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03月12日-代表質問、一般質問-02号

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  1. 大野市議会 2012-03-12
    03月12日-代表質問、一般質問-02号


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    平成24年  3月 定例会       平成24年3月・第379回定例会 会議録(第2日)                              平成24年3月12日(月)                              午前10時  開議1.議 事 日 程    第1.代表質問    第2.一般質問2.出 席 議 員(18名)     1番   山 﨑  利 昭 君    2番   梅 林  厚 子 君     3番   永 田  正 幸 君    4番   松 田  元 栄 君     5番   前 田  政 美 君    6番   石 塚  淳 子 君     7番   宮 澤  秀 樹 君    8番   川 端  義 秀 君     9番   松 原  啓 治 君    10番  藤 堂  勝 義 君     11番  高 岡  和 行 君    12番  兼 井    大 君     13番  島 口  敏 榮 君    14番  浦 井  智 治 君     15番  本 田    章 君    16番  畑 中  章 男 君     17番  砂 子  三 郎 君    18番  榮    正 夫 君3.説明のため出席した者の職・氏名   市   長  岡 田  高 大 君    副 市 長  下 河  育 太 君   教 育 長  松 田  公 二 君    秘 書 政策  藤 森    勉 君                        局   長   総 務 部長  江 波  庄 進 君    市 民 福祉  巻 寄  富美男 君                        部   長   産 業 経済  長谷川  雅 人 君    建 設 部長  辻    忠 信 君   部   長   和泉支所長  石 田  光 義 君    会計管理者  澤 田  みち代 君   教育委員会  宮 下  真 一 君    消 防 長  小 林    進 君   事 務 局長   建設部理事  下 村  直 人 君    行 政 戦略  田 中  雄一郎 君                        課   長   総 務 課長  羽 田  年 也 君    財 政 課長  鉱 崎  昭 治 君   環 境 衛生  佐々木  清 一 君    社 会 福祉  廣 瀬  吉 隆 君   課   長                課   長   産 業 振興  金 子  正 義 君    農業農村振興 小 川 市右エ門 君   課   長                課   長   農 林 整備  朝 日  俊 夫 君    建 設 課長  佐 子  重 夫 君   課   長   住 民 振興  宮 越  剛 生 君    教 育 総務  島 田  健 一 君   課   長                課   長   監 査 委員  木戸口  正 和 君    消 防 本部  石 田  純 也 君   事 務 局長                次   長   財   政  加 藤  正 幸 君   課 長 補佐4.事務局職員出席者   局   長  中 村  浩 一      次   長  清 水  啓 司   係   長  山 田  明 美      係   長  前 田  晃 宏5.議事 (午前10時00分 開議) ○議長(川端義秀君)  おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元にお配りしたとおりであります。 ここで、議員各位のお許しをいただき、昨年3月11日に発生しました東日本大震災の被災者の方々にお見舞いを申し上げ、また今もなおふるさとを遠く離れ、慣れない土地で避難生活を余儀なくされておられる多くの方々の一日も早い帰郷をお祈り致しますとともに、犠牲となられた皆さまに哀悼の意を表して、1分間の黙祷を捧げたいと思います。 皆さまご起立ください。 (全員起立) ○議長(川端義秀君)  黙祷。 (黙祷) ○議長(川端義秀君)  ありがとうございました。ご着席ください。 これより日程第1「代表質問」を行います。 最初に、新生おおの代表、島口敏榮君の質問を許します。 島口君。 (13番 島口敏榮君 登壇) ◆13番(島口敏榮君)  新生おおのの島口敏榮でございます。会派を代表して質問させていただきます。よろしくお願い致します。 今年の冬も厳しい寒波に襲われ、当初の除雪費が早々となくなり、補正を余儀なくされ、一時的には除雪作業に追われ、市民生活にも大きな影響が出ております。また、落雪により、亡くなられた方や負傷なされた方も多く出ており、あらためて冬季の安全対策と除雪体制の充実強化を認識させられたところでもあります。 さて、ご承知のとおり、わが国はいよいよ人口減少時代に突入を致し、一極集中の首都、東京ですら2020年、平成32年には人ロ増加もピークを迎え、減少に転ずるとの報告がなされております。この原因を作り出しているのは、紛れもなく少子高齢化でありますが、近年、使い古された感のあるこの言葉が、戦後、奇跡的な復興と高度経済成長を成し遂げた、わが国の社会システムを根幹から見直しすることを余儀なくしております。 現在、国会において大論戦となっております「社会保障と税の一体改革」。社会保障の見直しは、この代表格であり、いびつな人ロ構造がもたらした弊害は、現行制度の一部修正では、早晩、破綻するのではないかと危惧されるところであります。 一方、「モノづくり日本」を標榜(ひょうぼう)し、日本には資源がなく、原材料となる資源を輸入し、高度な科学技術を駆使して製品を作り、輸出して収入を得るという、わが国のビジネスモデルも、海外からの安価な製品に押される中で、安い労働力を確保すべく、生産拠点を海外に移転することにより、競争力をかろうじて維持することや、過度な円高が進んでいることなどから、国内工場を大幅に縮小せざるを得ないなど、まさに産業の空洞化が進み、雇用の状況が悪化の一途をたどっております。 さらに世界に目を転ずると、ギリシャを発信源としたユーロ不安は、大きく世界経済を揺るがし、欧州各国の国債格付けは軒並み格下げされる中で、本年度末で903兆円、対GDP比で192㌫という莫大な長期債務残高を抱えたわが国が、今後、いかに財政再建と景気回復を両立していくかも大きな課題となっております。 まさに内外に大きな課題が山積する中にあって、昨年末に私たちが待望久しい中部縦貫自動車道の建設促進に大きな進展が見られ、また福井県の念願であった北陸新幹線の延伸が決定するなど、大野市の活性化の起爆剤となるプロジェクトが動き始めた本年、私たちは、これまでの経験と知識を超越した新たな観点のもと、将来の大野の発展を見据えて、行政と民間が一体となって研さんに努めていかなければならないと考えております。 こうした中、地域経済は昨年の東日本大震災による落ち込みや、過度な円高水準の継続もあり、好転する兆しが見られず、この奥越地域の有効求人倍率も昨年10月からは1倍を上回るようになってきましたが、12月は1.06倍となり、前年同月比0.11ポイントの低下と、雇用情勢は県内では最も厳しい状況であります。 市においても、これまで3年間、国の緊急経済対策を受けて、ふるさと雇用緊急雇用創出などで手立てをとってきましたが、来年度からは緊急雇用創出だけが縮小されて継続されるだけであります。 こうしたことから、新たな雇用創出に向けて、第1には地元産業の努力が求められるところではありますが、公共、行政による企業誘致の取り組みなど、従来にない手立てが必要だと考えているところでもあります。 このほかにも、地域経済には多くの課題がありますし、また地域社会には少子高齢化の進展などさらなる難題もあります。このような課題解決に向けての取り組みが市政に求められているところであり、岡田市長におかれては、来年度には2期目の折り返し地点を迎えるところでありますが、市長就任当時からの政治姿勢、大野市のため、市民のためであれば、昼夜を問わず、自らが先頭に立って、国や県との折衝を進められ、また市内各所でその現状を自分の目で確かめ、真に必要なものが何かと確かめられ、それを次のステップで的確に進めていくことなど、全身全霊を市政に捧げて取り組む姿に、敬意と感謝を申し上げるものでございます。 特に平成23年度からは、新たな10年間の第五次大野市総合計画に基づき市政推進に当たっているところでありますが、農業振興、観光振興、健康増進など個別分野においても、これまで進めてきたそれぞれの事業の進捗(しんちょく)状況等を検証するとともに、見直しを進めており、さらにステップアップする方向で予算を編成されていることは、随所に拝見できますが、ここで次のことについて、新年度の方針や取り組みについてご答弁をお願いしたいと存じます。 まずは、第五次大野市総合計画前期基本計画「越前おおの元気プラン」の取り組みについてお聞き致します。 第五次大野市総合計画前期基本計画「越前おおの元気プラン」は、スタートとなった平成23年度において、全国民に東日本大震災からの復興という、経験したことのない使命が課せられました。国においては、復興事業を進めていくことが優先されるのは当然でありますが、地方には社会基盤整備の遅れや地域経済の低迷など多くの課題があり、このため大野市においても、越前おおの元気プランを着実に遂行していかなければなりません。 本年度からは、計画全体の進捗管理を行うための総合施策会議を構築するなど、新たな取り組みも進めておられますが、2年目となる来年度以降、どのように取り組まれていくのかをお伺い致します。 次に、機構改革と職員の意識改革についてお聞きします。 本年4月から、保健医療福祉サービス拠点施設「結とぴあ」が動き出します。結とぴあでは、ワンストップサービスの提供を実現することから、市民福祉部においては、従来の社会福祉課、児童福祉課、健康増進課を、健康長寿課、こども家庭課に統合することとしております。ほかにも情報広報課を秘書政策局に組み入れるなど、機構改革の取り組みが示されておりますが、今後の新庁舎建設などを考えたとき、従来の固定概念から脱却した組織機構の在り方を再検討する必要があるのではないかと考えております。また、そこで仕事に当たる職員の在り方も変革が求められるのではないかと考えます。 平成24年度の機構改革の方針と、次年度以降の機構改革に対する基本的な考え方、そして職員の意識改革に関する取り組みについてお伺い致します。 次に、公共施設の在り方についてお聞きします。 平成17年に和泉村を編入したことから、数多くの公共施設を運営管理することになり、指定管理者制度の活用や民間委託を進めているところであります。 また、公共施設の耐震化も積極的な取り組みにより、小中学校については、平成23年度でおおむね完了するまでになりましたが、まだまだ多くの公共施設で耐震化に取り組まなければなりません。とりわけ文化会館などは、施設整備の更新と耐震化が課題になっております。 また、住民サービス提供の充実を最優先すべきでありますが、現状の公共施設全体を考えたとき、再編統合なども含めた今後の公共施設の在り方を再検討すべきではないかと思っております。 来年度予算で、新規事業として、公共施設再編方針策定事業が計上されておりますが、公共施設の在り方としてどのように進めようと考えておられるのかお伺い致します。 次に、越前おおの健康づくり計画・第2次健康おおの21についてお聞きします。 大野市においては、国が平成12年に策定した21世紀における国民健康づくり運動、健康日本21や平成15年の健康増進法の施行に合わせて、健康おおの21を策定して市民の健康づくりを推進してきました。 今般、国の動向やこれまでの事業の進捗(しんちょく)状況などを精査、検証することで、来年度からは向こう5年間を計画期間とし、「生涯現役、元気な大野人(おおのびと)をめざそう」を基本理念とする越前おおの健康づくり計画・第2次健康おおの21を定めるところであります。新たなサービス拠点として結とぴあも完成することになり、この施設をいかに利活用していくかは重要なことと考えております。 越前おおの健康づくり計画・第2次健康おおの21の計画遂行の基本的方針をお何い致します。また、重点推進方策などもあれば、合わせてお伺い致します。 次に、少子化対策についてお聞きします。 少子化については、その要因として、人ロ減少、若者の流出、晩婚化、意識の多様化などと数多くのことがあり、幾つかの政策を連携して進めることが必要だと思っております。 特に民主党政権により始められた子ども手当の給付は、これまでも年ごとに内容変更がされ、来年度からは児童手当等給付事業として進められることになり、これに伴う地方負担についても決着されました。子育て対策などにおける金銭給付は、この児童手当が中心になるものであり、重要なものでありますが、今後の国の状況を考えますと流動的な面もあり、子育て世代は不安を抱いているのではと思っております。 一方、子育て支援に関するサービス給付は、基礎的自治体が担うべきものであり、その内容は個々の自治体の創意工夫に基づき、着実に実施すべきものであります。 そこで、サービス拠点としての結とぴあも整備されることであり、今後の市の少子化対策の基本的な方針をお伺い致します。 次に、高齢者対策についてお聞きします。 当市の高齢化率も、年々高くなっており、この冬の雪害による被害者も、また交通事故における被害者、そして加害者においても高齢者が大きなウエートを占めております。また、団塊の世代が高齢者に入ってくることもあり、これまで以上に元気な高齢者が、社会的役割を担おうとする方も増加してくるのではないかと考えております。 こうした中で、結とぴあでは高齢者に対する保健、医療、福祉のワンストップでの窓ロサービスの提供を目指すものでありますし、新年度からは第5期の介護保険事業計画が実施されるところでもあります。このような結とぴあ整備や、新たな高齢者福祉計画介護保険事業計画の展開を含めて、どのような考え方に基づいて高齢者対策を講じていくのかをお伺い致します。 次に、企業誘致についてお聞きします。 地域の活性化や若者の定住促進を図るため、企業誘致は市が推進すべき重要課題と考えております。このため、理事者も議会も精力的に進めてきたところでありますが、経済全体の低迷や誘致自治体間の激しい競争もあって、成果が見いだせていなかったところであります。 それが、昨年ファーストウッド株式会社が、これまで遊休地として放置されていたところに、市の働き掛けもあって進出をしていただき、現在は、新規に150人以上の雇用創出が実現されております。 しかしながら、誠に不本意でありますが、一部市民から企業誘致において、市が行った手立てを不当とする監査請求が提出されました。しかし、この企業誘致における市の手立てについては、市議会に諮って進められたものであり、誘致自治体において激しい競争を進めている中では、最低限のことと考えております。今後の企業誘致を考えると、残念なことは、今回のような一部市民の無理解な行動が当市の企業誘致に新たな壁を自ら立てたようなものであり、加えて、企業誘致を最前線で取り組む職員も萎縮しているのではないかと危惧しているところであります。 企業誘致は、市において最優先の重要政策であり、引き続き精力的に取り組んでいかなければなりません。ここにあらためて、今後の企業誘致についての基本的方針をお伺いするものであります。 次に、大野市中心市街地活性化基本計画についてお聞きします。 平成20年7月に人口5万人未満の都市として、大変注目される中で、大野市中心市街地活性化基本計画が内閣総理大臣の認定を受け、これまで精力的にソフト、ハード事業を実施し、着実に成果を上げてきたと考えております。 しかしながら、民間を中心とした中心商店街における環境整備など取り組まなければならないという課題も多いことから、先般、越前おおの中心市街地活性化協議会から、第2次の大野市中心市街地活性化基本計画策定の要望があったと伺っております。 これまで、本計画に基づいて進められたソフト、ハード事業には、代表的なものでは、ソフトでは平成22年の越前大野城築城430年祭記念事業、ハードでは今やまちなかの重要拠点となった結ステーションなどが挙げられますが、ソフト事業の継承と発展、整備した施設のさらなる利活用という面では課題も抱えており、今後の第2次の大野市中心市街地活性化基本計画策定の中で取り組んでいただきたいと考えているところであります。 そこで、第2次の大野市中心市街地活性化基本計画策定に向けての取り組みをお伺い致します。 次に「越前おおの型食・農業・農村ビジョン」と越前おおの農林樂舎についてお聞きします。 