2番目に、私は、5月の分散登校でクラスの半分ずつが登校したときは、クラスが落ち着いて、一人一人に目配りができ、少人数学級がよかったと、教員方の感想もお聞きしています。20人学級を子供たちにプレゼントすべきだと思います。20人学級にした場合、教員数を増やすことが必要だと思われます。また、空き教室がある学校、ない学校もあるとお聞きしました。各学校で20人学級実施を進めるための課題についてお伺いいたします。
今治市は、本庁正面玄関のところに、「核兵器廃絶平和都市」と、堂々と掲げています。今年は、敗戦から75年の節目でもあります。私は、この宣言を見るたびに、誇らしい気持ちになります。今治市は、被爆地広島市にも近く、被爆者も他市に比べ多くいましたが、被爆者の多くが亡くなりました。また、戦争体験者も少なくなりつつあります。今治市でも、今治空襲もあり、多くの犠牲者がいます。私は、戦争体験など、被爆国日本から世界に向けて発信していくことが重要だと思っています。
2017年7月7日、国連で核兵器禁止条約が122か国により採択され、同年9月20日に調印・批准・参加が始まり、2020年8月25日にマルタが署名し、84か国になりました。批准書を国連事務総長に寄託したのは44か国になっています。核兵器禁止条約は、50か国目の批准書が国連事務総長に寄託されてから90日後に発効されます。残念ながら、被爆国日本は、批准も署名もしていません。核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書は、9月1日現在、469自治体で採択され、岩手県では、県議会を含む100%を達成しています。愛媛県内では、愛南町、砥部町、上島町、四国中央市が意見書を採択しています。
私は、ライフワークとして、被爆の悲惨さを伝えることや、広島市、長崎市の被爆者から直接体験を聞き、折り鶴を海外に送る活動を長年続けています。また、毎年8月9日、今治城駐車場内にある原爆死没者慰霊碑前で今治地区原爆死没者慰霊祭を行い、今年も、今治
市長や今治市議会議長、広島
市長、長崎
市長からメッセージをいただきました。6の日には、ヒバクシャ国際署名を有志で取り組み、国連に届けております。今月は、今日、7日、昼休みに行います。
今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大でイベントも縮小されていますが、1番目、核兵器廃絶平和都市宣言をしている今治市としてどのようなことを行っているのか、お伺いいたします。
2番目に、小中学校での平和教育についてお伺いいたします。
3番目は、今後の取組についてお伺いいたします。
3:
◯堀田順人議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二
市長 冒頭、台風10号につきまして、皆様にも随分御心配をおかけいたしました。気象庁が、珍しく、あれだけの強い思いで国民に訴える、国土交通省も合わせてといったことでありました。幸い、本当に幸いにも、我が今治市、愛媛県下で警報が出なかったのが、たしか今治市と上島町だったかと。本当に、石鎚連峰、ありがたいという思い。様々な災害に強い、安全なまちといったことは、常日頃感じております。それでも我が防災危機管理課にあっては、ずっと徹夜で、一朝事あるときにはといったことでありましたし、私自身も、昨日は夕食を5時半にさらりと、いつでも対応できるといったことでありましたけれども、警報が出なかった。結果的に本部に行くこともなくて、今現在、市民から、こういう被害が出たぞという届けもありません。本当にありがたいことだと思っております。
おかげさまで、昨日の日曜日、久しぶりにいろいろなイベントがありました。皆様、吉井勇という伯爵歌人を御存じだと思います。伯方で記念の展示会がございまして、有津の光藤旅館で過ごして、伯方の人情の厚い地域での、そして景観のすばらしい地域での吉井勇の様々な生き方といったものが展示されておりました。興味深く、そして何よりも、お越しいただいた皆様に言ったのは、伯方の文化の深さ、これを改めて再認識したと。皆さん御承知のように、俳句甲子園、伯方高等学校、今は今治西高等学校伯方分校になっていますが、非常に強豪であります。それは、俳句に対する強い思いだけでなく、やっぱり文学に対する先生方の熱意、それを受け止める高校生、こういったものが一体となって、その裏には、伯方の文化度の高さがあると私は思っておりますし、そのことを昨日はお話しさせてもらいました。それが午前中。
