環境審議会設置条例の一部改正について    議第 50号 福山市営住宅条例の一部改正について    議第 51号 福山市都市計画審議会条例の一部改正について    議第 52号 福山市開発審査会条例の制定について    議第 53号 福山市都市公園条例の一部改正について    議第 54号 福山市防災会議条例の一部改正等について    議第 55号 福山市水道給水条例及び福山市工業用水道条例の一部改正について    議第 56号 福山市市民病院条例の一部改正について    議第 57号 (仮称)福山市箕沖リサイクルプラザ建設工事請負契約締結の変更について    議第 58号 市道法成寺吉和線道路改良工事(その2)委託契約締結の変更について    議第 59号 大門中継ポンプ場(土木)新設工事請負契約締結の変更について    議第 60号 福山市港町住宅(11・高耐)建設工事請負契約締結について    議第 61号 財産の取得について    議第 62号 財産の取得について    議第 63号 損害賠償の額を定めることについて    議第 64号 包括外部監査契約の締結について    議第 65号 市道路線の認定について    議第 66号 市道路線の廃止について第 3        一般質問 ────────────────── 本日の会議に付した事件議事日程のとおり ────────────────── 出 席 議 員      1番  桑 田 真 弓      2番  法 木 昭 一      3番  稲 葉 誠一郎      4番  早 川 佳 行      5番  佐 藤 和 也      6番  須 藤   猛      7番  黒 瀬 隆 志      8番  村 田 民 雄      9番  藤 原 照 弘     10番  川 崎   誠     11番  池ノ内 幸 徳     12番  小 川 勝 己     13番  小 林 茂 裕     14番  川 崎 卓 志     15番  藤 井 真 弓     16番  桑 原 正 和     17番  岡 田 照 弘     18番  小土井 敏 隆     19番  村 井 明 美     20番  河 相 博 子     21番  藤 井   昇     22番  徳 山 威 雄     23番  竹 野   武     24番  北 川 康 夫     25番  大 垣   修     27番  蔵 本   久     28番  安 原 一二郎     29番  上 野 健 二     30番  小 川 眞 和     31番  来 山 晋 二     32番  瀬 尾   惇     33番  前 田 亘 章     34番  新 谷   勇     35番  背 尾 博 人     36番  森 田 泰 元     37番  三 谷   積     38番  占 部 敏 昭 ────────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長      三 好   章  助役      佐々木 重 綱  助役      松 井 正 樹  収入役     鎌 刈 拓 也  市長室長    飛 田 文 悟  同和対策部長  羽 田   皓  総務部長    岡 野 勝 成  財政部長    平 田 宏 二  税務部長    柳 井 正 浩  農林部長    河 原 隆 司  競馬事務局長  山 広 康 男  商工労働部長  中 山   弘  保健福祉部長  鴨 田 弘 道  保健福祉部次長兼福祉事務所長          小 川   勇  保健福祉部次長兼保健所長          吉 井 健 哲  保健所次長   井 上 幸 生  児童部長    開 原 算 彦  市民生活部長  土 屋 泰 志  市民部長    梅 本 紘 久  松永支所長   林   靖 人  北部支所長   竹 政 義 明  市民病院事務部長井 亀   貢  環境事務部長  森 島 正 弘  環境事業部長  佐 藤 光 生  建設管理部長  三 藤 州 央  土木部長    岸 本 明 治  下水道部長   藤 井 貞 亮  都市部長    山 崎 広 成  建築部長    小 川 八 郎  教育長     福 万 建 策  管理部長    岡 崎   忞  学校教育部長  三 島 康 由  社会教育部長  三 谷 和 範  社会教育センター所長          倉 田 秀 孝  水道企業管理者水道局長          片 山 幸 人  業務部長    光 成 精 二  工務部長    渡 辺 義 友  代表監査委員  高 橋 信 行  監査事務局長  有 岡   亨  消防担当部長  佐 藤 暢 家  消防担当部長  下   和 成 ────────────────── 事務局出席職員  事務局長    森 田 个 人  庶務課長    坂 本 重 則  議事調査課長  藤 井 聖 士  議事担当次長  中 島 晴 基  調査担当次長  渕 川 誠 一  書記      高 垣 光 利  書記      檀 上 知 子  書記      北 川 光 明  書記      藤 井 千代治  書記      小 川 修 作  書記      掛 谷 義 和 ──────────────────         午前10時22分開議 ○議長(蔵本久) 直ちに本日の会議を開きます。 ────────────────── ○議長(蔵本久) ただいまの出席議員35人であります。 ────────────────── △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(蔵本久) これより日程に入ります。 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は,会議規則第78条の規定により議長において,10番川崎 誠議員及び25番大垣 修議員を指名いたします。 ────────────────── △日程第2 議第1号 平成12年度福山市一般会計予算から議第66号 市道路線の廃止についてまで及び日程第3 一般質問 ○議長(蔵本久) 次に,日程第2 議第1号平成12年度福山市一般会計予算から議第66号市道路線の廃止についてまでの66件を一括議題とし,これに対する質疑及び日程第3 一般質問を行います。 市民連合代表 29番上野健二議員。 (29番上野健二議員登壇)(拍手) ◆29番(上野健二) 私は,市民連合を代表して市長の政治姿勢と当面する市政の諸課題についてお伺いいたします。 まず,質問の第1点目は,市長の政治姿勢についてお伺いします。 今日の政治状況と新年度に臨む決意など,市長の御所見をお聞かせください。 2000年は,いわゆるコンピューター2000年問題で幕をあけました。福山市では,関係者の努力によりさしたる混乱もなく新年を迎えられたと思います。しかし,幕をあけた2000年は,引き続く景気の低迷,依然高い失業率の推移,国・自治体財政の逼迫など,市民生活はまだまだ厳しい状況にあります。また,本来市民生活の安定を目指すべき政治状況は,衆議院定数20の削減をめぐって,自・自・公による権力的な国会運営により国民不在,空転の幕あけとなるなど,まさに波乱の1年を予感させるものと言わざるを得ません。 昨年1年の間に,新ガイドライン関連法,国旗・国歌法,住民基本台帳法,盗聴法の成立を強行,本年に入って1月20日には憲法調査会の正式な発足など,まさに平和や人権の確立に暗い影を投げかけるような政治が続けられているのではないでしょうか。 そうした中で,新年早々の1月5日,長年被爆者運動の先頭に立ち,核兵器の廃絶を訴え続けた広島県原爆被爆者団体協議会理事長の伊藤サカエさんがお亡くなりになりました。御冥福をお祈りするものです。 2月に入り,アメリカが臨界前核実験を強行する中,改めて核兵器廃絶,平和,人権の確立へ向けた草の根運動を,伊藤サカエさんの遺志を受け継ぎ,21世紀に向けて継承しなくてはならないと考えます。こうした状況下で,市長は20世紀の締めくくりの1年となる本年をどういう1年と考えておられるのか,率直な御所見をお聞かせください。 次に,新年度予算編成についてお伺いいたします。国・地方財政は1999年度末の公債費残高の総額が514兆円に,また2000年度末では551兆円に達する見込みとなるなど,まさに借金体質からの脱却は容易ならざる事態だと考えます。こうした現状と同時に,市民生活の中ではいまだ景気回復の兆しは見えておらず,国の数次にわたる景気対策にもかかわらず,反対にリストラに代表される労働者の首切りがまかり通り,勤労市民の生活は依然厳しい実態に置かれています。 こうした中,福山市の2000年度一般会計予算案を見ると,予算総額は1299億6300万円で,対前年度比プラス0.5%で,わずかではあるものの伸びを示しており,財政当局の努力には一定の評価を行うものですが,歳入の根幹をなす市税は,法人税を除き軒並み減収見込みとなっており,苦しい市民生活の状況を顕著にあらわしています。 まず,2000年度予算の中で市民生活の安定向上に視点を置いた重点施策と2000年度以降の財政見通しをお聞かせください。 次に,2000年度予算案の中に示された幾つかの課題について,市長の御所見をお聞かせください。 現在,2000年度完成を目指して(仮称)総合保健福祉センター建設が進められています。また,4月からは介護保険制度がスタートするわけですが,高齢者・障害者福祉の拠点としての(仮称)総合保健福祉センターの今後の方針をお示しください。 また,1994年に示された福山市高齢者保健福祉総合計画では,保健福祉圏域の設定として中央,東,西,南,北の圏域の設定が示されていますが,今日までどういう施策が展開されたのか,(仮称)総合保健福祉センターとのかかわりはどうなのか,あわせてお示しください。 第2は,少子化対策についてです。2000年度予算案では,児童手当の支給対象を3歳未満から就学前児童に拡大するとのことです。子育て支援策の一環としては評価できるものではありますが,少子化問題に関する施策は行政全体の課題としてとらえなければなりません。保育施策の拡充や住宅施策,教育施策,さらに医療施策など,まさに広範な課題が山積しています。これらに対する基本的な考え方をお示しください。 さらに,1998年度に一部改定された乳児医療費助成制度についても,児童手当と同様に就学前児童までに拡充すべきではないかと考えるのですが,御所見をお示しください。 第3は,環境問題についてです。福山市では,長年私たち会派で要望してきた家庭用太陽光発電設置への一定の補助制度も2000年度予算に組み込まれましたが,限度額が20万円ではいかがなものかと考えます。補助制度に加え,無利子または低利での融資制度を併設すべきではないでしょうか。御所見をお聞かせください。 また,この際長期的視野に立ち,公共施設建設に当たっては,すべて何らかの形で太陽光発電システムを導入すべきではないでしょうか。御所見をお聞かせください。 次に,地方分権の推進と行財政運営についてお伺いします。2000年4月からは地方分権一括法が施行され,いよいよ自治の時代の幕あけを迎えます。本定例会へも関連する幾つかの条例整備が提案されていますが,重要なのはその中身であり,市長が常日ごろ言われる市民の参画で市民に身近な行政運営が現に行われなければなりません。しかし,先にも述べたように財政運営にはいまだ厳しいものがあり,市民の理解と合意を得ながら,改革すべきは改革し,効率的かつ効果的な財政運営を行わなければなりません。そのためには税,料などの収納率向上策は欠かせないものと考えます。歳入確保へ,市長の決意をお聞かせください。 また,地方分権の施行に当たって,その財源の裏づけはどうなっているのでしょうか。本来の分権を考えたとき,地方自治体の長として政府に対して思い切った税財源の確保策を求めるべきではないでしょうか。御所見をお聞かせください。 今,東京都が外形標準課税を審議していますが,事もあろうに藤田広島県知事は当初は否定的な見解を述べられているようです。自治・分権の原点を考えたとき,こうした議論に対する市長の率直な御意見をお聞かせください。 また,2000年度の組織体制で見直すべきものがあるのか,お聞かせください。 さらに,地方分権の達成には,福山市も地域実態に応じた発展の方向性を求めることが欠かせません。これは,第3次福山市総合計画でも明らかにされているとおりです。地方分権のさらなる発展と地域が大切にされる自治の確立へ,拠点となる市民センターの設置はぜひとも必要です。残る西部・南部市民センター建設着手の目標を示すべきではないでしょうか。御所見をお聞かせください。 質問の第2点目は,民生・福祉行政についてお伺いします。 まず,介護保険制度についてお伺いします。4月から実施される介護保険について,市民の注目の的であった保険料が過日行われた常任委員会で発表されました。認定作業もほぼ問題なく進んでいるとの報告を受けていますが,なお懸念される点について質問します。 まず第1は,市民への周知の徹底についてであります。本市はこの間地区ごとの説明会や市広報への掲載を初め,さまざまな手段方法で啓発活動を行ってこられました。しかし,今に至ってもなお市民の間では,介護保険はよくわからないから申請していないとか,介護保険を知らないという声を耳にするのであります。市民の周知度についての現状認識と,今後の啓発の具体についてお聞かせください。 第2は,介護施設の情報公開についてお伺いします。介護認定の結果を受けた対象者が施設介護を希望する場合,施設の選択は自由であるといえども,市民には施設に対する情報量が決定的に不足しています。そこでは,勢いケアマネジャーの推薦に頼らざるを得ないことになります。これまで我が会派の質問には,ケアマネジャーの研修を積んで公正な扱いを指導と御答弁されていますが,そこには恣意がはびこる要素を否定できないのであります。これらを防止する対策はどのように考えているのか,またこれらを防止する一環としてパンフレット的な施設の情報提供が必要と考えますが,御所見をお聞かせください。 次に,(仮称)福山市総合保健福祉センターについてお伺いします。保健と福祉,医療の連携を図るとともに,専門的,技術的,全市的サービスの拠点として,福山市総合保健福祉センターが2000年度末の完成を目指して建設が進められています。多くの高齢者や障害者は,センター完成により交流の場が広がり,機能回復の施設の充実など大きな期待を持って見守っています。 そこで,次の諸点についてお尋ねします。 まず第1は,館の管理運営の主体はどこがされるのですか。 第2は,館の運営や具体的な機能はどのような方法で決めようとされているのですか。 第3は,社会福祉協議会の今後のあり方と館への位置づけはどのように考えられているのですか。また,現在の社会福祉会館は将来どのように使用されようと考えているのですか。 以上の3点について,開館までのスケジュールについてお答えください。 とりわけ,家庭内に閉じ込もりがちな最重度障害者のデイサービス機能はぜひとも持たせるべきと考えますが,御所見をお示しください。 質問の第3点目は,環境行政についてお伺いします。 本年4月から,福山市では容器包装リサイクル法が全面施行となり,(仮称)リサイクルプラザの完成も間近となっています。また,2001年4月からはいわゆる家電リサイクル法が実施され,一方では広島県が(仮称)ごみ資源エネルギーセンターの建設計画を明らかにし,2004年度稼働を目指すなど豊かな環境の保全,資源循環型社会の構築へ一定の方向が示されつつあることは評価するものです。しかし,こうした動きの中にあっても幾つかの課題があると考えます。そこで,幾つかお伺いします。 まず,広島県の(仮称)ごみ資源エネルギーセンター建設に関し,福山市が新年度予算案で基礎調査設計業務委託を行うとされているごみ固形燃料化施設の今後の計画と施設の内容はどのようなものなのか,お聞かせください。 また,この施設は可燃ごみをすべてRDFとして固形燃料化されるのでしょうか。また,その場合現在の清掃工場は将来どうなるのでしょうか,お聞かせください。 さらに,プラスチックごみの分別を含む新たなごみ収集体制が行われますが,これにより埋め立てごみはどのくらい減少するのか,現在の最終処分場2カ所はこれによりあと何年ぐらいもつのか,新たな最終処分場の見通しはどうなっているのか,それぞれお示しください。 次に,ごみの減量化についてお伺いします。ごみの減量化の一つの方法として,過剰包装の自粛が挙げられます。デパートや商店などでの包装はまだまだ過剰なものが目につきます。福山市は,過剰包装の自粛に向け関係業界へどのような対応をとられているのかお聞かせください。 また,福山市自体でも市庁舎や多くの各施設から出されるごみの量はかなりの量になるのではないかと思うのですが,市としてのごみの減量化に向けた取り組みについてお聞かせください。 次に,いわゆる家電リサイクル法の実施に伴い想定される課題についてお尋ねします。 家電リサイクル法では,冷蔵庫,エアコン,テレビ,洗濯機が対象となり,商品の引き取りに当たって,物によっては1万円を超える引き取り金額が必要だとされています。もちろん,リサイクルの趣旨を否定するものではありませんが,今なお後を絶たない一部の心ない市民による不法投棄の増加に拍車をかけかねないと危惧するものです。早い時期から具体的に市民に周知を図るべきと考えるのですが,御所見をお聞かせください。 質問の第4点目は,農林行政についてお伺いします。 日本の食糧自給率は先進国の中では最も低く,農山村では後継者不足による過疎化や高齢化,耕作放棄等によって農山村の維持はますます困難となってきています。そのため農村の持つ国土,環境の保全や伝統文化の継承などの多面的機能が維持されるよう,38年ぶりに農業基本法にかわる食料・農業・農村基本法が昨年7月の通常国会において成立し,7月16日より施行されました。基本法の理念に沿って,国としての具体的施策が現在検討されています。また,政府には食料・農業・農村政策審議会が設置され,自給率目標や具体的施策などを盛り込んだ基本計画が策定されることになっています。 本市においては,1990年を基準年次として,2000年を目標達成年次とする福山市農業振興ビジョンを策定し,施策を推進してこられました。これまでの成果や問題点等,具体的にお示しください。 また,農政改革大綱や食料・農業・農村基本法を踏まえ,本市における農業諸施策の充実,強化に向けた今後の取り組みと基本的な考え方をお示しください。 質問の第5点目は,土木行政についてお伺いします。 まず第1に,河川・水路整備5カ年計画についてお伺いします。河川・水路整備は市民生活にとって豪雨等による災害を初め,環境保全など重要な施策であります。河川について,本市は209河川,約300キロメートルの延長があると言われています。河川整備5カ年計画は,1986年を初年度として取り組まれてきました。第1次計画は計画どおり整備されましたが,第2次計画以降は計画延長が遅延しています。特に,公共下水道整備区域外の整備がおくれています。これらの対策をどのように考えておられるのか,お伺いします。 水路整備5カ年計画は,1979年を初年度として取り組まれ,第4次5カ年計画では計画を上回る整備をされ,評価するものであります。しかし,汚水が停滞し環境の悪化が著しい地域もあります。市民生活にとって身近な問題として重点的取り組みが求められていますが,これらの対策と今後の計画,財政措置はどのように考えておられるのか,お伺いします。 第2は,高機能舗装についてお伺いします。雨が降っても道路上に水がたまらない高機能舗装と呼ばれる新しい技術が注目されています。舗装内部には空洞をつくり,水分を速やかにしみ込ませて排水するのが特徴で,路面の強度も十分で,従来の舗装に比べて安全性や走行性にすぐれており,本格的な普及が始まっていると言われています。降雨時のスリップ事故や自動車の騒音が減少することが確認されています。福山市が行う道路新設改良時に導入されてはいかがですか,お伺いします。 第3は,歩道の整備についてお伺いします。建設省は,昨年12月,高齢者や身体障害者が利用しやすい歩道を整備するための構造基準を策定しました。特に車いす利用者や視覚障害者に配慮したバリアフリー化に対応するもので,新たにできた基準は,1,車いすなどの安全,円滑な運行を確保するために,車庫や駐車場の出入口など歩道に傾斜がある箇所でも,幅1メートル以上の平たん部を連続して整備する,2,平たん部の傾斜は進行方向では1メートルにつき5センチ以下,横断方向では2センチを標準とする,3,歩道から横断歩道への接続部分の段差は2センチを標準とするなどとなっています。本市においてもこれらの基準を決め,計画的に整備されてはいかがですか,お伺いいたします。 第4は,入札制度についてお伺いします。後を絶たない談合情報に対して,本市は公共事業の発注に当たって入札・契約制度のより透明性や公平性,競争性を確保する目的で,今日までさまざまな検討をされてきました。1997年4月には条件付一般競争入札の導入,談合情報対応マニュアルの改正など,1998年7月には低入札価格調査制度の導入,随意契約結果公表など,1998年9月には公共工事コスト縮減に関する行動計画の策定など,1999年6月には公募型指名競争入札の導入,予定価格の事後公表の実施など取り組まれていることには一定の評価をするものです。 さらに,昨年12月指摘した公共工事発注に当たっての冊子づくりはどの程度進捗しているのですか。中でも指名業者選定の基準の公表については必須の要件と考えるのですが,明確にしてください。これらを含めて,今日までの取り組みを総括し,成果と問題点を明らかにしてください。また,今後どのように対応されようとしておられるのか,お示しください。 また,長引く不況で厳しい経済環境にある地場企業への優先発注や育成強化について,どのように検討されようとしておられるのか,今後の対策についてもあわせてお示しください。 質問の6点目は,交通政策についてお伺いします。 本市においては,自動車交通と適正に共存する公共交通機関網の整備充実を目標に,一昨年より交通体系調査が行われ,2000年度には福山市総合交通計画が策定される運びとなっており,評価するものであります。この調査は,総合交通計画の作成に当たり,国,県の施策との結節点を考慮し,広域的な視野に立って,将来展望を見据えた実効性のある計画を策定すべきと考えますが,御所見をお聞かせください。 また,現在策定委員会で検討されています自動車交通の削減,公共交通の利用促進,利用者意識の変革,市街地活動の支援,乗り継ぎのない交通機関連携,適切な自動車利用などが提起されています。現在,ループバス,パークアンドバスライドシステムが実験されていますが,今後の福山市の生活交通確保と交通体系をどのようなものにしようとお考えなのか,お伺いします。 交通は,市民生活を豊かなものにし,地域の経済や文化の発展を支える柱であると言えます。しかし,地球温暖化の原因は温室効果ガスにあるとされ,その9割が自動車の排出する二酸化炭素によるものと言われています。国際的な課題である環境問題,年間1万人を超える交通事故による死者,交通渋滞によるエネルギーと時間のむだなど解決すべき課題が多様であります。こうした大きな浪費を生む渋滞を解消するには,道路の新設や拡幅による交通容量をふやす方法と,乗り入れ規制や公共交通の活用など交通需要を調整する方法が考えられます。マイカーと公共交通の住み分け,またマイカーの総量規制など,その抜本策に取り組むべきと考えます。今後の具体的取り組みについて,お示しください。 次に,乗合バスに関する規制緩和についてお伺いします。1999年12月20日,運輸省により道路運送法改正案骨子が示され,地域における生活交通の確保方策,新たな補助制度のあり方,地域協議会の設置やバス事業への参入,退出手続の簡素化などがその中でうたわれています。 まず,第1に,これまでの乗合バスに対する補助制度は国が定めた要綱に基づき補助されていました。規制緩和後は,補助対象となるバス路線の認定あるいは補助額については地方公共団体がその主体をなし,財源については地方交付税によって確保することになると理解していますが,市の考え方をお伺いします。 また,市民が自由に移動する権利を保障し,地域経済の発展を目指し安全で良質な公共交通機関を確保する意味で,入札制度の導入などによる安易な市場原理,競争原理を持ち込むことは本来交通機関に求める姿とは逆行していると思いますが,これらをどのように考えておられるのか,お示しください。 第2は,需給調整規制の撤廃により,2001年10月より既存バス事業者が運行する赤字路線については,退出も事後の届け出によって行えることになります。バス路線廃止が適当かどうか,また廃止後の地域交通をどうするのかなどについては,行政が主体となった地域協議会を設置して対応を図ることになると思います。地域協議会での議論には行政サイドだけでなく,利用者,事業者,そこに働く労働者代表なども参加して,幅広い議論によって適正な結論を求めるべきと考えますが,市の考え方をお伺いします。 また,地域協議会設置についてどの程度準備が行われているのか,進捗状況を明らかにしてください。 質問の第7点目は,教育行政についてお伺いします。 小中学校の施設設備の整備についてお伺いします。学校の施設設備の充実については,子どもの急増期に建てかえられた校舎の外壁の脱落等危険箇所の補修に追われ,大規模改修も行われない状況にあります。教育の困難が強く言われる今,子どもたちの通う学校に夢があり,学校に行くのが楽しいというような環境をつくることこそが心の教育もできるのではないかと考えます。 21世紀には,地域に開かれた学校づくりや総合学習など,子どもたちが地域の中で多くの住民たちとかかわりながら,生きることの道筋を学習し,心豊かに生涯学ぶべき指標を見つけていくべき学習の場としての学校の役割は一層重要となってきています。 まず第1は,学校環境整備計画についてです。現在の学校の施設,設備は,そういう21世紀に向けて子どもたちの教育の場として耐え得るものになっているのかどうか,お尋ねします。 教育委員会は,21世紀に向けてどんな学校像を持っておられるのか,さらにそれらの整備について中長期的な計画を持つべきであると考えますが,御所見をお伺いします。 第2は,障害児教育における環境整備です。障害を持っている児童生徒が地元の学校へ通い,地元の子どもたちとともに地域で育つということはごく自然であると考えます。しかし,その受け入れ態勢は必ずしも整備されているとは言えません。