平成19年に策定しました「越前おおの型食・農業・農村ビジョン」では、越前おおののブランドの確立を目指して、農業・農村の活性化や多様な経営体による農業振興などに取り組んできました。中でも、農村集落カルテや個別集落における集落ビジョンの策定を受けて、農業農村活性化支援事業地域特産物小規模生産者支援事業など、きめ細やかな事業展開をしてきたことは評価するものであります。 しかしながら、総体的に農業を取り巻く情勢を見ると、農業所得の減少、担い手や後継者の不足、そして政府においては、TPP、環太平洋戦略的経済連携協定の交渉参加に向けて関係国との事前協議を進めるなど、極めて厳しい状況におかれております。 こうした状況を受け止めて、新たな「越前おおの型食・農業・農村ビジョン」においては、越前おおの型農業の持続的発展を基本理念としておりますが、どのように課題克服に当たっていくのか、基本的な方向をお伺い致します。 また、昨年の代表質問でもお聞きしました農業再生協議会の体制整備につきましては、越前おおの農林樂舎に拠点をおき、運営支援することで予算計上されております。また、越前おおの農林樂舎には、城下町東広場の運営管理を委ねることに併せて、城下町東広場を拠点とする新たな事業展開を期待するものでありますが、今後の越前おおの農林樂舎に対する運営支援の基本的な考え方をお伺い致します。 次に、大野市の「越前おおの観光戦略プラン」についてお聞きします。 平成19年に「越前おおの観光戦略プラン」を定めて、平成23年度までの5年を目標期間として「もてなしの心で喜びと満足と感動を」を基本理念にして、五つの基本戦略と15の基本施策を打ち出して取り組まれてきました。そして平成20年には中心市街地活性化基本計画の認定を受けて、さらに充実を図って取り組まれてきました。 今回、これまでのプランの成果の検証と課題や今後の対応策を総括することで、新プランの策定を進めてきたものでありますが、新プランにおいて中部縦貫自動車道の全線開通を視野に入れた広域観光交流の拡大を基本戦略としております。このことは、誠に的確な戦略設定と考えているところでありますが、今後の本プランの実施における個別基本戦略の予算化や民間が主体となって取り組むことへの支援方策をお伺い致します。 次に「越前おおの湧水文化再生計画」についてお聞きします。 平成20年に国や県の協力を得まして、湧水再生研究調査ワーキンググループを構築し、平成22年6月には、地下水保全対策検討書の取りまとめを行い、この検討書に基づいて、その後は国や県のみならず、住民代表や土地改良区や北陸電力などの関係機関、それに学識経験者の参画を得まして、湧水文化再生検討委員会を構築して、昨年の9月に「越前おおの湧水文化再生計画」が策定されました。 この再生計画の推進体制として、本年2月末には国、県、関係機関・団体で構成する湧水文化再生連絡協議会を設置したと聞いておりますが、この計画は短期、中期、長期に区分され、短期でもおおむね5年という計画期間となっており、実現に向けての長期的展望が求められております。 今回の計画策定は建設課で取り組まれてきましたが、一方、これまでの地下水保全に関する涵養(かんよう)対策などは環境衛生課が担当されてきました。こうしたことから、今後の計画推進においては、従来の事務事業の整理を含めまして、庁内体制の統合整備が必要と考えているものであります。このような面から「越前おおの湧水文化再生計画」の取り組みについてお伺い致します。 次に、東日本大震災の被災地のがれきの受け入れについてお聞きします。 昨年の3月11日の東日本大震災に伴うがれきは、環境省の調査によると、先月2月20日現在で、全体の5㌫しか最終処分が進んでおらず、岩手県でも通常の約11年分、宮城県で約19年分が未処理となっており、がれきが復興の大きな障害になっております。 こうしたことから、がれきの広域処理の推進が問われており、先の定例県議会において、県は「がれきの受け入れは、処理施設の設置者である市町が地域住民の同意を得ることが前提」と説明するなど、各市町の判断に委ねる姿勢を示しております。また、国ではあらためて、受け入れ先の自治体に対する追加支援策も発表しております。 大野市では、廃棄物処理施設の運営管理を大野・勝山地区広域行政事務組合で共同処理しており、がれきの受け入れは同組合の取り組みとなるものですが、このがれきの受け入れについて、大野市長としてどのように考えておられるのかお伺い致します。 次に、地域防災計画の見直しについてお聞きします。 昨年は、東日本大震災、集中豪雨、台風による風水害と数多くの災害に見舞われ、多くの方の尊い命が失われております。また、東日本大震災では甚大な津波被害もあり、加えて福島第1原子力発電所における原子力災害により、30万人以上の方が避難生活を余儀なくされております。 こうしたことを受けて、国、県、市町村では、これまでの防災計画の抜本的な見直しが求められているところでありますが、原子力災害についての国の方針が明確にされず、苦慮しているところと考えております。 また、集中豪雨や台風なども、これまでの概念を打ち破るような形で発生しており、今後の地域防災計画の見直しでは、気象、土木、治水など、それぞれにおいて高度な専門家の指導や参画を得る必要があると考えております。 こうした中で、新年度において地域防災計画改訂準備調査事業を予算計上しておりますが、今後の地域防災計画の見直しの方針をお伺い致します。 次に、中部縦貫自動車道及び国道158号についてお聞きします。中部縦貫自動車道については、昨年末に大野油坂道路の和泉・油坂峠間の15.5㌔㍍が新規事業化されることが決定され、新年度には調査事業が予算化され、全線開通に向けて大きく前進することになります。 また、国道158号は、奈良瀬・境寺間は本年度末には工事も完了し、この4月には供用開始となるまでになっております。そして残る境寺・計石間についても、県の新年度予算において調査費が計上されているとのことであり、事業採択に向けての作業が進められるのではと期待しているところであります。 いずれの道路も、市民の命の道であり、日常生活のみならず、地域振興を図る上でも重要かつ基本的な社会基盤施設であります。この整備は、自助努力ではどうしようもなく、国や県に依存しているものでありますが、これらの整備について、今後の取り組みについてお伺い致します。 最後に、本年3月末日をもって、藤森 勉秘書政策局長、辻 忠信建設部長、宮下真一教育委員会事務局長中村浩一議会事務局長をはじめ、16人の方が定年などにより退職されると聞いておりますが、皆さま方の永年のご苦労に対して心より敬意を表しますとともに、これまで市政発展のために献身的にご尽力賜りましたこと、重ねて感謝申し上げます。退職後におかれましても、新たな立場から引き続き、市政発展、市民福祉の向上のため、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 また、長谷川産業経済部長、下村建設部理事におかれましても、この3月末に県からの派遣を解かれ、県にお戻りになられます。この2年間、市政の推進に当たり格別なるご尽力を賜りましたこと、衷心より感謝申し上げます。今後とも大野市の発展に向けてご支援を賜りますようお願い申し上げます。 以上、私からの代表質問とさせていただきます。 ○議長(川端義秀君)  島口君の質問に対する理事者の答弁を求めます。 市長、岡田君。 (市長 岡田高大君 登壇) ◎市長(岡田高大君)  島口議員の代表質問に、お答えをさせていただきます。 まず「越前おおの元気プランの取り組み」についてお答え致します。 計画の初年度であります平成23年度におきましては、計画に掲載された事業の推進につきまして、全庁を挙げスピード感を持って取り組むとともに、計画全体の進捗(しんちょく)を管理していくための体制を整えてまいりました。 進捗の管理に当たりましては、本プランに掲げる基本施策の達成状況を把握しやすくするため、初めて数値による成果指標を設定しております。次年度におきましては、1年間の取り組みによる成果指標の達成状況について速やかに取りまとめを行い、議員各位にご報告させていただくとともに、市民の皆さまへ公表する予定としております。なお成果指標につきましては、引き続き庁内各課の見やすい位置に掲示し、事業の進捗や成果の達成状況について定期的に検証しながら、職員が常に成果を意識して施策を進めてまいります。 また、本プランに掲げた施策や事業を具体的に推進するため、予算編成の指針としております振興実施計画を達成状況も勘案しながら引き続き作成することとしております。この振興実施計画の計画期間は3年間とし、社会情勢などに合わせて毎年編成し直すものであり、これを基に施策や事業の具体化を図ってまいります。 さらに変化の激しい今日の諸情勢に的確に対応するため、今年度設置致しました総合施策会議におきまして、平成24年度は、総合計画の基本構想実現のための柱ごとに、専門の有識者からアドバイスを得ながら、必要があれば施策の変更や新たな施策の実施について検討することと致しております。 このようにして、2年目以降につきましても本プランに掲げた全ての施策を効率的に進めていくために、まずは「市民総参加型」「協働型」の市政を進める根幹となります「市民力」「地域力」の向上に努めてまいります。 同時に、自主財源の確保が厳しい状況にあって、第六次行政改革大綱に即した効率的な行財政運営を推進し、市職員全体の能力と活力を向上させ、政策の立案や実行につなげる「職員力」「組織力」の強化にも努めてまいります。 総合計画の推進に当たりましては、提案理由説明でも申し上げましたとおり、計画期間が「あと9年ある」のではなく「もう9年しかない」という気構えで、スピード感を持って施策の推進に努めてまいります。 次に「機構改革と職員の意識改革」についてお答え致します。 まず機構改革についてでありますが、新年度からの体制と致しまして、結とぴあの完成に伴い、市民の皆さまに分かりやすくするということと、ワンストップサービスを提供するという観点から、健康増進課、社会福祉課、児童福祉課の3課を福祉こども課、健康長寿課の2課に再編し、名称を改めることとしております。 このほか、湧水再生対策や中心市街地活性化対策、国体準備のための専門室を設置するほか、所掌事務の再編により一部課の名称変更なども行うこととしております。 いずれも、市民の皆さまに利用しやすい市役所を優先に考えるとともに、新たな行政課題等に迅速に対応するための組織体制を目指したものであります。 今後とも、このような思いのもと、年度や既成概念に捉われず、時代の変化や地域の課題に対応するため、効率的で機動的な組織体制を臨機応変に進めてまいる所存であります。 また、職員の意識改革についてでありますが、職員は何のために、誰のために仕事をするのかを常に考え、市民目線で物事を考える意識を高めることが基本であると考えております。そのためには、職員は地域行事などに積極的に参加し、地域住民の中に入ることで、真の住民ニーズを知る機会を増やし、そこで得たものを施策に反映していくという意識が重要であります。 管理職をはじめ、職員一人一人が職責の自覚とプロ意識を持ち、自己啓発に取り組むよう促し、組織全体としてやる気を持って仕事をするという職場風土の醸成に努めてまいる所存であります。 次に「公共施設の在り方」についてでありますが、新年度では公共施設再編方針策定事業において、全ての公共施設について、利用者数や使用料、管理経費、耐用年数などをデータベース化し、費用対効果はもとより、公共施設が果たす地域の経済効果や行政施策としての有効性などの検証を行いたいと考えております。 このような作業を行うことで、今後の施設の存続の是非を含め、類似する公共施設再編の方向性を打ち出そうとするものであります。 また、建築物だけではなく、市が保有する遊休地や借地などの状況についても調査を行い、効率的な行政経営を行うための基礎資料としたいと考えている次第であります。 続きまして「越前おおの健康づくり計画・第2次健康おおの21」についてお答え致します。 市民が、元気で心豊かに安心して暮らすことができる社会を目指して、生活習慣病の予防に重点をおいた健康づくりを推進することを目標に、本市では「生涯現役、元気な大野人(おおのびと)をめざそう」を基本理念とした「第2次健康おおの21」を策定致します。 この計画では「運動」「食事」「たばこ」「休養・こころ」「歯」の5本の柱を重点推進項目として掲げており、市民が主体的に健康づくりを行うことができるよう、関係機関や団体、そして行政が連携をとり、協働して事業に取り組んでまいります。 市における具体的な推進策と致しましては、結とぴあ内に移転致します保健センターにおいて、健康診査をはじめ、育児相談会や機能訓練、介護予防講座など多くの事業を行うこととしているほか、新しい保健センターの健康広場などを多目的に活用することにより、市民が利用しやすい環境を整え、より一層健康づくりの推進につなげてまいりたいと考えております。 この計画を実効性のあるものとするためには、市民一人一人の健康づくりへの意識付けと自覚を促すことが一番大切であることを念頭に置いて、今後も、より多くの市民が健康づくりに取り組んでいただけるよう精力的に進めてまいる所存であります。 次に「少子化対策」についてお答え致します。 少子化の進行は全国的な傾向であり、とりわけ地方においては一層深刻な状況となっております。本市におきましても、平成13年には299人であった出生数が、平成23年には221人と、この10年間で約80人減少しております。 こうした現状の中、少子化の進行に歯止めを掛けるため、市内で結婚し、家庭を持ち、子どもを安心して生み、育ててもらうことができるよう、さまざまな子育て支援策を講じているところであります。 この子育て支援策の基本とするところは、平成22年3月に策定致しました「越前おおのあったか・こそだて・夢プラン」であります。 このプランでは「あふれる愛情 あふれる自然 のびのび育つ ぬくもりのまち」を基本理念とし、「子どもと子育て家庭を支援する仕組みづくり」など四つの基本目標を達成するための諸施策を掲げております。 今後も、このプランに基づき、関係部署の連携を取りながら、総合的に施策を展開するとともに、まもなくオープン致します結とぴあにおいて、この施設が持つ保健医療福祉サービスの総合機能や子育て支援機能を十分発揮する中で、より質の高い、きめ細かなサービスが提供できるよう努めてまいる所存であります。 さらに、こうした子育て支援策を進めることはもちろん、実効性のある新たな対策も必要でありますので、その内容や手法などについて、あらゆる視点から模索してまいりたいと考えております。 次に「高齢者対策」についてお答え致します。 本市における現在の高齢化率は、29.1㌫で、平成26年度には31㌫を超える見込みとなっております。また、一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯、さらには認知症高齢者の増加に伴い、さまざまな課題に対する迅速かつ的確な対応が求められてきております。 高齢者が自分の住み慣れた住まいや地域で安心して暮らすことができるようにするためには、要介護状態になることを予防するとともに、自立ある生活を支援するため、地域での支え合いの体制づくりを進める一方、介護が必要となった場合には、その人に応じた適切な介護サービスが受けられる体制を確立していく必要があります。また、元気な高齢者の方々には、自らの知識と経験を生かし、いつまでも生きがいをもって暮らすことができる機会づくりを進めていく必要があります。 生涯現役社会の実現を目指しております本市では、このような状況に対応するため「越前おおの高齢者福祉計画・第5期介護保険事業計画」を策定し、地域包括ケアシステムの構築や生きがいづくりなど、高齢者の健康と福祉をさらに増進する施策に取り組んでまいる所存であります。 また「結とぴあ」のオープンによる保健医療福祉の各サービスの機能が緊密に連携し合えるメリットを十分に生かしながら、高齢者の方々に喜んでいただける福祉施策を推進してまいりたいと考えております。 続きまして「企業誘致」についてお答え致します。 議員がおっしゃいますとおり、今般の誘致企業に対し一部の市民の方にご理解をいただけないことは大変残念なことではありますが、経済状況が低迷する本市において、新たに160人余りの雇用を創出し、原材料として本市資源の活用が図られるとともに、今後、さらに雇用機会を増大していただける当該企業の誘致は、本市の産業振興に十分寄与するものであると確信致しております。 今後の企業誘致につきましても、地域経済に波及効果の高い優良企業を重点に「土地を売る」から「誠意を売る」をモットーに、県や関係機関などから情報収集を行い、越前おおの企業立地促進協議会や関係機関との連携を図り、豊かな自然環境や粘り強い人間性など本市の持つ魅力を最大限にアピールし、引き続き積極的かつ粘り強く誘致活動を行ってまいりたいと考えております。 次に「中心市街地活性化基本計画」についてお答え致します。 