先般,
国際オリンピック委員会の
バッハ会長が来日され,菅総理との会談において,観客が参加した形での
東京オリンピック・
パラリンピック開催の実現に向け,緊密に連携していくことで一致したと報道がありました。この機会をしっかりと捉え,世界中の方々に被爆の実相と平和への思いに触れていただきたいと強く願っております。
そこでお伺いします。来年開催予定の
東京オリンピック・
パラリンピックに合わせて,延期となったヒロシマ・
ナガサキ原爆・平和展や
被爆ピアノ演奏会などを開催してはどうかと考えます。また,その際,
被爆ピアノ演奏会を世界中へ発信する媒体として,
オンライン中継の取組も検討してはどうかと思いますが,本市のお考えをお聞かせください。
続きまして,被爆二世の
健康管理の冊子作成についてお尋ねいたします。
広島市は,被爆二世に対しての
健康診断を昭和48年度から単市事業として実施してきました。その後は,平成13年度から都道府県及び広島・長崎両市に委託先を変更し,現在実施されているところです。広島市
原爆被害者の会,二世・三世部会では,被爆二世の健康を記録する小冊子の作成を,長年本市に要望してこられました。そして,本年8月6日,
被爆者代表から要望を聞く会の中で,被爆二世の
健康診断について,不安解消の一助として,自らの
健康管理に役立てるために,
健康管理票を発行してほしい旨の要望に対して,
厚生労働大臣自ら,国としても,被爆二世の方々が,健診結果を自身の
健康管理に効果的に活用していただくのは大変大事だと思っており,小冊子のひな形を自治体に示す中で,標準化の取組を検討したい旨の回答がありました。
そこでお伺いします。被爆二世の
健康管理の冊子について,
厚生労働省が提示するひな形がまとまり,提示された場合,市として作成してはどうかと考えますが,本市のお考えをお聞かせください。また,被爆二世
健康診断は,被爆二世の
健康管理を行う上でも重要な取組であり,被爆地である本市において,より一層の周知に努めていただきたいと考えますが,本市の取組状況とお考えをお聞かせください。
次に,
西風新都の
都市づくりについてお尋ねいたします。
西風新都の
都市づくりについては,昨年の12月議会で
谷口議員の質問への答弁において,
都市づくりに対する市長の意気込みや思いを聞かせていただきました。そこでは,地元住民との約束を守るという決意の下,市長就任1期目から,
アストラムラインの延伸や環状線の整備などに取り組み,
西風新都の
都市づくりへの思いは,市長に就任した以降,今も変わりはありませんとの答弁は,今も私の心に残っております。また,地元住民の一人として,大変ありがたくお聞きいたしました。これからもその意気込みと思いが持続され,広島市のトップとして,さらに,リーダーシップを発揮していただきたいと願っております。
そこで,
大塚地区の
まちづくりについてお伺いします。私の生まれ育った安佐南区沼田町は,1994年10月に開催された第12回
アジア大会の
メイン会場となったことから,
アストラムラインや4車線道路の
交通網整備は目をみはるものがありました。さらに,2001年7月に
西風新都インターチェンジの開通や,同年の10月には沼田−中広間をトンネルで抜ける広島高速4号線も開通し,沼田から広島市内への直線的な移動が可能となるなど,交通の利便性が格段に向上した地域であります。特に
西風新都の
中心部付近に位置する
大塚地区は,東西を結ぶ
山陽道五日市インターチェンジや,北には中国道へ接続する
西風新都インターチェンジ,南に広島高速4号線,そして,
アストラムラインもあり,
交通アクセスのポテンシャルが高く,
西風新都の玄関口としてふさわしい
まちづくりが期待される地区であります。
一方,その
大塚地区では,住民が主体となって進めている
まちづくりについて,長年検討されてきましたが,今現在,発展している
周辺地域と比べ,残念ながら取り残されている感は否めません。昨年の12月議会で
谷口議員が,
大塚地区での住民主体の
まちづくりをどのように進めるつもりかとの御質問があり,当局は,この
まちづくりを支援するため,これまでに
地区計画制度に関する勉強会の開催や
コンサルタント派遣などを行っているが,今後も
大塚地区にふさわしい計画的で魅力的な
まちづくりが進展するよう,必要な支援を行ってまいりますと答弁されました。その支援の下,
大塚地区では,
地域住民の
まちづくりプラン案として,
物流施設を誘致した
まちづくりを進めようとされています。
そこで,このような
まちづくりを進めるためには,
西風新都の
都市づくり基本方針として,平成元年度に策定した
広島西部丘陵都市建設実施計画やその
都市づくりの理念を踏襲している,
活力創造都市“
ひろしま西風新都”
推進計画2013に沿う必要があります。その
推進計画2013の中では,
物流施設を平地部に立地する土地利用の方針が示されておらず,その理由として,平地部では既に居住されている方々の
居住環境を悪化させるおそれがあり,しかも,この
推進計画2013策定当時には,
物流施設などの立地を想定していなかったと当局からお聞きいたしました。確かにその御見解を否定するつもりはありません。しかし,近年の
物流施設における開発は,
居住環境への配慮や
地域住民の利便性を向上する施設へと変化しています。
例えば,物流設備の環境面では,トラックで排出される
温室効果ガスの削減や騒音について,事業者は
排出ガス規制や騒音規制の基準をクリアした低公害車両の導入に取り組むとともに
太陽光発電を設置するなど,脱
炭素社会への取組もされています。また,搬出搬入時の路上駐車を防ぐため,荷下ろし,荷積みの効率的な作業を行えるよう,ICTの活用や敷地内に大
規模駐車スペースも確保しています。景観面においては,施設側面の壁にデザインを施し,壁面や屋上を緑化するなど環境面にも配慮しています。施設内は,従業員の福利厚生としてコンビニ,食堂,休憩室・会議室,フィットネス,託児所も設置することで,
周辺地域の住民の皆様にも利用できるように工夫がなされています。
また,災害時には,大
規模駐車スペースを避難所やヘリポートとして使用され,さらに,非常用電源の取付けや倉庫の一部を備蓄庫とすることも取り組まれています。つまり,