12月議会の答弁では,個々の子どもの実態に応じた学級の設置や介助員の配置などの指導体制,施設整備にはなお課題があり,今後全市的観点での研究が必要であるとのことでしたが,新年度を迎えるに当たり,指導体制や施設整備での課題はどうとらえられているのか,さらに新年度でどの程度の改善が予定されているのか,お伺いします。 また,施設整備の一つであるエレベーター設置については,肢体不自由児の実情,校舎の構造など総合的に判断し,小中学校の校区の整合性を考慮し,拠点方式として地域割りをもとに考えているとの答弁でありました。しかし,新年度予算には小中学校のエレベーターの設置計画はありません。市立高校へ設置されることには一定の評価をするものです。小中学校へのエレベーター設置の要望も数校から出されているとのことであり,早急な整備が必要であると考えます。小中学校の校区の整合性や拠点方式としての地域割りにどんな問題点があるのか,また今後の設置見通しについて明らかにしてください。 以上で,質問を終わります。 (三好 章市長登壇) ◎市長(三好章) 市民連合を代表されました上野健二議員の御質問にお答えいたします。 初めに,政治姿勢についての御質問です。 我が国は,情報化や国際化の進展,少子・高齢社会の急速な進行などと相まって,これまで有効に機能してきた社会・経済システムに限界が生じてまいりました。このため,政府においては金融,経済や外交など国内外の諸課題について対応しながら,システムの再構築への懸命な取り組みが行われております。その過程において,政策課題や国会運営のあり方などをめぐりさまざまな意見があることも承知いたしているところであります。 いずれにいたしましても,人権の尊重と恒久平和の実現を基本とし,21世紀においても我が国が平和な国際社会の創造に貢献し,精神的にも豊かさを享受できるような社会の実現に向けた国政が進められるよう念願いたしております。 また,20世紀最後の年に当たり,今世紀を理解しながら,物質的豊かさのみならず,平和で心豊かに暮らせることができる社会の実現を目指して,21世紀における持続的発展への確かな足がかりにすべき年と考えております。 次に,新年度予算についてのお尋ねであります。 国の新年度予算は,我が国経済を本格的回復軌道につなげていくため,経済運営に万全を期すとの観点に立って編成をされたものであります。本市におきましては,恒久的減税や景気動向,加えて固定資産税の再建築価格などから主要税目が大幅に減少する見込みの中で,地域福祉の充実など増大する財政需要に対応するとともに,財政健全化を方向づけるという大変厳しい予算編成でありました。 こうした中で,市民生活の安定,向上に視点を置いた諸策としては,介護保険制度を円滑に実施するため円滑導入等基金を設置し,各種介護サービスの提供を行うとともに,介護保険周辺事業として配食サービス,外出支援事業,家族介護用品等支給事業などについて実施をしてまいります。市民生活に直結する事業としては,(仮称)総合保健福祉センターや(仮称)東部市民センターの建設,市民病院増改築に向けた取り組みなどを措置いたしております。また,(仮称)リサイクルプラザの稼働にかかわっての分別処理や(仮称)ごみ資源エネルギーセンターごみ固形燃料化施設などに対する環境対策にも重点的に取り組むこととしております。 次に,財政見通しについてであります。本市の一般財源見通しは,国の財政の中期展望を参考に,現行制度を基本として,平成15年度までを試算したものであります。景気動向,税制改正,金利水準など不確定な要因も多くありますが,平成13年度以降においても引き続き10億円程度の財源不足が継続すると試算しております。歳入の根幹をなす市税は,景気動向や地価水準などから,かつてのような増収は期待できず,また現在の地方財政制度に依存する財政運営も留意しなければなりません。このため,行財政改革大綱に定めている取り組みの着実な実施を行い,財政基盤の確立に努めなければならないと考えております。 次に,(仮称)福山市総合保健福祉センターの今後の方針についてのお尋ねであります。福山市総合保健福祉センターは,保健所,総合相談・情報提供部門,地域活動,自立・社会参加支援部門,在宅ケア推進支援部門の3部門で構成される複合施設であり,それぞれの部門を担う主体は行政と民間とで役割分担することが適切であると考えております。また,総合保健福祉センターは,各地域で提供されるサービスの連携の中核となるとともに,専門的,技術的,全市的サービスの拠点としての機能を果たすものであります。 次に,保健福祉圏域についてのお尋ねであります。これは住民にできるだけ身近なところで地域の特性に合った保健福祉に関するサービスを提供するというものであり,これまでもこうした考え方に基づき行政組織の整備や福祉施設の配置等に取り組んできたところであります。今後ともこうした考え方を基本に,全市的,総合的サービスの拠点である総合保健福祉センターとの連携を図る中で,地域における保健福祉サービスの提供に努めてまいります。 次に,少子化対策についてのお尋ねであります。 少子化対策は,国,地方公共団体や企業,地域社会を含め社会全体として取り組むべき緊急の課題であり,御諸論のとおり保育,住宅,教育,医療など子育てのしやすい環境づくりの整備充実が必要であると考えております。このため,本市においては平成9年3月に児童育成計画を策定し,子どもが生き生きと育つまち福山を基本方針に,ゆとりある教育と健全育成,地域ぐるみの子育て環境整備,子育てのための生活環境整備,母子保健対策の充実,子育てと仕事の両立支援の5つの基本施策をもって子育て支援環境づくりを総合的に推進しているところであります。今後とも国,県や関係機関の動向を見きわめる中で,行政内部の関係部署の連携を一層強め,21世紀を担う子どもたちが健やかに生まれ育つことができる環境づくりを推進してまいります。 次に,乳幼児医療費補助制度についての御質問であります。乳幼児医療費補助制度につきましては,御承知のとおり,平成10年8月1日から県の福祉医療費公費負担事業費補助金交付要綱の改正に伴い,1歳児に対しましては通院医療費を,2歳児に対しましては入院医療費助成の制度拡充を図ったところであり,また平成11年6月1日から所得制限の緩和に伴い,受給資格の範囲が拡大したところであります。対象年齢を児童手当と同様に,小学校就学前の未就学児まで引き上げる制度の拡充につきましては,財源確保の必要もあり,今後とも引き続き県に対して要望をしてまいります。 次に,環境問題についてであります。 太陽光発電システムは自然エネルギーを電気エネルギーとして活用するもので,その導入を促進することにより地球温暖化防止に寄与するとともに,市民の環境保全意識を高める効果的な手法として補助制度を創設したものであります。導入先進都市の調査結果によりますと,20万円から30万円の補助額が多く,施設費用も低下傾向にあることも踏まえ限度額を設定をしておりますが,新エネルギー財団の補助制度との併用を基本としておりますので,活用していただけるものと期待しております。 なお,補助制度と融資制度の併設は困難でありますので,御理解をいただきたいと思います。 また,公共施設建設に当たって,すべての施設への太陽光発電システムの導入につきましては,費用対効果の視点に立って検討していかなければならない課題と考えております。引き続き施設の用途,目的,機能,また市民啓発の視点からも効果を見きわめる中で対応してまいります。 次に,税,料などの収納率向上対策につきましては,市民負担の公平,公正と自主財源の確保の立場から,本市の重要課題と位置づけ,それぞれの部門において効率的,効果的滞納整理の取り組みを行っているところであります。 これまで,福山市収納対策連絡会議において,関係部課と連携を密にする中で滞納整理方針と目標収納率を設定し,納期内納付や口座振替加入の啓発,夜間・休日の納付相談所の開設,収納事務研修などを実施してまいりました。今後とも負担の公平,公正と自主財源の確保のためマニュアルの一体的整備を行い,効果的手法を検討する中で滞納処分の強化を図るなど,全庁一体で収納率向上と収入未済額の圧縮に努めてまいります。 次に,税財源の確保についてのお尋ねであります。 地方税財源の充実等につきましては,これまでも地方6団体や中核市連絡会を通じ,国に対し要望をしてきたところでありますが,このたびの地方分権一括法では具体的に示されておりません。本市は,中核市としてさらなる権限と財源の委譲が必要であると考えており,今後とも国に対し関係機関等を通じ,強力に働きかけてまいります。 次に,外形標準課税についてのお尋ねですが,地方自治体の課税自主権という観点では一石を投じたものの,その是非についてはさまざまな議論のあるところであります。また,法人市民税や地方交付税財源に影響が予測されるところであり,十分論議を尽くす必要があるものと考えております。 次に,平成12年度の組織体制についての御質問であります。行政組織整備に当たっては,これまでも社会・経済情勢の変化に対応し,新たな行政需要や市民ニーズに即応した施策を総合的,機動的に展開するよう,簡素で効率的な組織機構に整備してきたところであります。平成12年度の組織機構の見直しに当たりましても,行政改革大綱に基づき新規事業に対応する組織,関連する組織や小規模組織の統廃合,組織全体の調整機能の確保と関連部門の連携強化などの視点から,平成12年4月からの介護保険制度の実施に伴う整備,本年7月に開設予定の(仮称)東部市民センターにおける執行体制の整備,現在建設中の(仮称)リサイクルプラザの新設やリサイクルの推進などに対応するための環境事務部と環境事業部の再編,学校教育部における指導業務の充実や生涯学習振興に関する諸施策を推進するための社会教育部,社会教育センターの再編などを中心に整備してまいりたいと考えております。 次に,市民センターについての御質問です。現在,本年7月上旬を目途に供用開始すべく(仮称)福山市東部市民センターの建設に取り組んでいるところであります。(仮称)東部市民センターに続く整備につきましては,今後の財源状況等を考慮する中で,慎重に検討しながら取り組んでまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 次に,民生・福祉行政についての御質問です。 まず,介護保険制度の市民啓発についてであります。介護保険制度は新しい制度であること,また市民に新たな負担を求めることなどから,本制度の安定的な運営のためには市民の理解と協力が不可欠であり,これまでさまざまな方途により啓発に努めてきたところでありますが,現状において本制度が市民の間で十分に理解されているとは考えておりません。したがって,引き続き啓発活動を行っていく必要があると考えており,具体的には,1,広報誌への特集記事の掲載と福祉だよりの活用,2,市内4医師会及び社会福祉協議会に委託した普及啓発事業の継続並びに在宅支援センターの活用,3,被保険者証の発送時に啓発パンフレットの同封,4,民生委員を対象とした研修の実施など,効果的な方途により市民への周知,啓発を図ってまいります。 次に,介護保険施設の情報公開についてであります。御所論のとおり,介護支援専門員は介護認定を受けた被保険者が介護サービスを選択するに当たって重要な役割を果たすことになります。このため,指定基準において,指定居宅介護支援事業者は,サービスの提供に当たっては利用者の意志,人格を尊重し特定の職種または居宅介護サービス事業者に偏することのないよう,公正中立に行わなければならないと規定されております。また,介護保険法においては,市町村は,サービス提供事業者が指定基準等に違反すると認めるときは都道府県知事に通知することができるとされており,これらの利用者保護策の周知徹底と研修の充実を図る中で,不正の防止に努めてまいりたいと考えております。 効果的な情報提供の手法と内容については,御提案のパンフレットの作成を含め,検討をしてまいります。 次に,総合保健福祉センターの管理運営についてのお尋ねであります。センターの管理運営につきましては,行政と民間との役割分担を基本に,市民ニーズにこたえるとともに,効率的かつ円滑な管理運営の確保ができるよう,関係機関との協議を踏まえ,その具体について検討をしてまいります。 次に,社会福祉協議会につきましては,地域福祉推進の中核的な組織として大きな役割を担っており,その役割においてセンターの地域福祉活動,自立・社会参加支援部門の主たる担い手として位置づけております。 また,一方では社会福祉協議会介護保険制度下の一事業者としての位置づけもあり,他の民間事業者と同様にみずからの責任において事業の運営を行う必要があることから,その機能,役割を明確に区分し,センターに位置づけられるものであると考えております。 また,センター完成後の現在の社会福祉会館のあり方につきましては,建物の規模等から,複合的な利用を含め,現在関係部課で検討を行っており,早期に方向づけをしてまいりたいと考えております。 次に,環境行政についてのお尋ねであります。 ごみ固形燃料化施設につきましては,新年度基本計画等の委託費を予算でお願いをしておりますが,広島県の(仮称)ごみ資源エネルギーセンターの稼働が平成16年度と計画されておりますので,本市も平成16年度に稼働できるよう,今後基本計画,国への整備計画書の提出等準備を進めてまいりたいと考えております。 施設の内容でありますが,施設規模につきましては建設現段階ではRDFの製造能力1日当たり約180トンで,処理工程はおおむね可燃ごみを荒破砕し乾燥した後,石灰を加えて成形し固形燃料とするものであります。固形燃料化施設は対象となる可燃ごみすべてRDFにする計画であり,箕沖清掃工場につきましてはRDF設備稼働にあわせて閉鎖をし,西部清掃工場については更新時に固形燃料化施設に移行することとしております。 また,リサイクルプラザ稼働に伴いまして埋め立てるごみの量は3分の1以下になるものと見込んでおります。現在の最終処分場2カ所とも,10年程度は延命できるものと考えております。新しい処分場につきましては,いまだ地元同意を得るに至っておりませんが,必要な施設でありますので,引き続き地元の皆さんの同意が得られるように取り組んでまいります。 次に,ごみの減量化にかかわって過剰包装の問題であります。関係業界へ今まで過剰包装自粛を呼びかけてきたところでありますし,市民の皆さんにも過剰包装は断る,買い物袋持参運動等啓発に取り組んでいるところです。今後とも,引き続き業界への働きかをや市民啓発に取り組んでまいります。 次に,本市の減量化に向けた取り組みでありますが,本市も市内のごみ多量排出業者の一人として減量化に向けた取り組みを行っており,瓶,缶,紙類については平成6年度から,非公開文書については平成8年度から資源化しております。また,ごみにしない取り組みとして環境に優しい商品の利用やコピー紙の両面使用なども実施しております。 次に,家電リサイクル法についてであります。家電リサイクル法は,平成13年4月1日から本格施行され,家電4品目について基本的には小売業者による引きとり,及び製造業者等による再商品化が義務づけられることになっております。しかしながら,制度の骨格は決まっているものの,政省令等,その詳細が明かでありません。その情報収集に努め,市民に混乱を来さないよう,制度が適正に機能すべく周知を図ってまいりたいと考えております。 次に,農林行政についての御質問です。 これまで本市は,平成2年を基準年度とし,平成12年度を目標年次とする福山市農業振興ビジョンを策定し,農業施策を実施をしてまいりました。 施策としては,1,基盤,施設の整備,2,農作業受委託の推進,3,青年農業者,担い手の確保,4,生涯学習型生活の確立,5,交流基盤の確立を柱とし,取り組んできたところであります。 結果としては,水田農業は農作業受委託センターの育成を通して稲作の生産コストの低減や省力化への方向づけができたことと,園芸作物の施設化を進め,付加価値の高い特産物生産が進んだこと等があります。 課題としては,農業生産性を高めるための土地基盤整備の推進や,中核的な担い手の育成等があります。 今後については,今までの課題や国の農政改革大綱,食料・農業・農村基本法,県の農林水産業農山漁村活性化行動計画や輸入農産物の動向等を参考にし,本市の地域実態を踏まえ,(仮称)福山市農業振興ビジョン策定協議会を発足し,新年度において農業振興ビジョンを策定し農業の振興に取り組んでまいります。 次に,土木行政についての御質問であります。 河川整備につきましては,主に市街地周辺部において雨季の災害を未然に防止し,市民の安全かつ良好な生活環境を確保するため,地元関係者との協議を行いながら整備に取り組んでいるところであります。第2次計画においては,達成率約86%であります。第3次計画における現在の進捗率は,約63%であります。また,水路整備につきましては,現在取り組んでいる第4次水路整備5カ年計画が本年度で最終年度となっており,一定の整備効果が図られるものと考えておりますが,水路の未整備や老朽化による汚水が停滞し,水路周辺の環境悪化が著しい地域については,新年度より引き続き新たな整備計画により整備していく予定にしております。 河川・水路整備に関しては,地域の実情を見ながらできる限り促進をする方針でありますが,市単独費で充当する事業であり,緊急性等を考慮しながら,順次実施していきたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 次に,高機能舗装についての御質問であります。沿道環境の改善や道路交通の安全性の向上に資するため,現在市内の幹線道路である福山駅手城線,沖野上箕島線等3路線について,地質条件等を考慮して騒音防止や水はね防止にすぐれた高機能舗装の整備を実施しております。今後とも,必要に応じて検討をしてまいりたいと考えております。 次に,歩道整備についての御質問であります。本市においては,平成10年3月に策定した交通安全工作物整備マニュアルを基本に,歩道の整備を進めているところであります。具体的には,1,縦断勾配は沿道の状況等によりやむを得ない場合には,1メートルにつき最大8センチ以下とし,可能な限り緩やかにするように,2,横断勾配では,1メートルにつき1.5センチから2センチの範囲とするように,3,歩道から横断歩道への接続部分の段差はできるだけなくするよう等明記をしております。今後も幹線道路を主体に安全な歩道の整備を進めてまいりますので,御理解をいただきたいと思います。 次に,入札制度についての御質問であります。まず,公共工事の発注に当たりましての冊子づくりにつきましては,早期発行を目指して作業を進めているところであります。この中で,指名業者選定基準につきましては個々の工事の工法,施工現場の状況などにより,その都度判断すべき部分も数多くありますので,指名に関する基本的な事項や留意事項についてはこの冊子に盛り込みたいと考えております。 なお,この冊子については,近く常任委員会に御報告するとともに,入札・契約制度等の説明会において関係業者に配付をし,活用をしてまいりたいと考えております。 また,入札・契約制度の改善につきましては,平成5年度に福山市入札制度等改善検討委員会を設置し,入札・契約制度の公平性,透明性,競争性を確保する観点から各種の制度改善に取り組み,その都度その内容を明らかにしてきたところであります。これまでの取り組みを総括すれば,条件付一般競争入札や公募型指名競争入札の導入により公平性や透明性を高めることができましたが,競争性を確保するための施工実績などの条件を吟味する必要があること,また事務手続に時間を要する点が問題点として上げられると思います。 今後は,より透明性を高めるため,県が試行をしております予定価格の事前公表や登録業者の等級格付の公表などについて検討をしてまいりたいと考えております。 次に,地場企業の育成についてであります。地場企業の育成は,地域経済の活性化を図る上で重要な課題と受けとめており,そこでこれまでも市内業者で施工可能なものにつきましては極力市内業者に発注するとともに,分離分割発注や市内業者を構成員に加えた共同企業体による発注等により受注機会の増大を図ってきているところであります。また,工事発注の際,受注者に対し工事用建設資材の市内業者からの購入,さらには地場製品の積極的な活用や下請業者への参入についても文書等により要請をしているところであります。今後とも,地場企業への発注,育成については積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に,交通政策についてのお尋ねであります。 現在,本市で取り組んでおります福山地域都市交通円滑化推進計画いわゆる福山市総合交通計画は,自動車利用の増加による慢性的な市内の交通渋滞に対し道路網整備を計画的に進める一方,公共交通手段を有効活用するとともに,交通需要を整備するソフト施策に重点を置いて,少子・高齢化社会への移行,省エネルギー化などの社会情勢の変化に対応した将来の交通体系指針を策定しようとするものであります。計画の策定に当たっては,国,県や交通事業者,学識経験者などの関係者の参加を得た計画策定委員会を組織し,幅広く意見を聞きながら計画を取りまとめることといたしております。 福山市の現況の交通手段は自動車利用の比重が高く,このことが公共交通衰退の悪循環を招いていることも事実であろうと考えております。したがって,自動車から公共交通機関への適切な機能配分を図り,交通手段の多様化により,老人や子どもたちの移動の自由度を高めることも重要な視点であると考えております。 なお,マイカー自粛などの交通需要の調整においては,市民の理解と協力が欠かせません。そのため,循環バスやパークアンドライドなどの交通実験で具体的な施策を実際に体験していただくとともに,フォーラムなど公開討論会や意見交流会などで市民の合意形成を図っていくことが重要であろうと考えております。 乗合バスに関する規制緩和についての御質問であります。まず,規制緩和後の補助路線の認定や補助額についてのお尋ねでありますが,地域の実情に応じた交通の確保については,地方公共団体が関係者と協議していくものと理解をしております。これに伴う補助路線,補助額等の補助制度に関しては,今国会に上程を予定されている道路運送法の改正法の成立に合わせて枠組みができ,財源等についても具体が示されると理解をしております。 次に,補助路線の入札制度導入について,市場原理についてのお尋ねでありますが,今後国,県の方策等を見きわめる中で,安全で良質な公共交通機関を手法について検討をしてまいりたいと考えております。 次に,地域協議会につきましては,県が主体となって設置することとなっており,国の指針等が明確になっておらないため構成メンバー等も確定しておりません。当協議会において,生活交通の確保等一定の方向性が示されるものと考えております。また,協議会の設置は道路運送法の改正法の成立や補助制度の見直し等を設けて行う予定と聞いております。 最後の御質問の,教育問題につきましては,教育長より御答弁をいたします。 以上で,市民連合を代表されました上野議員の御質問の答弁とさしていただきます。 (福万建策教育長登壇) ◎教育長(福万建策) 教育行政についてお答えいたします。 学校施設につきましては,昭和40年代から昭和50年代の児童生徒急増期に整備された校舎が集中化しており,改築に当たっては急増期のような国庫補助の飛躍的な増は期待できない状況であります。こうした状況の中で,各年度の事業量をできるだけ平準化する必要があり,中長期的な観点からの計画的整備という視点で第3次長期総合計画に位置づけており,大規模改造事業も活用しつつ取り組んでいるところであります。 新しい学習指導要領においては,総合的な学習の時間の新設,選択学習の幅の拡大が図られるとともに,個に応じた指導の一層の充実が求められており,今後ますます学習形態や学習方法が多様となっていくことが予測され,それに対応できる施設整備,スペースの確保等が必要であると考えております。 このような中で,学習,読書,交流等の場としての学校図書館スペース,子どもたちが一日の多くを過ごす場として,楽しく食事ができるスペース,子どもたちが快適に使用できるトイレや男女別の更衣室,気軽に安心して相談ができる心の教室,友達同士が語り合い談笑する談話スペース,思い切り遊べるスペース,小動物と触れ合い遊べる場等それぞれの子どもの居場所となり得るような施設整備にも取り組んできたところであります。また,内装仕上げを木材使用により,温かみと潤いのある教育環境整備を図っているところです。 今後とも学校整備に当たりましては,新しい課題の対応も含めて,ゆとりと潤いのある,快適で過ごしやすい学校となるよう計画的整備に努めてまいりたいと考えております。 次に,障害児教育における環境整備についてのお尋ねです。小学校,中学校におきまして,障害のある子どもたちの教育の場として,本年度本市には小中学校に知的障害学級62,情緒障害学級44,肢体不自由学級5,難聴学級3,院内学級6,言語通級指導教室4を設置しており,障害児学級のある学校は,小学校63校中49校,中学校27校中24校となっております。また,福山地区には県立の養護学校が3校あります。それぞれの場において,障害のある児童生徒一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばし,社会参加するための基盤となる生きる力を培うために,集団とのかかわりを持ちながら,障害に応じた適切な指導に努めております。 就学に当たりましては,児童生徒の障害の実態や地域の実態を踏まえ,それぞれの学校,学級の教育内容を説明しながら,就学相談,就学指導に取り組んでいるところです。しかし,地域の学校で学ばせたいという保護者の願いから,障害のある児童生徒の在籍する小中学校がふえてきており,障害児学級も5年前の95から124へと年々増加いたしております。 今年度の児童生徒数の在籍による学級数は,通級学級,院内学級を除いて,県への特別要望による1人在籍の学級が17,2人学級が38,3人学級が36,4人以上の学級が23という現状にあります。それぞれの学級には,県費教職員126人に加えて,単市措置として介助員66人を配置して指導に当たっております。少人数の学級形態の中できめ細かい指導ができる一方,集団機能的なかかわりを持ちにくく,交流教育のあり方について課題のあるところであります。また,児童生徒の実態も障害が重度,重複化してきており,指導の継続性や担当教員の専門的な知識や対応に課題のあるところであります。 