平成20年7月に内閣総理大臣の認定を受けました「大野市中心市街地活性化基本計画」は、平成25年3月をもって計画期間が終了致します。 この間、越前おおの結ステーションの整備や越前大野城築城430年祭の開催など、ハードとソフトの両面でさまざまな事業に取り組み、中心市街地の活性化に努めてまいりました。 この結果、観光客が増加するなどの効果が現れておりますが、まだまだ課題は残されており、引き続き「多彩な交流でにぎわうまち」「暮らしやすく便利なまち」を目指すためにも、新たな「中心市街地活性化基本計画」の策定が必要であると考えております。 現在、市では次期基本計画策定に向けた庁内ワーキンググループを設置し、現計画に記載されております事業効果の検証や、次期基本計画に掲載する事業の洗い出しなどの作業に取り掛かっており、4月からは、中心市街地活性化対策室を新たに設置し、本格的に計画素案の作成に着手してまいります。 さらに民意の反映された計画とするために、消費者や事業所のニーズ調査を実施するとともに、商工会議所を中心とする越前おおの中心市街地活性化協議会からの意見を取り入れてまいります。 また現在、商工会議所において設立の準備が進められております「まちづくり会社」が、民間活力を生かしてソフト事業に取り組むことで、中心市街地に経済効果をもたらすよう次期基本計画に位置付けてまいります。 次に「越前おおの型食・農業・農村ビジョンの基本的方向」についてお答え致します。 このたび定めました越前おおの型食・農業・農村ビジョンは、平成28年度を目標達成年度として、平成24年度からの5年間における農業施策の基本的方向性を示しており、「農業農村の活性化」をはじめとする五つの基本方針に基づく各種施策に取り組むことと致しております。 基本方針の「農業農村の活性化」と「多様な経営体の共生による農業の振興」では、国が進める地域の中心となる経営体への農地の集積と新規就農者の育成・確保、そして6次産業化による農林産物の高付加価値化などを推進するとともに、引き続き農村集落カルテに基づく各集落への支援による農業農村活性化の推進、兼業農家などの小規模農家や女性・熟年農業者などが営農活動を継続することを可能とするための支援などを実施してまいります。 「農産物の総ブランド化」では、化学肥料や化学農薬の削減による環境調和型農業を推進し、食の安全・安心など消費者ニーズに応じた農産物の生産と総ブランド化を図るとともに、積極的な販路拡大を通して、農業者の所得向上につなげてまいります。 「農地の適正な管理と農業基盤の整備」では、集落などを核とする「市民力」「地域力」に支えられる共同作業などに対し、中山間地域等直接支払制度や農地・水保全管理支払交付金制度を活用して支援していくとともに、農業委員会や関係機関と連携して農地パトロールの実施を行い、適切な指導のもと、耕作放棄地の発生防止などに努めてまいります。 また、農業基盤整備を図るための土地改良事業につきましても、県営土地改良事業を主体とする再整備を積極的に支援し、農業者の経営意欲の維持向上と農地の多面的な機能の発揮に努めてまいります。 基本方針の最後となります「鳥獣被害のない里づくり」では、猟友会の協力のもと、有害鳥獣の捕獲による個体数の調整管理に努めるとともに、集落、猟友会、行政の連携を強化して、山際などでの電気柵や捕獲おりの設置、さらに山際の見晴らしをよくする緩衝帯整備など効果的な防除対策を実施し、鳥獣被害のない里づくりを実現してまいります。 これらの施策を実現するためには、国や県、JAなど関係機関・団体との緊密な連携はもちろんのこと、各種施策を有機的に展開することで、越前おおの型農業の持続的発展を目指してまいりたいと考えております。 次に「越前おおの農林樂舎の運営支援の基本的な考え方」についてお答え致します。 越前おおの農林樂舎は、平成21年度の設立以来、農家の下支え役として、地域農業者と連携した出向宣伝をはじめ、規格外や余剰となった農林産物の集荷販売システムの構築、農地集積が困難な中山間地域などの農業生産活動の支援、エコフィールドにおける環境保全活動とシバザクラの育成、エコ・グリーンツーリズムの推進などに精力的に取り組んでまいりました。 また、昨年末からは国の地域雇用創造実現事業において、越前おおのの自然や観光資源と農林産物を融合させた新たな加工品の開発と、都市圏など大消費地への販路開拓活動を展開しております。 さらに新年度からは、これらに加え、大野市農業再生協議会の事務局を農林樂舎へ移し、戸別所得補償制度や担い手に対する国の補助事業などに係る事務を実施するとともに、里山の森林が荒廃し、有害鳥獣の被害も増えていることから、関係集落に出向き、集約化施業に関する説明会を重ね、里山森林の健全な育成を図るなど、本市の農林業における農林樂舎の担う役割はますます大きくなると考えております。 このため、市では新年度において、引き続き農林樂舎の運営や中山間地域・市街地の農地保全を目的とする地域農業サポート事業などに対して補助するほか、農業再生協議会の事務局としての運営補助も行う予定であり、合わせて必要な人員についても、市とJAからそれぞれ職員を派遣し、円滑な事業実施につながるよう支援することとしております。 これら農林樂舎の事業拡充と体制の強化を図ることにより、設立当初の目的である大野産農林産物のブランド化や販路拡大、エコ・グリーンツーリズムの推進などとともに、農業者の所得向上に大きくつながるものと考えております。 続きまして「越前おおの観光戦略プラン」についてお答え致します。 平成24年度から5年間を目標期間とする新たな観光戦略プランは「磨きあげよう大野の宝、深めようふれあい交流」を基本理念とし、「地域資源の魅力の向上」「もてなしの心の醸成」など、五つの基本戦略を掲げ、14の基本施策を展開してまいります。 まず、これらの戦略に基づき実施する施策の主なものについて申し上げますと、「地域資源の魅力の向上」のための施策としては、日本百名山である荒島岳にスポットを当て、その活用を図るため、荒島岳登山者に対するアンケートを実施し、その動向について調査するとともに、まちなか観光へ誘導する事業を行います。 「もてなしの心の醸成」では、引き続き観光ボランティアガイドを養成し、もてなし体制の充実を図ります。 「魅力情報の発信と情報の収集」では、朝市の出店状況や、サクラ・シバザクラなどの花の開花状況、紅葉の進み具合など、旬の情報をホームページで配信致します。 「滞在型観光の推進」では、観光客の滞在時間の延長を図るため、郊外での体験観光や市内での食事、宿泊を伴う団体旅行や個人旅行を企画する旅行業者を支援する事業を拡充致します。 また、宿泊者に対し、観光の目的や本市に感じる魅力などについてのアンケート調査を実施して、その動向を把握することにより、滞在型観光の推進につなげてまいります。 「広域観光交流の拡大」では、これまでの広域観光事業に加え、新たに小松市との交流活動を進めてまいります。 次に、民間が主体となる取り組みへの支援策については、主なものとして、まず越前おおのの自然の魅力に磨きをかけるとともに、季節を感じることができるイベントを創出するため、ホタルの群生地の保全活動、サクラやシバザクラ、ハナモモなどの植栽による花の里の整備活動などに対し、必要な支援や働き掛けを行ってまいります。 また、市内の事業者が誘客効果を高めるための宿泊プランなどの企画に対する支援も考えております。 このほか、中京方面や関西方面への出向宣伝や、観光商談会での市内事業者との連携を強化したセールス活動や、インターネットの宿泊予約サイトを活用した宿泊プランの販売促進事業などにも継続して取り組んでまいります。 今後とも観光戦略プランの趣旨に基づく施策の実施について、必要な支援策を講じてまいりたいと考えております。 続きまして「越前おおの湧水文化再生計画」についてお答え致します。 「越前おおの湧水文化再生計画」は、越前おおのの湧水文化を後世に引き継げる環境をつくりだすため、国や県、市などの関係機関や団体、市民や企業がそれぞれの役割を担いつつ、総合的な取り組みを進めることを目的に昨年10月に策定致しました。 計画では、地下水の現状と方向性を明らかにするとともに、対象区域を定め、昭和50年代の地下水位を最終の保全目標水位と設定し、この目標に向けた具体的な施策をハードとソフトの両面から進めることと致しております。 計画の遂行に当たりましては「機構改革と職員の意識改革」についてでも申し上げましたようにハード、ソフト両面で効果的で一体的な施策を実施するため、この4月から「湧水再生対策室」を建設課内に設置し、取り組んでまいりたいと考えております。 また、これに併せまして、先の2月29日には、それぞれの機関が具体的に湧水文化再生に関する施策を推し進め、情報共有や調整を行っていくため、国、県、市などの関係機関や団体、市民の代表などから構成致します湧水文化再生推進連絡協議会を立ち上げ、体制を整えたところであり、今後、湧水文化再生への実現へ向け、真名川からの涵養(かんよう)や水田湛水による涵養、これらに必要な水源の確保など、総合的な取り組みを進めてまいります。 次に「東日本大震災のがれきの受け入れ」についてお答え致します。 東日本大震災から丸1年が経過致しましたが、被災地では今なお、仮置き場にがれきが山積みされている状況にあり、一日も早い復旧・復興を切に願うものであります。 議員お尋ねのがれきの受け入れにつきましては、国難ともいわれる東日本大震災を乗り越えるに当たっての、大きな課題であると認識致しております。最近のマスコミ報道によりますと、がれきの処理については、国の責任において進め、全国の自治体にも呼び掛けると報道されております。 本市と致しましては、県の対応もありますが、国の正式な手続きのもとで協力要請があれば、応えてまいりたいと考えております。ただ、広域事務組合のごみ処理施設でもあり、受け入れの環境を整えるなどの課題もあることから、事務レベルで協議を始めるよう指示したところであります。 次に「地域防災計画の見直し」についてお答え致します。 東日本大震災による巨大地震と大津波により、約2万人の死者・行方不明者が出ました。それに加え、福島第1原子力発電所の事故による放射性物質の放出により、過酷な避難生活を余儀なくされたり、家族が離散したりするなど、深刻な状態が大震災から1年を経過した今も続いております。 この大震災を機に、国及び福井県では現在、防災基本計画や防災指針、地域防災計画の抜本的な見直しに取り組んでおり、特に原子力災害対策については大幅な改訂を行うと聞いております。 本市と致しましては、こうした国や県の動向に注視するとともに、新年度において地域防災計画改訂準備調査事業を実施し、これまでの地震対策、豪雨対策などを見直すほか、新たに原子力災害対策についても検討することとしております。準備調査では、国土交通省をはじめ有識者のご協力をいただきながら、地域防災計画を見直すために必要な事項について、調査研究してまいる所存であります。 最後に「中部縦貫自動車道及び国道158号の整備に関する今後の取り組み」についてお答え致します。 私は、第五次大野市総合計画が目指しております「越前おおの総ブランド化」を目標とし、活気に溢れる元気な大野の実現のためには、中部縦貫自動車道や国道158号の整備は、最も重要な課題と位置付けております。 提案理由でも申し上げましたが、中部縦貫自動車道大野油坂道路和泉・油坂間及び国道158号境寺・計石間については、それぞれ国、県の平成24年度予算案に盛り込まれ、早期整備に向けて大きく前進することができました。このことは、市民の皆さまをはじめ、議員各位のこれまでのご支援のたまものと、厚くお礼を申し上げます。 今後の取り組みと致しましては、地元調整など、事業推進に全面的に協力する体制を堅持し、あらゆる機会を捉え、予算の確保や未事業化区間の早期事業化を強く要望していくことが必要であると考えており、今月6日・7日には、先般策定致しました「越前おおのまるごと道の駅ビジョン」を持って、国土交通省本省及び近畿地方整備局に対して、パーキングエリア誘致の要望を行ってきたところであります。 今後とも、これまで以上に近隣市町と連携し、国及び県に対する要望活動を行ってまいりますので、議員各位におかれましても早期全線事業化・早期整備が図られるよう、一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(川端義秀君)  以上で、島口敏榮君の質問を終結致します。 次に、新風おおの代表、永田正幸君の質問を許します。 永田君。 (3番 永田正幸君 登壇) ◆3番(永田正幸君)  皆さん、おはようございます。新風おおのの永田正幸でございます。 平成23年度も、あとわずかとなり、3月ともなりますと、雪解けとともにようやく春の息吹を感ずるころとなってまいりました。 大野市におきましては、本年度末、16人の多くの職員の方が退職される予定と聞き及んでおります。退職されます皆さまにおかれましては、永年にわたり、大野市政発展と福祉向上のため、ご尽力を賜りました。心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。 また、県より派遣のお二方につきましても、このたび異動されるそうでございますが、行政各般にわたり、積極的に行政施策に務められてまいりました。衷心より厚くお礼を申し上げます。 退職・異動の後も、健康にはご留意いただきまして、これまでの経験により、今後とも大野市政発展のため、いろいろとご支援・ご協力を賜りますようお願いを申し上げます。 それでは、代表質問通告書に従いまして、新風おおのを代表して質問をさせていただきます。 まず東日本大震災における複合型災害等の対応についてであります。 わが国は、緑豊かで美しい自然に恵まれている一方で、歴史的にも災害大国として久しく、地震、台風、洪水等による大規模な自然災害と大変厳しい自然環境の中で、育まれてきた国であるともいわれております。 昨年3月11日に発生した東日本大震災から1年を迎え、昨日は天皇陛下、皇后陛下ご出席のもと、政府主催の追悼式が厳粛なうちに営まれました。 現在は死者、行方不明者を合わせて1万9,000人を超え、34万人余りの方が全国各地に避難され、仮設住宅などで今も不自由な生活を送っておられます。 あらためまして、被災された方々にご冥福とお見舞いを申し上げます。 さて、地震による建物倒壊や火災といった直接的な被害と、その後の津波、そして原子力発電所の事故による災害と合わせた複合型の災害は、福島県のみならず、極めて広範で甚大なものがあり、これまで人類史上類例のない事態に陥ることとなりました。 そして先月末、民間の福島原発事故独立検証委員会の調査に対して、震災当時、政府の官房長官であった枝野経済産業大臣は、このころを振り返り、「核燃料が露出し続けると福島第2原発など他の原発にも影響が広がって、悪魔の連鎖が起こる恐れがあると思った」と、当時の心境が明かされました。 解明されていない未知の部分が多く、復興までは長期化し、予断を許さないとのことであります。今後もさまざまな障害が次々に発生して、全く予測し難い深刻な状況が続くと思われます。 現在は、全国の原子力発電所の運転が停止又は休止した状態にありますが、14基の原子力発電所が設置されている福井県は、立地県として福井県知事や関係市長、町長の施政と動向が、全国から注目を集めているところとなっております。 また一方、国の防災指針の見直しで、原子力安全委員会は、半径50㌔㍍圏内の「放射性ヨウ素防護区域」を新設する方針と伝えられております。 そこで、質問の第1点目ですが、全国最多の原子力発電所の立地県であります福井県を構成する大野市、岡田市長の原子力行政についてのお考えをお伺い致します。 次に、大野市の市域には、数多くの水力発電所用ダム湖や灌漑(かんがい)用等としての多目的ダム湖等が九頭竜川、真名川の流域に点在しておりますが、先の東日本大震災では、小規模ながら農業用ダムの決壊が見られました。 これまで、市域のダム湖の決壊につきましては、管理・管轄上、河川法等の関係法令により、直接或いは間接的にさまざまな影響を及ぼし、国・県の河川整備の基本計画や事業計画等に基づくものとして、ダム湖の決壊はほとんど想定されていない状況であったと存じます。 質問の第2点目として、大野市民の多くの方は、地震等によるこれらダム湖の決壊について、少なからず不安感があると存じます。ダム湖の決壊を想定したシミュレーション調査を実施してはと思いますが、市長のご見解を伺います。 次に、質問の3点目、平成24年度大野市地域防災計画について、国や県の動向を注視して見直しのための基礎調査をするとありますが、調査や見直しのための予算措置はなされているのかお伺いします。 また、4点目として、和泉地区は過去において、豪雪、豪雨、台風などの災害により度々被害を受け、孤立状態となったことがございますが、いずれは中部縦貫自動車道の開通により、孤立解消は見込まれるものの、現地との距離と範囲は変わらず、市内の他の8地区に比較して、災害時の実態把握、避難勧告等の避難情報の遅れや分断が懸念されます。現地対策本部への指示、命令系統、そしてその対策をお伺いします。 