物流施設は環境にも配慮され,
地域住民の利便性や防災性も向上させるものとして,地域との共存を図る
地域共存型施設となり得る可能性を秘めています。実際にこのような取組は,千葉県船橋市など他都市でも進めているようであり,近頃の
物流施設は私が思っていた以上に進歩していました。
いかがでしょうか。このような
物流施設をてこにした
大塚地区の
まちづくりプラン案は,すばらしい発想だと私は考えます。本市の
都市づくりというものは,長期的な視点に立って行われるもので,その
基本方針である
西風新都推進計画2013をころころと場当たり的に変更することはあってはならないというのも理解できますが,このような
物流施設なら,本市の
都市づくり理念や
基本方針の趣旨に十分沿っていると言えるのではないでしょうか。
そこでお伺いします。
物流系施設の立地ができるように,
西風新都推進計画2013の一部を見直すなど,柔軟に対応する必要があると思いますが,御見解をお聞かせください。
次に,
善當寺地区の開発についてお伺いします。この件についても,昨年12月議会において
谷口議員が
地域住民の声をこのように代弁されました。
善當寺地区の南側にある伴小学校,伴中学校は,避難場所に指定されながら,
土砂災害特別警戒区域内に位置しています。この
善當寺地区の開発が進めば,中学校に接する急峻なのり面が除去され,あるいは
のり面整備が実施され,安全度が向上することや
土砂災害特別警戒区域の指定が解除されるという効果もあり,この開発に期待しているとの内容でした。当局は,
善當寺地区については,開発を着実に進展させるためには,
民間事業者の開発意欲を喚起することが重要であり,現在整備中の道路をできるだけ早く,目に見える形で具体化することが必要と考えている。このため,その進捗状況を
民間事業者も含め,広く周知するなど,開発促進に向けた取組を進める旨を答弁されています。
そこでお伺いします。この答弁から1年が経過しましたが,その後,
善當寺地区の開発はどのようになっているのか,お聞かせください。
私は,児童生徒が通う学校施設に隣接するのり面に対しては,命を守る防災上の観点から,この
善當寺地区の開発と同時に,伴小学校,伴中学校の
のり面対策を講じていただきたく要望いたします。
続いて,脱炭素に向けての本市の取組についてお尋ねします。
近年,温暖化が引き金と見られる豪雨災害や大型台風,そして,熱波や干ばつなどの異常気象は,世界各地で甚大な災害を起こし,多くの人命が奪われています。この広島においても,激甚災害に見舞われた平成26年8月豪雨や平成30年7月豪雨など,自然災害の恐怖は今も忘れることはできません。今後も防災・減災のハード,
ソフト対策と併せて
地球環境を守るためには,
地球温暖化の根本原因である脱
炭素社会の実現に向けて,行政,事業者,そして私たち市民が一体となって取り組まなければならないと考えます。
さて,昨年のCOP25において,
グテレス国連事務総長は,危険な
地球温暖化を抑えられるか,今がまさに節目だと強調されました。
地球温暖化の防止を目指す国際的な枠組み,パリ協定の下,ヨーロッパを中心に脱炭素の流れが加速する中,日本の
エネルギー電源構成比は,資源
エネルギー庁が公表しているデータによると,2018年度の速報値では,
化石燃料による
火力発電が76.9%,そして,
再生可能エネルギー発電は2010年と比較すると7.4ポイント上昇の16.9%とありました。我が国の主力電源としては,
化石燃料による
火力発電が現状であります。
そこで,我が国では,2018年に閣議決定した第5次
エネルギー基本計画において,
再生可能エネルギーの
主力電源化を目指していくとして,2030年度の
電源構成比について,火力を56%程度に下げ,
再生可能エネルギーを22%から24%までに引き上げることを目標とし,
再生可能エネルギーの最大限の導入を図っていくこととしています。つまり,
化石燃料の活用を減らすことで
温室効果ガスの原因である
CO2排出を削減し,
再生可能エネルギーへの強力な転換を目指しています。
さらに,第99代
菅総理大臣の
所信表明演説において,2050年までに
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル,脱
炭素社会の実現を目指すことを表明されました。それを受け,11月19日の衆議院,11月20日の参議院における
気候非常事態宣言の決議の採択は,まさに国を挙げて
地球温暖化対策に取り組む決意表明でもありました。既に2050年までに
CO2排出実質ゼロに向けて取組を表明しているゼロ
カーボンシティ宣言をした自治体は,令和2年12月3日現在で181の自治体,人口で約8319万人にも上っています。このような自治体の行動が,日本全体の
CO2実質ゼロに向けた大きな力となることは間違いありません。
そして,本市では,一昨日の議会において市長が,2050年までに
温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指すこととし,広島市
環境基本計画に掲げる環境像である将来にわたって豊かな水と緑に恵まれ,かつ,快適な都市生活を享受することができるまちを実現できるよう,市民,事業者と一体となって,脱
炭素社会の構築に向けて取り組んでいきたいとの主旨は,本市のゼロ
カーボンシティ表明であり,環境の党,公明党としても力強く思っております。脱
炭素社会の構築に向けてのキーワードは,行政,事業者,市民と一体となってと,市長答弁が物語るように,全市民挙げての努力で
地球環境を守ることにあります。
そこでお尋ねいたします。
温暖化対策は,行政,事業者,市民が一体となって取り組むことが重要であると思いますが,本市としてどのように取り組んでいくつもりなのか,お聞かせください。
さて,本市の
再生可能エネルギーの活用を具体化した成功事例として,下水道局の
西部水資源再生センターで行っている
消化ガス発電事業があります。そこは,
西部水資源再生センターに流入する広島市内の約70%の
下水汚泥を活用し,
バイオガス燃料となる
消化ガスを発生させます。その
消化ガスを本市は
発電事業者に売却し,
発電事業者はその