難聴学級につきましては,蔵王保育所,西幼稚園とかかわりを持ちながら,西小学校,城北中学校に設置し,一貫したきめ細かい取り組みによって,難聴という障害から来るさまざまな困難を仲間とともに乗り越えていく力を培い,社会性を身につけ,巣立っていっております。 このように集団的なかかわりを持ちながら,それぞれの障害の特性に応じた教育の場を充実させ,専門的な知識や経験を持った指導者を中心に,一人一人の障害に応じた教育内容を創造し,学校全体の取り組みの中で障害児教育を推進していくことが必要であると考えます。 そのための一つの考え方として,拠点校というあり方を検討しているところであります。こうした拠点校としての位置づけの中で,有用性についてこれまで整理してまいりしたことは,1つ,小学校と中学校との連携を図り,障害の状況に応じた教育内容をつくり,継続した取り組みができること,2,障害のある児童生徒同士のかかわりを大切にする活動を進めることにより,集団としての高まりが期待でき,将来の社会生活における基盤づくりができること,3,保護者同士のつながりの広がりと深まりが発展し,校区を挙げての支援態勢をつくることができること,3,施設設備の改善や経験豊富な指導者の配置など環境整備が重点的にできること,5,開かれた学校,特色ある学校づくりの観点での取り組みができること。 また,課題といたしまして,居住学区から離れた学校へ通学する児童生徒もおり,通学区域や通学の負担,居住学区の子どもたちとのつながりをどうつくるかといった点などが考えられますが,エレベーターの設置を含め,障害児教育のあり方について関係の方々の意見を伺いながら,共通理解や課題の整理をしてまいりたいと考えております。 なお,来年度小学校19校,中学校5校でスロープ,手すり,トイレの改修など施設設備の整備を予定いたしております。 また,新たに8学級の認可を申請しており,今後とも児童生徒の実態把握に努め,障害児教育の充実に向け,さらに取り組んでまいります。 以上であります。 ◆29番(上野健二) それでは,再質問いたします。 まず,市長の政治姿勢の中で,財政状況でありますが,御答弁をいただきましたように市税が経済動向その他のいろんな環境によって,毎年マイナス傾向にあるわけでありまして,今年度予算では2.1%の市税のマイナスでしたが,新年度では3.5%,構成比の50%を切るような状況にあるわけであります。 そういう中で,中でも固定資産税等は一時期を除いて右肩上がりという状況もあったわけですが,新年度ではそういう状況にない,2.9%のマイナスになっておるという厳しい財政状況の中で,1つお尋ねしたいのは,先般マスコミ報道でありました,小田原市でございますが,悪質な市税その他の滞納者については氏名の公表等をするというようなことがあるわけですが,この問題は非常に難しい,自治法の関係からを含めて問題があるんじゃないかと思いますが,特にそういうプライバシーを保護する前提に置きながらも,もう少し突っ込んだ対策を考えるべきじゃないかと思うんですが,これらについての考え方を示していただきたいと思います。 それから,民生・福祉行政の関係では,介護保険制度が4月1日からスタートするわけでありまして,今審査を受けられました4694人の,2月17日現在ですか,要介護認定されておるわけですが,これからケアマネジャーにケアプランの策定をしていただかなくてはいけないわけでありまして,もう1カ月しかないわけでありますが,これらの進捗状況について明確にしていただきたいと思います。 また,PRについても,特に対象になって申請されておられます6731人の方にはきめ細かいやはり指導なりPRが必要でないかと思うんですが,これらの対応について。 また,御答弁いただきましたように全市的にはいろんな広報,いろんな面で取り組むという御答弁があったわけですが,もう少しきめ細かく,もう1カ月しかないわけですから,実施後にいろんな問題が起こさないような方策を再度検討していただきたいと思います。 それから,(仮称)福山市総合保健福祉センターの建設に当たりまして,施設の管理運営機能について尋ねたわけでありますが,その中でいつも関係者,関係団体との協議がうまくいってないケースが多いわけでございますが,これらについてどの程度関係団体,関係者との協議が進んでおるのか,お示しをいただきたいと思います。 また,質問いたしました最重度障害者のデイサービスの実施ということで,いつもこの問題は取り残されておるわけでありまして,養護学校を卒業して,あと受け入れる施設がないという状況の中で,最重度障害者についていつも取り残されておるわけでございますが,重度障害者のデイサービスについては,市長答弁では実施するということでございますが,その中で最重度の扱いについて,この機能が備わっているのかどうか,また取り扱いができるのかどうかについて,市長の答弁の中では市長の総体説明の中で明らかにされておりますので,最重度についてお示しをいただきたいと思います。 それから,環境行政についてでありますが,いろんなさまざまな取り組みをされておるわけでありますが,そういう中で過剰包装,特になかなか規制が難しい,また指導もなかなか問題があるんではないかと思いますし拘束力もないわけでありますが,大量生産,大量消費ということで,いろんな過剰包装によって,最終的には行政が税金でごみを焼却するということになるわけでありまして,まずもとを断つのが一番中心課題にならなくてはいけないわけでありまして,もとを断たない限りごみはますますふえてくるわけですので,これらについてもう少し突っ込んだ対策が必要になってくるんじゃないかと思うわけでありまして,そういう面については明らかに具体的取り組みをしていただきたいと思います。 それから,不法投棄の関係で,毎回指摘しておりますように,後を絶たないわけでありまして,そういう中でどこの場所でどの程度不法投棄があって,どの程度の処理費が要るということを把握をして市民にも広く訴えるべきではないかと思うわけです。心ない市民が至るところへ不法投棄をしておるわけでして,また昨年度でしたか,不法投棄に対する費用が2000万円からかかっておるということになっておるわけですから,そういう面で,難しいことですが,個人の財産のとこへ捨てられると放置しておくわけはないわけですから,行政のところのいろんな施設へ置いておれば放置しておくのかということになるわけでして,もう少しそこらについても広く不法投棄に対する,またいろんな情報等の提供もしてもらうという中では,パトロールだけでなくきめ細かい取り組みが必要じゃないかと思いますので,これらについても明らかにしていただきたいと思います。 それから,土木行政で河川,水路の整備計画が遅延したり,今後重点的に取り組むという答弁があったわけでありますが,公共下水がつくところは一定の環境整備がされるわけでありますが,公共下水がつかない市街化調整区域においては慢性的なそういう状況が続くわけでありますので,それらについては重点的な対応をするべきだと思いますし,また財政措置についてもお尋ねしたわけでありますから,それらについても御答弁をいただきたいと思います。 また,高機能舗装についてでありますが,高規格道路ではその規制があるわけでありますけれど,県道とか一般道ではほとんどそういう扱いがされてないわけですので,やはり騒音が少なくなるというような状況もあるわけですから,主要道,交通量の多いところはやはりその近くにお住まいされておられる方非常な,なれておるからということもあるんかもわかりませんが,相当な騒音になっておるわけです。少なくとも騒音を下げていくという,一つの舗装だけでなくして,また安全性も含めてあるわけですので,これらについても非常に厳しい財政の中で取り組みが課題があるんじゃないかと思いますが,これらについても政策的に取り組むべきじゃないかと思いますので,再度質問いたします。 以上です。 ◎税務部長(柳井正浩) 小田原市におきまして,滞納者に対する行政的なペナルティーや悪質滞納者の氏名の公表という条例を制定するということでございますが,我々は自治省の税務局長から滞納者名及び滞納税額については納税者等の利益を保護し,行政の円滑な運営を確保するため一般に公表すべきではないという見解が今まで出されております。 これを基本に据えまして滞納整理をしてまいったわけでございますが,今回のことにつきましては,滞納者を公表することによって得られる利益と滞納者の人権にかかわることによって失う不利益との利益考量によって判断すべきものであると私は考えております。 公表することの条例を制定し,基本的には滞納の一般的な予防と社会的な制裁を図るのも,是非は別といたしまして一つの方法かもしれませんが,我々としては現行地方税法や国税徴収法に滞納者に対する措置については一定の定めがありますので,この本来の方法によって有効な滞納整理をしてまいるのが本来の筋であると,このように考えております。 ◎保健福祉部長(鴨田弘道) 民生福祉にかかわって,4点の御質問でございました。 介護保険の進捗,とりわけケアプランづくりがどうなっているかということでございますが,現在市内56事業所,市外14事業所,ケアマネジャー約200名でもってケアプランづくりの体制が整っており,昨日現在で4694件認定通知をした中で,2399件が事業者から届け出が行われ,日々届け出状況があっているところでございます。そういった体制はとれておりますので,引き続き精力的なプランづくりを見守っていきたいというふうに思いますし,あす市内,市外の事業者の代表にお集まりいただきまして,そういったケアプランづくりの基本的なこと,あるいは積極的なプランづくりについて奨励をしてまいりたいというふうに思っています。 PRについてでございますが,全体的なことについては市長御答弁申し上げました。申請者に認定通知をする時点で要介護度に見合う限度額,あるいはモデル的なケアプラン,あわせて関連事業,周辺事業として考えていくこと等を通知いたしておるところでございますし,事業者名もリストを入れましてこの事業者に御相談くださいというような形にいたしております。あわせて,1号被保険者全員に保険証を送付する,中旬ごろになろうかと思いますが,その時点では介護保険制度等のメニューの詳細なパンフレットを作成しておりますし,それをあわせて送り,そういった介護保険事業等の周知をさらに深めてまいりたいというふうに思っております。 (仮称)総合保健福祉センターの管理運営等にかかわってでございますが,これまで基本構想に基づく位置づけの中で社会福祉協議会,医師会等がそれぞれの部門を担当していただくことになっておりますし,細部の設計にわたってそういった関係団体との協議も調え,建設に着手しておるところであります。 御案内のように保健所が今保健センターの中にいるわけですけれど,あわせて現在の保健所と新しくセンターで業務を行うことにしておりますので,管理について保健所を中心にそれぞれの管理区分等あるいは使用許可等の具体を今後詰めてまいりたいというふうに思っております。 それから,機能として身体障害者のデイサービスを位置づけております。そういった中で,最重度への対応がいかがかということでございます。これまで水浴訓練事業とのかかわりもあり,関係団体と数度にわたりそういった機能について協議を重ねております。そういった中で,通常的なデイサービス事業としての相談室とか日常生活訓練室,社会適応訓練室,創作活動室,一般機械浴室ということはもちろんでございますが,加えて車いすストレッチャーが直接入れるといいますか,それで入浴できる昇降式の浴室,あるいは重度というようなことで酸素吸入,あるいは経管栄養等ある場合に吸引というようなこともあるわけでございます。そういった設備対応をいたしております。御指摘の点も踏まえて,具体について今後,これまでも議論しておるわけでございますが,詰めてまいりたいと思います。 以上です。 ◎環境事務部長(森島正弘) 環境行政にかかわって,2点の御指摘,御質問でございました。 どちらも市民の意識に大きくかかわる問題でございます。過剰包装についてでございますけれども,これまでいわゆる大規模店舗,福山ビッグストア協会等へ,直接それぞれの店舗へ過剰包装について自粛のお願いに参っておりますし,また小さな事業所に対しましても4500社以上ございますけれども,そういうところへもリーフレット等を配布し,過剰包装についての自粛もお願いしてきたところでございます。 また,事業者側の自粛,また市民側からの消費者といいますか,こちらの意識も必要でございますので,いろんな集会あるいは広報等でごみになるものは買わないとか,あるいは過剰包装は断る,あるいは買い物袋を持参しましょうとか,そういった啓発活動にも努めてまいったところでございます。今後もあらゆる機会を通じまして,そういう働きかけもしてまいりたいと思っております。 それから,不法投棄にかかわる問題でございますけれども,これまで地域の町内会,あるいは衛生委員さん,また市職員それぞれからの情報提供,そして警察等との連携も図る中で対応をしてまいりました。どうしても事後処理でございますので,これも市民の意識といいますか,モラルの問題にかかわる問題でございます。学校,家庭,社会,それぞれにおける教育も必要であろうと思っております。 それから,議員さん御指摘のこの不法投棄にかかわっての原状回復にかかわる経費,こういうものについても市民の皆様方に知っていただくことによって効果もあろうかと思っております。今後,啓発のあり方,どういう啓発が効果があるのか,そういう点についてもいろいろ工夫もしてまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。 ◎土木部長(岸本明治) 水路の市街化調整区域,こういった中の整備のお尋ねでございました。 我々も市街化調整区域内での,雨季に災害が発生するおそれのある箇所,農業用水路が宅地化によって排水路となっている箇所,こういったような箇所につきまして現在整備を進めてまいってきてるところでございます。市長答弁にありましたように,昨今の厳しい財政事情の中ではございますが,そういった財源を確保する中で,市単独事業で主にやっております関係でありますが,確保しながら,順次緊急性のあるところから今後も整備に努めていきたいというふうに思っておりますので,この点につきましてはよろしくお願いをいたします。 それから,高機能舗装,我々排水性舗装と言っておりますが,この舗装につきましては建設省ではいち早く2号線のバスレーンをされました。そういった中で,県もあらゆるところを現在やられておりますが,我々も先ほど市長答弁にありましたように3カ所,主要には都市計画道路でございますが,こういった中を整備をいたしております。こういった中の重要な路線,いろんな地形的な条件も見る中で,今後もできればそういった方向で整備を進めていきたいというふうに思っておりますので,よろしくお願いします。 ────────────────── ○議長(蔵本久) この際,休憩いたします。         午前11時59分休憩 ──────────────────          午後1時21分再開 ○副議長(新谷勇) 午前中に引き続き,会議を開きます。 ────────────────── ○副議長(新谷勇) 次に,日本共産党代表 19番村井明美議員。 (19番村井明美議員登壇)(拍手) ◆19番(村井明美) 私は,日本共産党を代表して質問をいたします。 まず,市長の政治姿勢についてであります。 今,長引く不況で国民生活は大変な苦しみにあえいでおります。ところが,自民,自由,公明3党の連立政府は,新たな国民犠牲を押しつけようとしています。その1つは,年金の改悪であります。現在38歳以下の男性,33歳以下の女性は65歳になるまで年金を支給しないというものであり,報酬比例部分の削減で,試算によれば35歳の夫婦合わせて1000万円の減額になるものであります。それ以上の年齢層では段階的に支給年齢を引き上げ,支給額を減少するものであります。これでは65歳になるまでの生活設計が成り立たないばかりでなく,老後は暮らしていけません。 また,2000年度国家予算では,70歳以上のお年寄りの医療費負担に1割負担を導入しようとしています。上限が設けられているとはいえ,医療費負担は4割か5割増しとなります。それ以下の年齢層では,医療費負担の上限額を引き上げるものであります。さらに,失業した労働者の生活を支える柱である雇用保険制度は,現行0.8%の保険料率を1.2%に引き上げ,給付では保険加入期間と年齢に応じ90日から300日となっているものを,企業都合の非自発的離職者以外は90日から180日に大幅カットし,非自発的離職でも60歳以上65歳未満者は最高で240日に支給日数を短縮するものであります。 その上,児童手当の支給対象年齢を拡大する財源として,年少扶養控除を現行の48万円から38万円に引き下げ2030億円の財源を確保し,児童手当の支給年齢引き上げに必要な2200億円に充当するとのことであります。増税の対象となるのが1900万人の子どもの世帯,新しく児童手当の支給対象となる子どもが300万人で,新たに1600万人の子どもの世帯には増税の被害だけがかかるものであります。 今日の不況は,消費税の5%への引き上げ,老人医療費の負担増,将来不安から買い控えも起こり,消費不況が引き起こされていることが大きな要因であります。 以上に述べた新たな国民犠牲が一層不況を深刻化することは火を見るより明らかで,国民生活を耐えがたい苦しみに陥れるものであります。それぞれの改悪を直ちにやめるよう,政府に対して表明されることを求めるものであります。市長の御所見をお示しください。 一方,政府は,銀行支援枠は10兆円ふやして総額70兆円に,公共事業は新年度も50兆円を行おうとするものであります。新年度末の借金総額は,国,地方を合わせて645兆円,国民1人当たり510万円に上ります。このような財政困難を生み出したのは,世界にも例を見ない公共事業に50兆円,社会保障には20兆円という逆立ちした財政構造であります。このままの道を突き進めば,100年たっても国の借金は払えません。政府に対して,銀行への税金投入は直ちにやめること,初めに630兆円の公共事業ありきという実力に見合わない公共事業は取りやめ,公共事業費のむだ遣いを削減し,国民の暮らし,福祉,教育に予算を振り向けることを強く求めていただきたいのであります。市長の御所見をお示しください。 政府は,年間50兆円の公共事業を達成するために地方単独事業の積み増しを要求し,福山市の単独事業も近年ふえ続けました。しかも,その中身は大手ゼネコン型の公共事業であります。駅家・加茂の内陸団地開発は,第1期工事50ヘクタールに90億円が注ぎ込まれましたが,企業が来るあては約5ヘクタールとのことであります。新聞報道では広島県の工業団地開発についても,178ヘクタールのうち売れたのは8ヘクタール,170ヘクタールは売れ残ったままとのことであります。福山市において,今後駅家・加茂の内陸団地開発,神村工業団地開発,備後新都市開発は凍結することを求めるものであります。 先日の福山市社会福祉審議会に示された第2次福山市保健福祉総合計画案には,敬老祝金,老人バス助成制度の見直しなど制度改悪がうかがわれる叙述がされております。一方にこのような市民犠牲を強いる,これ以上の福祉後退は許されないものであります。それぞれの御所見をお示しください。 我が党はかねてより,大型公共事業の見直しをし財源を縮減し,公共事業は生活密着型,福祉優先型へ転換を行うことを求めてきました。道路維持補修費は倍増するなど,生活道路の改修,維持補修を進めること,待機者を解消し,新たな要望にもこたえることができるよう特別養護老人ホームを建設すること,児童館を建設するなどを進めれば,地元の中小業者に仕事を発注することができ,教育,福祉関連で新たな雇用をふやすことができるからであります。市長の御所見をお示しください。 また,国でも福山市でも社会保障にこそ手厚い財源に切りかえることを求めるものであります。社会保障の財政危機が言われておりますが,その原因は80年代以来の公費支出の圧縮政策にあります。社会保障の財源の中の公費負担の占める割合は,80年当時33%であったのが,97年には24%に減っております。約8兆円のお金を公費から引き上げたことになります。国民,市民の税金は国民,市民の暮らしと福祉に振り向け,21世紀にふさわしい社会保障体系を築き上げる方向に転換することを望むものであります。市長の御所見をお示しください。 福祉行政について,お伺いいたします。 新年度より介護保険制度が始まり,本会議にも条例案が提出されているところであります。この介護保険制度については,依然として介護認定のあり方,高過ぎる保険料,利用料の問題,介護サービス基盤の立ちおくれの問題が解決されておりません。 介護認定制度の問題では,全国一律のコンピューターで行う1次判定は,聞き取り調査項目が心身の状況に限られていること,データを処理するソフトが施設入所者のデータをもとにつくられ,在宅の高齢者のデータが入っていないため,その実態が反映されず,実際より低めの判定が出ることが明らかになっています。特に,在宅で徘徊などの問題がある痴呆のお年寄りの場合,コンピューターによる第1次判定が介護実態に比べ低く出がちです。生活実態に即した総合的な判定が行われるよう,2次審査に当たる認定審査会の役割が重要であります。 全国の自治体では,この不備を解決するためにさまざまな模索が続けられています。千葉県我孫子市の審査会では,在宅の痴呆性老人は要介護度3を基本にするという独自の基準をつくりました。認定制度についてどのように認識しておられるのか,また福山市としての介護認定にかかわる問題改善策をどのように考えておられるのかお示しください。 現在までに行われた認定審査で,現行の福祉サービスを受けている高齢者で非該当の認定となった人数,特別養護老人ホームの入所者で非該当,要支援となった人数をお示しください。 認定から外れるお年寄りに対して,どのような施策を行われるのかお示しください。 次に,保険料,利用料について,保険料は第1号被保険者は初めの6カ月間は徴収せず,次の1年間は半額とすることとなっています。国の制度では,1年半後の保険料は所得に応じて5段階を設けておりますが,第1段階で年間1万9100円,第2段階では2万8600円の負担となり,利用料も合わせれば大きな負担となります。福山市では,第1号被保険者の第1段階,第2段階の人数は何人になる見込みかお示しください。 また,所得が低いことを対象にした市としての保険料,利用料の減免制度の創設を求めるものであります。認定から外れた高齢者に対する福祉施策について,現行の福祉を後退させないために第2次高齢者保健福祉総合計画の拡充を図ることを求めるものであります。それぞれについての御所見をお示しください。 次に,障害者と介護保険制度の問題であります。これまで要医療,要介護の重度心身障害者は障害者福祉施策によって経済負担が軽減されてきました。重度心身障害者医療費補助や身体障害者ホームヘルプサービスなどによって生活と健康が支えられていたのです。介護保険制度のもとでは,障害者も本人の希望とかかわりなく,40歳以上の者はすべて強制加入となり保険料が徴収されることとなります。 この制度は,基本的に低所得を事由としての減免制度を設けず,住民税非課税世帯からも保険料が徴収されます。障害基礎年金の受給者は市町村からの徴収になっていますが,わずかな年金からの保険料の支払いは生活を直撃し,深刻な滞納問題をつくり出すことが予想されます。また,保険料以外に介護サービスを受けると1割の利用料負担が請求されることも大きな問題です。従来の障害者施策によるサービスの提供が無料あるいは低額負担であったことを考えると大変な負担増と言わざるを得ません。施設利用者は,それ以外に食費の一部や日常生活費,教養娯楽費などが全額負担となります。また,知的障害者や精神障害者等多くの障害者が非該当になることが予測されます。要介護認定によるランクごとのサービス支給限度額以上のサービスを受ける場合の費用は,全額自己負担になることも問題であります。 さらに,指定業者に利用者が直接サービスの利用を申し込み,市町村は利用者に対するサービス提供に責任を持たないことになります。とりわけ,民間業者が指定業者になることによって低所得者である障害者や,いわゆる採算の合わない重度,重複障害者が逆選択・選別されるのではないかなど,公的責任の後退や人権侵害の問題をつくり出す危険性があります。 これらの問題を市としても政府・厚生省に改善を求めるとともに,条例化に当たっては,憲法に基づく高齢者,障害者の人権尊重,権利の擁護,生活水準の向上による人間としての尊厳が守られることを明記すること,対象者を介護保険法に言う要介護者だけでなく,障害者,難病患者などを含む総合的なものとすること,利用者の権利充実のための介護オンブズマン制度の設置,訪問相談員制度,苦情処理の相談機関などの設置を盛り込む,障害者の福祉を後退させない施策や保険料,利用料の減免制度を盛り込むことなどが必要ではありませんか。御所見をお示しください。 介護保険制度のもとでは,訪問看護,訪問リハビリテーション,訪問薬剤指導,訪問栄養指導,訪問歯科衛生治療,通所リハビリテーションなどの医療系サービスを利用する際,65歳以上の人及び40歳から64歳の介護保険特定疾病の人については健康保険ではなく介護保険が優先されることとなりました。そのため介護保険の1割負担となり,自己負担月額最高3万7200円へと激増することになります。この事態を放置したまま4月を迎えるならば,在宅療養障害者の生活と健康は文字どおり危機的状況に立ち至ります。重度心身障害者への医療も後退させないことを求めるものであります。御所見をお示しください。 衛生行政について,お伺いいたします。 我が党は,箕沖リサイクルプラザの建設については大量生産,大量消費,大量処分を前提とした施設であること,ごみ焼却炉の談合疑惑に対する公正取引委員会の調査の最中であるにもかかわらず,契約を急ぐことは許されないとの点でこの建設に反対の態度を表明したところであります。また,廃プラスチックを日本鋼管の高炉還元剤として年間3万トン燃焼させることについても,市民からは有害物質の発生の有無について検証が十分ではないことや,新たな環境負荷が懸念されております。 その上,このたびは県のエコタウン構想の中核プロジェクトとしてごみの固形燃料化・RDFと,RDFを利用した発電施設(仮称)ごみ資源エネルギーセンターについて福山市に事業化をするとのことであり,市はこれに中心的役割を果たし,財政的にも応分の出資と調査費を計上するとのことであります。 そこで,お伺いいたします。 