午後は、いよいよ敬老会でありまして、波止浜、そして日高で。今年は、残念ながら新型コロナウイルス感染症といったこともありますから、米寿の祝いがメインということになっております。今年の米寿の方々は昭和8年生まれであります。上皇様と同じ年といったこともありまして、昨日、私が強く感じた住友新次郎さんの代表謝辞、私たちは、勉強どころでない青春、小中学生時代だったと。ああ、そうか、そうだったなと。確かに、運動場を農地にして、そこにサツマイモを植える、それが学童たちの日課になっていた。それだけに、戦後、本当に様々な困難に耐えて、今日の私たち、日本の経済力、様々な経済成長に御尽力いただいた方々だということを改めて強く感じました。
昨日の日曜日、どきどきしながらも、中身のある1日を過ごすことができたことを一言お話させていただきました。
松田澄子議員御質問の「核兵器廃絶平和都市宣言」を行っている今治市における平和行政についてのうち、1番目、今治市の平和行政についてと、3番目、今後の取組についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
核兵器のない世界平和の実現は人類共通の願いであります。世界で唯一の戦争被爆国である日本は、核兵器廃絶に関し、特別な役割を担っており、その中心が広島・長崎であります。長崎市の田上富久
市長は、先日の森議員の代表質問の際にもお話しさせていただきましたが、普通交付税の減額措置回復のため、合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会の全国組織を共に設立したとき、事務局を担っていただき、大変お世話になった、私にとって、本当に尊敬している盟友であります。なぜなら、非常に謙虚なんです。例えば、総務省に行きます。自治財政局長とお話しする、議員連盟の方々とお話しする。そんなときに、当然、事務局も大変頑張った。私の隣に来てもらいたい。「田上さん、こちらへ」、「いえ」と言って写真に入らないところに。それは副会長が2人おりますから、その方にどうぞという思い。なかなか事務局は大変だったにもかかわらず、そういう謙虚な方だなということを強く感じておりました。ところが、皆さん御承知の今年の8月9日の長崎平和宣言でも、毎年の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典におきましても、安倍総理の前で堂々と、戦争しないという決意を込めた日本国憲法の平和の理念を永久に堅持してくださいと、世界に向けて力強く述べておられました。
本議会招集の挨拶でもお話しさせていただきましたが、例年であれば、7月から、今治市内各地域で戦没者追悼式が執り行われるところでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、やむなく本年は中止となりました。しかし、戦後75年の節目の年でもあります。追悼の機会がないというのは非常に心残りでありましたから、8月の市政懇談会に合わせまして、副
市長や各部長とともに各地域の忠霊塔、忠魂碑に行きました。忠魂碑では、私、宮窪でびっくりしたんですが、皆さんよく御存じの秋山好古、秋山兄弟の揮毫した忠魂碑がありました。忠魂碑とか慰霊塔とか、なかなかふだん、お目にかかることがなかった、そういった現場に立ち会うことができたのは、私はよかったなと思っております。そして、各支部の遺族会の幹部の皆さん方と追悼の意を共に表する機会があったこと、これも非常によかったと思っております。
とりわけ、先般お話ししました朝倉支部の白石春雄さんというすばらしい支部長ですが、「追想」という小冊子を作って、その中での長谷部御夫妻の胸に迫るようなお話、「我が家の終戦記念日」、これを読み終えたときには本当に熱いものが込み上げてまいりました。一家の大黒柱を戦地へ見送り、深い悲しみに耐え、残された家族を守らなければならない時代を生きていくため、現在では想像もできないほどの幾多の困難を乗り越えられた心境をつづった作品であります。改めて、あの惨禍について考えさせられました。今日の平和、繁栄があるのは、悲惨な戦争による尊い犠牲の上に成り立っていることを決して忘れることなく、悲しみの歴史を二度と繰り返さないよう、恒久平和を守っていくためにはどうしたらいいのか、行政としてしっかり考えていく必要がございます。