消化ガスを燃料として発電した電気を電力会社に売電します。その
発電事業は,事業者が発電機を設備するため,本市は敷地を貸すのみで民設民営で運用しています。その発電量は,一般家庭約1,900世帯分に匹敵しています。そして,
消化ガス発電事業では,
下水汚泥を活用した
消化ガスの売却で1年当たり約1億6000万円の収益を上げられております。さらに,
西部水資源再生センターでは,
下水汚泥を原料とした炭化燃料,いわゆる
バイオマス燃料として
火力発電所で利用する事業も行われています。これらの事業は,本市及び社会全体における
温室効果ガスの削減による
地球温暖化防止に貢献しています。
そこで,小
水力発電の導入についてお尋ねします。小
水力発電とは,大規模ダムの貯水池式や
中規模ダムの調整池式のように,河川の水をためることなく,一般河川,農業用水,砂防ダム,上水道,下水道など,流れる水の
エネルギーを利用し,モーターを回すことで発電する方法です。そうした未利用の
水力エネルギーを使い,二酸化炭素を排出しないクリーンな
発電エネルギーであることは従前から注目されています。その小
水力発電のメリットは,
太陽光発電や風力発電と比べて天候の影響を受けにくいということや大型の
水力発電のように自然破壊につながらないことであります。
早速,私は,会派のメンバーとともに,本年の8月に民設民営の小
水力発電を導入した,山口県
柳井地域広域水道企業団の柳井第一配水池の視察をしてきました。そこは,上水道の管をバイパスする形で,非常にコンパクトな発電設備であり,年間の発電量は一般家庭56世帯分とお聞きしました。それに加え,三つのメリットがありました。まず一つ目は,
場所貸しスキームの活用をし,民間企業が設備負担することで自治体の費用負担がないこと,二つ目は,上水道の未
利用エネルギーを小
水力発電に活用することで,年間99トンの
CO2削減に貢献していること,そして三つ目は,売電収益の一部を自治体にも分配されるなどのメリットがありました。
さて,本市の水道事業における小
水力発電については,平成24年度の
一般質問において,我が会派の西田議員がその導入について検討するべき旨の質問をしましたが,当局は,小
水力発電の設置に適した施設を抽出し,費用対効果の試算を行って,具体的に検討するという主旨の答弁でした。その後,平成26年度の消防上下水道委員会において,高陽配水池と牛田配水池を結ぶ送水管に小
水力発電設備を設置検討した報告の中で,小
水力発電設備を設置する送水管の途中で給水に支障となる水圧変動が生じることが明らかになりました。その水圧変動を抑制できるところまで水量を減少させた場合は,発電可能量が減少し,費用対効果が得られなくなるため,導入を見送ったとのことでした。それから約6年が経過し,民間企業の技術性能も進歩する中,新しい小
水力発電設備も開発されているようです。また,国では,2016年に閣議決定された政府の
地球温暖化対策計画では,上水道において小
水力発電の再生
エネルギー発電設備の導入を実施すると明記されています。そこで,本市が小
水力発電を導入するに当たっては,水量や有効落差等の諸条件と同時に,設備を設置するためのスペース,そして,採算性等について総合的な検討が必要だと思います。
そこでお伺いします。改めて,本市の水道事業における未
利用エネルギーの一つである小
水力発電の導入について,どのように考えておられるかお聞かせください。
最後に,市立学校への
太陽光発電システム導入についてお尋ねします。
市立学校への
太陽光発電システムの導入は,平成21年度の戸山小・中学校等の校舎の新築,増改築時から始まり,現在,導入された学校数は18校となっています。
そこでお伺いします。40キロワットのシステムを設置している段原中学校について,令和元年度の発電実績,購入電力への影響,環境負荷への低減効果はどうなっているのでしょうか。また,その実績を踏まえると,イニシャルコストの回収の見込みは立つのでしょうか,お聞かせください。
私は,市立学校への
太陽光発電システム導入については賛成でありますが,太陽光設備の費用だけでなく,屋上に設置する際には,校舎の耐力度調査や必要に応じて補強などの費用も追加され,さらに,固定価格買取り制度,いわゆるFITの売電価格も下がっていることから,今後のコストメリットを期待することは難しいなと,現状では憂慮しています。しかしながら,国が
地球温暖化防止対策として2050年までに脱炭素へかじを切られた今,未整備の市立学校全てとは申しませんが,
太陽光発電システムの導入を精力的に進めるべきと考えます。なぜなら,学校教育の一環として,児童生徒が
太陽光発電のメカニズムに直接触れることで,自然
エネルギーへの関心を高め,
地球環境の深い学びにつながると考えるからです。さらに,省エネなどの取組に関心を持った児童生徒が家庭に帰り家族へ,そして,家族から地域へと草の根の広がりが,脱
炭素社会への大きな潮流を生むと考えられます。こうしたことから,市立学校への
太陽光発電システムを引き続き導入されるよう,強く要望いたします。
全世界で目指す2050年のカーボンニュートラル脱
炭素社会に向けて,地産地消の分散型
エネルギー電源システムへ大転換のときが来ています。本市においても,さらに,
再生可能エネルギーへの取組が加速されればと期待してやみません。
以上で質問は終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○
山田春男 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 川本議員からの御質問にお答えします。
西風新都の
都市づくりについてのうち,
活力創造都市“
ひろしま西風新都”
推進計画2013についての御質問がございました。
推進計画2013は,私が市長就任1期目の2013年に,当時の経済情勢に鑑み,
西風新都内の循環,
西風新都−デルタ間の循環を着実に形成していくためには,民間開発の先行,行政の追従という,これまでの整備方針を改めるとともに,地元住民との約束を守り,交通基盤や公共公益施設の整備など,スケジュールも含めて明確に示す必要があると考え策定したものであり,これまでこれを基に計画的な