まず第1に,福山市に新しい電源開発が必要であるかどうかという問題であります。福山市における電灯及び電力使用量は,1997年度28億1939万3000キロワットで,1991年度の28億7805万2000キロワットを下回っております。この間,ほとんど横ばい状態であります。今後の電力需要の増加を裏づける客観的条件があれば,お示しください。 新しい電力需要の増加が見込まれない以上,中国電力への売電は現実性がないのではありませんか。まず,県に対してRDF発電施設の福山市への立地を断られる必要があると考えるものです。御所見をお示しください。 次に,ごみの固形燃料化と燃焼発電についてお伺いいたします。この計画もまた大量生産,大量消費,大量処分を前提とした計画であり,リサイクル社会の実現とはいえないものであります。それだけにとどまらず,多くの問題を提起するものであります。RDFの作成やRDFを燃焼させて発電することの安全性について,どのように認識しておられるのか,お示しください。 また,福山市はRDFの施設設備にどれだけの建設費を見込んでおられるのか,お示しください。 これ以外にも輸送経費,乾燥用燃料,脱臭用燃料もかかり,機械の故障も多く,維持管理費は極めて割高であります。ごみの分別収集,リサイクルを進め,日量450トンのごみ焼却能力施設を持ち,リサイクルプラザ建設中の福山市がごみ処理に二重三重の経費をかける必要はないのではありませんか。 福山市の環境は,オキシダント警報の多発,浮遊粒子状物質の現状からも憂慮すべき状況であります。この上,日本鋼管での年間3万トンに上るプラスチックの高炉での燃焼,さらにRDF火力発電が行われれば,環境負荷は予測がつかないものとなるのではありませんか。また,焼却灰にはダイオキシン,重金属などが含まれており,再利用することは2次災害を引き起こすと考えられます。これらについてどのように予測をしておられるのか,お示しください。 日量390トンのRDFを燃焼する計画は,搬入に伴う交通渋滞,自動車排ガスなどの影響が懸念されるものですが,トラックの輸送量や排ガスについてどのように推量されておられるのか,お示しください。 この発電事業は,いわゆる第三セクター方式で行われるものと考えられますが,自治体意思の関与,議会意思の関与はどのように保障されるのか,お示しください。 また,RDF発電は建設しただけでは事業化にならず,発電した電力を売ることにより計画しただけの収入を上げなければ事業として成り立ちません。この収益をどのように見込んでおられるのか,お示しください。 事業の採算が合わなければ参加している自治体の責任が問われ,財政負担が大きいものとなり,やがては市民にかかってくるものとなると考えられます。 以上についての,それぞれの御所見をお示しください。 次に,国保行政についてお伺いいたします。 本年4月からの介護保険制度実施に伴い,40歳から64歳までの第2号被保険者の介護保険料は国民健康保険税に上乗せされて課税されます。65歳以上についても,1年6カ月の経過措置はあるものの,大きな負担となるものです。高い国保税の負担に加えての新たな負担は市民生活を一層困難に追いやるもので,介護保険料,利用料の軽減措置とともに,国保税の軽減を求める市民の声は切実であります。 そこで,お尋ねいたしますが,本年度介護保険特別会計が設置されるに伴い,国保会計の老人保健拠出金に影響が出ていると考えますが,影響額とその内容をお示しください。 また,この影響額をどのように措置されるのか,お尋ねいたします。 次に,平成11年度の国保税の収納率はどの程度見込んでおられるのか,また資格証明書の発行は現時点で何世帯に出されているのか,お尋ねいたします。 また,40歳から64歳の国保被保険者は介護保険料1人平均年額1万4616円,月平均1218円が国保税として加算されます。65歳以上は,基準額1人平均年額3万8200円,月平均3183円が年金から差し引かれます。大不況が市民生活を直撃している中,国保税の滞納世帯は増大しているとのことですが,今日既に国保税は担税能力を超えているものとなっていることを示しています。その上,介護保険料の新たな負担は一層滞納世帯をふやすことになります。法改正により,滞納世帯には資格証明書の発行が義務化され,医療,介護サービスを受ける権利を奪う人権侵害のペナルティーが科せられます。このことは国民皆保険制度が根底から切り崩されることになると考えますが,御所見をお尋ねいたします。 国保基金16億1000万円を使って国保税の引き下げを強く求めるものです。 また,申請減免制度の2分の1激減条項を撤廃し,生活保護基準の130%までを対象とすること。 資格証明書は原則廃止の立場を貫くとともに,発行する場合悪質滞納者に限定することを求めるものです。 以上に対しての御所見をお尋ねいたします。 次に,教育行政についてお伺いいたします。 昨年6月,日の丸,君が代を国旗,国歌とする法案が国会に提出された際,小渕首相は,今回の法制化に当たり義務づけを行うことは考えておらず,国民の生活に何ら影響や変化が生じることにならないと答弁しました。しかし,法案が成立すると,省内の記者会見場における日の丸掲揚や各種行事での君が代斉唱など,押しつけが強まりました。 県内でも,昨年8月行われた教員採用試験の個人面接で,日の丸,君が代についてどう指導するか,公務員として国旗,国歌についてどう思うかなどの質問が行われています。呉市広警察署の警備課職員が教育委員会を訪れ,公立小中学校の運動会で国旗を掲げたか,国歌を斉唱したか調査しています。また,昨年12月に行われた県教育委員会の会議で教育委員の1人から,卒業式の国歌斉唱で先生が全員座っているような学校の生徒は実業界が敬遠するのではないかとの発言がありました。 以上は,マスコミで報じられてきた特徴的なものですが,日の丸,君が代法制化を好機として教育現場への押しつけが強められています。それは,今回の法制化が教育現場への押しつけを最大の目的としたことを明らかにしているものであります。日の丸,君が代を国旗,国歌とする法案は,自民,自由,公明党の数の横暴で衆参合わせて28時間という短い審議で強行可決されました。衆参の審議と,その後の経過を見れば,道理は政府の側に全くないことが明らかになっています。 1つ,政府が法制化の最大の大義名分にしたのは,国民の間に定着しているという国民定着論でしたが,参議院の最終段階の政府答弁では,定着していないから法制化するのだに変わり,これは定着論が完全に崩壊したことをみずから認めたものであります。 2,日の丸,君が代の法制化,なかんずく君が代の法制化が国民主権の原則にも反し,過去の戦争に対する反省の宣言にも反することが明瞭に証明されました。 3,教育の現場に,内心の自由などを口にしながら,実際には法制化を教育現場への強制の道具にしようとする意図が露骨にあらわれています。 県立世羅高校の校長先生が,みずからの命を絶たれるという痛ましい事件から1年が経過しました。我が党は,これまで解放教育も日の丸,君が代も,どんな押しつけも教育には許さない取り組みを一貫して進めてきました。校長先生の自殺という痛ましい事件の教訓は,とりわけ教育の場に強制はあってはならないということであり,強制をやめることが唯一の解決法であります。ところが,法制化を契機に一層締めつけを強めようとするのは,まさにもっとひどい矛盾やあつれきを広げるだけではありませんか。教育基本法第10条に明記されている,教育は不当な支配に服することなくに基づいて,教育へのいかなる介入,強制も許さない教育行政を求めるものですが,御所見をお示しください。 市教委が校長会などを通じて進めている卒業式,入学式での日の丸,君が代を国旗掲揚,国歌斉唱で義務づけるあり方は,憲法19条が保障している思想,信条の自由,国民の内心の自由の侵害になるのではありませんか。政府も国会答弁の中で,日の丸,君が代の掲揚,斉唱が国民の内心の自由にかかわるような性格を持った問題であることを認めざるを得なくなっています。 また,憲法第11条は,国民は,すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は,侵すことのできない永久の権利として現在及び将来の国民に与えられると明記されています。すべての国民に保障されている基本的人権を子どもと教職員に認めない,指導の名による強制を撤回することを求めるものであります。憲法に照らして,御所見をお示しください。 指導の根拠に学習指導要領を掲げていますが,憲法よりも一行政官庁の告示行為を上位に置くもので,認められるものではありません。報道によりますと,2月25日,アメリカ国務省が議会に提出した1999年度版国別人権実践報告で日本の君が代強制の問題が取り上げられています。この人権報告の中では,市民的自由の尊重の言論,出版の自由の節で,日本国憲法ではこれらの自由の尊重を規定しているが,教師や法律家など一定の職業では言論の自由が制限の対象になっているようだとして,具体例として小学校音楽教師が卒業式で君が代演奏を拒否して懲戒処分となったことなどを紹介しています。このように,国際人道法の規定に照らして指摘されています。これでは,国際化社会に向けての指導とのこれまでの説明も成り立ちません。御所見をお示しください。 子どもたちの新たな出発を祝うにふさわしい,子どもが主人公の卒業式,入学式ができるよう願うものであります。今日の教育危機を打開するため,教育基本法第10条教育行政は,教育の目的を遂行するために必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない,この本来の役割を果たすことを強く求めるものであります。御所見をお伺いいたします。 次に,商工行政についてお伺いいたします。 昨年の臨時国会で中小企業基本法が36年ぶりに改定され,今まで掲げていた大企業と中小企業の経済的社会的制約による不利の補正,中小企業の従業員の経済的・社会的地位の向上という,中小企業全体の底上げを図るという理念が切り捨てられてしまいました。国の2000年度中小企業予算は,既存中小企業切り捨て,規制緩和と市場経済に基づく弱肉強食化を一層促進させるという,基本法改悪の方向を色濃く反映した内容となっています。 我が党は,昨年11月,中小企業は日本経済の主役,それにふさわしい本格的な対策をの政策を発表し,1,中小企業予算を抜本的に増額する,2,中小企業の経営に直接役立つ支援を行う,3,大企業,大銀行の横暴を抑え,中小企業の事業活動を守るルールを確立する,これを柱に国と地方の経済・産業政策を大企業中心から中小企業重視に切りかえるよう提案しました。さらに,国の予算増額,抜本的な支援策を求め,地域経済と中小企業,業者の実態を最もよく知り得る地方自治体が対策を進めることの重要性を提言しています。 中小企業の経営に直接役立つ支援では,東京の墨田区で産業政策をもって行政がすべての業者の実態をつかむため,区内9313軒の製造業に対する区の係長以上の幹部職員を総動員して3カ月間かけた聞き取り調査,これは区内業者の実態を浮き彫りにしました。作成された中小企業センターの企業台帳は,4年に1回ローリングされ,センターでは取引のあっせん,商工相談,技術指導,経営改善,個人では難しい情報の収集・提供など多くの事業展開をしていますが,欠かすことができないのが企業台帳です。昨年突然の日産リストラ計画が上がったときも,中小企業センターでは,翌日この台帳から関連業者のリストを引き出し,電話による影響調査を実施しました。墨田区が影響調査を可能にしたのは,区の直営による中小企業センターの存在であります。さらに,センターは夜間9時までの開設で,多くの利用者を生み出しています。 98年度決算で,墨田区の予算総額は一般会計1000億円のうち,融資予算を除く商工予算は2%余で21億円,職員数は82名となっています。また,長期不況のもとで緊急対策として,緊急融資では保証協会の保証料の区負担,金利1%への引き下げ,借りかえ融資制度,在庫一層のための共同販売への助成,区内生産品バザールの開催,区発注工事代金の前払い拡大などであります。 以上は墨田区の例ですが,この中には福山市が自治体として,より豊かな産業支援の政策を持つことの意義と教訓が多くあると考えますが,御所見をお伺いいたします。 次に,建設行政についてお伺いいたします。 福山バイパスと区画整理を考える会が,最近広島県と福山市に対しおのおの情報公開を求めて文書を提出いたしました。広島県に対しては,第1に福山道路や西環状線道路建設に反対する16万9000通の意見の概要と県当局の見解書,第2に環境庁から送付された福山道路の環境影響評価に対する事務連絡文書,第3に環境庁の事務連絡文書に対する広島県の回答書。福山市に対しては,第1に広島県から送付された意見書の概要と見解書,第2に福山市環境審議会の意見のまとめ,第3に市長意見を求める県知事の文書と福山市長の広島県知事に対する意見書であります。 以上について,広島県は全部非公開の決定を下しました。福山市は,一部非公開の決定でしたが,文書の見出しだけが示され,本文はすべて真っ黒に塗りつぶされたものでした。この処分に対して,関係者からも余りにもひどい秘密主義ではないかとの批判が強まっています。 福山市情報公開条例第1条は,この条例は,基本的人権の確立を基底に,公文書の閲覧等を求める市民の権利を明らかにすることにより,市政への市民の参加を一層促進し,公正で民主的な開かれた市政の発展を図るとともに,市民と市政の信頼関係を増進し,もって地方自治の本旨に即した市民自治の推進と市民生活の利便性の向上に資することを目的とするとしています。この本来の趣旨に従った運用が求められていると考えますが,御所見をお尋ねいたします。 鞆の浦埋め立て・架橋計画について,お尋ねいたします。瀬戸内海の真ん中に位置する鞆の浦は,古くから潮待ちの港,風待ちの港として知られ,鞆港は古代の奈良時代から瀬戸内海で最も栄えた海上交通のかなめの港であります。また,江戸時代の港湾施設である石づくりの波止場,雁木,常夜灯,焚場の4点セットと,その町並みが残っているのは鞆の浦だけであり,近年進められてきた学術調査を初めとする調査研究の中で,鞆地区には重要な文化財が数多く確認されてきました。こうした歴史的な町並みと美しい景観を持つ鞆の浦は,今日世界遺産に匹敵するとの専門家の声も高まっています。 1983年,広島県が鞆の浦港架橋・埋め立て計画を策定,その推進をしてきましたが,この間,地元関係者の反対などで中断,その後計画の見直し後も貴重な文化財や歴史的な町並み,景観を破壊するもので,計画の中止を求める声が全国から寄せられてきました。ところが,広島県は地元の理解を得たとして,2月4日,埋め立て面積を一部縮小した計画案を県の諮問機関福山港地方港湾審議会へ諮問し,承認の答申を受けています。 そこで,お伺いいたします。地元では,埋め立て・架橋に明確に反対を表明し続けている団体,市民が存在します。今回の県が行った審議会への諮問について,反対住民が意図的に除外されたとして4団体が諮問を即時中止することを求める要望書を提出しています。信頼と合意を標榜される市長として,埋め立て・架橋に反対する団体,市民の声をどう受けとめておられますか。住民合意に反する手法ではありませんか。また,県にはどのように報告しておられるのか,お示しください。 全国から学者,文化人を初め各分野から計画中止を求める声がありますが,どう認識されているのか,あわせてお示しください。 2,埋め立て・架橋計画が,世界遺産にも相当する歴史的港湾と一体となった町並み及び鞆の風土,生活環境を破壊し,鞆の浦の将来に大きな禍根を残すもの,また車優先,企業中心の道路行政であるとの根強い反対の主張があります。また,一部埋め立て面積の縮小についても,マスコミから縮小案とはいえ,埋め立て・架橋が鞆の浦の文化,歴史的景観に大きな変更を加えることは明白である,とても修景の範囲のプランとは言い切れまいと指摘をしています。福山市民はもとより,全国の財産である歴史的遺産を破壊する埋め立て・架橋計画の撤回を県に求めていただきたいのであります。御所見をお伺いいたします。 3,福山市は現在,重要伝統的建造物郡保存地区(重伝建)の取り組みを進めています。一方で町並み保存を目指しながら,片方では港湾の埋め立て・架橋を進めることは矛盾していると考えるものですが,御所見をお伺いいたします。 4,埋め立て・架橋を進める理由として,交通渋滞の解消や生活環境整備を挙げていますが,まずその解決をしてこなかった行政責任が問われなければなりません。 また,市民団体から,トンネル案を初めさまざまな対案が出されてきましたが,どのように検討されてきたのか,お伺いいたします。 次に,農林・競馬行政についてお伺いいたします。 昨年12月,シアトルで開かれた世界貿易機関閣僚会議(WTO)が決裂に終わりました。アメリカが農業分野での関税の引き下げや輸入補助金の削減,廃止などの自由化を各国に押しつけようとしたことに対して,食糧確保や環境保全,食料品の安全性の面からの対立が最後まで解消されなかったものであります。 WTO閣僚会議決裂は,協定を改定し食糧主権を求める主張が国際的流れであることを示しました。一方,国内ではWTO農業協定に合わせた食料・農業・農村基本法──新農業基本法が制定されました。 この基本法は,1,農産物完全自由化のWTO体制に日本農業を組み入れ,輸入依存に固定化させる,2,生産費に基づく価格維持制度を解体して市場原理を導入する,3,10ないし20ヘクタールの大規模農家等に農地を集積し,株式会社にも農地所有を認めるとしています。これで日本の食糧の自給率向上が図れるでしょうか。 新農業基本法には,食糧自給率の向上が位置づけられておりません。日本の食糧自給率は,カロリーベースで39%,穀物で26%とアフリカの飢餓の国よりも低く,資本主義が発達した国には例のない異常な事態となっています。国際食料農業機関(FAO)など国際機関が,21世紀の世界的な食糧危機を警鐘しているもとで,我が国の食糧自給率を回復,向上させることは国民の生存にかかわる問題であります。政府に対して,具体的な数値目標を掲げた食糧自給率引き上げの明文化を求めていただきたいのであります。御所見をお示しください。 次に,食糧自給率の向上の課題と農産物輸入自由化が両立し得ないことは明らかです。政府は,日本の減反は4割に達しようというのに,米の輸入をどんどんふやす体制を推し進めようとしています。国民の食糧に責任を持つことは,政府の最も重要な役割の一つであります。今こそ,WTO農業協定を改定せよの声を上げるべきであります。政府に対して,米の関税化の中止の表明とWTO農業協定を改定せよの声を福山市長としても上げていただくことを求めるものであります。御所見をお示しください。 ここ数年,福山市の水田は急速に失われてきました。10年間の農業用地の面積と水田作付面積の推移をお示しください。 これ以上の減反,転作は強制しないことを求めるものです。また,政府が進める麦や大豆への転作の福山市での進捗状況をお示しください。 次に,農業予算の問題です。政府案の農業予算の総額は3兆4000億円で,この約5割が農業土木に使われ,価格対策は8%程度しかありません。どんなに科学技術が進歩しても,自然を相手とする農畜産物の価格補償がなければ農民の生産意欲が出ないのは鉄則であります。EUなどでは,5割ないし7割は価格対策に使っています。農業予算の逆立ちを改め,農家が安心して生産を続けられるよう価格補償対策の強化を政府に求めていただきたいのであります。御所見をお示しください。 福山市の来年度の農林業予算のうち,農業振興費は2995万9000円,農作物対策費は,そのうち減反,転作奨励関係1816万円を含めて7414万2000円にすぎません。福山市の農林業予算は国の基幹産業にふさわしく抜本的に強化し,農業振興,農作物対策費も抜本的に強めるとともに,その内容について農作物の価格補償対策,福山市の特産物の育成や販路拡大のための支援を強めることが求められます。地域農業の振興策,地場の特産物の育成についての方途をお示しください。 新年度の農業保護政策として,中山間地直接支払制度が新設されました。しかし,同制度は1ヘクタール以上のまとまった傾斜地にある農家を5年間にわたり耕作,管理することという厳しい条件としているため,適用が困難であると考えられます。福山市での適用の見込みはどうなるのか,お示しください。 次に,福山の農産物を学校給食の食材に積極的に取り入れることを求めるものです。進捗状況をお示しください。 また,政府は米飯給食への助成を本年度で廃止しようとしています。急いで,打ち切り撤回の要望を政府に上げることを求めるものです。新年度の米飯給食の実施はどのようにされるのか,それぞれ御所見をお示しください。 競馬事業についてお伺いいたします。 競馬事業特別委員会では,本年度の勝馬投票券収入の減少についての報告が行われたところであります。本年度の収支決算見込みをお示しください。 競馬事業の将来展望をどのように考えておられるのか,お示しください。 最後に,同和行政,同和教育行政についてお伺いいたします。 現行の同和対策事業の法律は,一部限定した事業の残務処理を目的として2001年度末をもって終結します。市長は,今日もなお福山市同和対策審議会の答申を待ってを繰り返されていますが,法期限切れ2年を前にした新年度予算案には,率直に言って同和対策事業を終結して一般対策へ移行する決意も意欲もうかがわれません。新年度,平成12年度予算案には14億3675万3000円の同和対策事業予算が計上されています。残る2年,特別対策を終結して一般対策へ移行するプログラム,具体的な方針を明らかにしてください。 これまでも同和行政終結を宣言する自治体が続いてきましたが,この1年間でも京都府で2001年度末で終結を確認しています。山口県では部落問題対策審議会答申で,経過措置で一般対策への移行を発表。京都市教育委員会は同和地区児童生徒を対象にした特別対策は平成13年度末をもってすべて終結するとしています。岡山市では,市長が事業の完了を広く市民に知らせることを約束しています。徳島県鳴門市議会は,同和行政の速やかな一般行政への移行を採択しています。各地で,特別対策終結への取り組みが進められています。福山市においても,一日も早い同和行政の終結,同和教育の廃止を求めるものであります。御所見をお示しください。 解放会館,集会所のあり方についてお伺いいたします。解放会館,集会所費は同和予算の約46%を占め,6億5806万8000円が計上されています。今日,同和対策の目的を既に果たした解放会館,集会所の施設28館と職員57人,平成10年度決算,このあり方をこれ以上続けることは市民の合意は得られません。一日も早く一般行政に移行することを求めるものであります。御所見をお示しください。 福山市同和教育研究協議会(福同協)について,お伺いいたします。福同協は市内の保育所,幼稚園,小中学校の教職員と市教委で組織され,学校ごとの一括加入で,個人の加入の自由も退会の自由もありません。研究団体を看板にしながら,特定の運動団体の方針を教育現場に持ち込んできました。我が党は,繰り返しその是正を求めてきたところであります。事務局長,次長が本来の勤務校を離れて事務局に配置されていた問題は,学校現場に戻す是正がとられてきました。自主的研究団体だとしながら,なぜ個々人の入退会の自由を認めないのですか。人権問題を扱う団体が基本的人権である集会,結社の自由を侵害することは納得できません。副会長を派遣する市教委の責任は重大であります。是正を強く求めるものであります。御所見をお示しください。 県教委は,高同教などに対して個人加入に改めるよう指導したとの報道もありますが,あわせて御所見をお示しください。 福同協の運営を市の補助金で全額運営するあり方は,自主的研究団体とは言えません。予算案の福山市同和教育研究協議会補助金190万円は削減することを求めるものであります。御所見をお示しください。 以上で,第1回の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 (三好 章市長登壇) ◎市長(三好章) 日本共産党を代表されました村井議員の御質問にお答えいたします。 初めに,政治姿勢についての御質問であります。 我が国は,経済のグローバル化や少子・高齢社会の急速な進行などと相まって,金融,経済,労働,福祉等さまざまな分野で課題が生じております。こうした中で,政府においては,右上がりの経済成長が見込まれない中,将来の社会・経済情勢を慎重に見据えながら,各種制度の見直しを図られているものと受けとめております。 また,現下の重要課題である経済政策にかかわって,金融の安定化を初め景気の早期回復を目指した賢明な取り組みが行われており,21世紀における我が国の持続的発展を期して国家予算が編成されているものと認識しております。 次に,内陸団地開発についてのお尋ねであります。現在,事業を進めておる駅家・加茂地区内陸型複合団地整備事業については,企業誘致活動に努力しつつ,計画的に推進してまいる考えであります。また,神村地区工業団地造成事業,備後新都市整備事業につきましては,長期的・広域的展望に立ってそれぞれ地域性を生かし,産業基盤の確立と産業の集積化を図るため計画をしたものであります。事業の実施に当たっては,今後経済情勢や需要の動向を見定め,地元の方々の御意見をいただきながら検討をしてまいりたいと考えております。 次に,敬老祝金,老人交通費助成事業についてのお尋ねでありますが,これら制度につきましては本格的に到来する高齢社会を視野に入れ,時代に即した制度とすべく検討をしてまいります。 次に,公共事業に関連して維持補修費,特別養護老人ホーム,児童館などの福祉経費への配分の問題であります。新年度予算は,税収等が大幅に減少する中で,21世紀を展望し財政健全化を方向づける難しい予算編成でありました。こうした中で,市民生活の安定,向上に対しては介護保険制度の円滑な導入を初め,(仮称)東部市民センターなど市民生活に直接関連する事業,ごみ対策を初めとした環境社会などに対応したものであります。また,道路,校舎等の維持補修費については安全性,機能保持の観点から所要額の計上に努めたものであります。 次に,福祉行政についての御質問であります。 まず,介護認定についてであります。介護認定審査会における要介護認定についての審査判定は,被保険者の心身の状況について全国的に統一された基準に基づき公平,公正に行うことが極めて重要と考えており,引き続き国が示した手順に従い公正,公平な要介護認定に努めてまいります。 次に,2月17日現在,現行の福祉サービスを利用している在宅高齢者で,要介護認定において非該当となった方は244人となっております。