このような中、本市では、広報いまばり8月号で終戦75年の特集を企画し、発行いたしました。戦争は、何もかも破壊し尽くす悲劇であります。絶対に繰り返してはならない。このことを後世に語り続けなければならないという強い思いを市民に発信させていただきました。戦争を経験された世代や御遺族の方々が高齢化する中、戦争の悲惨さを風化させることなく、この歴史と経験の記憶を我々の世代がしっかりと引き継ぎ、次の世代を担う子や孫、さらにはひ孫へと、戦争を知らない世代に正しく伝え続けていくことも行政の大切な役割であります。全ての人が平和の尊さ、ありがたさを享受できる社会のために、引き続き平和行政に取り組んでまいりたい、まいらなければならないと考えております。
その他の御質問につきましては関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
5:
◯田坂 敏
教育長 松田澄子議員御質問のコロナ禍における20人学級の実現について及び「核兵器廃絶平和都市宣言」を行っている今治市における平和行政についてのうち、2番目の小中学校での平和教育についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず、コロナ禍における20人学級の実現についての1番目、小中学校の学級編制の現状についてでございます。
国においては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により、小学校第1学年は35人、小学校第2学年から第6学年は40人、中学校は全学年40人を学級編制の標準と定めております。愛媛県では、法律に基づく加配教員の配置に伴う学級編制の弾力化により、国の標準よりも少人数としております。今治市でも愛媛県の標準に基づき、小学校の35人学級を第1学年から第4学年までとしております。
次に、2番目の20人学級に向けた課題についてに関しましてお答えさせていただきます。
20人学級にした場合の教員数についてでございますが、40人学級を20人学級とした場合、学級数や児童生徒数に基づき、法律に定めるところにより算定することになっております。必要な教員数は、現在の2倍とまではなりませんが、相当数の教員が必要になることが見込まれます。人件費の確保、教員免許を有する人材の確保など、課題が想定されます。また、20人学級にした場合の教室数についてですが、各小中学校における必要教室数が増加し、空き教室を活用するだけでは必要な教室数を確保することができないため、校舎の増改築、新築に伴う土地の確保、校舎の建設費等、学校施設の整備に多額の費用を要するといった課題が想定されます。これらの課題が考えられるため、現段階では、40人から20人という大幅な少人数学級編制は難しい状態にあると思われます。
続きまして、「核兵器廃絶平和都市宣言」を行っている今治市における平和行政についてのうち、2番目の小中学校での平和教育についてに関しまして、お答えさせていただきます。
小中学校におきましては、学習指導要領に基づき、国際社会に生きる平和で民主的な国家、社会の形成者を育成することを目標とし、取り組んでいるところでございます。例えば、小学校では、第6学年社会科において、戦争の悲惨さや、広島・長崎への原爆投下と、その被害の大きさなどを学習しております。また、修学旅行や社会見学で被爆地広島市を訪れ、資料館見学や戦争体験者の話を聞く学習を通して、平和の尊さについて考える機会を持っている学校もございます。
また、中学校では、社会科の授業で国家間の戦争や地域紛争の悲惨さを学ぶとともに、国際協調と世界平和の実現に努めることの大切さを学んでいます。さらに、平和学習の講師として、実際に今治空襲を体験された方をお招きし、当時の貴重な体験をお話しいただく学校もございます。