都市づくりに努めてきているところであります。
ところで,議員御指摘の
物流施設については,近年,国において,全国的な需要の高まりに応じ,流通業務の総合化及び効率化を促進することとし,そのために高速道路インターチェンジ周辺への立地誘導を推進しているところであります。また,昨今,立地誘導された
物流施設は低公害車の導入,ICTの活用による搬出・搬入の効率化に加えて,施設そのもののデザイン化や壁面・屋上の緑化など,周辺環境に配慮するものになっているほか,例えば,コンビニ,食堂,託児所などの従業員の福利厚生施設が
地域住民に開放され,さらに,災害時に避難場所として活用できるようにするなど,
地域住民の利便性や防災性を向上させ,地域との共存が図られるものまでも見られるようになっております。
地域の方が,このような状況変化を的確に捉え,
大塚地区の
まちづくりのために高速道路インターチェンジ周辺など,交通利便性の高い地区に
物流施設の立地誘導を望まれるのであれば,その要望を踏まえた
推進計画2013の見直しは,当然に行うべきものであると考えているところです。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○
山田春男 議長
都市整備局長。
◎中村純
都市整備局長 西風新都の
都市づくりについて,
善當寺地区の開発はどのようになっているのかとのお尋ねにお答えを申し上げます。
善當寺地区については,
西風新都内の交通渋滞の解消を図るため,令和12年の完成を目指し,幹線道路整備に取り組むとともに,
民間事業者の開発意欲を喚起するため,当該地区の立地特性や道路整備の進捗状況などを広く周知してきたところ,複数の事業者から開発に関する問合せや検討の申出がございました。
当該地区の開発は,議員御懸念の土砂災害に対する安全性を向上させるほか,周辺地区の
まちづくりを誘発することも期待できるため,この開発が実現できるよう,これらの事業者に必要となる情報を提供し,検討の進捗状況を把握しながら事業者へ助言を行うなど,しっかりと対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○
山田春男 議長 市民局長。
◎政氏昭夫 市民局長
東京オリンピック・
パラリンピック開催に合わせた平和推進の取組について,令和3年に開催予定の
東京オリンピック・
パラリンピックに合わせて,ヒロシマ・
ナガサキ原爆・平和展や
被爆ピアノ演奏会などを企画してはどうか,また,
被爆ピアノの演奏会の
オンライン中継も検討してはどうかについてお答えいたします。
被爆75年という節目に開催される
東京オリンピック・
パラリンピックに合わせ,今年度,東京都内等で開催する予定としていたヒロシマ・
ナガサキ原爆・平和展については,この
東京オリンピック・
パラリンピック大会の1年延期に合わせて,来年度実施する方向で,開催都市である東京都文京区,千代田区,埼玉県飯能市と調整しています。
また,
被爆ピアノコンサートについても,主催する千代田区において,引き続き,この原爆・平和展に合わせて実施する方向で調整を進めており,
オンライン中継についても検討していると伺っております。
以上でございます。
○
山田春男 議長 保健医療担当局長。
◎阪谷幸春
健康福祉局保健医療担当局長 被爆二世の
健康管理の冊子作成について,二点の御質問にお答えいたします。
初めに,被爆二世の
健康管理の冊子について,
厚生労働省のひな形がまとまり提示された場合,市として作成するかについてです。
現在,本市では,被爆二世の方の
健康管理と健康不安の解消に資するため,国からの受託事業として被爆二世
健康診断を実施しております。この事業に対しては,以前から被爆者団体や被爆二世団体から拡充の声が上がっており,本市におきましても,広島・長崎両県・市等による八者協議会を通じて国へ要望しているところです。
こうした中,先ほど議員から御紹介のあったとおり,本年8月の
被爆者代表から要望を聞く会では,
厚生労働大臣から,国としても健診結果を自身の
健康管理に活用することは大変大事だと思っており,そのため,小冊子のひな形を自治体に示したい旨の発言があり,本年中にも,国からそのひな形が示されると聞いております。
本市としましても健診結果を記録する小冊子を発行することは,健診結果を自ら管理することにより自己の健康保持・増進の意識が向上し,被爆二世の健康不安の解消の一助となること,また,被爆者団体や被爆二世団体の以前からの御要望にもお応えすることができることから,国の意向を踏まえ,来年度に小冊子を作成する方向で検討を進めております。
次に,被爆二世
健康診断は,被爆二世の
健康管理のために重要な取組であり,より一層の周知に努めていただきたいが,市の取組状況と考えはどうかについてです。
被爆二世
健康診断は,被爆二世の
健康管理を行う上で,大変重要であるというふうに認識しております。これまでも,市の広報紙やホームページ等を通じた広報のほか,前年度に二世健診を受診した方のうち希望者へ受診申込書を送付するとともに,被爆者に送付する定期
健康診断通知書へ二世健診実施の案内を掲載するなど,広く周知を図ってまいりました。
さらに,新たな取組として,今月からは本市が官民協働による市民サービスの向上等を目的として,包括連携協定を締結している福屋百貨店の店頭に,二世健診の知らせを設置していただいております。現在,同様に協定を締結している郵便局やコンビニエンスストア等へもお知らせを設置していただけるように協議を進めているところです。引き続き,被爆二世の
健康管理に資するため,被爆二世
健康診断の一層の周知に努めてまいります。
以上でございます。
○
山田春男 議長 環境局長。
◎重村隆彦 環境局長 脱炭素に向けての本市の取組についての御質問にお答えします。
地球温暖化対策の推進に当たっては,市民,事業者,行政等の各主体が,それぞれの立場で行うべき責務を果たし,互いに連携協力しながら,日常生活や社会経済活動のあらゆる場面で取組を進めていくことが重要です。
こうした認識の下,本市では,市民,環境団体,商店街連合会等で構成するひろしま低炭素