また,2月25日現在,特別養護老人ホーム入所者で非該当となった方はありません。要支援となった方は13人となっております。 次に,要介護認定で非該当となった方についてのお尋ねでありますが,家に閉じ込もりがちなひとり暮らしの方や高齢者のみの世帯等に対しては,できる限り健康で生き生きとした生活を送り,介護が必要な状態とならないよう介護予防や健康づくり,生活支援事業に取り組んでまいることといたしております。 次に,保険料,利用料についてであります。まず,本市における平成12年度の人口推計をもとにした第1号被保険者の第1段階の見込み数は1086人です。第2段階の見込み数は1万8394人となっております。 次に,保険料の減免についてでありますが,保険料は負担能力に応じた所得段階別保険料として低所得者に配慮した保険料を設定していることから,災害及び一時的な所得の減少に着目をした減免制度を設けることとしております。また,利用料の減免につきましても,現在検討をしているところであります。 次に,高齢者保健福祉計画のお尋ねでありますが,現在平成12年度から16年度の5カ年間を期間とする第2次高齢者保健福祉計画につきましては,これまで6回の社会福祉審議会を開催し幅広い層の意見を聞く中で取りまとめてきたところであります。本年度中に策定してまいります。 次に,障害者と介護保険制度の問題についてであります。御指摘のとおり,障害者についても40歳以上の方は原則として介護保険の被保険者となります。65歳以上の障害者が要介護状態等となった場合及び40歳以上65歳未満の障害者が特定疾病に原因して要介護状態等になった場合は,原則介護保険から保険給付を受けることになります。しかし,施設サービスやデイサービス等については介護保険施設と障害者施設,また介護保険のデイサービスと障害者のデイサービスはそれぞれ目的,機能が異なっており,これらに照らして障害者施策の利用が必要と認められる場合においては,その利用は可能であります。 さらに,介護保険法においては,障害者の福祉の施策等に配慮し,被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲,保険給付の内容及び水準,保険料等について法律の施行後5年を目途として制度全般について検討し,必要な見直し等の措置が講じられるべきものとされております。 次に,重度心身障害者医療費助成制度につきましては,保険診療にかかわる一部負担金を公費負担とすることにより,重い障害を持つ方々に対し必要な医療を受ける機会を保障し保健の向上を図るため,これまでも実施してきたところであります。介護保険施行後は,現在助成対象となっている方の一部については介護保険の適用になりますが,障害者の方々にとって医師が必要な医療となると認めた場合については医療保険の適用を受けることとなりますので,引き続き助成を行ってまいります。 次に,衛生行政についてのお尋ねであります。 RDFを利用した発電施設については,電力需要の増加といった視点からの整備ではなく,今まで未利用であった可燃ごみのエネルギーを積極的に利用していこうというものであります。化石燃料等の節減にもなると考えております。 また,電力会社への売電につきましても,廃棄物発電というメニューの中で通産局,電力会社とも協議をしているものであります。 RDF発電施設の福山への立地につきましても,県有地の有効活用等積極的に参加したいと考えております。 RDFの施設整備につきましては,事業規模により変動しますが,ごみトン当たり3000万円ないし4000万円と言われております。いずれにいたしましても,事業費ができるだけ小さくなるよう検討をしてまいります。 次に,RDF発電施設の焼却灰は,重金属は溶出しないようにスラグ化し,土木資材等へ有効利用したいと考えております。 また,RDF発電やRDF輸送に伴う交通量や排ガス評価については,今後行います環境影響評価の中で明らかにしてまいります。 また,事業会社への市や議会の関与については,本市が出資する出資範囲に相応して関与できるものと考えております。 なお,RDFの発電事業の採算性につきましては,売電収入や参画市町村からの処理費等を収入と見込んでおり,事前に事業リスクを洗い出し,自治体の責任分野を明確にして取り組むこととしております。 次に,国保行政についてのお尋ねであります。 来年度からスタートする介護保険制度により,医療保険加入者の40歳以上65歳未満の被保険者には,これまでの基礎課税額に介護納付金課税額が新たに上乗せ課税されることになっておりますが,これは高齢化社会の進展から,介護を要する方々に対して国民の共同連帯の理念に基づく制度であり,これに必要な財源を確保するためのものであると認識しております。 なお,この制度がスタートすることによる老人保健医療費拠出金の影響でありますが,約3億3100万円が減額されることとなっております。この影響額につきましては,保険税を引き下げる措置をしているところであります。 次に,今年度保険税の収納率でありますが,低迷する経済情勢の中にあって鋭意努力しているところであり,89.9%を見込んでおります。 次に,資格証明書についてでありますが,御指摘のとおり再三の催告や納付相談に一向に応じない一部の悪質滞納者に限定して交付しているところであり,来年4月からは一定の要件に該当する場合には資格証明書の交付が義務づけられることとなっております。 なお,1月末現在の資格証明書の交付状況は487件であります。 次に,国保財政調整基金を取り崩しての保険税の引き下げ及び保険税の申請減免制度につきましては,現行で御理解をいただきたいと思っております。 次に,教育行政につきましては教育長より御答弁を申し上げます。 商工行政についての御質問であります。 国においては,中小企業基本法の一部改正により自助努力を続ける独立した中小企業への個別支援に重点を移しております。本市といたしましても,国の基本的なスタンスを踏まえるとともに,本市としての独自性に基づく既存産業の活性化を初め新規成長産業の育成,導入や新規創業の活性化などを推進しているところであります。 新年度における商工業振興策として,新技術,新製品開発に取り組む中小企業グループ等を支援するとともに,新規に創業する事業者に対し創業支援資金を創設するなど,今後も社会・経済情勢の変化に伴う企業ニーズを踏まえ,諸施策を推進してまいります。 次に,福山バイパスにかかわる情報公開についての御質問であります。行政と住民との連携の必要性が一層強まり,政策立案から実施に至るさまざまな過程において市民参加が強く求められております。言うまでもなく,市政は市民との信頼関係の上に成り立つものであり,その前提となる情報公開の推進は優先すべき課題であると認識しております。このため,本市におきましては市の保有する情報は原則として公開することを基本に積極的な運営に努めております。 福山バイパスに関する公文書につきましても,今日まで可能な限り積極的に公開してきたところであります。しかしながら,市の保有する情報の中には,公開することによって利害の対立等により市民に混乱を生じさしたり,あるいは他の機関との関係を悪化させるなど,例外的に非公開とすべき情報も存在しており,条例においても非公開事項が定められております。 御質問にあります3つの文書につきましても,全面公開をいたしました福山市環境審議会関係文書以外の公文書につきましては,それぞれ意思形成の過程にある情報,あるいは国等協力関係情報として公開することにより関係機関との協力,信頼関係が損なわれたり,事務事業に支障が生ずるおそれがあることから,条例の規定に基づいて一部公開したものであります。今後とも,条例の趣旨を踏まえ,諸情勢を見きわめる中で積極的な情報公開に努めてまいりたいと考えております。 次に,鞆の埋め立て・架橋計画についてのお尋ねであります。 鞆地区の道路港湾計画は,広島県において昭和58年12月に当初計画が策定されたものでありますが,その後平成7年3月に港湾計画が一度変更されております。その変更案を検討するに当たり,鞆地区特有の貴重な歴史的景観に配慮した計画になるよう,有識者や地元関係者からなる鞆地区道路港湾計画検討委員会を設置し,トンネル案等も含め港湾計画や道路計画の見直しについて審議するとともに,平成7年1月には鞆公民館において広島県と本市により埋め立て・架橋に反対をされている地元団体,地元代表者と計画案に対する意見の交換を行った経過もあります。 その後,平成7年10月より伝統を生かしたまちづくり検討に着手し,鞆地区まちづくりマスタープランを策定いたしました。 さらに,平成8年1月には鞆の持つ歴史的な町並みや港の風情に配慮した景観づくりを行うため,専門家や学識経験者の参加を得て,鞆地区道路港湾景観検討委員会を設置しました。この委員会での検討で,検討審議の結果,迎賓都市鞆のコンセプトのもとに,伝統的な景観にマッチした新たな港湾計画及び道路計画のアウトラインが示されました。 また,焚場の遺構が確認されましたため,これらの多くを保存することも含め,広島県においてさらに埋め立て地区を縮小する計画変更案が策定されたわけであります。この変更計画案につきましては,昨年6月鞆地区全住民を対象とした説明会を開催し,港湾計画の変更に対する理解を得られましたので,本年2月4日,広島県より広島県福山港地方港湾審議会に諮問され,了承されたものであります。 なお,私自身,平成7年12月には平山郁夫画伯を初め何人かの著名な学者や文化人の方々と意見を交わす機会を持ちましたが,新たな港湾計画の方向性について御理解をいただいたものと考えております。 また,現在取り組んでおります重要伝統建造物群の選定に向けても支障となるものではなく,鞆地区の地域振興と並行して伝統的な町並み保存に取り組んでまいります。 したがって,本市といたしましては広島県と協力しながら,これまで時間をかけて地元の意見を受けとめてきたものであり,大多数の方々から御理解が得られたものと考えております。 港湾計画及び道路計画の実現は,港湾機能の充実と地域の生活環境の改善を図るためにぜひ必要な事業であると認識いたしております。広島県と緊密な連携を図り,推進をしてまいる考えであります。 次に,農林行政についての御質問であります。 食糧自給率については,米の消費が減少する一方,輸入飼料に頼らざるを得ない畜産物や輸入原料に頼らざるを得ない油脂の消費が増加するなど,我が国の食生活が大きく変化し国内生産では対応できなくなったことなどから,供給熱量自給率が低下しております。お尋ねの食糧自給率についてでありますが,食料・農業・農村基本法において国の基本計画の中に目標を定めなければならないと規定されておるところであり,国の対応を見守ってまいります。 次に,米の自由化につきましては,過去数度の農業交渉を経て,国が最善の策として昨年米の関税化措置への切りかえを決定したもので,今後の農業交渉の推移を待ちたいと考えております。 次に,10年間の農地面積と水稲作付面積の推移につきましては,平成元年度農地面積3830ヘクタールで,水稲作付面積は1920ヘクタールでありましたが,毎年減少し,平成10年度では農地面積3130ヘクタールで,水稲作付面積は1520ヘクタールであります。 次に,麦,大豆の転作状況についてでありますが,平成元年度は大豆94.8ヘクタール,麦及びソバ2.6ヘクタールでありましたが,毎年減少し,平成10年度では大豆49.9ヘクタール,麦,ソバ1.5ヘクタールであります。 次に,価格補償対策につきましては,国,県,市町村,農協,生産者が一体となり野菜の安値補償を行っております。引き続き取り組んでまいります。 次に,地域農業の振興策,地場の特産物の育成につきましては,本市は地域農業の振興策として,生産面では園芸作物の施設化,集出荷施設の整備,省力機械設備の導入,新品種や優良種苗の導入などに取り組み,販売面では共同出荷体制の確立などに取り組んできたところであります。特産物については,加工方法等の研究を行って高付加価値化を図り,消費拡大に努めてきたところであります。今後につきましても,生産者,関係機関と連携を図りながら,地域の特徴を生かした農業の確立に努めてまいります。 次に,中山間地域直接支払制度についてのお尋ねであります。これは,耕作放棄地の増加等により,多面的な機能の低下が特に懸念される中山間地域において,農業生産の維持を図りつつ,多面的機能を確保するという観点から制度化されたもので,この制度の対象地域については,特定農山村法等の指定地域とし,対象農地はこのうち農業生産条件が不利で,耕作放棄の発生が懸念される農業振興地域内にある農用地区域内の一団の農地としており,指定は国が示す基準に基づき市町村が行うこととされております。本市においては,これらの条件に該当する地域はありません。 次に,学校給食についてのお尋ねであります。学校給食に使用する食材につきましては,これまでクワイ,ネギなど地場の農産物を取り入れてきたところであり,今後も引き続き取り組んでまいります。また,米飯給食につきましては,今年度限りで国の助成が廃止となりますが,これまでどおり実施してまいりたいと考えております。 次に,競馬事業についてであります。 景気低迷の長期化やレジャーの多様化などにより,地方競馬30場の売り上げは,一部を除き前年度比90%を下回る状況であります。 お尋ねの収支見込みについては,売得金が前年度比87%として,9億円程度の赤字を予測しております。今後も競馬事業を継続することを前提に,事業の健全化を図ることが緊急の課題と認識し,開催経費の削減及び振興策を2本柱として取り組むことが必要であると考えております。 今回,事業の一層の健全化を図るため,市民の代表や競馬の専門家を含めた委員会で,幅広く御意見をいただく中で,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に,同和行政についての御質問であります。 本市は,国の同和対策審議会答申の精神を尊重する中で,これまで同和問題の早期解決を市の重点施策として位置づけ,諸施策の積極的な推進に努めてきたところであります。その結果,多くの成果を上げることができましたが,一方では産業・職業,教育,啓発などの分野において,今なお解決すべき課題が存在しております。 また,解放会館,集会所は,同和問題の速やかな解決に資するため設置されたものであります。これまで,同和地区住民はもとより,地域住民の交流の場として幅広く利用され,今後ともその活動の充実が求められているところであります。 これらの実態を踏まえ,現在福山市同和対策審議会で今後の同和行政のあり方について審議をされております。今後出される答申を尊重しながら,同和行政推進の基本方針を策定し,適切かつ効果的な施策の推進に努めてまいります。 次に,福山市同和教育研究協議会についてのお尋ねは,教育長より答弁をいたします。 最後の福山市同和教育研究協議会についてのお尋ねは,教育長より答弁をいたします。 以上で,日本共産党を代表されました村井議員の御質問の答弁とさしていただきます。 (福万建策教育長登壇)
    ◎教育長(福万建策) 教育行政についてお答えいたします。 教育行政は,憲法,教育基本法を初め関係法令にのっとって推進していくべきものであります。学習指導要領は,学校教育法の規定を受けて,同法施行規則の内容の一部をなすものであり,国旗,国歌の指導についても,これに基づいて適正に行われるべきものであります。このことは,児童生徒の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではなく,その意義を踏まえ,あくまでも教育指導上の課題として取り組んでいくものであります。 国際化がますます進展する中で,国旗,国歌はいずれの国でもその国の象徴として大切にされていることとともに,我が国の国旗,国歌の意義を理解させて,これを尊重する態度を育成することは,子どもたちにとって重要なことであると考えております。 教育を取り巻く環境が大きく変わる中,子どもたちに生きる力をはぐくむ教育を推進するため,教育委員会といたしましては,今後とも責任ある役割を果たしてまいります。 次に,福山市同和教育研究協議会についてのお尋ねです。 教育活動の充実,発展のために,さまざまな教科領域や教育課題について,各学校はもとより,自主的な団体による教育研究が幅広く進められていくことは必要なことであります。 教育委員会は,本市の教育の充実,発展に資する教育研究団体に対し補助金を支出してきたところであり,福山市同和教育推進協議会につきましても,同様の対応をしてきているところであります。 以上であります。 (28番安原一二郎議員「議事進行」と呼ぶ) ○副議長(新谷勇) 28番安原一二郎議員。 ◆28番(安原一二郎) 市長答弁も教育長答弁もそうなんですけれども,非常に質問の内容が,一つ一つの問題についてきっちりと回答を求めておる内容になっておるんですね。ところが,象徴的に今教育長の答弁もありましたけれども,これは答弁になってないと思うんですよ,議長。 私は,こういう答弁の仕方では,これは本当にかみ合った形での質問にもならないし……。(発言する者あり) 質問者の趣旨に本当にきっちりそれに答えた形になってないんじゃないですかね。その点は,これは議長においてきっちり是正していただいて,第1回目の答弁ですけれども,再答弁をやはり求めたいと思いますよ。これはひど過ぎますよ,余りにもこれは。いかがですか。 ○副議長(新谷勇) 質問と答弁とのかみ合ってない部分につきましては,再質問の中できっちりと確認をしてください。 ◆19番(村井明美) まず,市長の政治姿勢について。 今日,福山市民,国民が置かれている非常に苦しい状況がなぜ起きてきているのかということで,国家予算の組み方及び福山市の財政のあり方について,その姿勢をお伺いいたしました。これについて,市長は従来のあり方と一歩も出ない立場であるというふうに認識いたします。 国の大型開発優先のもとで,国民1人当たり510万円,これを返済していけば総額1000兆円にも上ろうと言われておりますけれども,福山市のこれまでの財政運営の中で,市民が背負わされている借金もまた市民1人当たり76万円になっています。ここで,もう思い切って,大型開発,こういったことを変えていかない限り,この解決はできないのではありませんか。 その一方で,国も,また福山市も,福祉削りや社会保障を削ることを行ってきました。この転換を強く求めるものです。例えば,年金の問題については,年金の改悪が行われていますけれども,政府案は最大の課題である基礎年金の国庫負担を,現行の3分1から2分の1に引き上げることについて先送りをしました。これは,国会で全会一致で決議した国民の約束でありますから,当然市長としてもこれについて政府に求めていただきたいわけであります。 そして,御答弁の中では,動向を見守りながら,相変わらずの大型開発というものについてはやっていくんだということを言われましたけれども,この転換を改めて求めます。こういったむだ遣いをやめて,福祉を充実させてください。 それから,福祉行政についてお伺いします。 現行の福祉サービスを受けながら,非該当となっている人が244人あるということでした。ここには,認定制度が現状に合ってないということをあらわしているというふうに思うわけですね。現実の福祉サービスを受けている人が介護保険で外れてしまうということです。裏を返せば,認定そのものに問題がある。こういうことに対して,きちんとした認定制度にするということを上げていただくと同時に,福山市として改めてこの244人に対する認定そのものが生活実態にきちんと合うような改善をしていただきたいと思うのですが,いかがでしょうか。 それから,所得が低いことを対象とした保険料,利用料の減免制度の創設を求めています。このたびの議会に提出をされました条例案の中には,保険料の減免第12条として,市長が保険料を納付することが著しく困難であると認める者に対し保険料を減免することができるというふうに書かれております。これについて,具体的な中身をお示し願いたいと思います。 また,保険料についての第1段階,これが1086人であるということが言われましたが,地方自治体によってはこの第1段階の方が1万9100円を負担するということについては,非常に負担が重いということで,第1段階の2分の1あるいは全額免除という施策をとっているところがあります。実行に移されるまでに1年半あるわけですけれども,1086人でしたら,第1段階ではおおよそ2200万円程度あれば全額の保険料の免除もできるわけです。こういった具体的手だてについてはどのようにお考えになるのか,お示しいただきたいと思います。 それから,第2次高齢者保健福祉総合計画について,策定中であるということが示されましたが,この中の大きな特徴は,自助,共助,地域のボランティア頼みということが特徴でした。これでは高齢者を本当に支えることができません。中身を本当に高齢者をしっかり支えることができる内容となるように,ボランティア頼みといったものではなく,公的な責任を明らかにしたものにしていただきたいと思います。 それから,事業者について,福山市はこれに参加をしておりませんが,障害者の問題も出しましたが,僻地等の不良採算部門があります。こういったところは最低限福山市が直接責任をとっていくということ,事業者としてこれをきちんと支えていくということが求められるのではないでしょうか。今からでも決して遅くはありません。改めて,公的にきちんと支えるということについて施策をとっていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 それから,RDFの問題について,これは製造施設の建設費についてお伺いしたところですが,きちんとした明確な答えは……。RDFの問題についてお伺いしたわけですが,きちんとした御答弁いただいておりません。コストの問題と同時に,製造,施設の建設費も含めて,再度お返事をいただきたいと思います。 それから,RDFをつくった後は,(仮称)ごみ資源エネルギーセンターへの持ち込みとなるようでありますけれども,この持ち込みは有料になるのか,売却か,無料か,どういうふうな引き取り方式になるのかお示し願いたいと思います。 それから,私どもはこの問題が突然出てきたというふうに印象を受けるわけですけれども,市民はまだこのRDF化を福山市がやるんだということについてほとんど知らないというふうに思います。こういったことを,まず計画ありきで先に進めて,議会にも問題が出てきたときには,もう予算が執行化される状況になっている,予算としてぽんと出てくる,こういう手法そのものは市民の信頼を失うものであるというふうにも思うわけです。この手法そのものについても住民合意を最初から貫いて,改めてまず撤回して,市民に合意を図られるべきではないかというふうに思いますけれども,いかがでしょうか。 先日,甲山にある甲世衛生組合エコライズセンター,ここはRDFを実際に行っているところに伺わせていただきました。ここでRDFについてのコストがどのようになるのかというふうに聞きましたところ,1トン当たり1万6500円というセンターのお答えをいただいたんです。福山市のごみを焼却しておりますコストを見ますと,トン当たり1万1281円です。これを見ます限りにおいては,現状のまま焼却する方がはるかにコストが低いというふうに思うわけですけれども,この点いかがでしょうか。再度お答え願いたいと思います。 それから,先ほども市民合意の問題も申しましたけれども,さまざまなコスト比較,こういった資料を早急につくって,市民にも議員にも出していただきたいと思います。処理のコストについて,RDFにするだけでも1トン当たり1万6500円ですが,これを燃焼させるのは,このままでは燃えないんだそうですね。さらに燃焼させるためのほかのものを加えて燃やしていかなきゃいけないというふうなものもありますから,RDF製造施設の建設費及びごみ資源エネルギーセンターの運営に参加する際の費用負担,これが現行の燃焼処理をしているものとの比較でどうか。これの耐用年数,更新の問題が言われましたけれども,更新コストを比較したらどうなるのか,こういうものをきちんと出していただきたいと思います。 それから,現在,いずれにしてもこのRDFというのは,大量生産,大量消費,大量処分という中身であるというふうに思うわけですね。現在,焼却に対しては,プラスチックは混入しない。埋め立てに持っていってます。しかし,RDFそのものを見ますと,カロリーの問題からいっても,プラスチックが入らないときちんとしたカロリーが出てこないということで,むしろプラスチックを混入することを前提としてるわけです,これは。そうすると,福山市が市民に対してプラスチックの分別収集しなさい,しなさいというふうに現在進めているということと,RDFを取り入れていくということは非常に矛盾し,逆行するのではないでしょうか。このあたりについてはどのようにお考えなのか,お示しください。 次に,国保行政ですが,市民感情として,16億1000万円もありながら,なぜこれが国保税引き下げに回せないのか。やはり市民の願いにこたえられるのが自治体の責任ではないでしょうか。なぜこれを崩すことができないのか,改めてお伺いします。 これだけ市民が困窮し,収納率も89.9%と下がり,資格証明書も487件出さなきゃいけない滞納状況が生まれてるわけです。こういう事態に立って,ここをいろいろ言われてきた中で,基金を取り崩して,市民の高過ぎるということにこたえられる必要があるというふうに思うわけです。改めて,これについて,なぜ崩せないのか,理由をお示しください。 それから,教育行政についてお伺いいたします。 憲法,教育基本法に基づいて教育を行っているというふうにおっしゃいました。また,児童生徒の内心に立ち入るものではないと言われましたけれども,一同起立,国歌斉唱,このように言われたときに,児童生徒が内心の自由を守ることができるでしょうか。この点についてお答えください。 国歌・君が代が法制化されて初めての卒業式になるわけですが,いろんなお母さん方とお話をいたしましたら,一体どうしようかというふうに話してるんだということを聞きました。この時間にはおくれて行こうかとか,それからトイレに行くということにしようかとか,こういう話がされてるんですよ。 それで,過去のことですけれども,日の丸が教育現場に掲げられることになったときに,ちょうどそのときに卒業式に当たった子どもなどがおりまして,この子たちがどのように言ってるかというと,すごく嫌だった,卒業式というふうに言いました。