今年度に関しましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定しておりました見学や講師を招いての学習を実施することが難しい状況にあります。しかし、今後とも、未来を担う子供たちが平和で民主的な社会を持続できる国民に育つよう、全教育活動を通して、平和を愛する心を育ててまいりたいと考えております。
以上でございます。
6:
◯堀田順人議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
7:
◯松田澄子議員 議長。
8:
◯堀田順人議長 松田澄子議員。
9:
◯松田澄子議員 要望です。
今すぐに20人学級を要望しても、国や愛媛県が動かない限り、できないことかもしれません。長野県では、2010年から段階的に30人学級に、2013年度までに、全ての小中学校で35人以下の学級編制が実現できています。愛媛県でもぜひ実現できるよう、教員の増員、財政面でも働きかけていただきたいと思います。
8月25日には政府の教育再生実行会議が開かれ、少人数学級を進め、30人未満の学級にしてほしいとの意見が出て、異論や反対意見は出ませんでした。文部科学大臣も、「多くの人が方向性として共有できる課題ではないか。できることから速やかに行っていきたいという意欲は持っている」と述べ、少人数学級を来年度から段階的に進めるため、必要な予算要求を行うと言われています。
子供たちの学びに財政を投入すること、環境を整えることこそ、今治市が新型コロナウイルス感染症対策の最大の子供たちへのプレゼントだと思います。
核兵器廃絶平和都市にふさわしい行政が望まれています。戦争の記憶が薄れていく中で、広報いまばり8月号の終戦75年の特集は、市民の心にも残っていくものと思われます。世代継承で、再び戦争になることにならないよう、市役所などで原爆パネル展など、平和教育を幼いときから行うことが必要だと思っております。
以上のことを要望いたします。
10:
◯堀田順人議長 再質問なしと認めます。
以上で松田澄子議員の質問を終わります。
次に、4番永井隆文議員。
11:
◯永井隆文議員 公明党の永井隆文です。通告に従いまして質問させていただきます。御答弁のほど、どうぞよろしくお願いします。
まず初めに、独り暮らし高齢者の終活支援についてであります。
最近は、テレビや新聞、雑誌などのメディアで、終活という言葉を目にすることが多くなりました。終活とは、人生の最期を迎えるに当たって、いろいろな準備を行うことを意味します。具体的には、葬儀やお墓、遺言書、財産相続、身の回りの整理など様々ですが、人生100年時代と言われる中で、人生の終えんについて考えることにより、今をよりよく生きるための活動というポジティブな捉え方も広がり、高齢世代を中心に、終活される方が増えているようです。もちろん、近年の少子高齢化時代においては、家族や周囲にできる限り迷惑をかけたくないということも大きな要因であろうかと思います。
一方で、独り暮らしの方や身寄りのない方、身内と疎遠になっている方、経済的にゆとりのない高齢者の中には、自身の葬儀や、亡くなった後の後始末に対する不安を抱いている方もいることと思います。私も、そういったことで相談を受けることがあります。今後、独り暮らし高齢者の増加とともに、身寄りのない方も増えるものと考えられ、独り暮らし高齢者の終活は避けられない課題となってきております。
そこで、まず1番目の質問として、本市における高齢者人口、高齢化率、単身高齢者世帯数、そのうち、生活保護を受けていらっしゃる方がどれぐらいおいでになるのか。また、終活等に対する相談の現状について伺います。
2番目の質問として、独り暮らしで身寄りのない方が亡くなられた場合、どのように対応されているのか。生活保護受給者と受給者以外の方、それぞれの対応についてお聞かせください。
誰にでも訪れる死をどのように迎えるのか、特に身寄りのない独り暮らしの高齢者にとっては深刻な問題です。このような問題を背景として、自分が亡くなった後の不安を解消し、安心した生活を送っていただくための終活支援を行っている自治体があります。その先駆けとなったのが、神奈川県横須賀市のエンディングプラン・サポート事業であり、大和市では、おひとり様などの終活支援事業、綾瀬市の葬儀生前契約支援事業など、ほかにも幾つかの自治体が終活支援のサポートに取り組んでおります。これらの支援事業の主な流れは、葬儀の生前契約を希望する高齢者から、自身が亡くなった後の葬儀などの希望を事前に市が相談を受け、その後、希望者が市内の協力葬儀社との間で生前契約を結び、亡くなった後の葬儀などを任せるというものであります。希望者は、葬儀社に対して、葬儀・納骨代として、契約時に葬祭扶助と同額の費用を支払うというものであります。