次に、公共施設の在り方についてでありますが、平成24年度大野市における当初予算案につきましては、平成23年度に続き大型予算ではありますが、第五次大野市総合計画前期基本計画実現のために、20に及ぶ新規事業を起こし、岡田市長持ち前の行動力で東奔西走され、苦心されたことが伺え、高く評価するものであります。 しかし、依然としてわが国を取り巻く経済の状況は、信用不安、デフレ脱却には、ほど遠い状況が続いており、併せて政治不信、行政改革と議会改革、税制改革と社会保障改革においても、厳しい状況が続いております。 そこで、5点目ですが、公共施設再編方針策定事業についてであります。 データベース化して、客観的に今後の在り方を見極め、存続の是非や再編を考えるとあり、行政改革に即した事業に着手され、大いに期待するものでありますが、将来は施設のみならず、企業立地のための用地につきましても、土地の有効活用や用途の見直しなど整理されることが期待されますが、その所見についてお伺い致します。 次に、つい先月に示されました「越前おおのまるごと道の駅ビジョン」についてでありますが、中部縦貫自動車道の開通を見据えた大野市の総合計画の構想実現に向けたビジョンとして掲げられ、大いに期待するところでありますが、広域的な視点で捉えていることから、大野インターチェンジ、大野東インターチェンジ間に核となるパーキングを設け、和泉インターチェンジを含め回遊するイメージとなっております。 平成24年度において、新規に計画される「化石保存保全計画」や「ふるさといずみ回帰支援事業」との事業間の連携はもとより、中部縦貫自動車道が中京圏と連結したときは、利用客や誘客の自動車等の動線によっては、現在の道の駅九頭竜直売所の存続に影響することも予想され、和泉インターチェンジは、単なる通過地点になりかねない状況も危惧されます。 なお和泉地区は、平成17年の合併時には272世帯、729人の人口でありましたが、現在、233世帯、564人となっております。 そこで、6点目の質問として「越前おおのまるごと道の駅ビジョン」については、合併時の新しいまちづくり計画と第五次大野市総合計画の事業内容などから、和泉地域審議会及び総合施策会議等と事前の意見調整を図りながら実施していく必要があると思いますが、市長の所見をお伺い致します。 以上で、私の代表質問とさせていただきます。 ○議長(川端義秀君)  永田君の質問に対する理事者の答弁を求めます。 市長、岡田君。 (市長 岡田高大君 登壇) ◎市長(岡田高大君)  永田議員の代表質問にお答えさせていただきます。 まず「東日本大震災における複合型災害などの対応」について申し上げます。 原子力行政についての考え方と致しましては、これまで国策として立地市町村をはじめ、県、周辺市町村のご理解とご協力のもと、推進してきたものであります。国においては、福島第1原子力発電所の事故の原因を十分に検証した上で、安全対策の在り方を再検討し、早期に安全基準を示すとともに、国際的に信頼される原子力政策を推進することが重要であると考えております。 なお本市においても今月末までに、有終公園内にモニタリングポストが設置され、市民課ホールには数値を表示するモニターが設置される予定であります。 次に、市内のダムについては、それぞれの管理者において耐力度などの調査を行っていると聞き及んでおりますが、本市と致しましては、国土交通省や大学の防災研究所など関係機関のご協力を得て、安全性の確認を行いたいと考えております。 次に「地域防災計画の見直し」について申し上げますと、新年度で地域防災計画改訂準備調査事業に取り組むこととしており、地域防災計画を見直すために必要な事項について、有識者などからの指導、助言をいただき、取りまとめる方針であります。 次に「和泉地区で災害が発生した場合の体制」についてお答え致します。 昨年8月に実施致しました大野市総合防災訓練では、土砂災害により和泉地区が一時的に孤立したとの想定で、和泉地区を主体に行ったところであります。この際には、和泉地区に居住する職員が現地災害対策本部に参集し、初動体制に当たる一方、私を本部長と致します災害対策本部では、迅速な情報連絡及び応急対策に伴う指示系統の確認を行いました。 また、防災情報の発信につきましては、IP告知放送システムと連携した全国瞬時警報システム「Jアラート」が、昨年4月から和泉地区民へ提供可能となりましたので、この訓練では実際に緊急地震速報の放送訓練も実施したところであります。 本市では、これまで豪雨や台風などによる河川の増水や、道路の冠水により通行障害が発生するなどの一時的な孤立状態に陥った過去の教訓を生かした対策として、防災行政無線設備や衛星携帯電話の整備を行い、相互通信手段の確保に努めてきたところであります。 今後も災害発生時に孤立状態となる恐れのある地域の情報を、いかに迅速及び正確に把握し、伝達するかが重要でありますので、相互通信手段の確保や関係機関との連携強化を図るなど、引き続き防災体制の強化に努めてまいります。 続きまして「公共施設の在り方」についてでありますが、先ほどの島口議員の代表質問でもお答え致しましたとおり、新年度では全ての公共施設について、利用者数や使用料、管理経費、耐用年数などをデータベース化し、費用対効果はもちろん、公共施設が果たす地域の経済効果や行政施策としての有効性などの検証を行う「公共施設再編方針策定事業」を実施したいと考えております。 これは市の全ての公共施設を調査シートにまとめ上げ、施設の有効性、効率性について、所管部局を超えて検証することにより、施設の存続も含め、類似する施設の統廃合について方向性を見いだすことを狙いと致しております。 また、本事業の検証対象には、いわゆる箱物だけではなく、市が保有する遊休地や借地なども含めることと致しております。 なお方向性を示す段階では、有識者等のご意見を拝聴する中で、中長期的な展望も要素として組み入れ、慎重に判断致したいと考えている次第であります。 次に「越前おおのまるごと道の駅ビジョン」についてお答え致します。 越前おおのまるごと道の駅ビジョンは、中部縦貫自動車道の全線供用開始を見据え、本市の観光スポットや歴史、食、文化などの魅力ある資源が点在する市内全域を「まるごと道の駅」として捉え、これらの魅力ある資源を市民力と地域力で磨き上げ、中部縦貫自動車道の利用者が市内を回遊したくなるイメージを描くものであります。 さらに本市のさまざまな魅力や情報の発信地点として活用するため、大野インターチェンジから大野東インターチェンジ間にパーキングエリアを誘致するためのものでございます。 本ビジョンの実現のため、越前おおの総ブランド化を目指し地域資源を磨き上げることとしており、これまで磨き上げてきた「人」「観光資源」「特産作物」「特産品」はもとより、地域に埋もれているさまざまな素材を掘り起こし、個別ブランドとして「市民力」と「地域力」でさらに磨き上げ、これらを有機的に連携させることにより、大野市全体のイメージを構築し、総ブランド化を図ることとしております。 本ビジョンでは、和泉地区につきましても、中部縦貫自動車道の利用者がパーキングエリアに立ち寄り、市内を回遊していただく魅力溢れるスポットの一つとして位置付けをしております。 和泉地区は、手取層群の地層から発掘される多種多用な化石や、九頭竜川の源流とダム湖に代表される豊かな自然、自然の厳しさを生活に生かそうとする人々の豊かな知恵や文化、そして穴馬スイートコーンや穴馬カブラ、昇竜マイタケなどの特産の農林産物など、さまざまな地域資源に恵まれていると認識しております。 中部縦貫自動車道の開通に伴い、和泉インターチェンジが「単なる通過点になりかねないのではないか」とのご指摘でございますが、開通を見据え、和泉地区の恵まれた地域資源にさらに磨きをかけることで、多くの中部縦貫自動車道利用者を和泉地区に引き込むことができるものと考えております。 このため、平成24年度には新たに「化石保存保全調査研究事業」や「ふるさといずみ回帰支援事業」を実施し、和泉地区の素材を磨き上げることとしており、事業の実施に当たりましては、和泉地区に根ざしたものとなるよう、和泉地域審議会でもご意見をお聞きしながら進めてまいります。 また、地域資源に磨きをかけ、本ビジョンを実現するためには「市民力」「地域力」の発揮が不可欠であり、和泉地区の住民の皆さまにも「越前おおの地域づくり交付金事業」や「越前おおの元気創造事業」などを積極的にご利用いただきたいと考えております。 なおビジョンの推進に当たりましては「越前おおの観光戦略プラン」や「越前おおの型食・農業・農村ビジョン」をはじめとするさまざまな関連計画の確実な推進が不可欠となることから、総合施策会議において「越前おおの元気プラン」に掲げます成果指標の進行管理に努めるとともに、変化の激しい今日の諸情勢に的確に対応するため、必要に応じた施策の変更や新たな施策の実施についても検討してまいります。 ○議長(川端義秀君)  以上で、永田正幸君の質問を終結致します。 これにて代表質問を終結致します。 会議の途中でありますが、暫時休憩致します。 (午前11時23分 休憩) (午後1時00分 再開) ○議長(川端義秀君)  休憩前に引き続き、会議を開きます。 これより日程第2「一般質問」を行います。 最初に、砂子三郎君の質問を許します。 砂子君。 (17番 砂子三郎君 登壇) ◆17番(砂子三郎君)  質問に入ります前に、午前中に私どもの会派の島口会長が、3月31日でおやめになられます16人の職員の皆さんに感謝のお気持ちを伝えになられましたが、私個人と致しましても、33年という長きにわたりお付き合いいただきまして、感慨深いものがございます。どうか退職される皆さん方におかれましては、今後もご健勝にてのご活躍をご祈念申し上げます。 それでは、一般質問に入らせていただきます。 まず教育行政について質問させていただきます。 ご案内のとおり文科省、中教審によりまして学習指導要領が改訂されまして、今年4月より、中学1・2年生に、男女を問わず武道が必修ということになりました。 まず最初にお聞き申し上げたいのは、今なぜ中教審、また文科省において武道を必修としたのかをお聞き致します。 2番目と致しまして、大野には四つの中学校がございますが、武道と申しましても、いわゆる柔道、剣道、相撲が主でございますが、この三つがございますが、大野市の中学校は何を選択されるのかをお伺い致します。 3番目にスポーツ化はされましたけれど、やはり武道は武道でございます。危険が伴います。そのようなときに、部活動が主でございますが、全国ではかなり、特に柔道におきましては事故報告がされております。それに対する父兄の不安も多いと思いますが、父兄の不安解消のためにも、現場の安全に十分配慮した指導方法の確立が急務でございますが、学校現場の対応についてお伺い致します。 続きまして、児童減少化における当市の教育環境についてお伺い致します。 皆さんご承知のとおり、旧六呂師小学校が阪谷小学校に、また旧森目小学校が富田小学校に、そして本年度は4月より、蕨生小学校が富田小学校に統廃合されるわけでございますが、これまでのこの3校のPTAの皆さん方、また地域の皆さん方のご理解に対しまして敬意と感謝を申し上げるものでございますが、そういう中で、非常に減少化も激しくなりまして、村部の学校だけでいいのかなという思いを私は致しております。 町部の小学校におきましても、やはり学区制等を考えていかなければならないんじゃないかなという思いを致しております。そういう観点から、質問をさせていただきます。 まず第1点には、開成中、陽明中になった経緯をお伺い致します。 2点目と致しまして、有終西小学校の普通教室の数をお伺い致します。 3点目と致しまして、教育委員会では、平成16年に大野市小中学校再編計画を策定されたようでございますが、この策定計画を見直すつもりがないか、この3点をお伺いさせていただきます。 続きまして、和泉地区についてお伺い致します。 この合併につきましては、議員各位におかれましても、最前列にお座りの6人の方は、経緯もご存じないだろうと思っておりますから、経緯を少し述べながら質問させていただきたいと思っております。 ご案内のとおり、平成11年に地方分権一括法が制定されまして、日本中、合併の機運が盛り上がってきたわけでございます。さらには合併特例法が制定されまして、財政支援が強化されましたので、合併の機運が急速に盛り上がってまいりました。 そういう中で福井県も合併ということで、県独自のいろいろな合併の再編計画も出たわけでございますが、そういう中で奥越は一つということで、大野市、勝山市、和泉村、2市1村の合併ということが話題になってまいりました。しかしながら、この2市1村の合併につきましては、首長の思い、また議員の思い、さらにはその当時ですら、国・県の出先機関が大野に集中しているというような関係、諸般の事情から、勝山市が早く離脱致しまして、この2市1村の合併は、公式の場に乗ることがございませんでした。 そういうような契機の中で、平成16年に総務省が発表致しました地方自治体の主な財政力の指標がございます。それによりますと、平成16年の旧和泉村は、経常収支比率が117.6、財政力指数が0.22。これは全国でワースト5でございました。かの有名になりました夕張市が8位でございました。このように非常に旧和泉村と致しましては、予算は組めたが決算は組めないような、大変危機的な状況でございました。そういうような中で、国・県の動向と致しましては、そういう自治体があれば、国は県に面倒をみよと。県は隣接している自治体に面倒をみよというのが動向でございました。そういうような経緯の中で、和泉村と大野市の合併の話が出てきたわけでございます。 そしてご案内のとおり平成17年に、本来は吸収編入合併でございますが、小さくても一つの自治体ということで、そういうことを配慮致しまして、大野市と致しましては、編入合併であるが、精神は対等合併でというようなことで合併が成り立ったわけでございます。それゆえに編入合併なら必要のない在任特例を使いまして、当時の村議3人を大野市議会にも迎え入れましたし、さらには設置する必要のない地域審議会並びに和泉支所を残したわけでございます。そしてまたさらに申し上げますれば、和泉地区の住民の不安をなくすために、当時の村長を副市長として登用したわけでございます。 このようにいろいろ配慮してまいりましたが、そして合併後6年が経過致しましたが、いまだに一部の地区民でございますが、不協和音が漏れますのは、合併の最初から携わらせていただきました1人と致しまして、大変残念で、遺憾でございます。 そういうような念を持ちながら質問をさせていただきます。 まず第1点目と致しまして、和泉支所の現況はどうか。また、合併前に整理できなかった公共施設を合併後に整理したのは幾つあるか。そしてそれに掛かった経費は幾らなのかをお尋ね申し上げます。 続きまして、借地料の現状についてお伺い致します。 借地料につきましては、聞き及びますのには、所有者によって借地料も違うというようなことをお聞き致しておりますが、どういう現状になっているのかお聞き致します。 次に、合併後の和泉地区の事業費、投資額は、ざっくりで結構ですから、大体幾らぐらいになるかをお伺い致します。 また、ごく一部でありますが、いまだに不協和音がある、その理由はどうお考えなのかをお伺いを申し上げます。 さらには、大野市過疎地域自立促進計画というものも、21年だっただろうと思いますが議決を致しております。これはご承知のとおり、和泉地区のみの計画でございます。この周知方法はどうなっているのかをお伺いを申し上げます。 また、地域審議会、和泉支所などもあと4年間でございます。あと4年になりますれば、地域審議会も和泉支所も当然なくなるはずでございます。三段跳びで例えますれば、助走に始まり、ホップ、ステップ、ジャンプと、本年は助走の時期でございますが、4年後にいかに和泉地区の自立促進の方策があるのかをお伺いを申し上げます。 以上、一般質問とさせていただきますが、この質問につきましては、教育問題につきましては教育委員会が、また和泉地区につきましては市長部局が、市民に理解を得なければ、大事な問題だと考えておりますから、私に答弁するのではなく市民に分かるように、分かりやすく、簡潔明瞭な答弁を要求致しまして、私の一般質問と致します。 ○議長(川端義秀君)  砂子君の質問に対する理事者の答弁を求めます。 市長、岡田君。 (市長 岡田高大君 登壇) ◎市長(岡田高大君)  砂子議員の一般質問にお答え致します。 私からは「和泉地区」についてお答えを致します。 平成17年11月の和泉村との合併後のまちづくりにつきましては、これまで、新市の建設計画であります「大野市・和泉村新しいまちづくり計画」や、第四次及び第五次大野市総合計画に基づき、新市における一体的かつ公平性のある行政サービスの提供に努めてまいったところであります。 それでは、最初に「合併後の和泉地区の事業費、投資額」について、決算ベースでお答え致します。 まず建設事業費について申し上げますと、平成18年度から22年度までの5年間で約11億円を投資致してきたところであります。 