なぜ嫌だったのっていうふうに聞きますと,校長先生と学校の先生たちが何かすごく仲が悪くて,いつもいつも会議をしてた,私たちの卒業式なのにという思いをして卒業したのです。これが子どもたちの本当に出発を祝うあり方でしょうか。 教育長,先ほどくすっと笑われましたが,そんな問題ではありません。子どもたちに傷を残すようなあり方が教育現場への日の丸,君が代の押しつけ,これが引き出しているのではありませんか。だれのための卒業式なのか,改めてお答え願いたいと思います。 商工行政についてですが,御答弁の中には企業ニーズを踏まえて施策を行うということを言われました。今,福山市が最も力を入れるべきは,地元の経済を支えている,9割に上る中小企業の方々ではないでしょうか。この方たちに対して企業ニーズを踏まえると言われるならば,一体どのようなことを悩んでおられるのか,墨田区のように一企業一企業ごとに直接聞かれるということをお考えになりませんか。この点を改めてお伺いをいたします。 建設行政ですが,情報公開は優先だというふうにおっしゃいましたし,信頼関係が大切だと言われましたが,関係機関の信頼関係が壊れるので例外的に非公開だというふうにおっしゃいました。しかし,これは福山市が情報公開を求められた方に出されたものですけれども,自分たちが出された意見書の要旨ですね,ほかの市民がどのように考えているかという要旨,そういったあたりがこんなふうに何枚も何枚も真っ黒ですよ。これ,何枚ありますか,一体,これ。こういうものを見て,市民が市政に対して信頼をするでしょうか。これが情報公開と言えるでしょうか。 また,市長が市民に対する信頼よりも,この関係機関との信頼関係を優先されるという理由はどこにありますか。この点についてお答えください。 それから,鞆の浦の埋め立て・架橋計画ですけれども,トンネル案も示したということですが,なぜこのトンネル案ではいけないのかということについてお答え願いたいと思うんです。 それから,迂回路の問題もあると思うんですね。そういうことについてどのように検討されたのか,これは教えてください。 それから,農林・競馬行政ですけれども,1つは国が目玉として,新農村基本法の具体化の中で画期的な意義があるということで,中山間地の農地の荒廃に歯どめをかけるとして,直接支払制度というものを出してるわけなんですけれども,これほとんど全国的に,木曽のような非常に山の中で,そういう条件に当てはまるだろうというところであっても活用できない制度です。 福山市の場合は,広瀬であるとか,山野であるとか,ここで耕作されてる方が耕作を放棄されたら,農地そのもの,それから国土そのものの保全ができない状況になります。ですから,これについては全国から声を上げていけば,実効ある制度に変えられる余地を持っておりますので,市長としても改めてこれについて実効ある中身にするように,条件をすべて取っ払って,中山間地にはすべてこれを支払いすると,それくらいの価値があるものですよね,国土保全に関しても。改めてお伺いをいたします。 それから,転作,減反が,水稲の面積が減っている割には大豆などの転作が進んでいない状況が示されました。ところが,国民の8割は,高くても安全な食料を食べたいと,とりわけ国内では5%しか自給されていない大豆に対するニーズは高いというところは御承知のところであります。 御存じのように,大豆は湿田だとか半湿田等についてはなかなか向かない。ですから,日本の場合はほとんどが水田ですから,これに対する転作の基盤整備ですね,これを農家だけの努力に任せるのではなくて,福山市の農林予算も,まだまだそういった農業がきちんとできる基盤整備としては不足しております。このことも含めて,増額をしていただくことを求めるものです。 それから,学校給食の問題は,ぜひこれはさらにアンズなどもありますし,ブドウなどもありますし,これは学校保健課と連携しながら,きちんとそれが入っていける産地との契約ですね,箕島のホウレンソウなどについても。 そういった福山市の都市農業,都市農業用地そのものを保全していくということも求められると思うんですけれども,両方の面から,農政の面からも,それから学校給食の面からも,もっとこれを広げる努力をしていただきたいと思います。 このことは,私が言うだけではなくて,福山市が作成いたしました1993年の農業ビジョンですね,これにもきちんと書かれているところですが,それに見合った取り組みとなっているかどうかというと,おくれているなというふうに思います。この農業ビジョンもつくりかえの時期に来ているようですけれども,一層その面では掲げた施策にふさわしい中身として発展させていただきたいと思います。 それから,競馬の問題ですけれども,9億円余りの単年度の赤字が見込まれるということでした。競馬関係の基金は,残るところ25億というふうに記憶しておりますけれども,この9億余りの赤字はどのように解決をされるのでしょうか。 また,25億円程度でしたら,この基金で補てんするのであれば,3年を待たない状況で底をついてしまいます。その後についてはどのようにされるのでしょうか。ですから,今の段階できちんとした展望を持つ必要があるというふうに思うんですね。この辺を再度お示しください。 それから,同和行政,同和教育行政ですが,相変わらず市長としての御答弁としては,同和対策最終の終結期に当たる答弁とはうかがえません。ここは,審議会の答申を待つということだけではなく,市長としての決意をきちんと示される必要があると思います。 改めて,そのとこをお伺いすると同時に,かねてより私どもは一般行政に移行する上で,同和予算を削減するということを求めてきたわけですが,その中での約5割近い解放会館,集会所,このあり方を一般施策に改めていくと,みんながもっと使えるものにしていけば,ここだけでも同和予算の約半額は違ってくるわけですね。もっと前に進む方向で検討をいただきたいと思いますが,とりわけこの解放会館については,建物が児童館に使えないだろうかとか,地域のお年寄りを含めて,もっと広く使えないだろうかというさまざまな声があります。これについては,審議会の答申を待つのではなくて,市民のための,市民の税金でつくられている,一般財源でつくられたものですから,どのように使いたいのか,もう意見を集約されていくということをされ,要望を聞くということをされてはいかがでしょうか。これは,今すぐに着手することであると思いますので,その点を実行に移していただきたいのですが,いかがでしょうか。 それから,福同協については,個人加入,退会の自由があるのかないのかということを伺いましたが,これは入らないと表明すればよろしいのでしょうか。やめますというふうに表明すればよろしいのでしょうか。個人加入,退会の自由をどのように保障される,どのような手法をとられるのか,お示しください。 以上です。 ────────────────── ○副議長(新谷勇) この際,あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 ────────────────── ◎市長(三好章) 大型開発,大型事業を推進をして,福祉や市民生活にかかわる問題を無視するというような御意見でありますが,私は決してそういうつもりはありませんし,大型事業もいろいろリンデンローズを初め,立派な施設整備ができましたので,この辺でいろいろ,まだ中央公園の問題あるいは市民センターの,東部に次ぐ市民センターの建設の問題,それらたくさんの大規模施設の要望がありますが,全部,先般来申し上げておるように,しばらく我慢をしていただきたいということを申し上げております。 それから,神村の工業団地,それから備後新都心についても,十分地元の意見を聞きながら,慎重に検討しますということを申し上げておるわけでありまして,今のような状況の中でどんどん進めるということは言っておりません。 加茂・駅家については既に早くから事業が進んでおりますので,ぜひ完成をさして,地域の振興と福山市の産業振興,また労働力の確保,皆さんの労働の安定,職業安定等についても貢献をしていただくようなものにしたいということで一生懸命頑張っておるわけでありますから,そういう立場でひとつ御理解と御協力をお願いをしたいというふうに思います。 それから,同和対策審議会へ全部逃避して逃げ込むんではないかというような,それを隠れみのにしとると言わんばかりのような質問でありますが,私は決してそういうことを言うておるんじゃありません。御承知のように,2001年には一般施策へ移行せよという国の方針でありますから,それをいかに円滑に,今までできた事業はそれぞれ正しく評価をして,市民の人も,また関係者の人も理解をしていただきたい。 同時に,教育や,それから職業や,啓発等については,今なお較差がありますし,特に心理的な差別,結婚問題等については,今なお厳しい差別の実態があるわけですから,それは引き続きやるべきことはやっていかなきゃならん。完成をし,あるいは成果を上げたものについてはきちっと評価をし,見直していただく。そういう意味で同和対策審議会の設置をし,諮問をお願いしておるわけですから,その答申を尊重しながら,今後の基本方針を定めていくということを言うておるわけですから,決して責任逃れを言うておるんじゃありません。その点はきちっと理解をいただきたいと,賢明な村井議員がそういうことはわからんことは私はないと思っておりますから,ひとつぜひ御理解をいただきたいと思います。 それから,農業の問題ですが,それは大豆でもソバでも麦でも,もうけにならんでも,そこそこ経費が出れば皆つくっていただける。しかし,とても生産に合わんからやめるんです。それを水田を暗渠排水をしたり,あるいは客土して水はけをよくして大豆をつくろうというて,それはそれこそむだ遣いじゃというておしかりを受けることになると私は思いますから,そういうこと,できんことを言われても困る。 それは,やってごらんいただければ,うちの土地がたくさん遊んでおりますから,どうぞ来て,つくってみていただければよくわかるんですが,農家の方々は本当に一生懸命大豆でも転作をされた。しかし,それが利益にならんから自然とやめる。何ぼう農政課が努力しても,農協が奨励しても,そういう実態になるんですからね。ですから,そこはひとつ理解いただきたい。 それから,特にお願いをしたいのは,後継者不足で,非常に若者の後継者不足養成を農政課も力を入れておるんですが,だんだん減っております。私は,60歳定年で,ゲートボールされ,あるいはグランドゴルフも結構ですが,ひとつ60歳帰農をしていただきたいと思うんです。60歳から農業へ帰っていただく。それで,中山間地域や,あるいは山間部の山林や農地を守っていただく。それが自然保護であり,食糧の自給率の確保であり,健康の増進は何よりこれが一番いいと私は思っておりますから,ぜひそういうことで,皆さんも60歳帰農を福山市から起こそうじゃないかという運動を,私はようあっちこっちで言うんですが,なかなか皆さん応じていただけませんね。 そういうのが農業の悩みなんですから,おっしゃるのはよくわかりますけれども,実際集約農業でハウスをしたり,あるいは加温して品種改良をして,バイオを取り入れた農業でなければ,昔の自然農法で無農薬あるいは有機肥料ではなかなか。高くても買ってやるというのは,それはよくわかるんですが,倍で買ってもらっても,生産が生産者としては利益にならんというのが実情だと私は思うんですね。 ですから,趣味でつくられる人が余ったものを売られる程度ならあるんですが,なかなか難しい。そういうことを十分御理解いただきたい。決して農業もなおざりにしとるわけじゃあありません。 そのほかについては,担当部長の方からお答えをいたしますが,我々も一生懸命やっておりますし,基本的に見解の違う部分がたくさんありますんで,安原議員はおしかりですが,決してええかげんな答弁をしょうるわけありません。我々も一生懸命やっておりますから,御理解いただきたい,こういうふうに思います。 ◎保健福祉部長(鴨田弘道) 福祉行政にかかわって,数点御質問がございました。 介護保険にかかわることについて,私の方から御答弁をさしていただきます。 認定制度についてのことでございます。これは,新しく介護保険の中心になる制度でございまして,基本的な身体にかかわる85項目の調査に基づいて,人が人を認定するということについての議論もあるわけでございますが,1次判定を補足する形で,日ごろかかわりのある医師の意見書,あるいは調査の際に85項目にあらわれない特記事項に基づいて,認定審査会6人の委員による審査会で公正な認定がされておるところでございます。 システムそのものについての議論もあるわけですが,これはその課題等については,市長も全国市長会という総意のもとに円滑実施に向けては随時,適宜要望もいたしておるところであり,また制度そのものの変革ということもありまして,基準が変わるというような内容もあろうかと思います。 それから,保険料,利用料の減免にかかわってでございます。御案内のように,従来の措置制度の福祉から,いわゆる選択という制度を取り入れて,多様なサービス事業者の参入に基づき,給付と負担の割合を明確にして,今後の超高齢社会に対応していこうということで保険制度ができておるわけでございます。ですから,負担なしということについては制度の根幹にかかわることであり,また低所得者対策にかかわっては,減免もそうでございますけれど,5段階の保険料の設定あるいは所得に応じた利用限度額を設定をされておるところでございますし,また既にサービスを利用されておるホームヘルプ事業あるいは特別養護老人ホームの入居者については,激変緩和ということで,上限を設定した対応もされておるわけでございますので,よろしくお願いします。 また,公的責任をということでございまして,保険料あってサービスなしということは,保険者としてはぜひ避けなくてはいけないということでございます。今,民間を含めて参入状況等を我々で検討をしておる,中学校区ごとにそれぞれのサービスごとの指定業者を見る限り,空白地帯はないというふうに思っております。 ◎保健福祉部次長兼福祉事務所長(小川勇) 私の方から2点御答弁さしていただきます。 まず,第1点目といたしまして,介護認定におきまして,非該当となった方への対応でございますが,こうした方の中で,ひとり暮らしや高齢者のみの世帯の方に対しましては,できるだけ引き続き要介護の状態にならないようにするとともに,健康で生き生きとした生活が送れるように,我々といたしましては新年度,配食サービス,生きがい活動,デイサービス,軽度生活援助事業などの介護予防,生活支援事業に取り組んでいくことといたしております。 次に,第2次の高齢者保健福祉計画についてのお尋ねでございますが,これは平成12年から16年の5カ年の計画で,現在策定いたしておりますが,この中で我々といたしましては,基本的な考え方といたしまして,介護サービス基盤の整備とあわせまして,介護予防,生活支援事業,さらには健康づくりの推進ということを非常に重要と考えております。 また,これにあわせまして,住みなれた地域で安心して暮らせる地域支援体制の構築というものが今後非常に重要となるんではなかろうかと考えております。介護を必要とする高齢者も元気な高齢者も,住みなれた地域でともに支え合っていく中で,安心して暮らしていけるようなまちづくりということでございますが,こうした中におきまして,自助,共助,さらにはボランティアの方の役割というものが今後ともますます重要になろうかと考えております。よろしくお願いします。 ◎環境事務部長(森島正弘) RDFにかかわっての御質問でございます。 まず,RDFの設備の建設費についてでございますけれども,市長答弁にありましたように,1日のごみトン当たり,RDF製造の場合,現在時点でメーカーヒアリングによりますと3000万円から4000万円ということでございます。ですから,それにごみトンを掛けていただければ設備費が出てこようかと思いますけれども,ただ現在福山市においては,昨日の他会派の御質問にもお答えいたしましたように,発電所から出ます余剰エネルギーの有効利用ということも検討に入れております。 そういうことで,設備費につきましては,今後いろいろと検討する余地がございます。そういうことで,はっきりとした建設費も今は申し上げられない状況でございます。 ただ,市長答弁にありましたように,できるだけ事業費を縮減していこうと,そういうことでの方向で今検討をやっているところでございます。 また,コストにかかわっての御指摘でございますけれども,現在の福山市の清掃工場の焼却費につきましては,設備費の償却費が入っておりません。それと,これから新たに清掃工場を建設するに当たりましては,議会等でも御答弁いたしておりますように,焼却灰の溶融を前提としております。そういうことから,ごみを焼却いたしまして,発電して,その電力によって溶融する手法,あるいは今開発されつつありますガス化溶融炉,こういうものを使用することになろうかと思っております。そういうものの建設費,ランニングコスト費,そういうものもメーカーヒアリングをやりまして,どちらがコスト的に安くなるか,そういう一定の試算はいたしておりますけれども,ただまだ確定していない面は相当ございますが,いろいろなケースで計算いたしましても,RDFで発電した方がメリットがあるということで,こういう方向を出したものでございます。 それから,甲世の衛生組合におきますRDFの製造費についての御指摘がございました。ここのRDF製造にかかわっては,乾燥に灯油を使用されておりますけれども,福山市においては,先ほど申し上げましたように,発電所での余剰エネルギー,こういうものも有効利用する予定にいたしておりますし,他の地域での,ほかの燃料がないか,資源としての有効利用,こういうことも眼中に入れて,今検討をやっているところでございます。それともう一つ,福山市の設備は規模が大きくなってありますので,スケールメリットが出てまいります。そういうことから,甲世の経費よりもコストが相当小さくなってくるというふうに考えております。 それから,ごみ資源エネルギーセンターへのRDFの,これは有料か無料かという御指摘でございますけれども,先ほどの市長答弁の中にもありましたように,ごみ資源エネルギーセンターの事業については,売電収入,それと参画市町村からの処理費用を収入とするというふうに答弁されておりますように,有料でございます。 それから,このRDF発電をやることによって,大量生産,大量消費,大量廃棄を,これを前提としとるということじゃないかという御指摘でございますけれども,昨日の答弁でも申し上げましたように,資源化できるものはできるだけ資源化する,もう一つその前に,ごみにしないっていうことが大前提でございます。そういうことを我々は,市民に一番優先的に努力をしていただくということでの働きかけをまずしてまいりたいと。ですが,どうしても可燃ごみは出てまいります。そういうものをRDF化し,それの持っているエネルギーを有効利用するというものでございます。 それから,プラスチックについて,リサイクルプラザでリサイクルいたしますけれども,これについて,RDFはプラスチックの混入を前提としたものじゃないかという御指摘でございますけれども,現在の清掃工場で焼却しております可燃ごみの低位発熱量も2000キロカロリーを超えております。そういうことから判断いたしましても,RDFにいたしますと,3500から4000以上のカロリーが出てくるということで,十分プラスチックを外した上での計算で我々はやっております。 それから,このRDF燃料が助燃剤が要るのじゃないかという御指摘でございましたけれども,甲世のRDFにおいても,現在北九州にあります電源開発のプラントで,発電所のプラントで燃焼実験がやられておりますけれども,助燃剤は一切要らない状況でございます。 それから次に,公文書の公開についての御指摘でございますけれども,村井議員は例外的に非公開にしたとおっしゃいましたけれども,我々は福山市情報公開条例第6条第5号及び第7号に該当する条例の適用によってこれを非公開といたしたものでありますので,御理解いただきたいと思います。 以上でございます。 ◎市民部長(梅本紘久) 国保基金についてのお尋ねをいただきました。 この国保基金につきましては,国保財政調整基金条例に基づきまして,国保財政の健全な運営に資することを目的といたしまして設置をいたしておるものでございます。 その処分につきましては,主要には医療費の動向等により財源が不足する場合保険事業の財源に充てることというような規定があるわけでございます。これまでも,本年度,11年度でございますけれども,3500万円の基金の繰り入れ,さらに来年度,12年度につきましては,3570万円の繰り入れを予定をいたしておるところでございます。 以上からいたしまして,直ちに国保税引き下げの財源に充てることは困難であるというふうに思っております。 今後も国保事業運営の中長期的な安定を求めまして,慎重な対処をしてまいりたいと考えております。 ◎学校教育部長(三島康由) 国旗,国歌の指導にかかわってのお尋ねでございました。学校における教育活動につきましては,国旗,国歌の指導を含めまして,学習指導要領に基づいて適正に実施するよう指導しているところでございます。学校での指導に際しましては,児童生徒の内心にまで立ち入って強制するものではなく,教育指導上の課題として取り組むべきものと考えております。 それから,福山市同和教育研究協議会,福同協にかかわってのお尋ねでございました。福山市同和教育研究協議会については,子どもたちの進路を保障するために,同和教育の充実に向け,研究,協議をしているところでございます。各学校においては,これまで学校体制で推進をしてきているところでございます。 以上でございます。 ◎商工労働部長(中山弘) 企業の実態なりニーズに関して,直接行政の方で調査する気持ちはないかということでございます。 昨年の9月議会だったと思いますが,同様の御質問をいただいたというように思います。お答え申し上げましたが,直接本市がそうしたアンケート調査なり実態調査をするということでは対応はいたしておりません。また,やることにはならないと思います。 と申しますのは,企業のそうした実態なりニーズというのは,村井議員御案内のように,経済団体なり,あるいは金融機関なり,その他もろもろの機関が集約をされており,大枠でのそうした状況というのは,それに基づいて我々は掌握できるというふうに理解いたしております。 そういうようなことで,新しいいわゆる政策について他市の事例を出されましたが,従前からとり行っております,そうしたいわゆる事業を充実することなり,あるいは特別な事情があれば新しい商業施策というのも必要であろうかと思っておりますが,いずれにいたしましても,そうした各種の調査というのは,基本的に我々は十分信憑性があるというふうに理解しておりますので,今後ともそうしたものを基本に対応していきたいと,かように思っております。 ◎競馬事務局長(山広康男) 9億円の赤字の対応についてのお尋ねでございますが,9億円につきましては,法に認められる範囲内で対応を現在今検討しております。例えば,他の主催者でとられてる措置につきまして申し上げますと,繰上充用あるいは基金の取り崩し,その他いろいろやられておりますので,福山市に合った対応をしていきたいというふうに現在考えております。 それから2点目の,例えば基金を取り崩した場合に,3年後には基金がなくなるというようなお尋ねでございますが,我々としましては,来年度単年度収支を黒字にしていくという基本姿勢で,経費の節減あるいは振興策を図るためにそういう取り組みをして,単年度収支を黒字に持っていくという努力をしていきたいというふうに思っております。 そのために,来年度につきましては,市民の代表等を加えましたそういう健全経営化の委員会でいろいろ意見をいただく中で,単年度収支を黒字にするように努力をしていきたいというふうに現在考えておるところでございます。 ◎市長(三好章) 鞆の道路のことで1つ御答弁を落としておりましたが,トンネル案についてどういうふうな議論,経過があるのかという質問でありましたが,鞆のことについては,先ほど答弁申し上げましたように,58年12月に県が埋立計画,港湾整備の案を出したときには,かなり大きい面積で埋め立てて,常夜灯,雁木のあたりも全部埋め立てて道路につくるという計画があった。 そこで,いろいろ地元で議論があって,縮小してほしいという意見と,鞆の港の保全をすることによって,鞆の古い町並みと一緒に守っていこうという2つの地元意見がありました。そういう中で,トンネル案というのが地元から出たわけなんです。御承知のように,道路が鞆の元焼却場があったところからずっと祇園さんの方へ向いて上がっておりますが,あれを向こうへ抜く計画で道路計画が進められておりました。鞆で豪雨があって,大災害があって,昭和50年代の初めだったと思いますが,たくさんの被害が出たということで,急傾斜でありますから土石流が大変だと,たくさんの家屋が被害を受けたということで,その計画はもう危険だということで,今とまったわけであります,当時。 これは,私は賢明な判断だったと思うわけですが,あれをずっとやるということは鞆の町並みを壊すことであり,同時に危険の伴う工事であるというふうに思いますが,そこで埋め立て,鞆の港へ道路をつけるという計画が生まれて,議論はトンネルで抜けるという2つになりました。そこで,最初の鞆道路港湾検討委員会というのが設置されて,私もその委員の一人で議論をいたしました。そこで,沈埋案,港の中へトンネルで上がっていけという案と,山のトンネルと2案が出たわけですが,沈埋案というのはもう到底不可能だということは,阿藻珍味さんのところが急傾斜になりますから,エレベーターで上がるような道路をつくるんかというようなことがあったりして,これは無理だということがまず一番に消えて,トンネル案と埋め立て案で議論があった。 最終的には,少数意見はありました,確かに。トンネルでいけという,もういろうべきでないという意見があったんですが,しかし,あの平のまちや,あるいは焚場町のあたりの人は,非常に切実に災害の場合,あるいは急病の場合の交通渋滞を心配されて,ぜひ港の方へ道路をつけてほしいということで,そこで橋の案が出たわけです,一部。一部埋め立て,一部橋になって,それで第1回目の検討委員会が何回か会議を開いた結果,トンネル案よりは架橋・埋め立て案でいこうということが決まった。それを地元へ諮ったところ,それはいいが,将来の批判に耐えられるような,50年100年たっても立派な橋をかけてくれたと言われるような,景観にマッチしたいいものをつくれという意見が鞆の大多数の意見じゃったんです。 