このように、この事業は、市が補助金を支払うというものではなく、葬祭事業者に協力をいただく官民連携の事業であります。これらの終活支援事業は、それぞれの立場でメリットがあります。
まず、生前契約を登録された方にとっては、独り暮らしで身寄りがなく、経済的にゆとりがなくても、自分自身の葬儀の意思を実現でき、何より、自分の死後について安心が得られます。また、自治体にとっては、孤独死を減らすことができ、なおかつ仕組みがシンプルなため、ほとんど経費もかかりません。葬祭事業者にとっては、市と登録者の情報を共有することで病院からの連絡がスムーズにでき、生前契約どおりに葬祭を実施できます。また、自治体と連携することで、事業者の信頼度が上がることが期待できるなどのメリットが考えられます。
本市においても、市民の皆様が安心して人生の最期を迎えられるように、終活支援をサポートする仕組みづくりが必要ではないかと考えますが、3番目の質問として、終活支援に対する本市の見解を伺います。
次に、行動経済学を生かした「ナッジ」について質問させていただきます。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、ナッジとは、そっと後押しするとの意味であります。人間の行動は必ずしも合理的ではなく、直感や無意識に左右される部分が少なくない。こうした人の行動や心理を分析する行動経済学を実社会で活用するための1つの方向性として示されたのがナッジ理論であります。行動経済学では、個人の
選択の自由を残しつつ、ちょっとした伝え方の工夫などにより、人々に賢い
選択を促す手法として定義されています。
このナッジの概念は、提唱したアメリカの行動経済学者、リチャード・セイラー教授が2017年にノーベル経済学賞を受賞したことで広く知られるようになり、手間や費用を抑えながら高い効果を上げられる手法として、欧米を中心に、公共政策への応用が進んでおります。国内の自治体でも、人々をよりよい行動へと自発的に促すこの仕組みが採用され始めております。
具体的な例を挙げたほうが分かりやすいと思いますので、幾つか紹介させていただきますと、東京都八王子市では、大腸がん検診の受診率改善のため、人は、得る喜びよりも失う
痛みの回避を優先するというナッジの理論を活用し、その試みとして、AとBの2つのグループのうち、Aには、「検診を受ければ来年も検査キットを送ります」、Bには、「受診しないと来年は検査キットを送ることができません」との趣旨のメッセージを送り、受診率を比較しました。その結果、Bの受診率がAよりも7ポイント以上もアップしたということであります。
また、広島県では、ナッジを防災に応用しております。災害で避難勧告などが出されても、実際に避難する人は少ないのが悩みの種であります。これまで、災害時に避難した人は、周りの人が避難したからという人がほとんどであったことから、知事のコメントに、「あなたが避難することがみんなの命を救うことにつながります」との言葉を入れることで、自分の行動が他人の行動に対して影響を与えることを強調することが効果的であることが判明したそうであります。
ほかにも、京都府宇治市では、人は矢印が目に入ると自然と追いかけてしまうという習性を活用し、イエローテープ作戦として、市庁舎の入口に設置した消毒液に気がついてもらえるよう、床面に黄色い矢印型のテープを貼りつけました。テープを貼ってから、消毒に協力してもらえる人が増加したということであります。
このような形で、ナッジは、新型コロナウイルス感染防止への活用をはじめ、健康増進や災害時の避難行動、避難所運営、省エネ行動の促進、環境美化など、様々な場面で活用できるものであります。国においても、2017年に、省庁や自治体、産業界などで作る日本版ナッジ・ユニットを発足させ、ナッジの活用事例を紹介するなどナッジの普及に努めております。
本市においても、ナッジを活用した取組を進めていくことが、行政運営の効率化、市民サービスへの向上にもつながっていくと思いますが、質問として、この「ナッジ」を活用した行政運営について、本市の御所見を伺います。