まちづくり市民会議を平成29年度に設置し,この市民会議が中心となって,市民向けの環境イベントの開催や事業者向けの啓発冊子の作成など,
地球温暖化対策について広く市民や事業者への啓発活動を実施しています。
また,市民や事業者の自主的な取組を促していくためには,本市が率先して
地球温暖化対策に取り組むことが重要であることから,本市が所有する施設の
エネルギー効率のよい照明・空調等設備の導入推進や省
エネルギー設備への改修経費を光熱費の削減分で賄う,いわゆるESCO事業による道路照明灯のLED化などに取り組んでいます。
今後もこうした取組を実施することにより,市民,事業者と一体となって,脱
炭素社会の構築に向けて,着実に
地球温暖化対策を進めていきたいと考えています。
以上でございます。
○
山田春男 議長 水道局長。
◎友広整二 水道局長 小
水力発電の導入について,水道事業としてどのように考えているのかとの御質問にお答えします。
水道事業における小
水力発電の導入に当たっては,発電時はもとより発電設備の異常時等においても,市民への給水に支障を来さないことが重要であると考えています。
本市では,小
水力発電の導入に向けて,全ての水道施設を対象に水量や有効落差を調査し,設備の設置スペース,給水圧力への影響,採算性について検討を行っているところです。現在のところ,採算性の面から実施に至っていませんが,
再生可能エネルギーの活用が
地球温暖化対策という観点からも重要であると認識しています。
今後も,民間企業による技術開発の進展や水道施設を利用した
発電事業への参入状況等を注視し,引き続き小
水力発電の導入について検討を行っていきたいと考えています。
以上でございます。
○
山田春男 議長 教育長。
◎糸山隆 教育長 市立学校への
太陽光発電システムの導入についてお答えします。
40キロワットのシステムを設置している段原中学校の発電実績,購入電力への影響,環境負荷への低減効果,イニシャルコストの回収見込みについてです。
学校施設への
太陽光発電システムについては,本市として設置する場合は,校舎の増築,新築時等に行うこととし,現在,17基を設置しております。そのうち12基は発電能力が10キロワットで,そのほか,校舎の新築時に40キロワットを4基,大規模な施設である特別支援学校には100キロワットを1基設置しております。
段原中学校は40キロワットを設置しておりますが,その令和元年度の年間発電量は6万8000キロワットアワーで,そのうち売電量は4,000キロワットアワー,金額にして9万円となっており,残りの6万4000キロワットアワーは学校で消費しております。
発電による購入電力への影響については,令和元年度の当該校の購入電力量が20万3000キロワットアワー,金額にして約450万円ですので,これを基に試算すると,
太陽光発電によって購入電力量を24%,金額にして約140万円節減できたことになります。
環境負荷の低減効果については,環境省が示す石油
火力発電において1キロワットアワーを発電する際に排出される二酸化炭素の量を表す計数,0.66キログラムを基に試算しますと,年間44.8トンの二酸化炭素排出を抑制できていることになります。
イニシャルコストの回収については,設置整備費が2730万円でしたので,令和元年度の発電による節減額140万円を用いて試算すると,約20年で回収できることになり,
太陽光発電設備の法定耐用年数が17年ですので,おおむね同等の期間で回収されることになります。
以上でございます。
○
山田春男 議長 2番川本議員。
◆2番(
川本和弘議員) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。
再質問はありませんが,何点か要望いたします。
初めに,
大塚地区の
まちづくりについて,松井市長の御答弁をいただき,ありがとうございました。
大塚地区の
まちづくり部会の皆さんの熱意が市長に届いたものと感じております。そして,市長の御答弁にもありましたが,物流の効率化は現在の課題であり,
物流施設の需要は全国的に高まっております。この
大塚地区が広島発未来物流センターとして発展できるよう,引き続き本市当局の皆様のこれまで以上の御支援をお願いいたします。
また,
善當寺地区の開発については,引き続き
のり面整備が開発と同時にできるよう,要望します。
次に,
東京オリンピック・
パラリンピック開催に合わせて,ヒロシマ・
ナガサキ原爆・平和展や
被爆ピアノ演奏会の企画が成功されるよう,我が会派としてもしっかり応援いたします。そして,来日できない世界中の方々や多くの日本の方々も,ぜひ,
被爆ピアノの音色をオンラインで配信して聞けるよう企画していただきますよう,重ねてお願いいたします。
次に,被爆二世の
健康管理の冊子作成については,被爆者団体や被爆二世団体の方々の長年の御要望が実った形になりました。そして,国のひな形が示され次第,本市においてスムーズな御対応をよろしくお願いいたします。また,被爆二世の健診診断は
健康管理を行う上で大変重要であります。まずは,被爆二世の方々への周知に御尽力をいただきますよう,お願いいたします。
次に,脱炭素に向けての本市の取組について,環境イベントや啓発活動,また,省エネ促進などが実施されていると御答弁いただきました,ありがとうございました。一つ要望いたします。脱
炭素社会の構築は,行政,個人の取組もさることながら,企業の取組が鍵を握ると考えます。そこで,2050年までに企業が自らの事業用電力を100%,
再生可能エネルギーで賄うことを目指すグローバル企業の国際的な枠組み,RE100が2014年からスタートし,国内ではソニーや富士通など,43社が参加しています。そこで,中小企業版となる日本独自の「再エネ100宣言 RE Action」の取組が昨年10月から始まっています。私は,そのアンバサダーとして本市も参加してはどうかと要望いたします。
以上で終わります。ありがとうございました。
○
山田春男 議長 次に,9番平岡優一議員。
〔9番平岡優一議員登壇〕(拍手)
◆9番(平岡優一議員) 皆さん,お疲れさまです。
自民党・市民クラブの平岡でございます。会派を代表して,