主な事業を申し上げますと、国民宿舎パークホテル九頭竜の耐震補強工事、防災行政無線の整備、和泉簡易水道の整備、地上デジタル放送の受信を可能にする地域情報基盤の整備、高規格救急車の和泉分遣所への配備、旧清掃センターやマイタケ工場の解体などがございます。 また、地区内には九頭竜保養の里、道の駅九頭竜、国民休養地などの観光施設をはじめ、和泉総合福祉センターや和泉診療所など数多くの施設がございますが、これらの施設の5年間の管理運営経費は、約10億6,000万円となっております。そのほかにも和泉支所などで和泉地区内の行政事務に携わる職員の給与費が約13億2,000万円、施設の建設などに充当致しました市債の償還金が16億7,000万円となっております。 これらの建設事業や施設の管理運営経費などを合計致しますと、概算ではございますが、約52億円となり、地区内の皆さま、お一人当たりに換算致しますと約950万円となります。なお農業集落排水と下水道の特別会計、水道事業会計を除きました一般会計などの総額を大野市民一人当たりに換算致しますと約360万円となります。 今後も地区内の皆さまの安全・安心を守り、市民福祉の向上を念頭に置きながら、市内唯一の良質な天然温泉であります九頭竜温泉平成の湯の再整備など、必要な社会基盤整備への取り組みを進めてまいりたいと存じます。 しかしながらその一方で、地区内施設の老朽化などに伴いまして、維持管理経費が増加することも予想されますので、各施設の統廃合も視野に入れながら、大野市全体を見通した中で、施設の在り方についても検討してまいりたいと考えております。 次に「いまだに不協和音がある理由」について申し上げます。 大野市では、合併時に策定致しました「新しいまちづくり計画」を基に、限られた財源の中で優先順位を決めて、地区の活性化に向けた事業を実施しており、和泉地域審議会や区長会などで定期的に進捗(しんちょく)状況などの報告を行うとともに、公平な行政サービスの実施に努めております。 しかしながら、合併後6年が経過し、人口減少と過疎化に歯止めが掛からないことに対して、憂いを持つ人の声や、旧大野市との受益者負担の公平性の点から簡易水道料金やテレビ使用料等で負担増となったとの声もありますが、市としては不協和音として捉えてはおりません。 しかし、合併後に転入された方々の中には、合併当時の状況を把握していないまま発言されることもままございます。 今後とも地域住民に対する事業内容や住民サービスについてのお知らせや広報などを行うとともに、理解が得られるよう説明に努めてまいりたいと考えております。 次に「大野市過疎地域自立促進計画の周知」についてお答え致します。 本計画は、平成22年度から平成27年度までの6年間を期間として新たに策定したもので、大野市において和泉地域のみが対象区域となる計画であり、地域の自立促進の基本方針などを定め、産業の振興、交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進など九つの項目ごとに振興策などを定めております。 本計画の策定に当たり和泉地域審議会でお諮りするとともに、区長会でも意見交換を行い、理解を得るとともに、集落での周知をお願いしたところでございます。 また、策定されました計画内容については、和泉ケーブルテレビを利用致しまして概要をお知らせもしているところであります。 これまでも補助率の高い事業や交付金事業を優先して利用するとともに、和泉地域で事業を実施する場合、合併特例債よりも有利な過疎対策債を活用してきたところですが、広報が不足していた部分もあると考えられますので、今後とも周知に努めてまいりたいと考えております。 次に「地域審議会と和泉支所」についてお答え致します。 和泉地域審議会につきましては、平成17年に大野市と当時の和泉村の間で締結致しました「大野市及び大野郡和泉村の廃置分合に伴う地域審議会の設置に関する協議書」に「設置期間は、合併の日から平成27年3月31日まで」と規定されており、それ以降の継続につきましては、現在のところ考えておりません。 また、支所につきましては、今後、和泉地域のその他の公共施設の在り方と合わせて一体的に検討したいと考えておりますが、一つの考え方として、昭和59年度まで阪谷地区で実施しておりました、公民館での住民票交付事務の実施といった方法も考えられるのではないかと思っております。 最後に「4年後の和泉地域の自立促進の方策」についてお答え致します。 ご承知のように、和泉地域は福井県の東の玄関口であるという地理的優位性に加え、自然環境や生活環境の豊かさ、地域住民に育まれた知恵や文化の豊かさを持ち合わせており、これらの特性を生かした地域振興を図るべきであると考えております。 このため、中部縦貫自動車道の全線開通を見据え、和泉地域における交流人口の拡大、地域特産物の生産や販路拡大などに向けたさまざまな施策の展開が必要であり、その財源の一部に過疎対策債を活用するため、必要に応じて過疎地域自立促進計画の変更も考えてまいります。 しかしながら、地域の自立、振興には、まず何より、地域住民の皆さまの「市民力」「地域力」の向上が重要であり、このため、越前おおの地域づくり交付金事業などを大いに活用していただきたいと考えております。 そのほかにつきましては、担当よりお答えさせていただきます。 ○議長(川端義秀君)  和泉支所長、石田君。 (和泉支所長 石田光義君 登壇) ◎和泉支所長(石田光義君)  私からは、ご質問の2件目の「和泉地区」についてのうち、「和泉支所の現況」と「借地料の現状」についてお答え致します。 まず和泉支所の現況についてお答えします。 和泉支所におきましては、市街地から遠隔にあることで行政サービスの低下を招かないよう、また多様化する住民ニーズに即応できるよう、私を含め9人の職員を配置し、1課2係体制で住民サービスに努めております。 平成23年度における業務内容は、各課からの配当替事業21事業を含めて29事業を実施しており、事業費は当初予算ベースで7,843万8,000円となっております。 主な業務でございますが、住民係では窓口業務、庁舎管理、和泉情報通信施設管理、し尿収集運搬委託等の業務を行い、振興係では特産物生産・販売促進補助、体験農園管理、除雪作業委託、九頭竜まつり事業委託、面谷鉱山跡地保存等の業務を行っております。 また、和泉管内の公共施設の配置状況は、観光関連で5施設、産業関連で7施設、文教関連で14施設など、全部で41施設があり、うち12施設で指定管理者制度を導入しております。 これらの施設につきましては、観光施設などのように今後も利用が見込まれる施設、学校や保育園などのように少子化に伴い対象者数の減少が見られる施設、下山農村公園などのようにほとんど利用が見込めない施設など、その形態は多岐にわたっております。これら地区内の公共施設につきましては、今後も地元への譲渡、取り壊し、廃止も念頭に置きながら、ワーキンググループによる施設の必要性や効率的な利活用を検討してまいります。 なお合併以前から放置され、課題となっておりました旧朝日小学校及び児童会室、旧診療所、旧大納保育所、旧清掃センター、旧マイタケ工場、水防倉庫などにつきましては、順次解体工事を行ってきたところであります。なお、これら解体工事に要した経費は、1億7,187万7,000円、借地返還に係る土地の境界を画定する調査業務委託経費で554万5,000円となっております。 次に、借地料の現状ですが、現在、27施設分の用地として、46万8,767.09平方㍍の借地があり、借地料は1,851万2,610円となっております。 借地部分に建物が残っていたものについては解体撤去を実施し、地権者と土地の境界画定を行い、順次契約の解除を行っており、今年度中には、借地面積は約1万平方㍍、借地料は約75万円の減となる予定です。ただ、旧和泉村役場が中間に入り三者契約を締結している土地や、物件の移転補償名目で転貸契約を行っている土地も存在することから、一部の未利用地の返還作業には今しばらく時間を要するものと思われます。 また、借地契約を締結して建設した施設の中には、土地に関する地元地権者間のトラブルが生じ、一部休止せざるを得ない状態となっている施設もありますので、地権者の話し合いによる早期解決を図っていただくよう、関係者に要請しているところであります。 なお借地料単価につきましては、施設により異なる積算方法を用いている現状もございますので、公共施設再編方針の策定に併せて見直してまいりたいと考えております。 ○議長(川端義秀君)  教育長、松田君。 (教育長 松田公二君 登壇) ◎教育長(松田公二君)  私からは、1件目の「教育行政」についてお答え致します。 初めに「武道必修」についてお答え致します。 まず中学校保健体育科において、武道が必修とされた経緯についてでありますが、昭和37年施行の中学校学習指導要領では「相撲」「柔道」「剣道」の3種目のうち、いずれか1種目を選択し、男子生徒のみを対象に武道を指導することになりました。さらに平成5年の改訂では、女子生徒も武道を履修することができるようになりました。そして平成18年改正の教育基本法において、日本古来の伝統と文化を尊重することが強調されたことを受けて、今回の改訂において初めて武道が中学1・2年生の男女共に必修となりました。 次に「大野市内の中学校における武道の指導状況」についてご説明申し上げます。 「柔道」「剣道」「相撲」の3種目のうち、どの種目を選択するかは各中学校において決定されます。近年では、市内の全ての中学校において「柔道」を選択しており、平成24年度も継続して「柔道」を選択するとの報告を受けております。 授業時間数につきましては、今年度の実績としまして、各校15時間以上、最大28時間の授業を行っております。 次に「学校現場の準備状況」についてご説明申し上げます。 まず施設面では、平成21年度において、柔道の授業を行うための、畳及び畳の滑り止め用マットを整備致しました。 また、指導者の面では、現在市内の中学校で柔道を指導する保健体育科教員7人全員が、県教育委員会や日本武道館が主催する柔道指導に関する研修会に参加経験があり、7人のうち5人が、初段の資格を有しております。 教育委員会と致しましては、教員に継続的に研修会などへの参加を促し、さらに指導力を向上させるとともに、議員ご提案の柔道の専門家を外部指導者として活用できる仕組みづくりについても検討してまいりたいと考えております。 また、授業面では、準備運動で肩や首などのストレッチ運動を始め「首ブリッジ」といった柔道特有の運動を取り入れたり、受身の指導を特に重視して、投げ技の練習に対応できるよう指導したりして安全に配慮しております。 さらに平成19年に文部科学省が発行致しました「柔道指導の手引き」や、この3月末に配布される予定の福井県版「中学校体育柔道指導の手引き」などを活用して、勝敗を競わせることに終始するのではなく、礼法や基本動作の指導を重視しつつ、生徒の技能に合わせた無理のないカリキュラムを設定し、全ての生徒が武道という日本古来の伝統文化に触れることを目的として指導してまいります。 次に「児童減少化における教育環境」についてお答え致します。 初めに「開成中学校、陽明中学校の設立の経緯」についてお答え致します。 両校の設立に至りました昭和46年以前は、社会経済の状況も大きく変動を遂げた高度成長の時代であり、人口は都市部に集中する傾向にありました。 本市においても、市街地に人口の集中が見られ、当時の有終中学校、下庄中学校、乾側中学校、小山中学校の4校の生徒数の格差が大きくなったことに併せ、4校ともに校舎が古くなっていたことから、教育委員会と致しましては、この4中学校を廃止して新たに2校を設置し、再編することと致しました。 そして昭和45年10月に設置致しました大野市通学区域審議会へ、この2校の適正な通学区域について、どのようにすべきかを諮問致しております。 通学区域審議会は、この諮問に対し二つの意見としまして、一つに「通学区域の本来の使命は、子どもたちに等しく教育を受ける権利を有するにも関わらず、現行の通学区域は市町村制以来の区域が重視されていること」、二つに「等しく教育を受ける権利を持つ子どもたちの教育に、生徒数の増減による格差は、その教育内容に平等性を欠くことに至っていること」を挙げております。そして通学区域については「教育目的に反することなく、明治初期の市町村制施行以来実施された町村単位ごとに通学区域が定められている長い伝統から脱却して、生徒数が均等するよう地理的境界による通学校区を設定すること」との答申がなされました。 その答申を受けて、教育委員会は、距離や交通の面、生徒数など生徒の教育上の諸条件の均等化を考慮の上、現在の六間通りを境とする通学区域を設定したものであります。 次に、有終西小学校の教室数についてでありますが、保有教室のうち普通教室は12教室ありまして、全学年で普通学級が8教室、特別支援学級が2教室を使用しており余裕教室は2教室あります。 その二つの余裕教室は、学級の児童数の多い2年生と4年生が、図画工作や生活科、総合的な学習の時間などの学習の場として活用されております。 次に「大野市小中学校再編計画の見直し」についてお答え致します。 この小中学校再編計画は、学校本来の機能である、適正な集団規模の中で教育を行う環境を整え、将来を担う子どもたちの教育の向上を図るため、児童数の少ない村部の小学校の再編を中心として策定致しました。 この再編計画に基づきまして、平成18年4月に六呂師小学校と阪谷小学校を、平成22年4月に森目小学校と富田小学校を、そして本年4月には蕨生小学校と富田小学校の統合と、地域の皆さまのご理解をいただきながら再編を進めてきたところであります。 しかし、少子化の流れに歯止めは掛からず、今後も児童数が大きく減少するとの推計結果が出ており、今後も学校再編は避けて通れない大きな命題であるとの認識を新たに致しているところであります。 次に「小中学校再編計画のこれまでの取り組みの成果と課題」について申し上げます。 学校再編の成果と致しましては、統合により新たな学校へ通う児童からは「単式学級になって勉強がしやすくなった」「友達が多くできて楽しい」との声が聞かれるとともに、保護者からは、再編についての問題点や不満点などのご意見は聞いておりません。また、学校からは、PTA活動などにおいても保護者同士がわだかまりなく解け合って活動していると聞いており、再編の良さが表れてきていると感じております。 課題と致しましては、再編に当たって地区の合意形成をいただくのに多くの年月を要すること、そして学校は教育施設であるとともに、地域のよりどころでもあることなどから、閉校となった学校施設の利活用について、新たな活用策を見いだしていかなければならないことなどが挙げられます。 新年度は、平成16年の計画策定時から既に8年が経過しようとしており、社会環境も大きく変わっていることなどから、提案理由で申し上げましたように、区長会やPTAなどに出向いて、児童・生徒数の推移や教育環境の現状、さらには、これから激変する社会において子どもたちに必要となる能力や教育について、膝を交えて話し合い、方向性を共有していきたいと考えております。 議員各位におかれましても、ぜひご理解とご協力をお願い申し上げます。