したがって,今度は景観というのが入った道路港湾景観検討委員会というのが,今度は東大の教授や学者や芸術家等も入れた,幅広い,東京の方から何人も参加してもらった,もちろん地元の代表も入って,文化財の保護審議会の代表も入りして,私も委員の一人でありましたが,今の案ができたわけです。 ですから,その過程で,先ほど申し上げた7年の12月に県を代表して副知事が来られて,反対者,トンネル案を主張される方だけの代表を,14~15人おられたと思いますが,鞆公民館へ集まってもらって,十分反対の意見,少数意見も尊重するという中で,私は,議論が行われて,まあよろしい,やってくださいという了解は得られなかったが,鞆のまちの空気としては,全体がもう早くやってほしいという空気だと私はもう肌で感じておりますし,したがって鞆のマスタープランづくりというのをつくっていこうということが地元から盛り上がる,私もそれはやってほしいということを申し上げた経過があります。 それで,今の道路の案と橋の案が出た。そこでまた問題は,芸大の教授の前野先生,伝統建造物保存群の権威者でありますが,私はその先生ともお会いして,いろいろ鞆へ来てもらって,実地に見てもらった。反対者の,トンネル案を主張される人にも全部会っていただいて,話を聞いていただいて,結論は焚場を市長もうちょっと綿密に調査したらどうかという提言をいただいて,焚場が出てきたと。そこで,焚場をどういうふうに保存するかということについては,現地保存か記録保存か,あるいは移転保存かということがあったが,現地で保存するということで,大幅に計画が今日までおくれたわけですが,もう焚場のほとんど8割は現地保存で残すという工法に変わって,ようやく先般の結論が出たわけでありますから,もうこれ以上議論しても,それは全員賛成ということはなかなか合意がとれん。 合意と信頼と言いながら,大多数の人が賛成されれば,やるのが私は民主主義だと思いますし,行政責任者としての立場。もしあっこで火災が起きたり,地震が起きた場合にはどうしてくれるかというのは厳しく出てきます。 したがって,そういう中での判断ですから,もうトンネル案というのはもう大分前の議論でありまして,今さらこれが出てくるとは,ちょっと私も思わなかったんですが,そういう村井議員さん,経過をたどっておりますから,もう今さらトンネル案といっても,なぜそれがいけんかというと,通過道路になってしまうじゃないかと,あの阿伏兎観音の向こうの方へつっと抜けるだけの道路が,なぜ鞆のためになるかということ,生活道路あるいは緊急,産業や生活道路には何の役にも立たんという,ただ観光客を福山から沼隈半島へ送るだけじゃという意見も強かったんです。 そういう経過で,トンネル案が,少数意見はありましたが取り上げられなかったという経過で,今日までもう十何年か,10年からかかったわけですから,もうここらで御理解いただかんと,これは永久にどうにもならんということになっては困りますので,ひとつ御理解いただきたいと思います。 ◆19番(村井明美) 福祉行政の問題ですけれども,昨日もテレビの報道では,この介護保険にかかわって,短期入所日数について,利用日数の上限が半年間に7日から42日間では利用が制限されるという意見が寄せられたために,日数弾力化を丹羽厚相は検討して,その方向も出してるわけですね。 それで,まだまだ介護保険は問題があるだけに,揺れ動いています。よりよい制度で出発するということを最大限追求しながら,市民に対して保険料,利用料の新たな負担がかかるというのは,この生活苦の中で事実ですから,これを最大限自治体として支援できる方向性はないかという努力を積み重ねていくことが求められてるというふうに思うわけですね。 その点で,2次判定については,事前に1次判定の資料を送っているということで,この点の努力は認めます。しかし,判定基準そのものに問題があるという点は変わりませんので,市長会等を通じて要望を上げるということでしたが,引き続いてこの問題点を明らかにしつつ要望を上げていただく。 それから,保険料についてや利用料についての減免制度は,もっと積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。 それから,RDFの問題についてなんですけれども,やはり一番問題は,住民に対して,それからこういうきちんとした資料が提示されない,情報が公開されない中で,まずRDFへの参加ありきで進んでると思うんですよ。これについて,例えば富山県は県が主体となって推進していたが,断念しています。経済性など直接焼却方式と比較して,特段の成果はなしというふうに結論づけてるわけですね。 いずれにしても,どちらがよいのかというふうな納得がいく資料提供が今一番求められるというふうに思うわけです。環境負荷の問題についても十分なお答えがいただけたというふうには思いません。 また,これはどこかが先例的にやってて,これだけ安全であるとか,本当にこれだけコストが低くなるんだという実証されたものでもありませんので,拙速な判断をして,まず参加ありきという立場はとらないと,徹底した資料をつくっていくということが求められるというふうに思いますので,引き続いて予算委員会がありますが,少なくともそこにはわかり得る限りの資料をまず提出していただくということを要望いたします。 それから,国保行政につきましてですが,基金が国保税の引き下げに使えないという根拠はないわけですね。ですから,これだけ市民から痛みの声が上がっているのにこたえない行政姿勢が問題なわけです。これにこたえて,理由はないわけですから,国保税をもっと引き下げる財源に充当されることを求めます。 それから,教育行政の問題ですけれども,指導という名でやはり強制してるんですよ。どうするんですか,小学校や中学校に対してはこれからですけれども,職務命令を出すんですか。今,学校ではどうするのかということで,職員会議がずうっと続けられてます。そういう実態の学校もあるわけですね。これは,この指導というのをやめて,卒業式に何を歌うか,どのような中身にするかは,一つ一つの教育現場にすべて任せるというふうにされれば出てこない問題です。こういう,少なくとも子どもがあの卒業式は嫌だったというふうな印象を持つような,そういう混乱をわざわざ教育委員会が起こす必要はありません。指導そのものを憲法と教育基本法に基づいて,教育現場の自主性に任せることを改めて強く指摘いたします。 それから,福同協の問題ですけども,結局答弁は,個人個人の脱会の,団体だということで,自由はないということですね。これはもう自主的な教育研究団体とは言えません。即刻一人一人退会できるというふうに改めてください。やめられるんですね。一人一人やめられるんですね。この辺をきちんとお答え願いたいと思います。 それから,商工行政についてですけれども,中小業者の方々に対しては,経済団体を通して聞いたら,大枠掌握できるということでしたけど,今の不況が未曾有のものであるということに対する,市民の暮らしが大変だということに対して実感がないんじゃありませんか。いろんな方々に聞きましたけれども,本当にきょうあした,命を絶とうと思うことがあるんだということを何人もの方が言ってらっしゃいます。そして,中小業者の方たちは,今どうするか,あすどうするかということで,中小企業そのものを維持していく上でのさまざまな努力は,もう個人の枠を越えてるわけですよ。 ですから,まずは行政が地方自治体の本来の役割として,一人一人の方の調査をされたらどうですか。調査っていうのがなぜできないんですか,聞き取り調査ですね。今,墨田区が非常に全国からの視察が多いというのは,墨田区の中小業者の方たちのニーズにぴったりこたえて,しかも実効を上げてるからなんです。実効を上げようと思えば,まず実態から出発しなければ,それはできません。 改めて,そういう,団体を通したらわかるというふうな実態ではないんですから,業者の痛みをきっちり受けとめて,やるべきことはやっていただきたい。調査ができないということはないと思いますよ。聞き取りをされたらいかがですか。 それから,建設の問題ですけれども,少なくとも情報公開の問題で,市長はこれどう思われますか,これは。こういうのをもし市民が手にしたら,ねえ。市民の信頼は,やっぱり情報を公開する。最低限の第一歩ですよ。これ,もう一度手にとられて,関係住民が自分の住んでるところへ道路が通るわけです。それが,一体この意見書がどう扱われたのか。返してももらえないようなことで,ここに合意をしながら,事業を進めることができるんかどうか,市長これ本当に手にとって,一市民となって見てみてください。そして,本来の情報公開とは何か,市長みずからもっと考えていただきたいと思います。 それから,鞆の埋め立て・架橋の問題ですけれども,湾の方へ橋をかけて,これは通過交通ていう点では同じですよ,やはりね。これだけの景観が失われていくことによって,もっとたくさんのものを失います。防災の問題は,まちづくりの問題として取り組んでこなかったところに問題があります。 ○副議長(新谷勇) 村井議員さん,鞆の問題については,市長が先ほどあれだけ経過から全部おっしゃいましたんで。 ◆19番(村井明美) (続)ええ,あれだけ言われましたので,またお答えをしてるわけなんですけれども……。 ○副議長(新谷勇) あれ以上のことは出ないと思いますから。 ◆19番(村井明美) (続)行政が一致して,市民も一致して,真鶴では港湾に橋をかけました。ところが,実際にかけたら,真鶴の景観が失われて,頼朝潮出の港に対して観光客が来ていたのが一人も来ない。潮の流れが変わって,海が死んで,魚介類も一切とれないという状態があるわけですね。 ○副議長(新谷勇) そのお話はまた関係ない話ですから。ちょっと整理しなさい。質問をしてください,ちゃんと。村井議員さん,ちゃんと質問してください。 ◆19番(村井明美) (続)将来に禍根を残すか残さないかという点では,はっきり申し上げて,ここでそれだけの景観や歴史的なものを失ったら禍根を残します。 そういう点で,別の方法を本当に真剣に考えれば,このような地理的条件のまちは広島県だけではなくて,日本全国リアス式海岸ですから,必ずあるわけです。 ○副議長(新谷勇) 趣旨はわかりましたから,質問してください。 ◆19番(村井明美) (続)それに,必ずしも橋をかけなくても生活道路は確保できるはずです。もっと研究をされる必要があると思います。この点は言っておきます。 それから,農業を通しては,市長はいろいろ言われましたが,後段の問題はともかくとして,前段のところにあるのが国の農業政策ですから,私は国の農業政策を取り上げて質問をいたしました。テレビなどでも放映しましたように,北海道よりももっと広いところを機械で耕作しているアメリカの農産物の輸入がどんどん進められてきたら,コストの上で成り立たない,価格補償ができないから,日本農業は衰退の一途をたどっているわけです。 そういう中で,ですから国に対して,市長としてそれほど郷土の農業を思われるのでしたら,一番原因となっているところに対してきちんと意見表明をいただきたいということを申したわけです。そして,その中でも,一部でも福山市が農産物に対する限定的にでも価格補償をしながら,農家の方たちが採算が見合うという方式をとっていけば,後継者は必ず出てきます。そういうことをやってる自治体はあるわけなんですね。 ですから……。 ○副議長(新谷勇) 趣旨はわかりましたから,質問してください。 ◆19番(村井明美) (続)ですから,その点を本当にお酌みいただいて,三好市長が愛される郷土福山で,都市農業が緑豊かに発展すると,この道はありますので,まだ予算特別委員会これからでございますから,そういった点で価格補償も含めた農業振興,その予算をふやしていただくことを要望いたしておきます。 最後に,さまざまな施策の中で,一番今求められているのは,市民が置かれている現状に即して,その痛みを本当に受けとめて行政を行うことだと思います。そのためには,少なくとも調査及び情報の公開,最低限のことについてはしていただきたいと思います。 改めてこの点を強く要望して,質問を終わります。 ○副議長(新谷勇) 村井議員さん,全部要望と理解してよろしいですか。それとも,教育委員会の分だけ答弁していただきましょうか。 ◎学校教育部長(三島康由) 国旗,国歌にかかわる3回目の御質問でございました。 学校における教育課程につきましては,学習指導要領に基づいて校長が編成をするということになっております。これに基づいて国旗,国歌の指導も行われているところでございます。 なお,卒業式に向けましては,国旗の掲揚,国歌の斉唱がこの学習指導要領に基づいて全校で実施できるように,全力で取り組んでまいります。 なお同和教育研究団体についての御質問でございますが,教育研究団体につきましては,それぞれの団体が目的に基づいて,教育活動の充実,発展のために,さまざまな教科,領域や教育課題について,自主的,主体的に,幅広く研究が進められていくことが必要であるというように思います。福同協につきましても,同和教育の推進の役割を果たしているというように考えております。 以上でございます。 ────────────────── ○副議長(新谷勇) この際,暫時休憩いたします。          午後3時56分休憩 ──────────────────          午後4時26分再開 ○議長(蔵本久) 休憩前に引き続き,会議を開きます。 ────────────────── ○議長(蔵本久) 次に,公明党代表 15番藤井真弓議員。 (15番藤井真弓議員登壇)(拍手) ◆15番(藤井真弓) 公明党を代表して,市長の政治姿勢を初め,新年度事業等の重要課題について質問をいたします。 新世紀,21世紀という言葉に接するたびに,以前から21世紀はどのような世界が待っているのか,そのとき自分はどんな人生を歩んでいるのかなと大きな希望を抱いたものであります。その21世紀がいよいよ来年から始まります。本年は新しい千年への幕あけの年であります。 そうした中,過日ある新聞社による日本,アメリカ,フランス,中国,タイの5カ国同時の世論調査が行われました。調査内容は,21世紀の世界について,各国の人がどのような考えを持っているのかを探るものであり,次のような分析結果となっています。すなわち,日本人の悲観的な姿勢が他の4カ国の人たちと比べて際立って深く,広いものとなっていること,そしてこのことは調査をしていない世界じゅうの人たちと比べても同じ結果となるであろうと結論づけています。 調査では,21世紀の世界,自分の国,自分の生活の3項目について,よくなると思う日本人は,3項目を平均して10%台にとどまります。日本に次いでよくなると考える人が少ないフランス人でもそれぞれ21%,26%,39%であり,アメリカ,中国,タイ3国ではよくなると思う人がさらにずっと多いのであります。21世紀と聞いて不安,停滞を連想する人は,他の4カ国に比べ日本が突出して多く,西暦3000年には人類は今より繁栄していると思う人よりも,今より衰退していると思う人の方が多いのは日本だけであります。また,自国を誇りに思うかでは,誇りに思うが他の4カ国に比べて際立って少ないという結果であります。 この調査結果への学識者のコメントは,日本型システムの機能不全と新しいシステムを見出せないでいることが二重に不安の原因になっていること,また21世紀の将来像が示されていないことが悲観の原因であると指摘しています。 21世紀を展望する有識者の意見をメディアを通じて積極的に紹介する必要性も指摘されていました。しかし,それも大切なことでありますが,私はそれ以上に政治のリーダーシップこそが求められていると考えるものであります。 松本健一麗澤大学教授は,ある講演の中で,現在を官僚の時代の解体のときであり,これを幕末,維新,第二次大戦の敗戦に次ぐ第3の開国と位置づけ,この変化の背景にアメリカ,ソ連を両極とする冷戦構造の解体があり,その結果,世界各国は自分の国は自分で守らなければならなくなった。軍事面に限らず,産業,通貨,人権,環境等,すべて自分で守らなければならない状況になった。そして,このような世界的な大きな変化の時代には,日本をどういう国にしていくのか,またそのためにどんな人づくりをしていくのか,その理念と政策を提唱する政治家が必要であると述べています。 公明党は,日本経済が非常事態にあると認識し,その危機を乗り越えるためには,政治がリーダーシップを発揮しなくてはならず,統治能力のある安定した政治が必要であると判断し,連立政権参加を決断いたしました。その後,一部マスコミが巨大与党などと書き立て,連立に対する評価や期待がかき消されてしまった感がありました。 現在,連立政権が発足して4カ月が過ぎ,保守・中道政権による政治は着実に変わりつつあると考えます。昨秋の臨時国会では,事業規模で18兆円に上る1999年度第2次補正予算が成立。中小企業対策を中心にした景気対策のほか,少子・高齢化や教育,環境など,安心の社会構築に向けた対策が手厚く盛り込まれました。この補正予算の成立によって,OECD(経済協力開発機構)は,99年の日本の経済成長率見通しを上方修正しました。株価もバブル崩壊後最高値を記録するまでになりました。これは,とりもなおさず連立政権の政策と実行力を市場や調査機関が高く評価している証拠であり,日本の政治が保守,中道の連立によって前進の方向に変わり始めたことを示していると言えます。 また,第2次補正に続き,2000年度予算案には,さらに本格的に児童手当の拡充や子育て支援,少子化対策としての新エンゼルプラン,育児・介護休業手当のアップ,中小・ベンチャー企業支援の推進,高齢者,障害者の視点に立ったバリアフリーのまちづくり,ごみゼロを目指す循環型社会の実現に向けたリサイクル事業の展開など,従来の保守政治の中では優先順位の低かった政策課題に光を当てた施策が盛り込まれております。 これに対し,ばらまき等の一部批判がありますが,政治は結果での勝負であり,政権への評価は国民のために何をなしたのか,どのような成果をつくったのか,その実績を見て判断すべきであると考えます。これについて,市長のお考えをお示しください。 さらに,来年度予算案の審議の中で,野党は景気対策と財政構造改革を同時に進めるべきと主張しています。具体的な中身もビジョンも示さず,説得力に欠けると考えます。景気を確実に回復させるために急がなければならないことは,来年度予算案を早期に成立されることであります。切れ目のない財政出動で,景気回復を決定的なものにすることであると考えますが,市長のお考えをお示しください。 また,自民党の一部国会議員たちが反公明党,創価学会の,政教分離を貫く会を結成し,公明党の政権参加へ疑義ありと批判しています。改めて言うまでもありませんが,憲法で言う政教分離の原則は,戦時中の思想統制,弾圧の歴史の反省に立ち,国家が宗教に介入してはならないという信教の自由を保障したものであります。それは国家と宗教の分離を指すのであって,政党と宗教団体との分離を意味するものではありません。 自民党と公明党との連立は,公党間での正式な会談,合意に基づくものであり,自民党に所属する一部の議員たちが公明党の入閣や連立に異議を唱えて政教分離を公言することは不自然であり,自己矛盾を来していると言わざるを得ません。あくまでその言説を用いるのならば,自民党を離党して,野党として国会の場で堂々と議論すべきであると考えます。 来年は21世紀であり,ことしは新しい千年への幕あけの年であります。重苦しい世紀末の閉塞感に飲み込まれ,衰退,崩壊の道をたどるか,それとも危機を克服し,希望と活力のある21世紀の道筋を明らかにすることができるのかが問われる重要な節目の一年であります。 ともあれ,21世紀を安心と希望と活力の日本にするために,良識ある政治のあり方を求めたいと思うものであります。御所見をお示しください。 次に,地方分権の推進についてお伺いします。 地方分権一括法が昨年7月に成立し,本年4月に施行されます。国が地方を制してきた機関委任事務制度の廃止により,自治体の条例制定権は格段に進み,自治体の主体性が発揮できる状態に近づいたと評価できます。 しかし,財源はすべて中央政府が握っていて,事あるごとに中央に陳情に行くのでは,地方と中央の上下関係は依然として変わらず,自治体が真の主体性を発揮することはできないと考えます。本市としても,財源委譲について,強く国に訴えるべきであると考えます。市長の御所見をお示しください。 地方分権の目的は,そこに住む人々が命令や押しつけではなく,どう自主性を持ち,主体的に行動し,生きがいを持って生きていけるかということであります。そのために,自主的な地域づくりに挑戦することが大切であり,その根本は人づくりであると言われております。 大分県の平松知事は,人づくりのための塾を手がけ,若い人材を育成し,その卒業生たちが地域活性化の推進力となっているそうであります。経済的な効果が上がっただけでなく,地域の人々のやる気がすばらしく,その活動は世界へ広がっているそうであります。自分たちの手でどう地域を盛り立て,情報発信するかをみんなで工夫している若者たちが多く育ち,活躍しているそうであります。 地方分権が進むことは,言いかえればそのまちがいかに特色を持っているかが問われる都市間の競争の時代になるということであります。その意味で,人づくりは非常に重要であります。本市の人づくりのあり方について,市長のお考えをお示しください。 次に,少子・高齢社会への対応についてお尋ねします。 国の人口問題研究所の試算によれば,現在の出生率が続けば,100年後は国の人口が4900万人になり,500年後には30万人,1000年後には500人になるという予測が出ております。少子化が進めば,当然のことでありますが,経済成長率も落ち,社会保障を負担する人も減り,社会保障体系が崩れてしまいます。今こそ抜本的な少子化対策を講ずる必要があります。 国は,昨年12月19日,総合的な少子化対策と児童手当制度改正について発表し,今後の少子化対策の方向性を示しました。中でも,児童手当の改正は,子育て世代の経済的支援を求める声にこたえたもので,本年6月から支給対象が3歳未満から小学校入学前の未就学児までに拡大されることになります。 しかし,諸外国の例を見ても,ドイツでは18歳未満の全員に第1子から,日本円に換算して月額1万5000円以上支給しています。イギリス,フランス,スウェーデンでも支給対象を16歳未満とするなど,大変に充実した制度になっております。 我が党は,少子化傾向に歯どめをかける対策の一環として,児童手当制度と奨学金制度を抜本的に見直し,拡充すべきだと主張してまいりました。このたびの改正は,今後の大幅拡充への第一歩と評価しております。ただ,残念なことは,一部マスコミが児童手当は大盤振る舞いと報道していることであります。 子育ては人生最大の事業であります。子育てに大変苦労されている若い方々にこうした手当を支給するのはむしろ当然のことではないかと考えます。少子化対策は,幾重にも施策を積み重ねて達成されるものであることは指摘されるまでもありません。児童手当は少子化対策の中核をなす施策であると考えるものでありますが,御所見をお示しください。 さらに,1997年に策定された福山市児童育成計画については,その後本市の市民ニーズも多様化しており,見直す時期に来ていると考えますが,御所見をお示しください。 次に,行財政改革についてお尋ねいたします。 21世紀の本市の状況を考えるとき,少子・高齢化問題は避けて通れない問題で,その対策に莫大な費用がかかることが想定され,行財政健全化は焦眉の課題となっております。本市においては,平成9年度に策定された行財政改革大綱に基づき,10年度から3カ年にわたって実施計画を推進してきたところであります。新年度はその最終年度となるわけでありますが,掲げられた目標の達成状況と見通しについて,まず明らかにしてください。 我が党は,職員定数や給与水準,起債対策,補助金等の見直しなどで多大な成果を上げたことに対し,評価いたすものでありますが,まだ取り組みが必要と感じられるものもあります。集中取り組み期間の新年度以降の行財政改革について,どのように進めていかれるのか,お考えをお示しください。 以下,数点お尋ねいたします。 1,組織機構の見直しについて。緊急の課題となっている少子化対策や中心市街地活性化対策などを推進するためには,組織横断的な取り組みと企画調整機能の強化が必要と考えますが,この点についてどのようにお考えなのか。 1,長引く景気低迷などの影響で,一部の税や使用料の収納率が低下しているようでありますが,収納対策についてどのように進めていかれるのか。 1,およそ10年後にピークを迎えることが予想される退職手当について,どのような対策を講じられるのか。 1,新年度に後期総合計画が策定されるようでありますが,前期計画の成果を市民にわかりやすく公表する行政評価を行い,幅広く意見を集めて,後期計画に生かしてはどうかと考えます。 こうした本市のさまざまな計画の着実な推進のために,行政評価を導入することについて,市長の所信をお示しください。 1,本市の行政改革を進めていく上で,過去,現在,将来の財政状況を掌握するには,バランスシートが必要と考えます。前述の退職手当や資産の状況などが一目瞭然となり,行財政健全化の大きな推進力となり得るものと思考いたしますが,市長の所信をお示しください。 次に,福祉行政についてお尋ねします。 バリアフリーのまちづくりについてであります。お年寄りや障害のある人に優しいまちづくりを積極的に支援する交通バリアフリー法案が2月15日国会に提出されました。その内容は,駅にエレベーター,エスカレーター,障害者用トイレなどを設置,乗りおりが楽な低床バスを導入,既存の旅客施設,車両もバリアフリーに努力,事業者に改善命令,違反者には最高100万円の罰金,歩道の段差解消,音声で案内する信号機の設置などが義務づけられるものであります。 本市にあっては,バリアフリーの歩道整備や公共施設へのエレベーター,スロープ,手すりの設置など,限られた財源の中で取り組まれていることは評価いたしております。 我が党が過去に提案いたしましたタウンモビリティーも,ボランティアの方々の熱意で中心部商店街に導入されており,このたびの交通バリアフリー法案の成立により,バリアフリーへの取り組みはより一層加速してくることは間違いありません。この際,本市にあっても高齢者,障害者,外国人等の視点に立って,公共施設等のバリアフリー総点検に取り組むことを提案いたします。市長のお考えをお示しください。 また,今後自治体としてバリアフリーの基本構想をつくることになっているようであります。今後の取り組みの基本方針をお示しください。 