一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは,今年は原爆投下から75年という節目の年であります。被爆者の平均年齢も83歳を超えております。今回の質問では,国際平和文化都市広島市が,未来に向けて,今,解決しておくべき二つの重要なテーマについて取り上げさせていただきます。
まず一つ目は,8月6日の静ひつな環境の確保についてであります。
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山田春男 議長 日程第2,第105号議案から第120号議案を一括議題といたします。
これより質疑に入ります。
発言通告者に順次発言を許します。
34番馬庭恭子議員。
〔34番馬庭恭子議員登壇〕
◆34番(馬庭恭子議員) 市政改革・無党派クラブの馬庭恭子です。
第114号議案,附帯控訴の提起について質疑を行います。
2012年,平成24年7月に住民基本台帳法が改正され,在留資格が,3か月を超えて在留すれば,医療目的であっても住民票が作成されることになりました。しかし,国民健康保険には加入できないことになっています。ところが,知識が十分でない窓口担当者が,在留資格があれば全て国民健康保険に加入できると勘違いし,ウクライナ,ロシア,中国の外国人7名に国民健康保険加入手続を行い,実際に治療を受け,その保険給付額全額が3785万9250円となりました。しかもこの事実は,住民基本台帳法改正後6年経過した2018年,平成30年5月9日に公表されるということになりました。今回の議案の附帯控訴による提起は,この事案の事例の一つです。
まず,お伺いいたします。この事例の附帯控訴に至るまでの経緯について,その後,説明がなされていませんが,ここに至るまで,広島市としてどう動いたのか,経過をお答えください。
また,この事案以外にウクライナ,ロシアの外国人の保険給付額の返還を求めて,今,どこまで動いているのか,お答えください。
最後に,国民健康保険の保険給付金返還には時効があります。返還されない場合は不納欠損となると思うのですが,最終期限はいつになるのか,お答えください。
以上です。
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山田春男 議長 保健医療担当局長。
◎阪谷幸春
健康福祉局保健医療担当局長 第114号議案,附帯控訴の提起について,三点の御質問にお答えいたします。
初めに,今回の附帯控訴に至る経緯についてお答えいたします。
このたびの附帯被控訴人及びその世帯に属する者は,本来,国保の被保険者の資格を有しない者でしたが,附帯被控訴人らは,平成24年7月から平成27年1月までの間において,本市が誤って交付した被保険者証を保険医療機関に提出し診療等を受け,本市は,当該診療等について,本来は附帯被控訴人らが支払うべき費用の一部を負担しました。
このため,本市は,世帯主である附帯被控訴人に対し,その負担した費用に相当する額の不当利得の返還を請求いたしましたが,附帯被控訴人は,これに応じないばかりか,債務不存在確認の訴えを提起し,さらに,その請求を棄却した原判決を不服として控訴を提起しており,もはや自発的に当該不当利得の返還に応ずる可能性がないと判断されたため,附帯被控訴人に対し,不当利得の返還及び遅延損害金の支払いを求めることにしたものです。
次に,市は,ウクライナ人,ロシア人に係る保険給付相当額についても返還を求めているが,今どこまで動いているのかについてお答えいたします。
係争中の2名を除くその他の5名については,既に出国しており,所在を把握して返還を求める必要があるため,昨年4月以降,東京出入国在留管理局及び外務省へ照会を行った結果,ウクライナの2名及びロシアの2名については,本国の所在地が判明しました。
この経過を申しますと,まず,東京出入国在留管理局に対し,日本への出入国記録の照会を行ったところ,直近1年以内の出入国記録が確認できたため,次に,外務省にビザ申請書の開示請求を行いました。外務省から開示されたビザ申請書には,本国の所在地に係る情報が含まれており,これを翻訳するとともに,本市の催告状を作成しました。その後,昨年9月に,相手方に到達したことが確認できる国際郵便により,当該所在地に催告状を送付いたしました。その結果,ウクライナの2名は到達済みとなりましたが,ロシアの2名は政情不安とされるクリミア地域であったため,本市に返戻をされております。なお,催告状が到達したウクライナの2名からの返答は,現時点までありません。
こうした状況を受けて,本市は,出国している4名及び所在地が判明していないロシアの1名について,再び入国していないかどうかを確認するため,東京出入国在留管理局に対する入国記録の照会を半年に1回の頻度で継続して確認しているところです。
最後に,保険給付相当額の返還には時効があるが,最終期限はいつになるのかについてお答えいたします。
本件は,私法上の債権であり,本市は,平成30年11月に広島簡易裁判所に督促の意思表示に係る公示送達を依頼していることから,時効の最終期限は,この督促の意思表示が相手方に到達した日として裁判所が証明した日の翌日から起算して10年を経過する日となります。具体的には,中区のウクライナ2名と南区のロシア2名の事案が令和10年12月22日となり,東区のロシア1名の事案が令和10年12月18日となります。なお,現在係争中の2名につきましては,勝訴判決が確定してから10年の時効となります。
以上でございます。
○
山田春男 議長 34番馬庭議員。
◆34番(馬庭恭子議員) 返還を求めて催告状を国際郵便で出したという御答弁だったんですが,郵便は届いた,でも,その人が生存してるかどうか確認しましたか,それが1問。
それから,私は時効10年,つまり,長くても令和12年まで今から10年ありますよね。この方は治療目的ですから,何らかのお病気を抱えておられる。当初の治療は平成24年,2012年ですから,それを入れますともう18年か20年ぐらいかかってしまいますよね。そうすると,その人が生きてるかどうかというのと,その家族の方が返還するという義務を負うのかどうか。日本の法律と外国の法律は全く違いますよね。その辺どのように確認されてるのか,お答えください。