12:
◯堀田順人議長 答弁を求めます。
13:
◯菅 良二
市長 永井議員御質問の独り暮らし高齢者の終活支援についてのうち、3番目、終活支援に対する本市の考えについてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
かつての日本は、多くの世帯が3世代で同居し、高齢の親の面倒を家族みんなで見ることは特別なことではありませんでした。しかし、核家族化や少子化が進み、子供がいない夫婦や未婚者も増え、また地域社会との結びつきも少なくなりつつある今の時代には、子供には大きな負担はかけられない、周りにも迷惑をかけたくない、そのような状況の中、いわゆる終活といったものが広がりつつあります。
元気な間に身の回りの整理を行い、後の者が困らないよう、人に頼らない人生を
選択する、こうした考えは大切であると思っております。その言葉のとおり、終活は、人生の終わりについて考える活動であり、最後まで自分らしい人生を送るための準備です。将来、認知症等により意思を伝えられなくなるのではないかという不安を解消するだけでなく、改めて自分を見詰め直し、やり残したことをやり遂げるよい機会となり、その後の人生をよりよく自分らしく生きるために、大変有意義な活動であります。しかし、実際には、何から取りかかればよいのか、どこに相談すればよいのか分からないという方も少なくないと思います。
本市におきましては、高齢者が集う様々な機会を捉え、終活の啓発活動を実施しております。誰もが自分らしい生き方ができるように、これからの人生をより充実したものにするために、今後も機会あるごとに終活の大切さを周知してまいりたいと考えております。
今、市政懇談会をしております。その中で、先般もありましたように、空き家対策がどうなっているのかというのが、各地域から上がっております。これは、旧今治市内もさりながら、それぞれの地域にあります。空き家ならまだいい、荒れ家、我が今治市にも、もう本当に荒れてしまった家が随分ある。そして、昨日のような台風が来たときに、これが近所に大変な迷惑。
御承知のように、2年前の大阪府での台風では屋根が吹き飛んだ。ガラスが割れて、下から持ち上がって屋根が飛んだ。空き家の様々な家にあるもの、また木々の端くれ、これがガラスを割りましたら、近所の家が吹っ飛んでしまう、こういうことも起こり得る。ですから、行政としても放っておけない。
例えば、この間も今治市内で旅館が。旅館の跡地ですから、壊すだけで、きれいに整理するためには1,000万円以上。ところが、その相続を皆放棄する。どうすればいいんだと。申し上げたいのは、生きている間に、その始末をちゃんとして冥途に旅立つべきだと思います。終活とは、いろいろな意味があります。
まだいろいろなことがあります。今、地方銀行が苦境に陥っている最大の要因は、残された預金を全て都会に住む息子や娘が持って帰って、あちらに資金が移動してしまうということも聞いております。その前に、長いこと住んでいる今治市に、何をどうしなければならないかを、やはり70歳を超えますと、考えていく必要があるなということを私自身も痛感しております。終活の大切さといったことを改めて御指摘いただきました永井議員に敬意を表します。
その他の御質問につきましては関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
14:
◯石丸 司健康福祉部長 永井議員御質問の独り暮らし高齢者の終活支援についてのうち、1番目及び2番目について、私からお答えさせていただきます。
まず、1番目の本市における独り暮らし高齢者と終活支援の現状についてでございます。
令和2年3月末時点での本市の高齢者人口5万4,911人で、高齢化率は34.83%でございます。それから、在宅の独り暮らし高齢者数でございますが、8,600人余りでございます。このうち、生活保護を受給している方は800人余りとなってございます。また、相談の現状といたしましては、地域包括支援センターを中心に、終活を含めた様々な相談を受けており、今治市といたしましては、認知症に関する市民講座、今治ことぶき大学、老人クラブ大会など、高齢者が集う様々な機会を捉え、エンディングノートの活用など、終活の啓発活動に努めているところでございます。