    ○議長(川端義秀君)  砂子君。 ◆17番(砂子三郎君)  まず教育行政について再質問させていただきますが、実は私は、だいぶん以前から、独自の思いを持っております。それは先ほど質問もさせていただきましたが、村部はもちろんでございますが、町部の小学校の学区を考えなければならないんじゃないか。そのときに、例えば児童数の激減しております有終西小学校と一番多い南小学校、この2校を考えて学区制を引きなおすというのはなかなか難しいのではないかと。そういう中で、先ほど出ましたけれども、以前の町村の思いとか、そういうことが教育長からございましたが、下庄小学校を思い切って有終北小学校にして、そして有終東、有終西、有終南、有終北ということで、学区制を考えたらどうかなという思いをしております。そうすれば周辺の乾側小学校などにつきましても、その中で考えられてくるんじゃないかなと。 この考えについての教育長のお考えを一つお聞きしたいのと、今一つは、この再編計画によりますと、この16年に作成した当時でも、いわゆる中学校の問題を挙げております。今、中学校は4校ございますが、年度を追うごとに入学者が減少しており、学級数が1学級になって、全校で3学級の学校になってしまう。さらに児童数が減少して100人を切る学校が出てくるようになる。その弊害として、いわゆる専門性が高い美術、音楽などの先生を充てられないという問題を指摘しております。 もう恐らく中学校四つの中で100人を切っている学校も出てきているのではないかなと思っておりますが、小学校はもちろんでございますが、中学校も再編ということをそろそろ教育委員会で考えていくべきではないかなという思いを致しております。これについてお伺い致します。 教育委員会の使命と致しまして、ソフトと申しますか教育の内容とかいうのも一つの大きな柱だろうと思いますが、教育環境をどうするか、大野市の教育環境をどうするかというのも大きな柱じゃないかなと思っております。そういう意味合いで、大変失礼な言い方になるかも分かりませんが、定例の教育委員会をちょっと考えさせていただきますと、なかなかその教育環境についてお話し合いが少ないんじゃないなかという気が致しております。そういう点も含めまして、ご答弁お願いできたら幸いでございます。 ○議長(川端義秀君)  教育長、松田君。 ◎教育長(松田公二君)  今、議員が申されましたように、有終西小学校の児童数の激減といいますか、このことは同じように心配をしているところでございます。ただ、校区の見直し等々についてのそういう個別の案件につきましては、今後とも、これまで小中学校再編計画を立てさせていただいたときに、あまりにも一方的で、唐突な計画であったということを反省して、そういう個別のことも含めて、市民の皆さま方或いは関係団体の皆さん方と十分議論をし、そして、そういった思いが煮詰まった時点で、いろいろなことをまた考えさせていただきたい。こんなふうな思いでおりますので、ご理解をいただきたいなと思います。中学校のことにつきましては、平成20年度に再考するというようなことで再編計画に掲げてございましたが、現在の実情を申し上げますと、和泉中学校は、28、29年の2年間は全生徒数が7人。それから、上庄中学校、尚徳中学校になりますと、今おっしゃられましたように、80人台。そういうふうなことで、部活動の編成、そして議員が言われましたいわゆる免許を持った教員での授業指導ということができ得ない状態が生まれてくる、こういうようなことでございますので、先ほど申し上げましたように、中学校の再編につきましても、市民の皆さま方にいろんな形で実情を把握していただいて、みんなで考えて、方向性を決めていきたい。こんなふうに思っております。 最後の教育委員会につきましては、私たち、いろんな意味で教育委員会にお支えいただいての教育委員会の事務事業をさせていただいておりますが、こういった学校再編につきましては、学校教育審議会を立ち上げ、それから通学区域の変更につきましては、通学区域審議会を立ち上げて、個別の案件はそれぞれでご検討いただいて、諮問をさせていただき答申をいただくような形で進めさせていただいていますので、その辺はご理解をいただけるとありがたいかな、こんなふうに思います。 ○議長(川端義秀君)  砂子君。 ◆17番(砂子三郎君)  今、答弁いただきましたが、先ほどの答弁のときのお答えのように生徒数の格差とか、諸条件の均等化ということを教育委員会としては重要視しているということでございます。そういうようなことから考えますと、学校再編、また学区制の再編というのは、これは放っておけない、緊急にやらなければならない状況じゃないかなという思いを致しております。 そういう中で、もう少し積極的に答弁をいただきたいんですが、一つ例を挙げますと、私は旧町部に住んでおりますが、いつか私は分かりませんけれども、昔、旧町部では、いわゆる清瀧神社と山王神社があったわけですね。それの区割りをするのに、何と三番通りの道のセンターで区割りしたんですよ。だから、私の住んでいる町内、三番の町内は、同じ町内で東側と西側ではお祭りが違うんですよ。神さんでもそうやって切れたんですよ。 今議会初めて、大野市の長い議会歴史の中で教育長の所信表明をいただいたわけです。これは教育委員会は独立していますよということなんです。だから、教育委員会は、やはりもっと真剣に、逃げずに、生徒のことだけを考えて、学区再編、特に中学校も含めまして、やっていただきたいなという思いを致しております。 その決意だけをお聞かせください。 ○議長(川端義秀君)  教育長、松田君。 ◎教育長(松田公二君)  今言われましたことについては、本当に肝に銘じながら、スピード感をもって対応していきたい。 しかし、先ほども申し上げました。16年の再編計画の一方的、唐突な提案で、非常に市民の皆さんにいろいろなご不満等々を生み出したのも事実でございます。ですので、私は、やっぱり市民の皆さんのご理解をある程度得た、そういった時期に、そういった方向のものを出せたらいいな、こんなふうなことを思っていますし、努力をしたいと思います。 ○議長(川端義秀君)  砂子君。 ◆17番(砂子三郎君)  民間では、物事をやるときに、やると最初に決めるんですよ。それをやるためには何が障害があるかということを出して、それを一つ一つ潰しているのが民間の手法なんです。 やれるかなと言ったら、会議では、できないことばかりみんな言うんですよ。 そして今、答弁ありましたが「しかし」という言葉はこれから使わないでおいてください。「やります」ということで頑張っていただきたいと思います。 時間がございませんから、和泉地区のことについてお聞き致しますが、先ほどPRが足らないというようなこともおっしゃいましたけれども、実は議員の中でもごくごく少数の議員ですが、和泉地区には、合併特例債を全然使っていないじゃないか、というような質問が議会のたびに出てまいっております。 これは先ほど市長が申されていましたように、合併特例債は、施策の事業の95㌫充当率で70㌫が交付税に算入されるわけでございます。過疎債は、100㌫充当率で70㌫です。わずか5㌫と思いますが、この財政の厳しい大野市では、その過疎債を使った方が有利なわけですね。それで先ほどおっしゃったように1地区民当たりだと約950万円ぐらい掛けているわけですよ。 それを議員からでも、和泉地区には合併特例債を全然使っていないではないか、大野市ばかり使うんじゃないかと。 これはやっぱり、そういう説明がなされてないんじゃないかなと。和泉支所には部長職をはじめ9人の職員がいらっしゃるわけです。機会あることにそういう説明もしていただかなければならないんじゃないかなと思っておりますが、これについてご決意というか、お考えをお願い致します。 ○議長(川端義秀君)  市長、岡田君。 ◎市長(岡田高大君)  今、議員おっしゃるとおりで、区長会、和泉地域審議会の方で、機会あるごとに合併特例債と過疎債との違いと優位性、そういったものをしっかりとまた伝えていきたいと思いますし、また議会の中でも、合併特例債を使ってないんじゃないかというようなお話ありますけれども、予算説明のときには財源のお話もさせていただいておりますので、その辺はやっぱり細かく議会の方でもご理解いただけたらなと思いますのでよろしくお願い致します。 ○議長(川端義秀君)  砂子君。 ◆17番(砂子三郎君)  ここに、実は私、新聞報道を一つ持っておりますが、これは昨年の12月の初旬に書かれた新聞報道でございます。これは合併の弊害ということで、福井県の市でございます。合併する前の村が整備した防災行政無線が古くなったので、改正しなければならないと。しかし、合併した市と致しましては、3,000万円くらい掛かるので、財政が厳しいのでこれはやめますという報道でございます。その理由と致しまして、旧市の市民との公平性が保てないという新聞報道でございます。これだけの1面に載ったわけです。 このように、あまりにも無節操な「和泉地区に金を掛けていない。もっともっと」と。地域審議会の資料を読みましても要求ばかりでございます。このようなことがあまり出てきますと、旧大野市民が、公平性などで、それでは、大野地区にも上庄地区にも富田地区にも乾側地区にも小山地区にも阪谷地区にも、もっと掛けてもらわなければと。 先ほど、4年たったら市長は支所を公民館のように移すのが一つの方法だと。今は支所としてあるんですね。それならわれわれも職員だと。公民館はご存じのように二、三人の職員ですよ。あとは団体から雇った職員とか、嘱託とか。そういう意見も出るかも分からないですね。それが出たら、これは大野市はやっていけません。 和泉地区というのはご存じのとおり、市長をはじめ、市民、また議会が一丸となって運動してきた結果、ようやく中部縦貫道路も日の目を見てきました。現実性を帯びてきまして、中京地区に対する東口の玄関という大事な地区なんですよ。そういうことを考えた場合に、やはり、6年たったわけですから、もうそろそろ和泉地区民の方も、市長がいつもおっしゃるように「地域力」「市民力」を生かしていただきまして、4年後には名実ともに大野市民、和泉地区民となることを切望致したいと思っております。 これについて何かございましたら和泉支所長でも。 ○議長(川端義秀君)  和泉支所長、石田君。 ◎和泉支所長(石田光義君)  ただ今、大変大事なご意見をいただきました。砂子議員さんから委員会でもそういったことを度々、指摘をいただいておりまして、私どもと致しましても、地域審議会だけではありません。区長会、そういったほかの団体の会議でも極力、やっぱりこれからは自立して自分たちで考えながらやってほしいと。行政にお願いばかりするのでは駄目な時代はもうとっくにきているので、自分たちでいろいろ考えてやってほしいということで、合併に伴ういろんな協定なんかもございますけれども、それは協定だからというのではなくて、やはり旧大野市民と公平が保てるようなことで、自らも改善するようにしていただきたいということで、機会あるごとにご案内をしてきております。今言われましたことにつきましては、引き続き、これからも強く地域住民にアピールしていきたいと、このように思っております。 ○議長(川端義秀君)  砂子君。 ◆17番(砂子三郎君)  最後にですが、先ほどの答弁の中でいわゆる借地料。これはそこに建っていた建物を費用を掛けて解体したけれども、転貸をしてあったりとかいろいろな条件などで返せないと、こういうものがたくさんあるわけですね。そしてまだ境界線をしなければと。それなら境界線も分からずに借りていて、どうして借地料を払っていたのかなと。 こういうふうに責めるのではないですけれども、村時代に割りといいかげんなことがあったんですよ。それを今苦労して、皆さん方が苦労して整理をしているんですね。そういうこともやはり和泉地区の地区民の方、区長会なり、また地域審議会なりでじっくりと説明していただいて、そして理解していただいて。 しかし、やはり大野市としては、先ほど申しましたように東玄関として大事なわけです。和泉地区民の活性化というか、活力に、ある意味では大野市の将来の一角を担ってもらわなければならないのでございますから、そういう意識付けをしていただくことを切望致しまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(川端義秀君)  以上で砂子三郎君の質問を終結致します。 次に、松田元栄君の質問を許します。 松田君。 (4番 松田元栄君 登壇) ◆4番(松田元栄君)  新風おおのの松田でございます。本日最後になります。よろしくお願い致します。 昨日は3.11東日本大震災追悼式が天皇皇后両陛下をお迎えして行われました。被災された方々の当時の生々しい悲しい体験や、辛い日々のお話には本当に心を打たれました。亡くなられた方々には心より哀悼の意を表わすとともに、ご遺族の一日も早い復興を願ってやみません。また、私たちはこの日を永遠に忘れることなく語り続け、さまざまな教訓を生かしていかなければなりません。 さて、日本は少子高齢化の中、さまざまな領域で、過去経験したことのない、先が読めない厳しい時代に差し掛かっていることは皆さんご承知のとおりです。 さらに先日、地震調査委員会は、今後30年以内にマグニチュード7クラスの地震が起こる確立を80㌫以上と、ショッキングな報告もありました。 まさしく安心・安全を根本的に考えざるをえない時代に入り、大野が自立の道を考えていく方向性は確かであると思います。地方自身が独自に知恵を出して、地域の資源を活用しながら持続できる社会を構築していこうとする大野市の方向性は、私どもだけでなく市民共通の考えであり、共に協働していかなければならないと再確認致します。 このような中、第五次大野市総合計画基本構想が示されて、前期の計画の越前おおの元気プランとしてスタートし、実質初年度となる24年度予算案が提示されました。一緒に考え、その実現に協働していかなければいけないと真に思いつつ質問をさせていただきます。 平成24年度予算案についてご質問致します。 市民の目線で予算案を見ますと、一般会計と特別会計等総合計伸び率2.7ポイント減、一般会計は4.8ポイント減と厳しい時代にふさわしい内容であり、熟慮された予算案であると評価しています。 一方、国民健康保険基金がなくなり、一般財源からの補填(ほてん)と市民の皆さんに保険料の値上げを強いる結果になり、このスパイラルになることを非常に危惧しております。国の新しい社会保障と税の一体改革を待つことにはなりますが、やはり大野市の健全な財政を維持し、市民と共にしっかり考える予算にしていかなければならないと考えます。 また、公共下水道整備基金、農業農村振興基金、地域振興基金を繰り出し、特に財政調整基金の大幅な取り崩しは、将来の財政の安定化に不安を残します。また、減債基金の一般財源への1億8,000万円の繰り出しは本来の目的に使用すべきだと考えます。結果、積立基金の残高が22年度比28ポイント減と、この2年間で加速させてきています。 過去5年間の推移を検証してみますと、歳入については、市税の減収分を国・県支出金と市債に依存し、依存財源率が年々増加してきています。19年の予算ベースで自主財源の比率は、当初予算ベースで5.2ポイント減少しています。 歳出については、人件費削減で努力しつつ、扶助費、物件費、繰出金の割合が、平成19年度比それぞれ1.9ポイント増、0.4ポイント増、1.5ポイント増加し、19年度決算との比較では、さらに約1ポイント増加する状況になっています。 また、物件費の中の賃金が非常に増加しており、この賃金と本来人件費を加味した人件費は、19年度決算より1ポイント増える状況になり、賃金以外の経費は19年決算比23ポイントも増加しています。 目的別に検証しますと、民生費が19年決算比7.1ポイント増と加速度的に増加し、公債費と教育費、そして農林水産業費がそれぞれ3.9ポイント、2.6ポイント、1.0ポイントそれぞれ減少し、福祉関連の伸びをこれらのカテゴリーで埋めています。 さらに地方債の約230億円に結とぴあや、これからの新庁舎の関連を加えなければならないこと、民生費や扶助費のこれからの上昇や、基金の減少、自主財源の減少は将来に大きな不安を感じます。 今後、第五次大野市総合計画を着実に実現するに当たり、財源確保の観点で将来形も含めてお考えをお聞き致します。 次に、越前おおのまるごと道の駅ビジョンについてお尋ね致します。 先日提示していただきましたビジョンのイメージ図は面で捉えてあり、さまざまな機能連携が分かり、いろんな夢が思い浮かび、やる気を起こさせる素晴らしい形式知として高く評価できます。今後、地域のさまざまな資源を見つけ磨き上げて、魅力ある元気な大野にみんなの知恵と「市民力」と「地域力」を結集して高めていかなければならないと思います。さて、この概要版の特徴の記載の中で、1573年朝倉氏滅亡後からの430年の歴史に触れておりますが、それ以前の歴史資源を入れていません。これらの以前の魅力を生かそうとしている観光戦略プランとの整合性を持たすべきだと考えますがどのようにお考えでしょうか。 また、新しく越前おおの総ブランド化を目指して地域資源を磨き上げるというくだりで、大野のブランドとして越前おおのの米、「越前おおの米(まい)」を文字で表現していないのは誠に残念で、そして「これからの推進に当たる」くだりでも、あいまいさが残るのは本当に残念です。優先順位№1に「越前おおのブランド米」を入れるべきと考えますがいかがですか。 また「人」「観光資源」「特産作物」「特産品」などの個別のブランドを有機的に連携させ、大野全体のイメージを構築し、総ブランド化を推進していくために「越前おおのブランド戦略策定委員会」をつくるとありますが、どのような性格のものか、またその人選についてお尋ね致します。 次に、産業が元気、中心市街地の活性化についてご質問致します。 国の支援による大野市中心市街地活性化基本計画も今年度で終わり、新しい計画が出来上がりつつあると聞いております。 その一つに、まちづくり会社の設立があります。その設立の目的と効果の全体像について説明をいただき、商店街や旅館など関連団体との連携、平成大野屋との関連、七間朝市や農林樂舎の「うごく八百屋おおのさん」との連携はどのように考えればいいのか。また、このまちなかのまちづくり会社と農林業の農林樂舎は車の両輪になって、大野の元気をつくると考えていいのかご質問致します。 また、まちなかと農林業は食でつながると考えることができますが、まさしく城下町東広場に場所を移す「越前おおの農林樂舎」の運営についてお尋ね致します。 国は、戸別所得補償制度支援や環境保全型農業支援事業、地域農業マスタープランに基づく農地集積など協力金支援によって20から30㌶の大規模農業を進めようとしています。大野市は、独自の農業農村活性化支援事業補助制度を以前から継続して進め、越前おおの型農業を支援し環境保全型農業を目指しています。国の支援を活用しながら、大野独自の戦略を進めていけばいいのではないかと考えます。先が読めない不確実要素が多いこれからの農林業は、大野固有の環境に恵まれた条件を生かした付加価値の高い農林産物を栽培し、持続的、安定的な農林業を目指すことは疑いないと考えます。 