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山田春男 議長 保健医療担当局長。
◎阪谷幸春
健康福祉局保健医療担当局長 最初の質問の生存を確認したのかということについては,確認しておりません。
そして,あと,家族がその返還の義務を負うのかどうかということにつきましては,ちょっとその点についての法律はまだ調べておりませんので,確認して,また必要に応じてお答えさせていただきます。
以上でございます。
○
山田春男 議長 馬庭議員。
◆34番(馬庭恭子議員) 生きていなかったら,それでおしまいかもしれませんよね。無駄に何回も郵便を送っていても仕方がないと思うんですね。これ,国外のことなので,なかなか日本の法律がどこまでというのは分からないし,こういった事例なんてあんまりあることではないので,暗中模索の対応なのかもしれませんけれども,やはりこれきちんとやらないと,これがいい事例になってほかのところにも役立つことだってあると思うんです。そうすると,やはり,一生懸命追跡するというその姿勢はすごく大事かなとは思っているんですが,そういうこともきちんと埋めた上で返還請求のことをしていただく,そうしないと時間の無駄になりますので,ぜひそのようにお願いします。
私はこの方は多分,日本の治療を目的に来られたということになると,がん治療だったと思うんですね。そうすると,10年生存率とか5年生存率,どんなお病気で,年齢は分かりませんけれども,もう既にいない人に請求してる可能性だってあるかもしれませんので,その辺十分動いていただきたいと思います。
以上です。
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山田春男 議長 次に,24番近松里子議員。
〔24番近松里子議員登壇〕(拍手)
◆24番(近松里子議員) 日本共産党の近松里子です。日本共産党市議団を代表しまして,議案の質疑を行います。
第112号議案,市営住宅条例の改正についてお聞きします。
来年1月から,いよいよ広島市もパートナーシップ宣誓制度を導入します。県内では初めてですが,政令指定都市では20のうち既に15市が導入し,今年9月時点で749の
同性カップルが宣誓を行いました。また,広島市が制度の相互利用を予定している岡山市でも,7月の開始から5組のカップルが宣誓を行っているそうです。2015年,東京の渋谷区と世田谷区で
同性カップルを自治体が証明したり,宣誓を受け付けたりするパートナーシップ制度が創設され,この5年間に急速に広がりました。当事者団体の調査によれば,今年の10月1日現在,パートナーシップ制度のある自治体に住む人は30.25%,3割以上に上ります。世界を見ると,
国際オリンピック委員会は,2014年末,オリンピック憲章が掲げるオリンピズムの根本原則を改定し,性的指向による差別の禁止を加え,人権尊重の意思を強く示しました。
東京オリンピック・
パラリンピックを控えた日本も,性的マイノリティーへの対応が国際社会から問われることになります。特に日本は,先進7か国の中で唯一,法律上の性別が同性同士のカップルは,法律での婚姻関係が認められていません。パートナーシップ制度は,国が法律で認める結婚とは違うものなので,相続などの問題は解決しませんが,自治体がカップルと認めることで,性的マイノリティーへの理解が進み,人権の尊重と多様性を認める社会への一歩になることが期待されているところです。
今議会に広島市のパートナーシップ制度の導入を契機に,宣誓を行った
同性カップルに対して,市営住宅への入居を認める条例改正が提案されました。
そこで,幾つかお聞きします。そもそも広島市のパートナーシップ制度とはどのようなものでしょうか。これまで
同性カップルが二人で一緒に暮らすために市営住宅への入居を希望しても入居できなかったのはなぜでしょうか。現在,男女のカップルについては入居者が死亡または市営住宅を立ち退いた場合,入居者と同居していた夫婦は,内縁関係であっても入居の権利を承継して,市営住宅に住み続けることができます。同じようにパートナーシップ宣誓を行った
同性カップルについても,パートナーが死亡もしくは退去した場合,残されたパートナーも住み続けることができるのでしょうか。また,同居についても同じでしょうか。今回の改正で,市営住宅の入居については,
同性カップルも男女の夫婦と同等の扱いになったということでしょうか。
最後に,社会的な認知が広がってきたとはいえ,当事者が抱える困難は依然として大きなものがあります。特に性的マイノリティーについて,関心や知識がないことから来る差別と偏見に対する当事者の苦痛は大変なものです。自らの性的指向や性自認に対する周囲の態度から,死にたいと考えた当事者は少なくないことは,これまでも繰り返し紹介されているところです。特に,性自認や性的指向など,性に関する情報を本人の了解なく暴露する行為はアウティングと呼ばれ,一橋大学生が自ら命を絶った事件も起きており,絶対に許されない行為です。
同性カップルが市営住宅の入居手続を行う際,本人が希望しないのに性的マイノリティーであることを暴露されることがないよう,対応が求められますが,どのようにお考えでしょうか。
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山田春男 議長 市民局長。
◎政氏昭夫 市民局長 第112号議案,広島市市営住宅等条例の一部改正についての御質問のうち,広島市パートナーシップ宣誓制度についてお答えいたします。
広島市パートナーシップ宣誓制度は,一方または双方が性的マイノリティーである二人が,互いを人生のパートナーとし,日常の生活において相応に協力し合うことを約した関係,すなわちパートナーシップである旨の宣誓書を提出し,本市が受領証及び受領カードを交付するものです。
この制度によって当事者の宣誓を行政が公的に認知することで,性的マイノリティーの方々の生きづらさや不安を軽減し,安心感を持って自分らしく生活できる社会を実現するとともに,性的マイノリティーの方々の現状や悩みについて,市民の理解がより一層促進されることを期待しています。
以上でございます。
○
山田春男 議長
都市整備局指導担当局長。
◎胡麻田泰江