さらに,我が党は(仮称)福山市総合保健福祉センター周辺をバリアフリーのモデル地域として,重点的に整備されるよう提案いたします。御所見をお伺いします。 次に,社会貢献活動,NPOについてお尋ねします。 4月1日からの介護保険のスタートを目前にして,地域福祉の充実が重要となってきておりますが,行政の力では限界があり,地域住民の主体的参加による自助,共助,公助のあり方が問われております。 県では,広島県ボランティア・NPO活動基本方針検討委員会からの提言を受けて,社会貢献活動を行う団体すなわちNPOが県内全域において社会貢献活動が活発に行われるような施策展開を目指して,県の基本方針を策定中とのことであります。 提言によりますと,住民と最も身近なかかわりを持つ市町村の役割として,1,社会貢献活動・NPO担当窓口の設置,2,地域におけるNPO・社会貢献活動支援のための基盤整備,市町村民税の優遇税制の適用など,3,地域におけるNPOのネットワーク形成,4,公民館,集会所,学校などの公共施設,機器の提供,5,市町村が実施する施策へのNPOの参加システムの構築,6,市町村職員のNPO活動参加への各種条件整備などが求められております。それぞれの本市における現状と課題についてお示しください。 また,NPOセンターの整備方針並びに本市としての基本方針の策定について御所見をお伺いします。 次に,女性行政についてお尋ねします。 まず,男女共同参画の推進についてであります。去る1月末に,福山市男女共同参画推進懇話会よりふくやま女性プラン後半期の推進に向けての貴重な提言が出されました。 その中で,後半期に取り組むべき重点目標として,1,意思決定過程への女性の参画として,審議会等への女性委員の選任のあり方,2,効果的な啓発として,男性や就労分野へ対する男女共同参画意識の浸透をどう図るか,3,推進体制の整備として,プラン実施計画の策定の必要性が求められています。 以下,お伺いいたします。 1,女性の視点を取り入れたまちづくりを推進するために,審議会等への女性委員の選任について。審議会登用率は1999年4月現在12.9%とのことですが,目標数値達成への今後の方針と目標年度を具体的に,いつ設定されるのか明らかにしてください。 2,男女共同参画意識の浸透を図るためには,あらゆる機会に市長みずからが男女共同参画社会実現に向けた積極的な取り組み姿勢が必要であると指摘されています。これに対する市長の所信をお伺いします。 また,男女共同参画都市宣言について検討されてはいかがでしょうか。所信をお伺いします。 3,女性センター機能の整備と女性センター設置について。 4,プラン実施計画の策定について,お考えをお示しください。 次に,ストーカー対策についてお尋ねいたします。さきの新潟の少女監禁事件や,埼玉,広島での駅や地下道など,人混みの死角をついた殺人事件など,まさに目を覆いたくなるような,異常とも言える凶悪犯罪がこの半年の間に続発しており,その被害に遭っているのは決まって女性,子どもであります。 病んだ日本社会とも言える状況の中で,女性,子どもと肉体的にも社会的にも弱い立場の人が悲惨な目に遭うことが日常茶飯事に起こっているのが今日の状況であります。 そのことを象徴するのがストーカー被害であります。異性につきまとい,目を引きつけるために嫌がらせ行為を行い,最後は犯罪行為に至るのがストーカー行為で,埼玉,広島の殺人事件もストーカーによるものではないかと言われております。 そこで,お伺いいたします。 本市において,ストーカー被害の実態やストーカーにかかわる相談件数はどの程度なのかお示しください。 ある女性から受けた相談によると,ストーカー対策としてきちんとした指導をしてくれる相談窓口はなかったようであります。警察署でも,事件にならないということで余り相談に乗ってもらえなかったとのことであります。本市において,ストーカー被害に対する相談窓口の充実並びに迷惑行為防止条例等の条例整備を図る必要があると考えますが,市長の所信をお示しください。 また,本市にあっては,死角となりやすい地下道がふえつつあります。地下道の安全対策について所信をお示しください。 地下道政策は車優先の政策であり,超高齢社会の到来を考えると,人間優先の政策に切りかえる必要があると考えますが,市長の所信をお示しください。 最後に,教育行政についてお尋ねいたします。 子どもの本離れについてであります。児童や生徒が学校の図書を借りることが少なくなってきているとの声があります。また,子どもたちの本離れは年長になるほど深刻化し,それが青少年の無気力,倫理観の喪失,暴力的傾向を助長している一因となっていると指摘する専門家もおります。実際,活字にかわってテレビやファミコン,パソコン,ビデオやCDなどのAV(オーディオビジュアル)関連メディアの急速な浸透がその理由の一つに上げられています。受験戦争や塾通いによる時間的制約もありますし,こうした子どもを取り巻く社会環境の変化が本と接する機会を少なくさせているのも事実であります。 一方,暴力的内容や性表現が目立つ子ども向け漫画,街角の自販機で売られているポルノ雑誌,子どもも目にする新聞広告や電車の中づり広告にも過激な性表現などを平然と並べる商業主義一辺倒の一部週刊誌など,健全育成を阻害する悪書の氾濫は目に余るものがあります。表現の自由は保障されなければなりませんが,私たち大人が活字の世界にも子どもにとって善と悪の2つがあることを見きわめた上で,社会全体で子どもたちが良書に接する機会をふやし,逆に悪書からは子どもたちを守っていく運動が欠かせない今日であると考えますが,教育長の所信をお示しください。 また,本市の実態はどのようになっていますか。さらにその対応について。 国立国会図書館は,本年5月6日,我が国では初の子ども専門の総合図書館である国際子ども図書館を東京上野公園にオープンさせることにちなみ,昨年8月,国会で2000年を子ども読書年とする決議を採択しています。 本市でもこうした動きを踏まえ,各種団体と協力,連携を取りながら,子どもたちが良書に親しむ機会を拡大する具体的な運動を進めるお考えはありませんか。教育長の所信をお示しください。 埼玉県では,835校ある小学校のうち352校,422校の中学校のうち102校で朝の読書が行われています。朝の読書は,漫画,雑誌以外の好きな本を児童生徒が自由に持ち寄り,先生とともに10分間だけ黙読します。感想文などは一切書きません。ある中学校では,朝の読書を始めてから1年経過した段階で生徒に行ったアンケートの結果,朝の読書が始まってからの変化を聞く設問に対して,1,本を読むことが大好きになった32%,少し好きになった57%,2,1カ月間に読む本が1冊程度ふえた37%,2冊以上ふえた34%など,71%の生徒がふえたと回答,3,書店に行く回数がふえた61%など,読書に対する姿勢が顕著に変化したことが明らかになっています。 同校では,この時間帯を朝の清掃の時間に当てていましたが,朝の読書に切りかえてからは遅刻が激減した上,その後の授業にスムーズに入れるようになり,学舎としてよい雰囲気になったということです。また,好きな本を選ぶ過程で生徒の自主性,主体性をはぐくみ,本の登場人物や情景を通して想像力,思考力を養うことができるなどの効果が上がっているそうであります。本市の取り組みの実情をお示しください。 また,朝の読書に積極的に取り組むことについて所信をお示しください。 我が党は,良書に触れることによって,生きる勇気や正義へのあこがれを沸き立たせ,人間への優しさをはぐくむ機会を子どもたちにたくさん与えてあげたいとの思いから,党女性委員会のもとに,本年1月19日,子ども読書運動プロジェクトチームを設置しました。具体的な運動としては,学校や家庭,地域での読み聞かせ運動や朗読会の推進,このほか朗読ボランティア活動への支援,公立図書館への(仮称)児童読書アドバイザー員配置の推進,巡回図書キャラバンカーの推進,さらには地域の書店を拠点とする児童図書推進イベントの開催支援などの運動をきめ細かく進めていく準備をしております。 教育長は,子どもの本離れを阻止する上で,プロジェクト型の取り組みや草の根型の運動についてはどのように考えておられるのか,またその決意のほどをお示しください。 以上で第1回の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) (三好 章市長登壇) ◎市長(三好章) 公明党を代表されました藤井真弓議員の御質問にお答えいたします。 初めに,政治姿勢についての御質問です。 政府においては,これまでの発展を支えてきた社会・経済システムに限界が見え,これらシステムの再構築や国の内外にわたる諸課題への懸命な取り組みが行われております。その過程において,政策課題や国会運営のあり方などをめぐりさまざまな意見があることは承知いたしております。こうした中で,景気の早期回復を図ることは現下の最重要課題とし,これまで大規模な経済対策が実施されてきたところであります。 現在,景気は一部に明るさが見えてきたとは言われており,引き続き景気の確かな回復を図ることが必要とされております。一方,相次ぐ経済対策などに伴い,国債残高の増高など,次世代へ向けた財政再建も,国,地方を問わず,避けて通ることのできない大きな課題となっております。 いずれにいたしましても,我が国が21世紀においても持続的発展が図られるよう,政治の責任においてリーダーシップを発揮し,国政が適切にとり行われることを期待いたしております。 次に,地方分権についてのお尋ねであります。いよいよ地方分権一括法が4月から施行され,本格的な地方分権の時代を迎えますが,地方税財源の充実等についてはいまだ具体的に明らかにされておりません。本市は中核市として,さらなる権限と財源の委譲が必要であると考えており,今後とも国に対し,関係機関等を通じ強力に働きかけてまいります。 地方分権の到来により,自主,自立のまちづくり,魅力と個性あふれるまちづくりが求められております。まちづくりは人づくりと言われるように,市民が主役であり,まちづくりの核となる人材の発掘,市民意識の涵養を図り,市民一人一人が希望あふれる,個性豊かな,活力ある地域社会づくりに努めてまいります。 次に,児童手当についての御質問であります。御承知のとおり,児童手当制度は児童を養育していく者に対し,家庭における生活の安定に寄与するとともに,次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としております。今回,支給対象を現行の3歳未満から小学校入学前の未就学児童まで引き上げる制度の充実については,子育ての環境整備のための経済的支援の充実の面からも,国の緊急課題である少子化対策の重要な施策の一つであると認識いたしております。 次に,福山市児童育成計画についてであります。この計画は,21世紀を担う子どもたちが健やかに生まれ育つことができる環境づくりを推進するため,平成17年度までを計画の期間として策定したものであります。計画の策定に当たっては,重要な基礎資料として,本市に居住する就学前児童,小学校低学年児童の保護者の子育てに関する意向,ニーズ,また国が少子化対策として打ち出した緊急保育対策5カ年事業もとり入れる中で,この計画を策定いたしました。現在,市民ニーズにこたえるべく,施策の推進を図っているところであります。 このたび,国においては新エンゼルプランを策定いたしましたが,その内容は緊急保育対策5カ年事業をそのまま引き継いでいるところでもあり,本市の計画については,現在のところ見直す時期であるとは考えておりません。今後,計画の実施状況,児童をめぐる状況等の変化による計画の妥当性を評価しながら,必要があれば見直しをしてまいります。 次に,行財政改革についての御質問です。現在,行財政改革大綱に基づき,集中取り組み期間を定め,実施計画に定めた取り組み項目について,着実な実施に向け取り組んでいるところであります。平成11年度の成果につきましては,本年6月ごろを目途に整理し,議会に報告し,市民に公表したいと考えております。 平成12年度は集中取り組み期間の最終年度であり,これまでの2年間の取り組みの成果や状況を踏まえ,新たな取り組み項目を追加するなど,平成12年度の実施計画を定めたところであります。引き続き進行管理を徹底する中で,目標数値の達成など,実施計画の着実な実施に向け,私がリーダーシップをとり,全庁一体となって取り組んでまいります。 行財政改革は,将来にわたる市政の発展と市民福祉の向上のために,いつの時代においても取り組むべき大きな課題であると考えております。平成13年度以降の取り組みにつきましても,これまでの取り組み状況,成果等を十分検証する中で,引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 次に,少子化対策にかかわる組織機構の見直しについてのお尋ねであります。少子化対策は,国,地方公共団体や企業,地域社会を含め,社会全体として取り組むべき緊急の課題となっており,本市としても子育て支援の施策を総合的に推進していく必要があります。このため,平成9年3月,福山市児童育成計画を策定し,その施策に取り組んでいるところであります。 今後とも少子化対策が総合的かつ有効に機能するように,国,県や関係機関の動向を見きわめる中で,行政内部の保育,住宅,教育,医療など,子育てのしやすい環境づくりの整備,充実にかかわる関係部署の一層の連携を強めてまいりたいと考えております。 また,中心市街地活性化対策を推進するための組織等についてですが,中心市街地の活性化は本市の重要施策と位置づけており,事業推進に当たっては,事業ごとに担当課が主体となって,関係課と意思統一を図りながら効率的な事務を進めており,今後ともこうした考えのもとに,本市としての事業推進を図ってまいりたいと考えております。 次に,税,料などの収納率向上対策につきましては,市民負担の公平,公正と自主財源の確保の立場から本市の重要課題と位置づけ,それぞれの部門において効率的・効果的滞納整理の取り組みを行っているところであります。 これまで福山市収納対策連絡会議において関係部課の連携を密にする中で,滞納整理方針と目標収納率を設定し,納期内納付や口座振替加入の啓発,夜間,休日の納付相談所の開設,収納事務研修などを実施してまいりました。今後とも負担の公平,公正と自主財源の確保のため,マニュアルの一体的整備を行い,効果的手法を検討する中で,滞納処分の強化を図るなど,全庁一体で収納率向上と収入未済額の圧縮に努めてまいります。 次に,退職手当についてのお尋ねであります。退職手当の増加にかかわる対策につきましては,本市の都市化の進展に伴い,多くの職員を採用した年代の職員が平成19年度から約10年間にわたり退職のピークを迎えると予測しております。このことに伴い,退職手当の増加が見込まれるため,後年度の財政への影響に配慮しながら,事前の準備として,退職手当の支給に必要な財源の一部に充てるため基金を設置し,年次的に対応したいと考えております。 なお,今定例議会へ福山市職員退職手当基金条例の制定及び職員退職手当基金積立金の補正予算をお願いをいたしたいと考えております。 次に,総合計画にかかわって,行政評価についての御質問であります。本市におきましては,現在後期基本計画の策定に取り組んでおりますが,その中で施策の再構築に向け,評価の視点を取り入れた調査も実施することといたしております。いわゆる行政評価システムの導入につきましては,一部の自治体において先進的な取り組みをされており,今日的な行政課題となっております。このため,自治省においては,行政評価にかかわる研究会を設置し,検討を進めているところであります。 本市といたしましては,今後これらを見きわめる中で検討をしてまいります。 次に,バランスシートについてであります。現下の地方を取り巻く厳しい財政環境にあって,財政運営の健全化の指針としてさまざまな手法が試みられており,バランスシートもその一手法と考えております。 一般的にバランスシートは,現金の出入りのみでなく,資産や地方債など負債の状況も含めた全体状況が把握できるものと言われております。現行の地方財政制度は,予算の適正執行を目的とした現金主義に基づいた経理を行っており,企業会計で言う損益計算書に相当するもので,資産や負債の状況については決算書の財産に関する調書,また地方債調書において表示しております。 現在,国においてバランスシート導入について統一基準を作成すべく,減価償却の考え方や道路など社会資本の評価,福祉サービスの評価など,さまざまな視点からの検討がされており,その動向を注意深く見守っているところであります。 次に,バリアフリーのまちづくりについてのお尋ねであります。 福祉のまちづくりにつきましては,昨年策定した福山市障害者保健福祉総合計画プランに示しておりますように,広島県福祉のまちづくり条例及びハートビル法に準拠し,民間事業者等の指導を行っております。 公共施設等のバリアフリー化に関しましては,庁内関係部署による福祉のまちづくり推進会議を随時開催し,バリアフリー化についての状況の調査など,関係部署の連携のもとに,市民が安全で快適に利用できる公共施設等の整備に努めているところであります。 なお,現在国においては,高齢者,身体障害者等が円滑に公共交通機関等を利用できるよう,交通バリアフリー法の制定が進められており,本市としても今後の国の動向を見きわめながら取り組んでまいりたいと考えております。 次に,社会貢献活動,NPOについての御質問であります。 社会貢献活動,NPO活動は,それぞれ独自の目的,理念に基づき,自主性,自立性を持って多方面にわたる活動が活発に行われております。 本市における社会貢献活動,NPO担当窓口の設置についてでありますが。現在情報収集,啓発活動は市民生活課が行っておりますが,今後情報提供など社会福祉協議会と連携を図る中で,対応の充実に努めてまいります。 次に,活動支援として,公民館などの公共施設の利用や,税制上,収益事業を行わないNPO法人の法人市民税や固定資産税等については,申請により減免を行うこととしております。 次に,地域におけるNPOのネットワーク形成についてでありますが,社会福祉協議会と連携を図りながら,情報収集及び市民への啓発活動を実施しておりますが,今後も啓発活動の充実を図るなど,ネットワーク形成に努めてまいります。 また,公民館,集会所,学校などの公共施設,機器の提供でありますが,これまでもふくやま市民交流館を初め,公民館などを利用に供しておりますが,活動の広がりを促すために,より一層の公共施設の利用の促進を図ってまいります。 次に,市町村が実施するNPOの参加システムの構築についてでありますが,行政は対等なパートナーという認識を持ってNPO団体と協調,協働をしていくことが必要であり,市の施策への参加が図られるよう,情報の公開,提供などのあり方について検討をしてまいります。 職員のNPO活動参加への各種条件整備でありますが,本市においては,災害時や高齢者などの支援活動についてボランティア休暇制度を設けているところであります。今後,国,県の法的支援,施策の整備を参考に,検討をしてまいります。 また,NPOセンター整備方針並びに市としての基本方針策定についてでありますが,NPOの社会的役割が生かせるよう,今後NPO団体などの活動状況を把握し,研究,検討を行ってまいります。 次に,女性行政についての御質問であります。 ことし1月末に,福山市男女共同参画推進懇話会から,ふくやま女性プラン後半期の推進に向けての貴重な提言をいただきました。プランを実効あるものにするためにも,提言の趣旨を生かした取り組みを積極的に行っていく所存であります。 まず,1点目の女性委員の選任率についてのお尋ねであります。男女が社会のあらゆる分野に参画し,責任を担い合っていくためには,女性の意見を政策・方針決定過程に反映させていく必要があります。目標数値30%の達成のためには,各種審議会委員の選出方法の見直しや,公募制の検討,女性の人材情報の確保などに努め,当面平成17年度を20%とするよう努力をしてまいります。 次に,男女共同参画社会の実現に向けた取り組み姿勢についてでありますが,これからもあらゆる機会をとらえ,積極的に啓発に努めてまいります。 また,男女共同参画宣言都市については,自治体を挙げて男女共同参画社会づくりに取り組む姿勢を広く市民に示すものだと認識しており,今後他都市等も調査をしながら,研究をしてまいりたいと考えております。 3点目の女性センターについてのお尋ねです。女性センター機能については,福山,松永の両勤労女性センターと福山市女性会館の機能を有効活用するとともに,今後は相談機能や情報機能の充実にも努めてまいりたいと考えております。 4点目のプラン実施計画についてのお尋ねですが,プランの総合的,効果的な推進を図るために,行政内部に女性行政推進会議を設けており,その機能を有効に生かす中で関係課と緊密な連携を図り,実施計画策定に向けて検討をしてまいります。 次に,ストーカー対策についてのお尋ねです。ストーカーにかかわる相談は,昨年電話相談で1件あったと聞いております。今後は,警察等関係機関と連携を図る中で,市民の相談にこたえていきたいと考えております。 次に,地下道の安全対策についてでありますが,通行者の安全を図るため,道路照明灯のほか誘導灯,非常用警報ベル等を設置しているところであります。今後とも設備の点検等を行う中で,安全性の向上確保に努めてまいりたいと考えております。 今後の地下道整備につきましては,バリアフリー化を段階的に進めながら,利用者にとって安全で利便性の高い施設となるように努めてまいります。 最後の御質問の教育行政につきましては,教育長の方から御答弁をいたします。 以上で,公明党を代表されました藤井真弓議員の御質問の答弁とさしていただきます。 (福万建策教育長登壇) ◎教育長(福万建策) 教育行政についてお答えいたします。 読書指導についてのお尋ねでございます。御所論のように,子どもと若者の読書離れが憂慮され,子どもたちの創造力,思考力をはぐくむための取り組みが求められております。過去,現在,未来をつなぐ言葉は,書物の中に無限に存在します。子ども時代の読書は生涯読書の原点であり,未来を開く重要なかぎです。しかし,一方で子どもたちの健全育成を阻害する悪書が氾濫している実態があり,発育途上にある子どもたちが悪影響を受けるような状況を放置することはできません。 広島県青少年健全育成条例により,有害図書類の指定,図書類収納の自動販売機設置の届け出等の規定があります。福山市内における図書類の販売店舗数は,県が指導する資料によりますと,書店,コンビニエンスストア,ビデオ店等,合計約109店舗であります。その他,図書類を収納して販売する自動販売機の設置台数は,平成12年1月末現在47台であります。 これら営業者に対しては,青少年に有害図書類を販売し,貸与し,または贈与等してはならないこと,陳列するときは,一般の図書類と成人向けのものを区別して,監視できる場所に置くこと,また有害図書類を自動販売機に収納してはいけないことなどの指導が県条例によって行われ,福山市におきましては,悪書追放の啓発活動や,関係団体の協力を得て有害図書類の回収運動に努めているところであります。 次に,子ども読書年にかかわってのお尋ねです。広島県教育委員会は,平成12年度からわがまちの教育支援事業を計画しております。本事業は,子ども読書年を契機に,地域ぐるみで読書活動を推進するため,研究,実践を支援することとなっております。 教育委員会といたしましては,この事業採択を受け,地域と交流,連携し,子どもの読書の機会拡大に向けた核づくりを進めてまいる考えであります。 次に,朝の読書についてです。読書指導については,すべての学校で国語の時間等で取り組まれておりますが,本年1月,市内小中学校を対象とした学校図書館の現状に関する調査では,何らかの時間帯で全校一斉読書を行っている学校は,小学校25校,中学校7校です。朝の始業前に限っては,小学校3校,中学校1校であります。なお,ほぼ毎日行っている学校は,小学校4校,中学校2校,週に1回程度の学校は,小学校15校,中学校2校であります。こうした読書指導に取り組んでいる学校では,子どもたち自身が主体的に書物を選び,落ちついて読書する力が育っていると報告を受けております。 教育委員会といたしましては,これまでも文部省の学校図書館図書整備5カ年計画や,新教育課程における総合的な学習の時間などを見据え,学校図書館図書の充実,整備に向けた年次的取り組みを進めてまいりました。また,県教育委員会が策定した21ひろしま教育プランでも,読書タイムの導入が提唱されていることや,授業時数の弾力的な運用により,国語の時間を利用しての朝の読書が可能になったことを踏まえ,引き続き各学校に対して読書指導の充実を促してまいりたいと考えております。 その際,特色ある学校づくりの観点から,一律的な取り組みではなく,各学校の創意工夫や自主性を尊重し,主体的に取り組む学校を支援してまいる考えであります。 次に,活字離れ阻止についてであります。本市図書館におきましては,活字離れ対策事業として,平成8年度から毎年,小学校4校へ,司書が年間を通じ隔週学校に出向いて,本の読み聞かせや本の紹介,ストーリーテリングをクラス単位で行っており,これまで16校で実施してきたところであります。その結果,訪問した学校の児童から好評を受け,新たに図書館に来館するようになった児童もいます。 また,幼稚園や学校,公民館等へ出向いて,保護者に対して読書のおもしろさや大切さ,本の選び方や読ませ方,家庭における読書環境づくりの講演など,今年度も30回程度実施いたしております。 今後とも学校等と連携を図りながら,読書の楽しみ方や重要性をより一層訴え,活字離れ阻止に向けて取り組んでまいります。 以上であります。 ◆15番(藤井真弓) 御答弁ありがとうございました。 あとの質問に関しましては,後日設置されます予算委員会,常任委員会で議論を進めてまいります。 以上で終わります。 ○議長(蔵本久) 以上で,代表質疑及び一般質問を終わります。 次は,1番桑田真弓議員の個人質疑及び一般質問から行います。 ────────────────── ○議長(蔵本久) 次の本会議は,明3月2日午前10時から開きます。 ────────────────── ○議長(蔵本久) 本日は,これをもって散会いたします。          午後5時21分散会 ────────────────── 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。 福山市議会議長 福山市議会副議長 福山市議会議員 福山市議会議員...