次に、2番目の独り暮らし高齢者で身寄りがない方が亡くなった場合の対応についてでございます。
まず、生活保護受給者で親族がいない方や、親族がいても経済的理由などにより葬儀を行うことができない方、これは生活保護制度の葬祭扶助にて対応いたします。生活保護受給者以外の方につきましては、今治市が把握している緊急連絡先に対応をお願いいたしますが、連絡がつかなければ、改めて親族調査を行うこととしてございます。その結果、葬儀を行う親族がいない方、それから親族がいても経済的理由などにより葬儀を行うことができない方、こういった方につきましては、今治市で対応することといたしております。
以上でございます。
15:
◯越智 透企画財政部長 永井議員御質問の行動経済学を生かした「ナッジ」についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
議員御
発言のとおり、ナッジとは、そっと後押しするという意味の行動経済学の理論の一つで、情報発信や
選択肢の提示の方法を工夫することで、人々が自発的によりよい
選択をするよう促すことができるというものでございます。国や自治体などにおいても、近年、この考え方に基づいた取組が広がりつつあります。
その一例としまして、厚生労働省から、ナッジ理論を用いて、がん検診の受診率向上につなげた自治体の取組事例が紹介されております。議員から御紹介のありました八王子市の取組なども掲載されておりますが、単に受診を呼びかけるだけでなく、受診に行かない方に対し、行動に至るきっかけを提供する効果的な取組であると認識しております。
また、本市におきましても、この手法は、市民自らの意思で公共の利益につながる
選択をし、より効果的な行動変容を促すことができる有効な戦略であると捉えており、既に、特定健診の受診率向上のため、過去の受診履歴などをAI解析し、個別の勧奨通知を作成する業務などに活用しているところでございます。
今後、他団体の取組事例の研究や研修を通じ、職員の意識の変革にもつなげ、さらに、実際に市の業務の中で生かしていくことで行政サービスの充実向上を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
16:
◯堀田順人議長 以上で答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
17:
◯永井隆文議員 議長。
18:
◯堀田順人議長 永井隆文議員。
19:
◯永井隆文議員 独り暮らし高齢者の終活支援についての2番目、独り暮らし高齢者で身寄りがない方が亡くなった場合の対応について、生活保護受給者以外の方で親族がいない場合や、親族がいても経済的に葬儀を行えない場合は、今治市で手続等の対応をするとのことでありますが、こういった方がこれまで何人ぐらいおいでになったのか再質問させていただきます。
20:
◯石丸 司健康福祉部長 お答えいたします。
生活保護受給者以外で、独り暮らし高齢者の葬儀等を親族に代わって執り行ったのは、平成29年度、5人、平成30年度、5人、令和元年度は2人でございました。
以上でございます。
21:
◯堀田順人議長 再質問はありませんか。
22:
◯永井隆文議員 議長。
23:
◯堀田順人議長 永井隆文議員。
24:
◯永井隆文議員 独り暮らし高齢者の増加が予想される中で、身寄りのない方も増えてまいります。自分自身の人生の最期は自分で決めておきたい、そう願う方々が気軽に相談できる体制、環境づくりの必要性は、これからますます高まってくると思います。どうかこれからも、終活支援に対する積極的な取組を要望いたします。
それから、行動経済学を生かしたナッジにつきましては、本市においても、特定健診の受診率向上のために活用されているようでありますけれども、今後とも研究、検証していただいて、あらゆる場面で、ナッジの活用による行政運営の効率化、また市民へのサービス向上につなげていただくことを要望いたしまして質問を終わります。
25:
◯堀田順人議長 再質問なしと認めます。
以上で永井隆文議員の質問を終わります。
明日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前10時54分 散 会