都市整備局指導担当局長 第112号議案,広島市市営住宅等条例の一部改正について,四点の御質問にお答えします。
まず,これまで
同性カップルが市営住宅に入居できなかったのはなぜかについてです。
市営住宅に二人以上で入居する場合には,広島市市営住宅等条例に基づき,夫婦や親子などの親族である必要があります。
同性カップルが婚姻関係が認められていない現状においては,親族と認めていなかったため,これまで市営住宅に入居できませんでした。
次に,パートナーシップ宣誓を行ったカップルは,パートナーが死亡もしくは退去した場合,残された者が市営住宅に住み続けることができるのか,また,同居についてはどうかについてです。
今後,パートナーシップ宣誓を行った二人が,共に市営住宅に居住した後で,二人のうち一人が死亡するなどした場合,残された方は,入居の権利の承継手続をした上で,引き続き市営住宅に居住できることになります。また,市営住宅に入居している方と新たにパートナーシップ宣誓をした方は,同居の承認手続をした上で,同居できることになります。
次に,今回の改正で市営住宅の入居については,パートナーシップ宣誓を行ったカップルも夫婦と同等の扱いになったということかということについてです。
このたびの条例改正によって,パートナーシップ宣誓をした方は,市営住宅の入居資格である夫婦や親子などの同居親族と同等として認めることになります。
最後に,
同性カップルが市営住宅に入居手続を行う際,性的マイノリティーであることが暴露されることがないよう対応を求めるが,どのように考えているかについてです。
市営住宅の入居の申込みをした方がパートナーシップ宣誓をしているという情報は,他の来庁者に分からないよう配慮が必要と考えています。これまでも市営住宅の入居手続においては,他の入居希望者と手続のタイミングが重ならないよう留意してきたところですが,今後も,例えば,別室に御案内するなど,十分配慮をしてまいります。
以上でございます。
○
山田春男 議長 24番近松議員。
◆24番(近松里子議員) 今回の広島市のパートナーシップ宣誓制度が導入されることで,性的マイノリティーの方の不平等ですとか不利益などが少しでも解消される,その一助になればと思っております。
そういう中で,一点だけ,指導担当局長に確認したいのは,公営住宅法という国の法律があるんですけど,これには入居者の条件として,住宅に困ってる人や低所得者であるということしか書いてありません。ですから,
同性カップルの方を市営住宅の入居対象者として認めたのは,自治体の裁量に大きく委ねられている,自治体の自由度が高い,そういうものであるというふうに認識させていただいたんですが,それで間違いはないでしょうか。
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山田春男 議長
都市整備局指導担当局長。
◎胡麻田泰江
都市整備局指導担当局長 自由度が高いといいますか,こういう入居資格,お一人の場合は,例えば,障害者とかそういうふうな条件があります。それから,同居の場合は親族という条件をこれまでも条例で課しておりますので,今回,そういうパートナーシップ宣誓制度というものの導入によって,親族と同等というような扱いをするということになったということです。
以上です。
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山田春男 議長 24番近松議員。
◆24番(近松里子議員) 今,パートナーシップ宣誓制度を契機にして,市営住宅の入居をはじめ四つの事業が対象になることになりましたが,市民局長,最後に一つ聞かせてください。性的マイノリティーの市民が今後利用できる対象事業を拡大させようというお考えでしょうか。そこのお考えについて,お聞かせください。
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山田春男 議長 市民局長。
◎政氏昭夫 市民局長 この制度,先ほど議員も御指摘いただいたように,来年1月から開始することになりますけれども,これに付随するもろもろの制度がございます。それぞれの制度について,このパートナーシップ宣誓制度の趣旨に沿って,対象範囲に入れることが適当かどうかということを,まだ各担当のほうで検討していただいているところもございます。そうしたことから,今後も増えていくことは十分考えられるかなと思っております。
以上でございます。
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山田春男 議長 以上で質疑を終結いたします。
ただいま上程中の議案は,お手元に配付してあります議案付託表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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休会について
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山田春男 議長 この際,休会についてお諮りいたします。
明日から14日まで,常任委員会審査のため休会にいたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山田春男 議長 異議なしと認め,さよう決定いたしました。
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次会の開議通知
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山田春男 議長 この際,御通知申し上げます。
15日は午前10時より議会の会議を開きます。
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散会宣告
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山田春男 議長 本日は,これをもって散会いたします。
午後1時25分散会
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△(参照1)
各常任委員会議案付託表