日本の農業をつぶしてしまうTPP参加問題など不確定な状況や産地間競争が激しくなっている中、今こそ、農林樂舎の役割を定款にも明記しています「大野の農業と林業の発展」に集中させて、大野型マーケティングを確立し、ブランド力を高め、競争力を高める中核的機能にすべきと考えますがいかがお考えでしょうか。 そこでお伺い致します。農林樂舎の新しいパンフレットに「生産者の販路拡大の支援」とありますが、どれくらいの販路拡大を見込んでいるのか。金額、個数、生産者数について、また生産者と販売店、飲食店などとの商談にどのように結び付け、目標をどのように捉えているのか質問致します。 また、付加価値追求型の環境保全型農業に取り組んでいる大中小さまざまな生産団体や認定農業者の皆さまと「越前おおのエコ農業ネットワーク(仮称)」で連携し、流通や消費事業者のニーズに応えることができるように、農林樂舎はその中心的な役割を果たして大きなステージへと進化できないかお尋ね致します。 次に、再生可能エネルギーの活用研究促進についてご質問致します。 CO2を削減し環境負荷を低減し環境に優しい社会を構築するために、再生可能エネルギーを使用することが、これからの大きな課題になり、テーマになり、国も積極的に推進し、原子力発電に代わるエネルギーとして環境負荷の低減と安定的供給の側面で、自然エネルギー資源の豊富な大野市は活用しない手はないと考えます。 新庁舎のエネルギーミックスでバイオマスエネルギーによる冷暖房は、電気代等コストの削減だけでなく、CO2の削減により大野市の貢献だけでなく林業の活性化につながり「大野市バイオマスタウン構想」の柱に据えることもできます。 新庁舎の冷暖房は、木質チップやペレットの燃焼でCO2がゼロのシステムを、真庭市を参考に将来を見据えて採用すべきです。また、大野の森林資源やその他の木質バイオマスを活用して、越前おおのを自然エネルギーの街として考えて、新庁舎だけでなく病院や学校などにも適応範囲を広げられるように、将来につながる研究を積極的に進めることを検討すべきと考えますがいかがですか。 同じく、中小水力発電の活用についても、イノシシ電気柵の電源や外灯に使用したり、さまざまな検討の余地は十分にあると考えます。福井県の取り組みと連動して、大野の水資源を最大限活用した環境に優しいおおの型エネルギーシステムをつくることは考えられないかお尋ね致します。 最後に、学校給食における食育について質問致します。 「越前おおの食育推進計画」の基本方針4に「食べ物の生産や流通への関心を高め、地産地消を推進する」とあり、教育関係機関による取り組みが明記されています。そして大野産コシヒカリ100㌫を使用した米飯給食を継続し、生産者や流通業者の協力を得ながら地場産食材を活用する、旬を感じる生きた教材として提供するとしています。 昨年の375回定例会で私の質問に対する回答に、学校給食の地場産食材の使用率について、6月が24㌫、11月が37㌫、平均31㌫であり、県内では常にトップクラスであると説明を受けて、ある意味安心しておりましたが、福井県から出されている学校給食食材産地別使用量調査によりますと、平成22年度は26.8㌫。6月調査です。9市中最も低く、使用品目数も15.8品目で、非常に低い状況であり、また年々減少率の幅が大きくなっております。 この数字をどのように理解すればいいのか、またこれからの食育を地産地消の観点で、どのように進めていかれるのかお尋ね致します。 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 ○議長(川端義秀君)  松田君の質問に対する理事者の答弁を求めます。 市長、岡田君。 (市長 岡田高大君 登壇) ◎市長(岡田高大君)  松田議員のご質問にお答えをさせていただきます。 私からは「再生可能エネルギーの活用研究促進」についてお答えをさせていただきます。 まず「新庁舎へのバイオマスエネルギーの活用」について申し上げます。 議員ご承知のとおり、新庁舎の空調設備につきましては、先の庁舎等建設特別委員会及び議員全員協議会において、ご報告をさせていただいたところでありますが「大野市庁舎整備基本設計概要書」に基づきまして、今一度ご説明させていただきます。 建築物の空調設備を導入する際には、平面計画や断面計画に基づく空間構成、建物の用途により求められる温度や湿度の設定、さらには地域性など、設計に当たっての前提条件となります。 このような条件を加味した上で、新庁舎の空調設備では、各部屋に電気式パッケージエアコンを設置する個別熱源方式、機械室で集中的に作られた冷水や温水を各部屋に送り、熱交換して冷暖房を行う中央熱源方式、個別熱源方式にチップボイラーを補助的に併用する方式の三つの方式を提案し、それぞれの方式について、個別操作性や冷房・暖房の自由度、メンテナンスのしやすさ、漏水の危険性、コストなどさまざまな観点から比較検討を行いました。 その結果として、個別熱源方式による電気式パッケージエアコンは、汎用品であるため価格が安いこと、水配管がないため室内への漏水の危険性が低いこと、個別操作が可能で使い勝手が良いこと、さらにはランニングコストが小さいことなどから、他の二つの方式に比べて有利となったところであります。 こうしたことから、新庁舎の空調設備については、個別熱源方式による電気式パッケージエアコンを採用することとし、大野市庁舎整備基本設計の成案を本定例会においてご報告させていただく予定としております。 次に「木質バイオマスの活用」について申し上げます。 木質バイオマス、特に間伐材は、資源としての利用に潜在的可能性を有しているものの、採算が取れない曲がりや折れなど欠点のあるものが多く、収集・運搬コストも高くなることから、多くは未利用のまま林地残材として森林に放置されている状況にあります。 今後、間伐材の利用を促進するためには、施業の集約化と路網の整備、高性能林業機械の導入など、林地残材が低コストで効率的に収集・運搬ができるシステムづくりを推進していくことが重要な課題であります。 また、国では本年7月から、自然エネルギーなど再生可能エネルギーで作った電気の全量を固定価格で買い取ることを電力会社に義務付けます「再生可能エネルギー全量買取制度」をスタートすることとしており、今後、間伐材などを利用した再生可能エネルギーへの利用が増加するとともに、間伐材をエコプラスチックなどの工業製品など、新たな利用に拡大することも考えられます。 今後とも市としましては、間伐材の有効活用を図ることが、森林の健全な循環システムの構築に重要であるという考えのもと、新年度において、県や森林組合など関係機関と連携して、本市にふさわしい間伐材の利活用を検討する「木質バイオマス検討事業」に取り組み、事業化に当たっての課題について調査・研究してまいりたいと考えております。 次に「中小水力発電と活用」について申し上げます。 里川や農業用水などで、落差と流量を利用して発電する中小水力発電は、環境負荷が少なく、発電量も比較的安定していることから、近年、再生可能エネルギーの一つとして着目されております。 県内における中小水力発電の取り組みと致しましては、日野川用水土地改良区が日野川用水を活用して、発電計画を進めていると聞き及んでおります。 また、昨年11月から開催されております県の再生可能エネルギー市町連絡会では、大型堰堤や多目的ダムなどが持つ未利用エネルギーを活用した中小水力発電について、情報交換を行っております。この情報によりますと、県内には、有効落差や使用水量などから考慮しますと、発電可能な砂防堰堤などは四十数箇所あると伺っております。 中小水力発電につきましては、環境に優しい再生可能エネルギーであると認識をしておりますが、イニシャルコストが高いなど、費用対効果も問題視されており、本市と致しましては、こうした課題を整理する中で、実用性などの調査研究をしてまいりたいと考えております。 そのほかの質問につきましては、担当からお答えさせていただきます。 ○議長(川端義秀君)  秘書政策局長、藤森君。 (秘書政策局長 藤森 勉君 登壇) ◎秘書政策局長(藤森勉君)  ご答弁に入ります前に、お許しをいただきまして、一言お礼を申し上げます。 先ほどは、島口議員をはじめ、議員各位から、私ども、この3月末に退職するものに対しまして、過分なるねぎらいのお言葉を賜りました。心より、厚くお礼を申し上げます。 これまで議員各位から賜りましたさまざまなご指導、そしてまた叱咤激励もいただき、このおかげをもちまして、今日まで職務を遂行、全うすることができたものとあらためて深く感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。 それでは、ご答弁をさせていただきます。 私からは「越前おおのまるごと道の駅ビジョン」についてお答えを致します。 「越前おおのまるごと道の駅ビジョン」は、市と市民や関係機関・団体などが、第五次大野市総合計画や大野市都市マスタープランに掲載しております「越前おおのまるごと道の駅」の実現に向けて、意思疎通を図りながら、それぞれ事業を推進するため「まるごと道の駅」のイメージを取りまとめ、ビジョンとして整理したものであります。 また、本ビジョンを実現するため、本市が誇る人、歴史、文化、伝統、自然環境、食など魅力ある地域資源の全てを「市民力」と「地域力」で磨き上げ、越前おおのの総ブランド化を図ることとしております。 具体的には、今後策定することとしております、仮称ではございますが「越前おおのブランド戦略」をはじめとして、「越前おおの観光戦略プラン」や「越前おおの型食・農業・農村ビジョン」「大野市中心市街地活性化基本計画」などの関連計画を着実に実施することにより、地域資源を磨き上げることとなると考えております。 そこで、議員ご指摘の観光戦略プランと整合性を持たせるため「大野市の概要に朝倉氏滅亡以前の歴史資源を入れるべき」、また「越前おおのブランド米を入れるべき」とのことでございますが、まず大野市の歴史をさかのぼりますと、古くは今から約7,000年前の縄文時代の土器が花房遺跡や後野遺跡から見つかっており、犬山遺跡、中丁遺跡、下黒谷遺跡では、弥生時代の土器のかけらや建物の跡が幾つも見つかっております。また、奥越では数少ない前方後円墳のあった山ケ鼻古墳群や遺体を納めた石室を持つ大矢戸古墳などもございます。さらに戌山城址や茶臼山城址などは、室町時代の大野の歴史を知る上でも、貴重な地域資源であると認識しております。 また、大野産米の品質は県内でもトップクラスに位置付けられており、本市において最も主要な農産物であります。このため、本年度改訂した「越前おおの型食・農業・農村ビジョン」においては、基本方針の「農産物の総ブランド化」で「大野産米のブランド化の推進」を方針の一つに掲げ、売れる米づくりを目指すこととしております。 しかしながら、本ビジョンは、国や県などへの働き掛けなどにも活用されるものであり、ビジョンを説明しやすいようコンパクトにまとめたことから、本市のさまざまな地域資源が全て網羅されているわけではありませんが、430年以前の歴史資源や大野産米についても、当然、それぞれの個別計画に沿って磨きをかけていくことと致しておりますので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。 次に「越前おおのブランド戦略策定委員会とは、どのような性質のものか、また人選についてはどうか」についてお答えを致します。 大野市では新年度から、本市の特性を生かした越前おおのブランドの確立と推進に向け、越前おおのブランド戦略を策定するため、策定委員会を設置することとしております。 策定委員会では、本市が誇る人、歴史、文化、伝統、自然環境、食などの分野における素材全てを越前おおのブランドとして磨き上げる方法を検討するとともに、それらを土台とした大野市全体のイメージを作り上げていきたいと考えております。 策定に当たりましては、財団法人地方自治研究機構と本市との共同調査を予定しており、また多くの方々からの意見を参考としながら戦略策定の作業を進めいきたいと考えております。 このため、策定委員として、市内の商工業・農林業・流通業・観光業などの産業関係団体や地域活動団体の方々、有識者や公募による市民の方々、また地方自治研究機構の職員にも加わっていただき、策定委員会を構築することとしております。 なお策定委員会では、戦略がより良いものになるよう、議員の皆さまのご意見をいただきながら策定を進めるとともに、策定委員には、多くの若い方の参加を得て、活発に意見が交わせる雰囲気で進めることができるよう努めてまいりたいと考えております。 ○議長(川端義秀君)  産業経済部長、長谷川君。 (産業経済部長 長谷川雅人君 登壇) ◎産業経済部長(長谷川雅人君)  私からは、ご質問の3件目「産業が元気・中心市街地の活性化」についてお答え致します。 初めに、まちづくり会社の設立について申し上げますと、今月中には、大野商工会議所内に「まちづくり会社設立準備室」が設置され、本年8月に予定のまちづくり会社設立に向けて諸準備に取り組むことが、先月開催されました「越前おおの中心市街地活性化協議会」において報告されております。 この「まちづくり会社」の設置目的につきましては「本市の有する自然、歴史、文化、伝統などの資源を生かし、市民、観光客をはじめ多様な人々が集い、活気に満ちた魅力あるまちづくりを推進するため、設立する」との説明を受けております。 まちづくり会社の運営には、商店街の参画はもちろんのこと、旅館など関係事業者や、現在、まちづくりに賛同いただいている若者グループなどと連携しながら進めることとしております。 このことは、交流人口の増加やまちなかのにぎわいの再生に相乗効果・波及効果をもたらし、中心市街地のみならず本市全体の活性化につながるものと認識しており、「まちづくり会社」は、その中核を担うものと期待しております。 次に「まちづくり会社と商店街や旅館などの関連団体との連携」について申し上げます。 中心市街地活性化基本計画の実施に関する事項や、中心市街地の活性化の総合的かつ一体的な推進に関し必要な事項について協議する「越前おおの中心市街地活性化協議会」は、大野商工会議所をはじめ、商店街、旅館、観光協会などの関連団体から選出された運営委員で構成されており、定期的に本市のまちづくりの方向性について、協議・検討を重ねております。 本協議会では、本市が準備を進めております第2期中心市街地活性化基本計画の策定やまちづくり会社の設立及び事業展開についても、協議・助言を行う組織でありますので、議員ご質問の商店街や旅館など関連団体と十分な連携が図られるものと考えております。 なお、このまちづくり会社と株式会社平成大野屋との関係につきましては、まちづくり会社が、中心市街地の空き店舗を活用したテナントミックスなど共同店舗や集合店舗等の商業施設の開発などのハード事業のほか、商店街の販売促進などの商業の活性化のためのソフト事業を中心として事業展開するのに対し、平成大野屋は、本市の情報発信や特産品の販路拡大を中心とした事業を目的としており、双方がそれぞれの役割を分担しながら連携をして、例えば、まちづくり会社が企画するイベントに平成大野屋も参画して、まちなかから大野の魅力の情報発信を強化することなどが考えられ、中心市街地の活性化に寄与するものと思います。 また、まちづくり会社と越前おおの農林樂舎の「うごく八百屋おおのさん」や七間朝市との連携につきましては、農林樂舎や七間朝市が地場野菜の販売促進などの役割を担っておりますが、その最終目的とするところは、交流人口の増加や地域経済の活性化でありますので、それぞれの団体の連携に期待するところであります。 例えば、農林樂舎の場合は、農業生産者とのつながりが深く、まちづくり会社と連携し、まちなかの空き店舗を利用して農商工連携や6次産業化により大野産の農産物を活用した加工品の販売や飲食店などを出店するといったことも考えられます。 次に「まちなかと里山の活性化をまちづくり会社と越前おおの農林樂舎が、車の両輪になって進めると考えていいのか」ということについてであります。 まちづくり会社は、中心市街地の活性化を総合的にコーディネートし、まちづくりの核となるものであり、一方、農林樂舎は農林産物のブランド化と販路拡大などの特産振興、優良農地の確保と効率的利用、里山を活用しての都市部との交流の推進と、それぞれの目的を異にしているところであり、これは目的が異なっているということであります。今後は、連携して取り組むものがあるかどうか見極めてまいりたいと考えております。 次に、2点目「越前おおの農林樂舎の運営」についてお答えを致します。 まず「大野産農林産物のブランド力を高め、競争力を強化するための農林樂舎の果たす役割」についてお答え致します。 商品をブランド化するには、消費者からその物の価値を認めていただくことが必要であり、そのためには、より多くの消費者に対して、その商品が持つ独自の価値を分かりやすく伝え、それを理解していただくことが重要であります。越前おおの農林樂舎では、これまで大野産農林産物のブランド化を進めるため、大野産であることを保証する「越前おおの産」産地保証制度や、有機JAS認定を取得した圃場(ほじょう)で栽培された農林産物、又は福井県特別栽培農産物認証を取得した農林産物の付加価値を付ける「越前おおの里の恵み」認証制度に取り組んでまいりました。 そして市や農林樂舎のホームページにおいて、消費者の方にこれら制度の登録者である生産者の皆さんを顔入りで紹介するとともに、それぞれの農林産物が、いかに安心・安全なものであるかを分かりやすくお伝えしてまいりました。 また、JR福井駅や福井市内のスーパーなどでの店頭販売、各種イベントへの出店など、さまざまな機会を利用して、対面販売による越前おおのブランドのPRに努めてまいりました。 こうした取り組みの成果と致しまして、県内外において、大野で採れた農林産物は「おいしい」であるとか、「安全で安心」であるといった認識が広まり、越前おおののブランドとして浸透してきていると感じております。 また現在、農林樂舎では、福井市を中心に市外25軒の飲食店等からの注文を受け、定期的に農林産物をお届けしており、大野産の食材を使用した料理の提供が広がっております。 議員ご提案の農林樂舎による大野産農林産物のブランド力向上による競争力の強化につきましては、県内では、これまでの取り組みにより、その役割を果たしてきたものと認識を致しておりますが、今後も引き続き、農林樂舎において積極的な販路開拓を展開するとともに、個々の企業や消費者の要望に応じた農林産物を提供できるようなシステムを確立させることで、それぞれの提供先にとっての付加価値が高まり、ひいては競争力の強化につながるものと考えております。 次に「生産者の販路拡大の支援はどの程度を見込んでいるのか。また、どのように商談を成立させるのか」についてお答え致します。 農林樂舎では、販路拡大についての具体的な数値目標などは特に設けてはおりませんが、昨年末から実施している国の地域雇用創造実現事業により、平成大野屋や昇竜と連携しながら、中京・関西・関東圏への販路開拓に精力的に取り組んでおります。 まず中京圏においては、友好交流市である愛知県岩倉市や新たに交流の始まった知立市、そして名古屋市内で農林産物販売のマーケティングや採算性の調査分析を行っているほか、新たな飲食店との取り引きやイベントへの出店に向けた働き掛けを行っております。 関西圏においては、新年度において、試験的に数回程度、仮称ではありますが、運搬トラック「越前おおの丸」で運んだ米や旬の野菜、加工品の直売を計画しております。将来的には、デパート等の特設会場での直売や、野菜売り場などでの委託販売なども視野に入れた事業展開を目指しております。 関東圏においては、新たに東京都内の居酒屋や料亭など3店舗と農林産物の取り引きを既に成立させ、定期的に農林産物を発送しております。また、千葉市のアパホテル東京ベイ幕張において、今年5月ごろから秋ごろまで、月に1回程度、米や酒、農林産物加工品などの直売とイベントの実施などを通して、越前おおのブランドのPRとマーケティング調査を行う予定です。 そのほか、県東京事務所の協力により、関東圏での新規の取り引き先の発掘についても鋭意取り組んでいるところであります。 市としましては、いずれの地域においても、農林樂舎に対し、越前おおのサポーター倶楽部に所属するサポーターの皆さんや大野会などを通じた情報の収集・発信に努め、今後とも時機を逸することなく、積極的な販路開拓を行うよう指導してまいりたいと考えております。 次に「どのように商談を成立させるのか」につきましては、農林樂舎では、新年度から新たに都市圏で開催される民間の農林産物商談会に生産者とともに積極的に参加するほか、今年度に引き続き、市が開催する農林産物マッチング商談会にも参加して、越前おおのブランドを強力にPRし、参加者の商談成立につなげていく予定です。また、農林樂舎と取り引きのある飲食店などの要望に応じた生産者の紹介や農林産物のあっせんなど、商談に向けた両者の仲介を行っていくこととしております。 最後に「環境保全型農業に取り組む生産者と『越前おおのエコ農業ネットワーク(仮称)』で連携し、農林樂舎が中核となった消費者ニーズへの対応」についてお答え致します。 これまで農林樂舎では「越前おおの里の恵み」認証制度で認証された有機農産物の販路拡大を図るため、あらゆる機会を捉え、食品関連業者などに対する商品の紹介を行ってまいりました。 しかしながら、どの業者も有機農産物に対する関心は一様にあるものの、価格の面において折り合いがつかず、大野産の有機農産物を越前おおのブランドとして広く浸透させていくことは、現状ではなかなか難しい面があります。 今後は、いかにこうした課題を克服していくかが重要となるため、まずは「越前おおの里の恵み」認証制度登録者との意見交換会や研修会を通して、課題解決に向けた検討を行うよう指導してまいりたいと考えております。 ○議長(川端義秀君)  財政課長、鉱崎君。 (財政課長 鉱崎昭治君 登壇) ◎財政課長(鉱崎昭治君)  私からは、ご質問の1件目「平成24年度予算案」についてお答え致します。 平成24年度は、現下の厳しい地方経済情勢の影響を受け、市税が減収となる見込みでありますが、限られた財源の中で第五次大野市総合計画前期基本計画の各施策を着実に前進させるために、必要な経費を積極的に盛り込んで、当初予算案を編成致したところであります。 それでは、議員からご指摘がございました点について申し上げます。 まず基金についてでありますが、基金は、特定の目的のために、財産を維持し、資金を積み立て又は定額の資金を運用するために設けられた財産でありますが、その目的のためであれば取り崩すことができるものでもあります。本市においては、財政調整基金や減債基金のほか、地域振興基金や合併振興基金、公共下水道整備基金などがあります。このうち、財政調整基金は、財源の不均衡を調整するためのもので、大幅な税収減或いは大型事業による歳出増に備えております。 旧和泉村との合併以降、新しいまちづくりに向け、将来の財政需要を見据え、財政調整基金や地域振興基金などへ着実に積み立てを行ってきた結果、平成17年度末と平成22年度末での基金残高を比較致しますと、23億8,000万円余り増加したところであります。 そのような経緯を踏まえまして、平成23年度と24年度の一般会計予算案では、第五次大野市総合計画前期基本計画に基づいた保健医療福祉サービス拠点施設整備事業や企業誘致による助成などの経費を計上しており、その財源に充当するために、各基金から23億9,000万円余りの取り崩しを見込んでおります。 議員ご指摘のように、平成22年度と比較致しますと基金残高は減少することになりますが、このような財政需要を考慮して、本来の目的に沿って各基金を運用しております。 また、減債基金の取り崩しについても、本市の減債基金設置条例において、経済事情の変動などにより財源が不足する場合において、市債の償還の財源に充てることができるとされており、その目的に沿って、市税などが減収となる中、財源の不足分を補うために取り崩しを行うものであります。 次に、人件費と賃金について申し上げますと、人件費は、定員適正化計画に基づき、職員数を計画的に削減していることなどにより、年々減少傾向にあります。一方、賃金は、平成21年度以降、国・県からの助成を受けて緊急雇用創出事業を実施し、短期的に臨時職員の雇用が増えたことにより増加したものです。 今後も、職員数については、定員適正化計画に基づいた管理を行ってまいりますし、臨時職員は、平成24年度では緊急雇用創出事業が縮小され採用数が減りますので、人件費と賃金の合計は減少するものと考えております。 次に、社会保障関連経費についてですが、本市においても、障害福祉サービスや生活保護、介護保険といった社会保障関係経費は年々増加しており、今後も社会保障制度の大幅な変更がない限りは増加していくものと予測しております。 このような財政状況を考慮致しますと、臨時的な、そして大きな財政需要については、国や県などの支出金はもとより、将来の世代に過大な負担とならないよう既存の基金や合併特例債などの有利な起債をできる限り活用することが重要であると考えております。 加えまして、総合計画に沿った各種施策を積極的に展開しながら、健全な財政運営を行っていくためには、市税をはじめとする自主財源の安定的な確保を図るとともに、歳出面については、職員一人一人がさらなるコスト意識を持って経費の削減に努めることが肝要であると考えております。 ○議長(川端義秀君)  教育総務課長、島田君。 (教育総務課長 島田健一君 登壇) ◎教育総務課長(島田健一君)  私からは「学校給食における食育」についてお答え致します。 地場産学校給食は、生産者の顔が見える、安全・安心で新鮮な食材を給食に提供できるというメリットがあります。さらに生産者との交流を通して、児童・生徒に、食に携わる人とのふれあいが生まれ、感謝の気持ちをより強く育てることにもつながります。学校では、給食室付近の廊下などに「地場産給食コーナー」を設け、食材を提供してくださる生産者グループの方の顔写真を掲示したり、給食感謝祭などの学校行事に、生産者グループの方をお招きし、児童と一緒に給食を味わっていただいたりしております。 地場産学校給食の取り組みとしましては、奥越農林総合事務所のコーディネートのもと、生産者グループや大野市食品商協同組合と学校関係者が協議を重ねながら、地場産学校給食を推進してまいりました。地場産学校給食の推進は、全国的な取り組みではありますが、幾つかの課題も指摘されております。 課題の一つとして、地場産農産物調達のための生産・流通システムの構築が難しいことが挙げられております。  しかし、本市においては、奥越農林総合事務所の仲介により、農村地域の小中学校では、生産者グループから直接食材の一部を提供していただく仕組みが出来上がっており、生産者とのつながりをもちにくい市街地の学校であっても、大野市食品商協同組合に学校給食部を設置していただくことにより、地場産野菜を提供していただくことが可能になっており、生産・流通システムが働いております。 そのほか、課題としましては、規格のばらつきや価格の折り合いなどの問題がありますが、本市では生産者グループと学校との相互努力によって解決してきております。 このように地場産学校給食の推進に関しては、鋭意努力しているところではございますが、議員ご指摘のように、学校給食食材産地別使用量調査では、平成22年6月の使用率は26.8㌫となっております。この調査は、年2回行われており、平成22年11月の調査では40.1㌫、平成23年11月では52.5㌫となっております。ただ、この使用率は魚、肉、果物などを含んだ県内産食材の使用率であり、平成22年6月の市内産食材の使用率で申しますと17.7㌫となり、県平均の15.5㌫を上回っております。 また、この調査では米が調査品目に該当せず、本市では大野産のコシヒカリを100㌫使用しておりますので、実際の市内産食材の使用率は県の統計をはるかに上回っております。 農作物などの収穫量は天候の影響が大きく、その価格の変動も無視できません。さらに必要量を安定的に仕入れることが絶対条件であります学校給食においては、給食数の多い学校では、地元の生産者グループからの提供だけでは賄いきれないといった事情もございます。 教育委員会としましては、今後とも生産者、流通業者及び学校が連携して、さまざまな課題に対処しながら、地場産学校給食が適切に運営されるよう積極的に支援・指導に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(川端義秀君)  松田君。 ◆4番(松田元栄君)  ちょっと時間もなくなって、作戦がちょっとまずかったかなというふうに思うんですけれども、3点ほどだけちょっと再質問させていただきます。 再生エネルギーのことでございますけれども、大野市はこのように、森林が87㌫あると。これ、私どものエリアにおいて最も大切な、重要である資源であるというふうに思うんで、これを使わない手はないと思うんですよね。それで、真庭市が成功してやっているんですね。そこのところをもう少し詳しく検討してほしいと思うんですよ。 先日、私が特別委員会のときに、もう少しコスト計算をきちっとやってくれということでお願いしたんですけれども、やっていただきました。それで、そのときの図面、例の3番目の図面ですけれども、バイオマスを入れるという図面ですけれども、その図面と全協に出されている図面がやっぱり違うんですね。 それからCO2のことでも、木を燃やしたらどうなるんですか、二酸化炭素は。木を燃やすだけで二酸化炭素はゼロじゃないんですね。それが木を燃やすだけでCO2を削減することになるんですね。分かります。何でかといいますと、それがない場合には何か使うわけですよ。それで、こういう景気が悪いときに、しかも将来は分からない、非常に厳しい時代になる中で、しかもエネルギーが上がってくる。ガソリンが上がったり、不安定になる。そういうときに大野の大切な、財産をうまく使ってエネルギーにしていくという必要はやっぱりあるんですよね。 従って、大野市のバイオマスタウン構想も見せてもらいましたけれども、何も進んでないという現実の中では、やはり中に入れて、一歩一歩着実に進めていっていただきたいというようなことがあります。 庁舎のことにつきましても、そんなに慌てないで、将来5年先、10年先のことを考えたときに、やはりそういうふうにして、自分たちの持っている財産をきちっと使っていく中で、やってほしいというふうに思います。 そういうことを思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○議長(川端義秀君)  秘書政策局長、藤森君。 ◎秘書政策局長(藤森勉君)  今ほどのご質問でございますけれども、先ほど市長もご答弁申し上げましたとおり、空調方式の検討、比較につきましては、3案でございます。 個別の熱源方式、いわゆるパッケージエアコン、それが一つと、中央熱源方式、これはボイラーを炊きましていろいろ庁舎の中に配管等を通しまして、中央のそういった熱源を取るような方式、もう1点が今ほど議員おっしゃられるチップボイラー方式といいまして、これはあくまでも電気式パッケージエアコンとご説明致したかと思うんですけれども、その電気式パッケージエアコンをベースと致しまして、チップボイラーは補助電源ということで、これは比較をさせていただいています。ですから、議員おっしゃられる市庁舎全体をチップボイラー、全体のそういった熱源を取れるという議論はここではさせていただいていません。それは到底無理だということで申し上げていると思いますし、この比較検討の中では、最もこれから有利なものについては、個別熱源方式であるという結論に達しております。 ○議長(川端義秀君)  松田君。 ◆4番(松田元栄君)  ありがとうございます。 実は真庭市はですね、1階・2階・3階とも常時活動しているところについて、ボイラーでやっております。確認させてもらったんですけれども、それできちっとコスト計算してやっておりますので、もう一度、きちっとコスト計算していただいて、よろしくお願いしたいと思います。 それから中心市街地活性化のところで、農林樂舎の件でございますけれども、大野という、この大野盆地という、福井平野から比べると180㍍以上高いわけですね。そこで取れる農産物というのはそもそも、もう既に非常に大きな価値を見いだしているわけですね。 先ほど、高いものは売れないという表現がございましたけど、実は違いますね。大野で採れて、しかも安心・安全なものというのは、非常に引きが大きいんですね。従って、これから考えようとするときには、ぜひそういう視点に立って考えてほしい。 大野の農産物の生産額というのは35億円ですよ。35億円。これはJAからいただいた資料を計算して按分しますと、35億円になります。それが農林樂舎で出されているものは幾らですか。時間がないので言いますけれども、どんなにあっても1,000万円か、そんなものでしょう。ですから、その35億円というものを、40億円にしていく、そういうだけの価値がある、作れる場所なんですね。従って、そういう視点で、物事を考えていただきたいというふうに思います。 それから大野米の話でございますけれども、この大野でお米、コシヒカリ、おいしいですね。これは福井県にも貢献していますし、全国にも貢献している。大野の唯一の固有のコアになるブランドですね。里芋と一緒です。ですから里芋と大野のお米というものを大きな柱にして、添えて、これから厳しくなる時代に、それを大きくしていくという戦略は絶対必要だと思いますね。従って、農林樂舎の定款にあるように農業の発展と林業の発展というのであれば、そういうところをコアにして組み立てていけばいいというふうに思います。 ということで、もう時間もないですけれども、ぜひそういうことを考えておりますので、そんな視点でお願いをしたいというふうに思います。よろしくお願い致します。 これで終わります。 ○議長(川端義秀君)  以上で松田元栄君の質問を終結致します。 本日の一般質問は、この程度にとどめ、後は明日13日に続行致します。 本日はこれにて散会致します。 大変ご苦労さまでございました。 (午後2時52分 散会)...